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シナリオ詳細

<瘴気世界>冒険者ギルドの不穏な空気

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●冒険者ギルドは人が足りない
「おい、今日の分の灰が納品されてねぇぞ!」
「おい、何か良さげなクエストを見繕ってくれ!」
「おい、核の買取りを……って、大丈夫か?」
「手が足りないのよーー……!!」
 冒険者ギルドに勤める一人の女性が涙目になりながら叫び声を上げた。
 人々が暮らすコロニーは全部で五つ存在し、その全てにギルドが存在するのだが、その中でも火焔の国とよばれる『イグニスヴール王国』のギルドは人手不足に困っていた。
 ギルドの主な仕事は冒険者の管理、納品物の取り扱いなどがあり、毎日大勢の冒険者が駆け込むにも関わらず現在このギルドは職員数名だけで回されていた。
「もう! 毎日こんなに忙しいっていうのに、なんでこんなに職員が少ないのよ!」
「仕方が無いっすよ、例の件で職員の大半が引き抜かれちゃったんですから……」
「そっか……近い、ものね」
 そんなギルド職員の会話に聞き耳を立てながら、現地で作られる奇妙な飲み物を口にしていたイヴ=マリアンヌは不味そうな表情を浮かべながらもギルド職員に詳しい話を聞きに行くのだった。

●極秘の情報?
「以前冒険者としての登録を行ったのは光輝の国『リュミエール王国』の冒険者ギルドですが、そことは別の国、火焔の町『イグニスヴール王国』の冒険者ギルドが人手不足で困っている様子です」
 いつものように依頼の内容を説明する【境界案内人】イヴ=マリアンヌは、いつもより憂鬱な様子だった。聞いてみれば、火焔の町『イグニスヴール王国』の手の足りない冒険者ギルドを手伝う代わりにその理由を聞いてみたのだが、良い応えが帰ってこなかったらしい。
 イレギュラーズをこうして案内する境界案内人は、ギルドの仕事をこなす才能はあれど、秘密を聞き出す才能はなかったみたいだった。
「ええ、お察しの方もいるかと思われますが、皆さんにはギルドの手伝いをしつつ秘密にしていることの調査をしていただきたいのです。くれぐれも内密に、お願いしますね」

NMコメント

 初めましての方は初めまして、牡丹雪と申します。
 この物語は<瘴気世界>の続編になりますが、物語は個々で完結する&<前回までのあらすじ>を作るため、前作の確認はあまり必要ありません。

●目的【人手が足りない冒険者ギルドを手伝いつつ情報を集める】
 火焔の町イグニスヴール王国の冒険者ギルドは、とある件につき人手が足りず、猫の手も借りたい状態らしいです。手伝いをしつつ、冒険者やギルドの係員に聞き込みを行ってみましょう。
 具体的にできる事の例を以下に書き記します。

①冒険者のクエスト案内をする
 冒険者は初心者からベテランまで居ます。
 彼らに適したクエスト案内をするのもギルド職員の仕事です。
 ベテランの冒険者であれば何か知っていることもあるかもしれません。

②灰と核の運搬を行う
 冒険者から納品された灰と核を別の納品所まで運搬します。
 沢山あるので荷車を貸してくれるそうです。
 納品先はギルドと綿密な関係にある場所らしいので、何か情報を引き出せるかもしれません。

③ギルド内の機密書類を漁る
 隠密スキルを取得している場合、ギルド内に潜り込んで書類を漁ることもできるでしょう。上手くいけば機密情報を多く入手できる可能性が高いですが、バレれば信用を失う可能性も高いです。

●世界観のおさらい
 かつて世界の均衡を保っていた6人の精霊たちはあまりの退屈さに人類を生み出し、それを繁栄させた。だが、人類を生み出す過程の中で邪悪な力を持つ魔獣も生み出してしまい、やがて史に残る大戦争が起きてしまう。瘴気により荒廃してしまった跡地から逃れるべく人類は地底へと生活圏を移動した。
 そう願った精霊が導いてくれた際に偉人が受け取ったとされる高純度の精霊石を用いた5つの疑似太陽により、まるで地上にいるような生活を送っている。のちにその疑似太陽に惹かれるように人々は巨大なコロニーを築き、5つの国が出来上がった。
 人類は精霊に最初に生み出された種族であるため、精霊石の魔力を浴びつつ魔獣の灰を食べながら生きている。

~イヴの本より『世界について分かっていること』
・この世界の人間は息絶えると灰になる
・魔獣には核が存在し、様々な生活に役立っている
・魔獣を狩る冒険者という存在がいる
・精霊は6人の筈だが、どういう理由か1人欠けている
・灰を加工した食品は見た目通りマズい
・人間にも魔獣と同じ核が存在する
・この世界には五つの国が存在する

●前回のあらすじ
 前回の冒険では、大型魔獣を討伐し世界の観光、探索を行いました。
 その結果により、大型魔獣を討伐できる新たな冒険者の登場が世に知れ渡り、イレギュラーズがこの世界で冒険をする際は『英雄級の冒険者』として扱われることになります。
 また、冒険により新たな事実や謎も生まれました。(世界観と世界について分かっていること参照)

●プレイングについて
 今回の依頼の主な目的は『機密情報を聞き出すこと』です。
 目的に書いてある①②③の内容はあくまでも例ですので、それ以外の行動を取って頂いても構いません。

●アドリブについて
 本シナリオではアドリブが多めに含まれることがあります。
 アドリブがNGの場合、通信欄かプレイングに一言ご記載いただければ幸いです。

  • <瘴気世界>冒険者ギルドの不穏な空気完了
  • NM名牡丹雪
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年10月21日 22時25分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)
月夜の蒼
クロウディア・アリッサム(p3p002844)
スニークキラー
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
白夜 希(p3p009099)
死生の魔女

リプレイ


「か、可愛い!!」
 ギルドの女性職員は制服に着替えた『白い死神』白夜 希(p3p009099)を見るなり反射的に抱きつこうとした。もちろん、そういうことに慣れていない希はひょいっと避けるのだが、その時遠くに置いてあった鏡に自分の姿が写りちょっと顔を赤らめた。
「あの、私の制服だけちょっと違う気がするのですが」
「ご、ごめんなさいね。合うサイズの制服が子供用のものしかなくて……」
 ギルドの手伝いをするという名目で情報収取に集まった一行は、ギルド奥の部屋で職員から説明を受けたり制服を受け取ったりしていた。
「にしても、あんたのことは何て呼べばいいんだ?」
 『貧乏籤』回言 世界(p3p007315)は男性用の制服を着ながら、説明をしている女性ギルド職員に名前を聞いてみる。
「申し遅れました! 私はリリアナ=ドロラータ、気軽にリリアナとお呼びください!」
 リリアナが自己紹介をしながらぺこりとお辞儀をすると、騒がしくなってきた外の様子に『月夜の蒼』ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)が首を傾げながら問いかける。
「いやはや、猫の手も借りたいって感じだし、ちょっと頑張ろうかな。にしても、今日は私たちが入るから良いとして、流石に職員少なすぎない?」
 そう聞きたくなるのも当然、既に外には対応待ちの冒険者が多数いるが、それに対して純職員は二、三人のみ。誰もがそう思うだろう。
「え、えぇ……いろいろありまして」
「大変なんだね」
 この時点で怪しまれては元も子もないので、リリアナの口から情報が引っ込んでしまう前にルーキスは先手を打って会話を遮った。
「さて、着替え終わったし始めっか」
 合わせるように世界がすまし顔で部屋から出ていく。
「中は頼んだよ……」
 着替えというちょっとしたアクシデントで服を入れるロッカーの中に隠れることになった『ナイトウォーカー』クロウディア・アリッサム(p3p002844)に、希も小さく一声かけて外に出ていった。


「なんだ、今日はべっぴんさんが二人も増えてんじゃねーか」
 ギルドに来た冒険者たちは口々にそう呟く。いつも仕事をしているリリアナも冒険者間ではちやほやされる方であるが、そんな存在が一時的でも増えたのは彼らの活気に繋がりもするのだろう。
「この世界の冒険者って単純思考なんだな」
 世界は依頼の書類を貼りながら呆れたように呟いた。
 冒険者ギルドは正式な依頼を受ける場所で、それなりに真面目な人も集まる筈なのだが、これも人が足りない弊害に違いない。おおよそ他の国のギルドで依頼を受けたほうが報酬も内容も充実しているといったところだろうか。
「ま、そんな都合のいい冒険者、そうそう——」
「……」
 半分以上諦めながら手に取った一枚の依頼書を貼ろうとした時、世界の目の前に冒険者が立っていた。古ぼけた鎧と甲冑で顔は見えなかったが、目の前に来るまで全く気配を感じることができなかった。
 そこらの冒険者よりは腕が立ちそうだ。
「あ、この依頼ですね。ええと」
 あんまり見ずに依頼書を貼っていたが、改めて手に持っていた依頼書を見ると『高難易度指定、A級未満ノ受領ヲ禁ズ』と記載されている。具体的には大型魔獣のコロニーの破壊というものだ。
(へぇ、魔獣のコロニーなんてもんもあるんだな)
 大型魔獣と相まみえたことのある世界はそんなことを思いながら一つ企みを思いつく。
「ところでお一人ですよね。いまなら優秀なメンバーを一人加えることができますが、こう見えても私、少々という言葉では謙遜になってしまうくらいには腕に覚えがありまして。一緒にいかがでしょう?」
 丁寧語なのに少し、いやかなり挑発的な世界の売り込みだったが、ボロ甲冑の男はあまり動じていない。それどころか少し考えた仕草を見せるとこんなことを口にするのだった。
「噂は聞いている。大型魔獣を倒した冒険者、だろう。報酬は金、か。それとも……」
 ボロ甲冑の男の話を聞いた世界は、残りの仕事を他のイレギュラーズたちに任せてギルドを抜け出すのだった。

「えーと、おにーさんが受けられる依頼は……」
 低級の冒険者の無法地帯になっている冒険者ギルドでも、ルーキスは笑顔を忘れずマニュアル通りに案内をしていた。簡単にいうと、新人職員だと思ってナンパしてくる冒険者が多いのだ。これではリリアナも苦労するわけだろう。
 基本的にナンパはスルーである。そうでなくとも手が足りないのに、そんな冒険者に構っている暇はないのである。
「ん、おにーさんの階級じゃ受けれないよ、これ」
「だ、大丈夫だよこの程度」
 冒険者には個人で階級が存在するらしく、EからSSの七階級で分けられている。ギルドに登録している冒険者は全員紋章が配られており、その色を見れば一目で分かるのだ。
 ちなみにこの冒険者はD。対して持ってきた依頼はC以上限定と書かれてた。リリアナは階級が変われば実力も相当変わると言っていたから、このまま受けさせれば大変なことになるだろう。
 ルーキスは依頼書の束からその冒険者に見合った依頼書を渡すと、これを受けるように念押ししてから発行のハンコを押した。
「うぅ、パーティーから放り出されなければ、こんなことには」
「ん、それはどういうこと?」
 冒険者が項垂れながら気になることを呟いたのをルーキスは聞き逃さない。
反射的に聞き返すと意外な返答が返ってきた。
「ああ、あんた新人だから知らないのも当然か。少し前から、この国の王が直々の命で冒険者を募ってるのさ。そのおかげで、俺みたいな半端者はあぶれてパーティー解散になっちまったのさ」
 つまり、ギルド職員だけでなく冒険者も引き抜かれていたのだ。
「どうして王様はそんなことを?」
「知るもんか。戦争でもおっぱじめるんじゃね?」
 冒険者はそんな適当なことを呟くと、さっさと依頼を終わらせるために行ってしまった。
「戦争……ね」

「ギルドも遂に子供を雇うほどになっちまったか……」
「だから私は子供じゃ……じゃなくて、こちらの依頼ですね」
 希は小さなため息を吐いた。この制服が八割くらい悪いが、子供に間違われるのはこれで何回目だろうか。それでも笑いながら接待をしなければならないから、ギルドのお手伝いも難儀なものである。
「階級もクリアしていますし大丈夫そうですね。報告お待ちしています」
 依頼発行のハンコを押してまた一人冒険者を送り出す。押しかけていた冒険者の数はあらかた減ったから、依頼の受付は終わりにしても大丈夫だろう。
 希はそそくさとカウンターの中に入って調べようとすると、そこにはリリアナがいた。
「あら、お疲れさま! みんな手際がいいものだから、すっごく助かっちゃった!」
「いえ、これくらいの仕事なら。……こっちも手伝いますよ?」
 希はそう言いながら、リリアナが仕分けしていた書類をまじまじと見つめる。
 どうやら見られたくない書類だったみたいで、すぐにどうでも良さそうな書類で隠されてしまった。
「あ、あはは……だ、大丈夫、だよ」
 リリアナは嘘をつくのが本当に下手くそだ。適当な仕事を任せて追い払えばいいのに、それが咄嗟にできず固まってしまう。
「あの、大丈夫ですか?」
 苦笑いしたままフリーズしているリリアナに希はちょっと子供みたいに首を傾げてみた。
「やっぱり、気になっちゃう?」
「……」
 その言葉に彼女はコクコクと頷いてみせる。彼女が自分から見せてくれるなら願ったり叶ったり。ちょっと申し訳ないが、子供っぽい仕草で悟られないようにしながら隣に座ると、内緒話が始まるのだった。

「流石に、これは人が足りなすぎるのでは?」
 クロウディアは、職員が全員出てしまいもぬけの殻になったスタッフルームのロッカーから身体を覗かせて呟いた。流石に誰かは残るだろうと思っていたのだが、本当に誰もいなくてセキュリティもへったくれもない。
 本当にこの場所に機密書類が存在するのかと心底心配になる程だが、誰かが戻ってくると厄介だ。とりあえず隠れながら仏性を始めることにした。
「職員が引き抜かれたのは本当みたい……でも、変ですね」
 スタッフルームに並んだデスクの上はほとんどが綺麗に片づけられており、幾人かまだ在任していると思われる職員の机の上にだけ書類やら何やらが置かれていた。
 その中でもクロウディアが注目したのは、他と孤立した少し立派なデスク。恐らくギルド長がいるはずの場所なのだが、最近使用された痕跡が一切見当たらない。
「ギルド長すらいないって、どういうことでしょう?」
 更にギルドに対する疑念が深まる中、クロウディアは在任している職員の机からそれを見つけてしまう。
「なに、これ。極秘、イグニスヴール王国、魔獣強襲緊急マニュアル……?」
 こんな大事な書類を机の上に置いて外に出ていったのは、恐らくちょっと抜けたリリアナだろう。流石にこれは置いていったリリアナが悪いのだが、クロウディアは部屋のすみの見えない場所まで素早くそれを持ち出すと、流れるように中を確認した。
『イグニスヴール王国、魔獣強襲マニュアル(極秘)。直近、冒険者——によりイグニスヴール王国地上に大渦を確認。即急、ギルド長、ギルド員8割、銀等級以上の冒険者は王宮で大渦の襲来に備えよ。また、最終防衛線を突破された場合——』
「低級冒険者と民間人は隣接国のリュミエール王国へ避難されたし……」
 それは要約しなくてもわかる、ただただ魔獣の強襲の予兆が記された書であった。

「つまり、その大渦から来る魔獣を返り討ちにできなきゃ、王国が滅ぶってことか」
「ああ、確実に滅ぶ——」

「な、内緒ですよ! 混乱を避けるために未公開なんです!」
「その割には簡単に言っちゃったけどねー?」
「リリアナさん、ギルド職員向いてない……?」

 火焔の国『イグニスヴール王国』を襲うラグナロクは近い……?

成否

成功

状態異常

なし

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