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シナリオ詳細

寒風を禍つ者

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●寒風を禍つ者
 鉄帝国東北部のヴィーザル地方。
 その一角には山々が高く連なり、寒風の吹きすさぶ地域がある。
 その様な厳しい土地だから、ヒトは住んでは居ない……と今迄は思われていた。
 だが……そんな地域に住まう人々はおり、更には戦に対する意気込みが強い者達がいたのが事実。
 高地戦闘部族『ハイエスタ』。
 人間種や鉄騎種の者達が多く、血気盛んで、屈強な待機の者達が多い。
 そして、彼らは。
『さぁ! 今日も略奪、始めようかぁ!』
 と、まるで鬱憤を晴らすが如く、略奪を楽しむ。
 ……そんな彼らのような『ハイエスタ』の少数部族の他、『ノルダイン』と『シルヴァンス』という、三つの血気盛んな少数部族達が最近手を取り合い、国家を名乗り鉄帝国に牙を剥こうとする。
 その名は『連合王国ノーザン・キングス』。
 そして、ノーザン・キングスを構成する一つの部族こそが、略奪を至高の楽しみとしている『ハイエスタ』の部族『グラディアス』。
 高地を駆け下り、鉄帝国に属する街を、巨躯と同じ程度の両手剣を全力で振り回し、抵抗する村人を無惨に斬り伏せていくのであった。


「よう、ノーザン・キングスってのは知ってるよな?」
 と『黒猫の』ショウ(p3n000005)は、単刀直入に問いかける。
 その名を聞いたことがある、と頷く者に。
「ま、そりゃもう知ってる奴も多いよな。知らんのも居るみたいだから簡単に説明するが、鉄帝国に抗う少数部族の連合王国が『連合王国ノーザン・キングス』って訳だ」
「まぁ国と名乗ってはいるものの、その実体は戦闘部族の寄せ集め、ってな感じで、あんまり国の体裁は為していない様だがな……」
「とは言えノーザン・キングスの者達は鉄帝国に最近ちょっかいを出し始めてる。これを放置しておけば国防上の問題になるし、逆に併合したとしても負担が増えるばかりでな……正直厄介者の存在この上ないんだとさ」
「それに加え、鉄帝国のお偉方はこの地域で起きる戦闘を『演習』程度にしか見ていない。それよりも幻想やら天義とかに興味が向いて要るんだ」
「だからこのノーザン・キングスの近くを治める領主にとっては上に言っても対処してくれないし、対処しなきゃ領民が困るという板挟みに遭ってるって訳だ。そこで、イレギュラーズ達に依頼が来た、って訳なのさ」
「今回退治してきて欲しいのは、高地部族『ハイエスタ』の一部属『グラディアス』という奴らだ。こいつらは山を下る勢いを活かし、村や町に奇襲を仕掛け、逃げる暇も無く住民虐殺を楽しんで居るって寸法なんだとさ」
「既に幾つもの村町が壊滅し、領主は頭を抱えている。そして領主が考えたのは、一番大きな街を残し、それ以外の村から住民を避難させるって事にしたらしい」
「まぁそうなれば、当然『グラディアス』の奴らも街を襲うだろうしな……そこを迎撃してきて欲しいって訳さ」
 そしてショウは。
「街の人達にとっても、領主にとっても頭の痛い話しだぜ……とにかく、宜しく頼むぜ」
 と、手をひらひらと振るい、送り出すのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 今回の依頼は、鉄帝国にて『連合王国ノーザン・キングス』の『ハイエスタ』部隊を退治する依頼となります。

 ●成功条件
   最低条件は街を守ることです。
   なので、敵である『ハイエスタ』の『グラディアス』達を迎撃する事が必須ですが、その命を奪う事までは要求されていません。
   ただ、今後の事を考えれば、グラディアス達を全滅させる事が良いでしょう。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はAです。
  想定外の事態は絶対に起こりません。

 ●周りの状況
  敵は山地の方から怒濤の如くの勢いで、一気に仕掛けてきます。
  時刻は夕刻、夕陽の落ちる頃を好んで居る様で……どうやら夕陽に紛れて襲撃を仕掛ける事が、自分達の美学だと思っている様です。
  町の人達は領主により集められているので、逃す事は出来ませんので、町の人達を守る事も重要なファクターとなります。

 ●討伐目標
  敵は『ハイエスタ』の『グラディアス』部族。
  人数30人程で、人間種と鉄騎種が半々位です。
  攻撃手段は、その身体と同じ位の両手剣『クレイモア』を全力で振り回すのみで、攻撃力がかなり高い状態です。
  戦闘スキルで言うと、以下の通りになりますので参考にして下さい。
   ・クレイモアの斬撃(物・至・単、流血BS)
   ・クレイモアの薙ぎ払い(物・近・域・体勢不利BS)
 ちなみに、相互連携が出来る位の頭は持ってます。
  
 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • 寒風を禍つ者完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年10月31日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

杠・修也(p3p000378)
壁を超えよ
オリーブ・ローレル(p3p004352)
鋼鉄の冒険者
エッダ・フロールリジ(p3p006270)
フロイライン・ファウスト
マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫
リック・ウィッド(p3p007033)
ウォーシャーク
ルリ・メイフィールド(p3p007928)
特異運命座標
Albert・McKane(p3p008652)
無法者
白夜 希(p3p009099)
死生の魔女

リプレイ

●山の風
 鉄帝国東北部、ヴィーザル地方。
 その一角、周囲には高い山々が連なり、そこから吹き下ろす風は極寒。
 人々は、そんな山颪の風に身を震わせながら、その地で生きる。
 そう、彼等はそこに住む事で、どんなに辛い生活であろうとも、生まれ育った地故に愛着が沸き、そこに一生身を埋めるが如く奮闘しているのだ。
 しかし……そんな生活を脅かそうとする者達が、最近この辺りで暴れ廻っているという。
 連合王国『ノーザン・キングス』と、それに与する三つの少数部族。
 その一つ、高地戦闘部族『ハイエスタ』の一部族である『グラディアス』達は、そんな厳しい土地に棲まう人々を嘲笑うかの様に次々と殺戮し、奪い、彼らの生活の糧を根こそぎ狩り取って行ってしまう。
「本当に……最低な事を。奴ら、どうも悪意も無くしでかしている様だしな」
 眼鏡をくいっ、と引き上げながら、『壁を超えよ』杠・修也(p3p000378)が溜息を吐く。
 そして、『鋼鉄の冒険者』オリーブ・ローレル(p3p004352)は。
「そうですね。無辜の民を理不尽に虐げ、更なる暴虐をもたらそうとしている。この事実だけで充分です。暴虐なるノーザン・キングス、死すべし」
 と、一際強い怒りを零していた。
 勿論オリーブは、この国出身であるからこそ、この様な事をしている彼等が許せない……と言う心理的な面もある。
 だが修也も、戦う力の無い一般人達を手に掛ける、という事に悪びれることも無い彼等に対し、強い怒りを覚えていた。
 そんな仲間達の怒りを聞いて、『特異運命座標』ルリ・メイフィールド(p3p007928)は。
「まぁ、確かに二人の怒りも尤もなのです。生活するのならば、自分達の食い扶持は自分達で稼ぐぐらい出来なくてどうしやがるのですか。人から奪うだけではいけないのですよ」
 うんうんと頷きながら、理を説く。
 勿論その言葉を聞いて、彼等に少しでも良心があるなら、改心してくれる芽はあるかもしれない。
 だが、今迄にも幾つもの村を殺戮して回ってきた彼等には、恐らく……改善の芽は芽吹くことは無いだろう。
 そして、『白い死神』白夜 希(p3p009099)と、『白虎護』マリア・レイシス(p3p006685)の二人も。
「ええ……だからこの場から絶対に逃しはしません。確実に仕留めなければなりませんね」
「街の方に犠牲者は出さず、街を守る。そしてハイエスタの者達を捕縛し、鉄帝国に引き渡しましょう」
 と、各々が気合いを籠める。
 そして、『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ(p3p006270)が優雅な所作で。
「さてさて、それでは張り切ってお仕事致しましょうか。本国が見捨てるようなこういう戦争こそ、フロールリジの本懐であります故」
 メイ……いや、鉄帝の騎士として、徹甲拳を突き合わせるエッジ。
 そして『ウォーシャーク』リック・ウィッド(p3p007033)と、『無法者』Albert・McKane(p3p008652)も。
「大規模戦闘だな! このくらいの戦力比率で戦う状況は今迄あんんまりなかったけど、責任重大だからな! がんばるぜー!」
「そうだな。たまには剣振り回すだけの野蛮人と戦争するのも悪かねえさ。楽しもうぜ」
 と、各々、一層の気合いを入れていく。。
 そして、イレギュラーズ達は『グラディアス』達よりも先に辿り着かなければ意味が無い、との事から、ショウに指定された街へと急行するのであった。

●山颪の風と共に
 そして街へと辿り着いたイレギュラーズ。
 街の人々は……どこか不安気で、半ば自暴自棄になっている。
 それもその筈……今回この街にいるのは、この地域の領主によって囮になれ、という指示が与えられたからこそ。
 勿論領主としても、本当はその様な手段を取りたくは無かったのだが……様々な街に点在させておき、それぞれが被害を受けるよりは一つの街に集める事で、街のみに被害を抑えよう……という訳である。
 勿論、出来うる限り被害を抑えたいからこそ、イレギュラーズ達へ依頼が舞い込んだという訳なのだが……街の人からすれば、大手を振って歓迎できる、という状況にも無い。
「皆様、申し訳ありません……自分達が来たからには、領主もこの街を守りたいという気持ちはあるのであります。全力を尽くして皆様の街を『グラディアス』達よりお守りします」
 とエッダは街の長に向けて、協力依頼。
 勿論、町長からすれば、街を守って欲しいというのは当然の願い。
 そして町長の許可を取り付けた後、街の人達を集めて貰う。
 その間に、修也とマリアの二人は、鳥のファミリアーを召喚し、上空から敵の接近を警戒させる事で、何時敵が来ても良い様に注意する。
 そして街の人達は集められ、その壇上より。
「皆も知っての通り、この街に『ハイエスタ』が一部族『グラディアス』達が襲い掛かろうとしております。私達は領主より依頼を受け、この街を守るために参りました者です」
「出来うる限り街に被害が無い様対抗するが、敵の数がいかんせん多い故に取りこぼす可能性がある。時間稼ぎと、街中を逃げ回る準備は整えておいて欲しい」
「そうであります。後はこの後、ハイエスタに対抗する為に皆様のお力を貸して頂きたいであります。私達の指示に従い、出来る限り早急に街の周囲にバリケードを設置し、敵の侵入路を狭めておきたいのであります」
「そうね……今後、自分達で街を守るのに役立つかもしれないし……ね?」
 オリーブ、Albert、エッダらが村人達に呼びかけ、村人達に覚悟を決めて貰うと共に、出来うる限りの協力を依頼。
 普通の村人であれば恐怖に戦き、そんな事出来ない……と言うかもしれない。
 でも、その辺りは鉄帝国に属する一市民。
 この様な厳しい環境で生まれ育ったからこそ、その辺りの覚悟は持って居た様で。
『……分かった。俺達の街を守るために、出来る限りで力を貸す……!!』
『ああ、俺もだ。ただ黙って殺されてたまるかってんだ!!』
 と、手を上げる者達が多数。
 そしてマリアと希が、陣地構築のスキルを元にして、指示を出す。
 先ずは街の周りにマリアが塹壕を軽く掘りつつ、柵を張り巡らせて街に侵入されにくい状況を作る。
 更に希の方からは、鉄条網と落とし穴の二重罠の作成を提案。
 鉄条網を、先程の柵の一回り内側に二重、三重に張り巡らせる。
 ただ、その鉄条網は敢えてあっさり目に張り巡らせる事で、乗り越える事はそんなに難しく無さそう、と思わせる。
 しかし、その前後の位置に、膝くらいが埋まる程度の穴を掘り、そこを布と石と土で隠す。
 ただ土が硬いところがあったりしたので、そういった所にはリックが政令操作で土を軟らかくして貰って掘りやすくするなどの手伝い。
『でも……本当にこれで、大丈夫なんですかねぇ……?』
 ちょっと心配そうに小首を傾げる街の人。
 その疑問に答えるように希は。
「飛び越えてようとして……抜けたところで、越える間に二回転倒するの。罠の効果としてはそんなに高く無いかもしれない……でも、精神的に削れる作戦……」
 そんな希望の言葉に、目を丸くする。
 ……ともあれ、イレギュラーズ達の指示に従い、確実に罠を設置していく村の人達。
 特に力が必要になる様な所は、オリーブや、華奢な体ながらルリが力持ちで手伝う事で資材運搬を行い手伝う。
 そして、一通り対処を完了する頃には、周りが夕闇へ包まれる。
 街の人達には、先の通り、それぞれ家へ入って貰うと共に、決して外に出ない様厳命。
 街の外には人気は無くなり、待ち構えるはイレギュラーズのみ。
「……」
 そして、静かにパンドラタロットを手にした希。
 そっと引いた手に握られていたのは、塔のカード。
「塔のカード。今夜、来るな……方角は……山地の方角。時間……夕刻」
 と希の言葉に頷き、鳥のファミリアを飛ばす修也とマリアは、その方角にファミリアを飛ばす。
 ……すると。
「ん……?」
 修也が目を細める。
「……どうした?」
 とAlbertが問い掛けると、修也は。
「ああ……タロットの通りだ。奴ら、こっちに向けて山を威勢良く下ってきてる」
「そうか……分かった。準備はもう皆も良いか?」
「ああ、準備OKだ」
 Albertにマリアが頷き、そしてイレギュラーズ達は敵が街へ来る様、敢えてバリケードの構築が』間に合っていないという風に装い、その辺りで待機。
『ん……? おい、何だかあそこにみんな居るぜぇ?』
『おお、その様だなぁ。んじゃ、さっさと奴らの食いもんと命を奪ってやろうかぁ!!』
 と、イレギュラーズ達を一般市民と勘違いしつつ、山から下りた勢いそのまま、町に向けて駆け下りてくる。
 ……そんな『グラディアス』達の来襲に対し、オリーブが顔を向け、そして一歩前へ。
 そしてマリア、修也のファミリアーが空から確認……大きく外から回ってくる様な敵が居ない事を確認すると共に、周りの仲間達へ共有。
「取りあえず頭が回る様なのは居ないという事ですね、了解なのです」
 とルリは頷き、味方の後方へ配置。
「……一人として逃すつもりはありません。万一降伏されても受付けません。残念ながら、殺し奪い過ぎました。生存を望むには遅すぎです」
 とオリーブが言い放つと。
 その言葉にはぁ? とした顔をしながら。
『なぁにふざけた事言ってるんだぁ? 戦う力もねぇ一般人めが!!』
『まぁその減らず口、ボッコボコにしてやらぁ!!』
 と嘲笑いながら、怒濤の如く襲い掛かる。
 ……勿論、罠の無い所からも仕掛ける者も多数。
 柵とバリケードを走り幅跳びが如く飛び越え、横からの攻撃……をしようとするも、膝くらいがズボッと埋まり、そのまま転倒する者多数。
 倒れた者の後ろから、更に何重もの敵が来るが、転んだ仲間を避けきれずに、積み重なっていく。
『小賢しい罠なんてかけやがって!!』
 と苛立つ敵。
 そんな奴らにマリアとエッダが頷き合う。
「エッダ君! さぁ! 行こうか! ここは一歩も通さない!」
「ええ」
 そして、転ばなかった敵陣に対し。
「貴様ら、望んでそうなったのだろう? 血に塗れてでも、己らを守ろうと。大好きな戦いの中で果てようと。私は、貴様らのようなのは嫌いでは無い。望みを叶えてやろう」
「そうだ。覚悟してかかってくるといい!」
 と威圧するように宣言。
 流石にその言葉に、一般人じゃないと認識。
『ちっ……流石に領主に感づかれて傭兵を差し向けたって訳か』
『しゃあねえ。まぁ全滅させりゃー良いって事よ!』
 一般人でなくとも、自分達の方が強いという自負。
 彼等は勢いに乗って、クレイモアの大剣を全力で振り回していく。
 しかし、そんな攻撃をエッダとマリア、オリーブが確固たる意思で構え、受ける。
 ただ、敵の攻撃を牽制する様、後列よりAlbertが。
「本当、どこに行ってもこういう手合いは居なくならねえんだな。飽き飽きするぜ」
 と吐き捨てながら『ハニーコムガトリング』で後方から敵列に向けて掃射。
 硝煙の後、Albertは自分に向けて。
(「まぁ、俺も他人に偉そうに言えたクチじゃねえけどな」)
 と自嘲する。
 ともあれ、その射撃に数匹、攻撃回避の為後方に下がるが、敵の数がいかんせん多く、ダメージを喰らう。
 勿論かなりのダメージにはなるが、リックが前衛から一歩離れたところまで前に出ると共に、赤の熱狂で命中と回避をブーストする。
 そしてブーストを受けつつ、オリーブが先ずは尖端を切る。
 攻撃集中を発動した上でH・ブランディッシュにて攻撃。
『うぉっ……!?』
 鋭い剣の一閃に目を見開く敵陣。
 更に希が、まだ敵が密集しているこのタイミングを狙って悪性シンドロームを発動。
 決まった相手の額を割り、流血させる一撃と共に、苦鳴を与える。
 続くマリアが、電磁加速拳・裂華で敵のAPを削り、敵の大技発動を制限。
 更に修也、エッダの二人も。
「お前達のような「虐殺」を楽しむ屑の美学に突き合ってやる気は無い」
「そうであります。ああ、自分を通り抜けて行くものは逃げたと見做すでありますよ。それは即ちノーザンキングスの負け、是手照るの勝ち。やーい、ザーコザーコ!!」
 少々エッダの挑発の言葉は子供じみてるのだが、修也の魔砲に、エッダのメイドじゃねー、による怒り付与は確実に敵の動きを制限していく。
 そして、仲間達の行動が一通り終わった後に、最後に動くはルリ。
「それじゃー、一網打尽にしてやるのです」
 とチェインライトニングで感電させる事で、抵抗力を大幅に減少させる。
 次の刻、敵の動きに対し、オリーブが仲間達の前に立つ事で、ダメージを肩代わりしつつも、攻撃の手は決して緩めない。
 そんな彼にリックとルリの二人体制で、ハイ・ヒールの回復を重ね掛けし、戦線を維持。
 そして、敵の攻撃を乗り切った後、オリーブは敵に近接しリーガルブレイドで攻撃。
 更に続けて希がスマッシャーで、罠に倒れて折り重なっている無様な敵達へ泥沼と麻痺、猛毒が付与された攻撃を掛けて、逃れられない様にする。
 また、それだけではなく、Albertの『ハニーコムガトリング』が、更に一網打尽に討ち仕留める。
 それら攻撃に流石に耐えきれずに、死にゆく『グラディアス』の者達に。
『チッ……役立たずが!』
 舌打ちと共に、仲間達を切り捨てる。
 そんな彼等の憐れな罵り合いを聞いて。
「本当、戦闘部族と言えどもその志は低い訳か?」
「自分達が不利な状況に陥るだなんて、万が一にも思ってなかったんだろうね……ま、後は粛々と倒していくだけだよ」
 修也にエッダが肩を竦め、頷く。
 そして、転んだ敵を纏めて倒し、残る敵のダメージを着実に積み重ねていくイレギュラーズ。
 彼等が攻め入るも、その勢いを削いだ戦い方で、30人居た筈の敵も、残り数体。
 勿論脇を突いて突き抜けようと言う者もいタガ……もれなくオリーブの攻撃の餌食となって、倒れていく。
 そして……最後の一体。
『っ……』
 明らかに目が泳ぎ、この状況が信じられないといが如く。
 そんな敵 に、オリーブが。
「最初に言った通りです。逃さない、許さない……貴女達は、ここで終わりです」
 との宣言の下……至近戦の一撃。
 その一撃に、最後の一体も、もろく崩れ去るのであった。

●山嵐
 そして……襲撃よりどうにか守り尽くしたイレギュラーズ達。
「無事に終わりましか……取りあえず一安心でしょうか」
 とオリーブが一息つくと、それにリックとAlbertが。
「そうだね……正直そんなに頭が回る奴じゃなくて、取りあえず良かったかな?」
「ああ、そうだな」
 と笑い合う。
 ……そして、倒れ骸となった『グラディアス』達を取りあえず埋葬し、街の周囲に設置しておいた罠の回収へ。
「結構街の方達が力を貸してくれましたしね。片付けくらいは自分達の手で片付けたいところですが……大変そうです」
 とオリーブの言葉にリックも。
「そうだね……まぁ、頑張らないと」
 と頷く。
 そしてイレギュラーズ達は手分けし、街の周りの罠を全て解除しつつ、回収。
 一通り回収しつつ、街の人達へ無事に終わった事を告げる。
 それに街の人達は皆、感謝感激し……とても嬉しそうな表情を浮かべる。
 そんな街の人達の声を聞くと……疲れも吹き飛んだような気がする。
 一通り片付けた後、マリアは街の傍らで。
「せめて死後は安らかに……」
 と、倒したハイエスタの人々を、一人で静かに弔うのであった。

成否

成功

MVP

オリーブ・ローレル(p3p004352)
鋼鉄の冒険者

状態異常

なし

あとがき

ノーザン・キングス『ハイエスタ』戦に参加頂きました皆様、ありがとうございました!
今回は、鉄帝国の市民としての覚悟を呼び起こすプレイングを受けました。
確かに厳しい環境に住み、その住家を守らんとする街人達の強さはあるでしょう。
その強さを少し感じて頂けて貰えたら嬉しいです!

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