PandoraPartyProject

シナリオ詳細

再現性東京2010:安らぎを引き摺る手

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●再現性東京2010:安らぎを引き摺る手
 練達が一区画、『再現性東京』に賊する『希望ヶ浜』地域。
 街中に、街の人々の憩いの場である公園があり、そこに結構な大きさを誇る池がある。
 時間は夕方、ただ公園には何故か、殆ど人気が無い。
「ここ、何だか怖いよねー」
「うん、そうだねー」
 人気のなさに、小学生位の男の子子達がちょっと怖そうにしながらも、何処か面白いのが無いかなぁ……って感じに会話。
 そして、それを確認する様に池を見下ろすと……コポ、コポっ、と池の中から水泡が立つ。
「……あれっ? ねえ、何、何? 何かあるよ!?」
 それに気付いた小学生の少年が興奮し、指を指す。
 ……と、その時。
『……フフ』
 不意に聞こえてきたのは、女性の声。
「ねえ、何か声聞こえなかった?」
 と別の少年の言葉。
 しかし、次の瞬間……水中から伸びてきた、手。
 その手は畔を歩いていた少年の足をしっかりと掴む。
「わぁっ……!?」
 不意を突かれる形になり、転倒。
 更にはそのまま足を池の中にずりずりと引き摺り込もうと。
 ……そんな目の前の光景に、足を掴まれなかった少年達は。
「うわぁあああ……!!」
 恐怖に戦き、彼を置いてその場を逃げていった。


「怪談話って面白いよねー。という訳で、なじみの話を聞きたい人ー、この指とーまれっ♪」
 と、綾敷・なじみはカフェ・ローレットに出入りしている、希望ヶ浜学園のイレギュラーズ達に呼びかける。
 そして、呼びかけに応じてくれた皆にくすっ、と笑いながら。
「希望ヶ浜の東の方に、大きな池を持った公園があるんだけどね、そこでちょっと怪談を装い、人々を被害に陥れる『悪性怪異:夜妖<ヨル>』が出現している様なんだよー」
「この夜妖だけど、子供を水の中に引き釣り混んで食べちゃう、って言う怪談をトレースしているみたいなんだ。そしてその怪談と同じ状況が、今起きようとしているんだ」
「小さい子供が池を覗き込むとかで、自分に注意を向けてくれた所を狙って池の中から手だけを出して足を掴み、そのまま水中へと引き釣り混んでしまう事をこの夜妖はしている様なんだ。このままじゃ、子供達に被害が出るし、それを見てた子達も大きなトラウマを負っちゃうよ」
「という訳で……イレギュラーズの皆さんには、この子供達の囮役、もしくは引き釣り混まれようとした瞬間に、割り込み、少年を助けて欲しいんだ!」
「夜妖達は引きずり込めないと分かると、池の中から次々と姿を現わして、力尽くで池の中に引きずり込もうとするみたい。そうしたら皆の力で、しっかりと全部の夜妖を倒してきて欲しい、って訳なんだよー!」
 そしてなじみは最後に。
「夜妖達のやってる事って、子供浚いと同じだよねー。そんなのさせる訳には行かないよねー! という訳で、みんな宜しく頼むんだよー!」
 と、拳を振り上げるのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 今回の依頼ですが、練達『再現性東京』の、希望ヶ浜にある公園での依頼です。
 
 ●再現性東京2010街『希望ヶ浜』
  練達には、再現性東京(アデプト・トーキョー)と呼ばれる地区がある。
  主に地球、日本地域出身の旅人や、彼らに興味を抱く者たちが作り上げた、練達内に存在する、日本の都市、『東京』を模した特殊地区。
  ここは『希望ヶ浜』。東京西部の小さな都市を模した地域だ。
  希望ヶ浜の人々は世界の在り方を受け入れていない。目を瞑り耳を塞ぎ、かつての世界を再現したつもりで生きている。
  練達はここに国内を脅かすモンスター(悪性怪異と呼ばれています)を討伐するための人材を育成する機関『希望ヶ浜学園』を設立した。
  そこでローレットのイレギュラーズが、モンスター退治の専門家として招かれたのである。
  それも『学園の生徒や職員』という形で……。

 ●成功条件
   少年達(小学生3人グループ)への被害を未然に防ぐ事、
   そして池の中へと引き摺り込もうとする夜妖を全て退治する事です。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
   悪性怪異:夜妖<ヨル>は、池の中におり、平時は姿を隠している為見つける事は出来ません。
   ただ、小さい子(小学生程度)の子が近くを通ったときに、呼吸の如く泡沫を池に出し、注意を引いて畔に足を踏み入れた瞬間、池の中から手を伸ばして引き摺り込もうとします。
   尚、参加者の中に、小学生位に見える方がいれば囮になる事も可能でしょうが、少年達に被害が及ばないとは限りませんので、ご注意下さい。

 ●討伐目標
  敵は悪性怪異:夜妖<ヨル>が10匹です。
  姿形は人型ですが、顔や目のパーツはドロドロに溶けており、『人っぽいもの』というのが正しいかもしれません。
  敵の攻撃については、基本的に連携行動を行い、
   ・一体が足元に手を伸ばし、がっちりと掴んで、池に向けて引き摺り込もうとする。(泥沼・体勢不利効果)
   ・一体が顔などに取り憑いて、呼吸困難にさせる(窒息効果)
  を一人をターゲットにして仕掛けてきますので、ご注意下さい。

 又、こちらの依頼ですが、相談期間は少々短めになりますので、ご注意下さい。
  
 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • 再現性東京2010:安らぎを引き摺る手完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年10月28日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ワルツ・アストリア(p3p000042)
†死を穿つ†
ルチア・アフラニア・水月(p3p006865)
鏡花の癒し
メイ=ルゥ(p3p007582)
シティガール
ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)
薄明を見る者
胡桃・ツァンフオ(p3p008299)
ファイアフォックス
小烏 ひばり(p3p008786)
笑顔の配達人
日野森 沙耶(p3p008801)
火ノ守
朔・ニーティア(p3p008867)
言の葉に乗せて

リプレイ

●子供の影
 希望ヶ浜東方に存在する、大きな池を持った公園。
 見た目からは、極々普通な街に存在する、極々普通な公園の池……しかし、そんな池の中に潜むもの。
 小さい、小学生位の子供達を掴み、池の中にひきづり込んでしまうという……そんな怪談話が元となった夜妖。
「コャー、ふんすふんす。子供だけを狙うというのは、何だっけ? 「太い」奴らなの」
「そうだな。子供たちを引き釣り込むとは放っておけんな」
 と『ファイアフォックス』胡桃・ツァンフオ(p3p008299)と、『恐怖とは?』ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)が憤りを其の身体で表現。
 それに『紅擁』ワルツ・アストリア(p3p000042)と『バブみを感じてオギャった』朔・ニーティア(p3p008867)も。
「本当、怪談とは言え抵抗できない子供を狙うだなんて、サイッテ-だし、タチが悪いわね」
「そうですよ! 小さい子に手を出すのは神でも悪魔でも、無論夜妖でも許してはおけないからね! 許すまじ!!」
 と、拳を振り上げる。
 更には『想い出渡り鳥』小烏 ひばり(p3p008786)と『火ノ守』日野森 沙耶(p3p008801)、『「Concordia」船長』ルチア・アフラニア(p3p006865)、『シティガール』メイ=ルゥ(p3p007582)も。
「しかし、池に引き釣り込むなんて、なんて恐ろしい夜妖さんです!」
「本当、イヤな相手だね……ううん。戦い方って言うよりは、やり口が。小さな子供だけ狙う……っていうのは、よくある怪談話、なのだろうけど」
「そうですね。子供を狙うなんて、たとえ夜妖としても卑劣な……犠牲者を出さない為にも、ここで倒さなきゃね」
「そうなのです! メイと同じくらいの子を狙うなんて許せないのですよ! そんなことされたら、皆、安心して探険出来ないのですよ!」
 そんな仲間達の言葉にうんうん、と頷きながら朔が。
「いいですか。イエスロリータ、タッチは双方ならびに保護者の同意の上でゴータッチ! これ大事! 大事だからね!!」
 と熱弁する。
 そんな彼女の言葉を理解するものは……どうやらいなかった様で。
「コャー。良く分からないけど、被害が出ないうちにさっさと誘き出してやっつけるのよ!」
 と胡桃の言葉にひばり、沙耶が。
「そうですね。お風呂でも溺れるわっちは池に近づけません。でも……子供たちに被害があってはなりませんので頑張ります!」
「ええ……斬らなきゃ。悲しい想いをする人が出る前に、ね」
 更にブレンダ、ワルツも。
「そうだな。早急に対処せねば被害者が増えてしまう。さっさと片付けるに限る」
「トラウマまで貰ったら大赤字だし、囮はこっちのプロのシティガールに任せましょう!」
 と、そんなイレギュラーズ達の期待を一身に背負い、囮を志願したメイが。
「了解なのです。探険はメイ達子供の楽しい遊びなので、皆が安心して探索出来るようにしないといけないのです! だから、絶対に夜妖は許さないのです!」
 と拳を振り上げ、一層の気合いを入れるのであった。

●招く手
 そして時は夕刻過ぎ。
 空がぼんやり夕陽に焼け始め、学生達が帰路へとつき始める。
 勿論、そんな帰路につく学生達の中には、小学生達も……。
「コャー、それでは始めましょう、なのです。メイ、宜しく頼むのですよ」
 周囲を見渡した胡桃が、メイに振り返る。
「了解なのです!」
 対しメイは、頭に「隊長」と書かれたヘルメットを被り、更には周りにドリームシアターを活用し、周囲にクラスメイトとなるお友達の幻影を作る。
 そして、幻影達を前にメイが。
「メイ探検隊、今回はあやしい池にやってきたのですよ! 果たして、この秘境には何があるのか、楽しみなのですよ!」
 と、○○探検隊の様な言葉と共に、えいえいおー、と拳を振り上げ、幻影達も同様に拳を振り上げる。
 そんな子供達から少し離れたとものの、声が届く範囲にひばりも、無関係な人を装い、一緒の方向に歩く。
 そして、そんな子供達を遠くから見守るのが、イレギュラーズ。
「はぁ……心苦しい」
 愛でるべき少年少女達が囮になるという事に、溜息を吐く朔。
 とは言え、子供以外が被害に有ったという話は聞いていないので、囮にせざるを得ない……それに、見守るイレギュラーズにも、同時並行でもう一つの仕事がある。
『ほらほらー、こっちこっちー!』
『あ、まってよー!』
 と……学校を終えた下校中の小学生達が、公園へとやって来てしまう。
 そんな子供達の前へ立ち塞がるブレンダ……その格好は、体育教師の様な感じ。
「この先は行くな」
『え-、何でー?』
「悪いが今日、この公園は立ち入り禁止だ。遊ぶなら別の場所にするといい」
『えー! もう、仕方ないなぁ……』
 頬を膨らませて、ぶーぶー言いながら公園から出て行く子供達。
「本当……少しばかり心苦しいのだが、これも子供たちの為だ。心を鬼にしなくてはな」
 そんなブレンダと同様、ルチアや朔耶も。
「ねぇ、そこの子達。ちょっと道に迷っちゃったみたいなの。道、教えてくれない?」
「今日は公園の池が水質調査するみたいで、封鎖されるみたいなの。だから、今日は他の所で遊んで貰えないかな?」
 等、様々な口ぶりで、子供達が池の近くに近づかない様、お願いしていく。
 流石に大人なイレギュラーズ達の言葉に、ちょっとした不満を覚えたりもしつつも子供達は仕方なく、公園から離れて貰う。
 そして……あらかた子供達が来なくなった所で、メイとひばりらは、池の近くへ。
 池の周りの道を歩いていると、池よりぶくぶくと泡が出てくる。
「むむむ? 何かブクブクしてるですか? 早速見に行って見るのですよ!」
 とメイとドリームシアターの子供達が、池の畔に向けて歩いて行く。
「あ、やめなよ! 池に近づくのは危ないよ!」
 とひばりが声を上げて、近づかないように警告するが、メイとドリームシアターの子供達は。
「大丈夫大丈夫! 危険を乗り越えてこそが探検隊なのです!!」
 と、忠告を聞かずに、更に近づいていく。
 すると、泡は更に多く噴き出し始める。
 そして、池より数センチの所までメイ達が足を踏み入れた瞬間。
『フフ……』
 不穏な笑い声と共に、池からぐわっ、と手が伸びる。
 その手はメイの足をぐっ、と掴み、そのまま引き釣り込もうと……。
「何者ですか!?」
 と、その手を咄嗟にメイが、青き血の本能で不意打ち回避。
 更に、ひばりに手を伸ばし、ひばりと共に畔から離れるようにして……そのまま夜妖を池の上へと引き釣り出す。
 ドロドロな人型のモノ……常人ならば、その姿にも恐怖を覚える事だろう。
 でも、今此処にいるのはイレギュラーズ……それに怯む事は無い。
 そして、隠れていたイレギュラーズ達が、次々と畔に足を踏み入れる。
『チッ……』
 舌打ちの様な音が鳴ると共に、泡が次々と池に生じ……畔から続々と夜妖達が出現してくる。
 そしてそれら夜妖は、メイのドリームシアターによる幻影にも襲い掛かるが……それらは、次々と消えていく。
 姿を現わした夜妖達へ、朔が。
「いやぁ、子供をさらいたい気持ちはわからんでもない。かわいいし、かわいいし、かわいいしね。でもさあ、やっちゃあいけないんだよ、わかる? 夜妖くん」
 威風堂々と宣言する朔だが、夜妖達ははぁ? と言うモーションを取る。
 それにびしっ、と指を突き立てながら。
「もしかわいい子と一緒にいちゃいちゃしたいならば、それ相応の店に行くか、それ相応の檻の中に行くかの二択だよ。苦しませるのはロリ並びにショタコン失格!! だから、消えて貰うよ!」
 ショタロリ論を論じながら、びしっと指摘。
 周りの仲間達に、その理論を理解出来た人派……どうも居ない様だが、取りあえず夜妖は怒りのモーションと共に、イレギュラーズを殺すべく動き始める。
 そんな夜妖達に対し、即座に動くメイ。
 ソニックエッジで、取りあえず足に掴みかかってきた夜妖の腕を一刀両断。
 ただ、敵は僅かに苦しそうにばたつくも、すぐに新しい手が生えてくる。
 そしてメイに続き、朔の行動。
 エメスドライブにて、刹那な疑似声明を創鍛し、仲間を掴んだ夜妖に更なる追撃を仕掛けていく。
 二人の攻撃を受けて、ドロドロな体がゆらりと揺れる。
 ただ、まだまだ倒れるには遠い模様。
 続くひばりは己にクローズドサンクチュアリを付与、沙耶もフリーオフェンスを発動し、自己強化。
 対し胡桃はさんだ~ふぉ~るにて、夜妖を広域範囲に収めた上での雷撃。
 一方、後衛に賊するブレンダ、ルチア、ワルツ。
 先んじて動くはブレンダ……夜妖に向けて閃光娘の追走曲を放ち、夜妖を斬る。
 ワルツは、遠距離レンジに移動した上で始まりの赤、ルチアはクェーサーアナライズをそれぞれ発動し、自己、仲間達を強化していく。
 そうしてイレギュラーズ達の攻撃が一巡した後に、夜妖達が蠢く。
 ドロドロの液体の体を弾き飛ばして、イレギュラーズ達の顔めがけて飛びかかる。
 その液体が顔に着けば、その粘性で顔、鼻を覆い隠し、呼吸を奪う。
 更に呼吸を奪った上で連携する別の夜妖が、再度足を掴み、池の方に引き釣り込もうとする。
 ……そんな夜妖の攻撃を。
「もー、ベタベタ張り付いてきて、変態さんなのですよ!!」
 と憤りながら、メイはソニックエッジどんどん払い去る。
 勿論メイだけでなく、ひばりや沙耶も。
「もー、あまり変な事をしていると、池の水全部抜いちゃいますよ!」
「ええ。何にせよ、貴方達の攻撃に屈しませんよ」
 と強い口調で言い放つと共に、同じ夜妖をターゲットに修める。
 そしてひばりのヴァルキリーレイヴと、沙耶の柳風崩し、更には一番夜妖達の攻撃の回避に専念していた胡桃がふぁいあすと~むで攻撃。
 前衛陣3人の集中攻撃を受けて、流石に一体、その人間体から耐えきれずに地面に伸びてしまう。
 続けて朔が。
「イエスロリータ、イエスショタ! タッチは合意の上! 大事だから二度目だよ!」
 と、仲間達にはなかなか理解されない様な事を口走りつつ、敵の体力をスティールライフ。
 その言葉にええっと、と言い淀みつつルチアは。
「何にせよ、次のターゲットは朔の狙ったあの夜妖よ!」
 とオールハンデッドにて、仲間達に号令。
 それに頷きながらブレンダが。
「もとより貴様らは引き釣り込むだけの夜妖! 戦闘力はそれほどではあるまい!」
 と、修羅娘の狂詩曲で、敵を纏めて貫く一撃を発射、更にワルツも、愛銃Cauterizeから強烈なマジックミサイルをお見舞いする。
 イレギュラーズ達は夜妖一匹ずつにターゲットに収め、確実に仕留めていく作戦。
 一方の夜妖達は、前衛に立つメイと胡桃に集中。
 顔に張り付き、呼吸を止めてから引き釣り込もうとする攻撃を繰り返す。
 ……そんなターゲットに修められた二人は、傍目から見るとやっぱり小学生に見える。
「本当、許せません!」
 朔は更に憤る。
 そして、夜妖を絶対に許さないが如く、攻撃に次ぐ攻撃。
「コャー! 近づかないで欲しいの!!」
 ……池に引き釣り込まれたら、泳げないし……そんなの、絶対に嫌だ。
 そんな強い気持ちで徹底的に敵の手だけは絶対に回避する。
 更に沙耶とひばりが、攻撃してきた夜妖と仲間の間に入れ替わり立ち替わりで割り込み、剣魔双撃や五月雨で斬りつけ、敵を着実に臥していく。
 そして、戦闘開始から十数分が経過。
 イレギュラーズ達も多少傷は負うが、夜妖の残敵数もあと一体。
 連携出来る数もおらず、一極集中しか出来ない。
「コャー、あと少しなの! 沙耶さん、一気に仕掛けるの!」
 と胡桃が沙耶に呼びかける、そしてそれを補助する様に、後方からワルツがガンガンマジックミサイルを連射。
 回避しきれず、蜂の巣になる夜妖……そこへ胡桃がAKAデジコ鏡花しつつ、渾身のさんだ~ふぉーる。
 雷撃に撃ち抜かれ、痺れた夜妖、そこへ朔耶のディスピリオド。
 必殺の一撃に抵抗出来ず、最後の夜妖も、地面にベタベタにひろがり、崩れ墜ちていった。

●引き際
 そして。
「ふぅ……これでこの地は平和になったのかしらね?」
 と息を吐くワルツに、胸を張りながらメイも。
「そうなのです。秘境の平和はメイ達が護ったのですよ! これで思い切り探険が出来るのですよ!!」
 と、自慢げ。
 取りあえず彼女が囮になってくれたお陰で、他の小学生達に被害が及ぶ事もなかった訳で……依頼の成果としては上々だと言えるだろう。
「それじゃ、メイはもうちょっと探険してから帰るのですよ! さぁ……レッツゴーなのですよ!!」
 と、ヘルメットを被り直し、さっさと池の周りをまた歩き始める。
 そんなメイの動きに周りの皆は微笑みを浮かべつつ。
「まぁメイ殿は探険に夢中の様だし、後片付けはこちらで対応するとするか」
「そうですね! やっぱりこの先も、子供達が池に近づかないとは限りません。ですから池に近づいたら危ないよ、的な看板を設置しておくと良いと思うのです。その辺り、掃除屋さんに頼んでおいた方が良いですかね?」
 とひばりの提案、それに頷きつつブレンダと沙耶、そして朔が。
「そうだな。夜妖が居なくとも、それでも池は危ない。夜妖でなくても事故は無い方が良い。それに、子供はのびのびと遊べた方が良いからな」
「ええ。公園とかで走り回ったり、転んだり……そういう機会って、かけがえのないものですしね」
「そうよね! 可愛いショタっ子、ロリっ娘達が転んで足を擦りむいたりして、えーんえーんって鳴いてるのをよーしよしって宥めるのなんて、最高よね!!」
 約一名、全くぶれない性癖を露わにしているが、それはさておき。
 取りあえず、夜妖の亡き跡を、目立たぬように一工夫。
 更には作って貰った看板を、池の周りの数カ所に設置し、周りにロープを張り巡らせる。
 そんな作業を一通り終えることには、すっかり夜になってしまっていた。
 探険に出かけていたメイも、満足して戻って来て。
「ふぅ……池の周りに異常なし、なのです!」
「そう、えらーいえらーい!!」
 びしっ、と敬礼するメイの頭を撫で撫でする朔。
 ……そして、一通りの作業を終えた所で。
「しかし噂次第で夜妖はすぐに湧いてきそうだし……本当に安心出来る憩いの場所は何処なのかね……?」
 溜息を吐くワルツに、胡桃とルチアが。
「コャー……本当なのです。でも、再現性東京に夜妖があり、人が居る限り怪談話が尽きる事が無い限り、無くなる事はなさそうなのです」
「そうね。一つ一つ、対処していく他には無いわね」
 と肩を竦めつつ、イレギュラーズ達は公園を後にした。

成否

成功

MVP

メイ=ルゥ(p3p007582)
シティガール

状態異常

なし

あとがき

欲望に忠実に生きる事、大事ですよね!!
本当、プレイングと皆様のプロフィールを見て、こう動くだろうなぁ……というのが自然と出て来ました。
再現性東京、池へと引き釣り込むモノの依頼に参加頂きました皆様、ありがとうございました!

PAGETOPPAGEBOTTOM