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シナリオ詳細

乾坤一擲の山賊

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 俺達はわきまえてきた。
 縄張りは絶対に侵さない。火種になるような仕事にも絶対に手は出さない。

 あんたらとやり合うつもりなんて毛頭なかったんだよ。昔からな。
 だからこそ、今回の一件は許せねぇ。絶対にこのままじゃすまさねぇ。
 だがよ、どっちとやり合えばいいんだ……?

 事の発端は三日前に遡る。

「よおし、俺達の勝ちだ!」
 山賊団の首領ラゴスはかちどきをあげた。
 武器を捨て、我先にと転がるように下山していく兵隊たちの尻を蹴飛ばし……鉄帝国はヴィーザル地方、名もなき山でのことだ。
 ラゴスは自分たちの根城に襲撃をかけてきた討伐隊を見事返り討ちにしたところであった。

 討伐隊は麓で発生した村人誘拐事件の犯人をラゴス山賊団と断定し突入をかけた。結論としてはラゴスたちは全くの濡れ衣だったうえに門前払いにされた。

 討伐隊は村からの報酬を既に受け取っていたこともあり引けない状況だった。更には討伐隊敗退の報は村にも伝わってしまい面目も丸つぶれだ。
 討伐隊の隊長ビビルは思案する。

 村人誘拐の犯人は見つかっていない。ならば、ラゴス山賊団のせいにしてしまえばよい。死人に口なし、ラゴス山賊団は皆殺しにすればよい。でも俺の討伐隊では歯がたたない。確実に遂行するには? 
 ビビルは直ぐに妙案が浮かんだ。

 ヴィーザルには彼らがいるではないか。峡湾の支配者ノルダイン。もし無名の山賊ごときが彼らの縄張りを侵したと知ったら?
 いける。ビビルは嬉々とした表情を浮かべ文を書き始めた。 
 

「鉄帝国ヴィーザル地方の山賊殿から依頼が届いている」
 『黒猫の』ショウ(p3n000005)はイレギュラーズ達を前に説明を始める。

「ノーザン・キングスのノルダインに自分の山賊団を壊滅させられたそうだ」
 自分の留守を襲われ、団員は元々二十人いたそうだが、生き残りは外出中だった三人だけらしい。
 依頼主によると以前いざこざのあった者(地元の討伐隊)がノルダインを仕向けてきた可能性が高いとのことだ。
 補足として、山賊である依頼主はノルダインに対して以前から畏敬の念を抱いていたそうだ。
 フィヨルドの支配者であり崇高冷厳。ヴィーザル地方でノルダインに一目を置かない者はいないといっても過言ではない。

「ここまでが背景だ。さて依頼内容だが、少々難しいところがある」
 ショウは不敵な笑みを浮かべイレギュラーズ達の顔を見回す。

 依頼主を含めた山賊の残党と共に、
『実行犯であるノルダインに復讐』『主犯である討伐隊に復讐』どちらか一方を果たしてほしいそうだ。

「主犯でないのは分かっている。だが昔から羨望のまなざしを注いでいた戦闘民族ノルダインとの正面対決も魅力的、という訳だ」
 依頼主はどちらと戦うべきかの検討を含めイレギュラーズの力を借りたいとのことだ。
 別に盟主シグバルドが出てくるわけではない。ノルダインの無数の村のうちの一つが起こした小競り合いに過ぎないから。皆の思う道を依頼主と共に進んでくれ。ショウはそう付け加えた。

GMコメント

日高ロマンと申します。よろしくお願いいたします。

●依頼成功条件
・ラゴス山賊団と共闘し『ビビル討伐隊の殲滅』または『ノルダインの対象戦力の殲滅』
(対象の生死は不問、勝敗が決した後に敵の逃走を許容しても失敗にはなりません)

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●シナリオ補足
・戦闘する勢力はイレギュラーズ側で指定可能です
・ラゴス山賊団は勝手に戦いますが作戦方針はイレギュラーズに従います
・討伐隊、ノルダインの対象戦力共に住処は把握しています(村外れの掘立小屋)
・襲撃時間は指定可能です(襲撃時に敵が不在である可能性はありません)
・戦闘結果によってはイレギュラーズは負傷する可能性があります
・ノルダインの対象戦力とはラゴス山賊団を襲撃した集団のみを指します
・ノルダインと戦うことを選択した場合は戦闘難易度は高くなります

●登場キャラクターの戦闘力(人数を考慮しない個体の戦闘力)
・山賊団:討伐隊よりつよい。皮鎧・片手斧。三名。
・討伐隊:山賊団よりよわい。皮鎧・剣。十五名。
・ノルダイン:この中で一番強い。鎖帷子・片手斧・丸盾。十三名。

  • 乾坤一擲の山賊完了
  • GM名日高ロマン
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年10月01日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

グドルフ・ボイデル(p3p000694)
咲花・百合子(p3p001385)
白百合清楚殺戮拳
ブーケ ガルニ(p3p002361)
兎身創痍
マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫
ジョージ・キングマン(p3p007332)
絶海
リズリー・クレイグ(p3p008130)
暴風暴威
橋場・ステラ(p3p008617)
夜を裂く星
Albert・McKane(p3p008652)
無法者

リプレイ

●道中
 選択肢の選び方は人それぞれ。
 メリットのある方を選んだり。リスクがある方を避けたり。
 異なるプロセスを経て結論に至っても、行きつく先は同じだった……ということは面子によっては結構あるかもしれない。

「攻めるはノルダイン、強い方一択さ! 乾坤一擲の弔い合戦だ!」
 宝剣を携えて鬨の声をあげるのは『C級アニマル』リズリー・クレイグ(p3p008130)。
「その通り! やはり敵を食らう時は強い方に限る!」
 『白百合清楚殺戮拳』咲花・百合子(p3p001385)も同意見だ。
「よかろう。強敵との戦いを望むなら大いに結構」
 武闘派ながら知性溢れる『絶海武闘』ジョージ・キングマン(p3p007332)も異論はない。

「そう言うことだ。今からこの最強の山賊、グドルフさまの指示に従いな……この弱小山賊団ども」
 弱小、の語気を強めて挑発するのは『山賊』グドルフ・ボイデル(p3p000694)だ。ラゴス達の顔を舐めるように見る。共に戦う価値のある男達なのか。山賊とは名ばかりではないか。山賊の人生は奪って奪われての繰り返し。先達ての抗争が原因で心が折れているようなら、ここで斬り捨てていたかもしれない。
「あんた、山賊のグドルフだな。俺達の心はまだ折れてない。来訪を感謝する」
 ラゴスは殊勝に頭を下げる。同業者として実績ある者への敬意だ。続けざまに「あんたは、荒熊リズリーだな。頼もしい」壊滅寸前とはいえラゴスは現役の山賊である。当然、山賊事情には詳しい。
「おや嬉しいねえ。ところで、ウガンダって山賊は知っているかい?」リズリーが問うも、いや聞いたこともない。と即答された。

「山賊団からの、依頼なんて……」
 皆のやり取りを見つつ、『ジョーンシトロンの一閃』橋場・ステラ(p3p008617)がぽつりと呟く。
「お嬢さんは、荒事は嫌か?」ラゴスが不安そうに問う。今から依頼から降りられることを懸念していた。
「いえ(どちらかというと猪突猛進です)引き受けたからには全力です。安心してくださいね」と白い歯をのぞかせる。
 話には聞いていましたが、本当にそういうお仕事もあるのですね――というのは内心に留めて口にはしない。

 『無法者』Albert・McKane(p3p008652)はノルダインを攻めることには同意していた。しかしながら、
「両方皆殺しでなくて良いのか? そうすれば手っ取り早い」
「色々な事情もあってな……」ラゴスは目を伏せる。
 まぁ、金が無いだけなら頷けるがな。だが、甘い。ぬるい。復讐が次の火種になることを気にしていたら何もできないではないか。
 Albertは復讐の連鎖を知るもの。連鎖を断つにはどうすればよいか。彼は既に答えを得ている。それは単純明快で、全部殺せばいいのだ。
 その選択が常に正しいわけではないことも理解している。「さて今回はどこまで手を下すべきか」Albertの脳裏にマグナムの引き金を引くイメージが沸いた。

「ところで、結局のところ村人行方不明事件はどないなったんかな」
「うちの団が大変なことになってしまってな。それは調べられていない」
 『兎身創痍』ブーケ ガルニ(p3p002361)に核心を突かれ、ラゴスは肩をすくめるしかなかった。
 完全に別の事件かもしれんし、討伐隊となんか関連してるかもしれん。「しかしな」ブーケはすぐに思い直して首を横に振る。
 二兎追う者は――っていうしな。この敵もやばいから今はこっちに集中しとくのが吉かもしれんわ。
「さて、白昼堂々いこうかあ。電撃戦やな」
「うん、それがいいかもね」
 彼らに個人的な恨みはないが、依頼人の意向だから……倒させてもらう。『雷光・紫電一閃』マリア・レイシス(p3p006685)は遠目に標的の住処を確認した。
「あの建物だね。略奪に慣れた者達だろうから、強襲されるのには慣れていないだろうから」
「奇襲になるでしょうか? あるいは正面衝突?」ステラはマリアに問いつつ、銃火器を標的の住処に向ける。
「もう撃っちゃう?! そ、それも正面衝突っぽくないなあ。怖いなあ」
「そうか、いいだろう。始めようか」Albertはマグナムを抜く。
「ちょっと待ってなあ。もうちょっと近づこうかあ」

●開幕
 標的の住処に着くと食欲をそそる匂いが漂ってくる。まだ夕映えまで大分あるが、酒宴でもしているようだ。
「ノルダインさん、警戒してないなあ。撃っちゃって良かったんかなあ」ブーケは首を傾げる。
「じゃあ、そうしますね」「いいだろう」
 ステラとAlbertは銃撃を開始した。
 炙り出しと、あわよくば数減らしが目的だ。銃撃を開始した直後、建物の中からは怒声と悲鳴。絶叫が周囲に木霊する。
 銃撃が止むと一人、また一人と建物から転がるように飛び出してくる。出入り口の戸は一つしかないので我先にと団子状態だ。
 木造の掘立小屋は二人の銃撃で倒壊寸前となっている。
「あら、ごめんなさい」とステラ。
「ここで全員死ぬんだ。雨風の心配はいらないだろう?」Albertには微塵も悪びれる様子はない。

「おい三流山賊ども。お前らは常に三対一で敵を攻めろ」
 それが上手くいけば、百合子やステラなど火力の高い者を庇わせる。まずは死なないように泳ぎ続けろ。そういってグドルフはウガンダを睨みつける。
「ああ、そうさせてもらう」
「やけに素直じゃねぇか?」
「別に、生き残りたいだけだ。あんたらに従うのが一番生き残る可能性が高いわけだろ」
「違いねえな」グドルフは軽く頷いてから無骨な山賊刀を抜いた。刀身がぎらりと光る。

「吾こそは、美少女。白百合清楚殺戮拳、咲花百合子なり!」
 百合子は口上を堂々と述べた。ほれ、ラゴス殿も縄張り侵してないのであろ? 正当な理由があってこその対等なる闘争である。百合子はラゴスの背を押す。

 百合子に背を押されたラゴスは、
「俺たちはあんたらの縄張りに手を出しちゃいねぇ。だからこれからやることは俺の正当な権利だ。仲間の仇だ。覚悟しろ」
 ラゴスは今だ混乱が収束しないノルダインの一派を睨みつける。漲る怒りが周りから見て取れる。苦楽を共にした数十人の仲間を消されたのだから当然のことだろう。
「よく言った」グドルフは満足げな笑みを浮かべる。
「ラゴスよ、行くぞ。先に逝った仲間に、自慢できる土産話が必要だろう」
 人数はこちらが不利だ。ならば選択肢は一つ。ジョージの狙いは味方とターゲットを合わせて早期の数減らしだ。
 グドルフ、百合子、マリア、リズリー、ステラも前衛だ。皆、ターゲット合わせは心得ていた。銃撃後、立ち位置的にリズリーが最初に動くことになった。

「ノーザン・キングスとの勝負なら、いつでも受けて立つよ!」
 リズリーは足取りがおぼつかないノルダインの戦士を躊躇なく斬り捨てた。奇襲は続いている。イレギュラーズは一気呵成に攻め立てる。
「ユリユリユリユリィーーーーッ!!」「ユリユリユリユリィーーーーッ!!」
 百合子のノルダインの戦士に連撃を打ち込む。切れ目が来たと思いきや、間髪入れずにもう一度同じだけの連撃を打ち込み、絶命させる。
 倒したノルダイン兵は朱の鎖帷子……。恐らく指揮官であろう。
「指揮官、討ち取ったり!!」
 百合子は指揮を上げるべく戦場の中で叫んだ。
「……お前ら殺し屋か?」倒れた仲間を眺めながら、別のノルダインの戦士が百合子達に問う。ようやく混乱から立ち直ったようだ。
「後な……俺たちに指揮官はいない。その戦場で一番強い奴が指揮官だ」斧と丸盾を構え直す。
 そして「女だからって容赦しねぇよ」と、敵兵は百合子に迫りくる。しかし、グドルフの指示で盾役を担うラゴスたちに行く手を阻まれる。
「俺達に回復役もなにもねぇ。全員が前衛の戦士だ」
 混乱から回復したノルダインの戦士達は一人また一人とイレギュラーズに飛びかかってくる。

●戦闘I
「ホイホイしょーもねえウソに騙されやがって! このバカどもがあ!」
 戦場は既に乱戦と化している。隊列を持たないノルダイン兵が生んだ混沌だ。
 その最中、グドルフはノルダインの戦士と一騎打ちに持ち込む。軍配はグドルフに上がった。圧倒的な肉体で殴り、蹴り、斬る。それだけで相手は絶命する。
 Albertは冷静に牽制射撃に務め一定の間合いを維持する。
「この戦い勝ったらどうする? 連鎖が待っているかもしれない。いっそ他国にでも逃げた方が楽だろうが。それで納得できるのか?」
「できないな。ノルダインに勝ってしまったら、まだまだいけると思ってしまう」Albertの問いにラゴスは無理に笑って見せる。
 ラゴス一味の二人は既に絶命していた。残りはラゴスだけだ。実際のところ、本当に生き残れるとは思っていない。
 ついにラゴスも斬撃に見舞われるも……間一髪でマリアが庇う。「死なせないよう努力する!」そして紅雷迸る一撃で敵対者の一人を粉砕する。

 ジョージは乱戦になろうとも当初の戦術どおり各個撃破で始末する。
 手負いを見つければ至近距離に捉えて狙うのは衝角。海洋式格闘術の奥義はノルダインの丸盾では防げない。
「ラゴスよ、勝って生き残るんだ。アンタに死なれちゃ夢見が悪い」
「ジョージさんよ、確か海洋のマフィアって言ったな。生き残れたら海洋に行くのもいいかもな」
「山賊から海賊に転向でもするのか? やめておけ。素人に海洋マフィアはお勧めしない」ジョージは僅かに口角を上げる。

「弱い! アタシの敵じゃないよ。これじゃあ生き残りを作る方が至難の業さ」
 リズリーも各個撃破の方針を終始崩さず前衛メンバー同士でコンビネーションを見せつける。何度か斬撃を受けたが、数発では彼女は沈まない。
 ブーケは敵の行動の阻害に務め、仲間が有利に動けるよう周囲に目を配る。乱戦においてもAlbertと同様に後方に身を置き友軍を支援する縁の下の力持ちだ。
「シルヴァンスか?! 今からでもこっちに寝返ろ」「違うわ!」
 ブーケは接近するノルダイン兵を気持ち強めに弾き飛ばした。

●戦闘II
 ノルダイン側が半数を切った頃、イレギュラーズ側の負傷者はゼロだった。だがラゴス山賊団の手下二名は戦死している。
 前衛のうち、グドルフとジョージが特に被弾していたが戦闘の規模の割にその数は少ない。戦闘技術の高さを物語る。
 尚、ブーケは後衛寄りではあるとはいえ、本日は一度も被弾していない。圧倒的な回避力を誇った。

「回復役もいませんでしたし、全員前衛でしたし(猪突猛進なのは)嫌いではないです」
 ステラはノルダインの生き残りに対し至近距離からレーザーガンを発射する。
「ほう、皆殺しか」Albertが頷く。
「いえ、全力なだけです!」ステラの回答は肯定とも否定とも取れた。

「ラゴス山賊団のお仲間は守り切れなかった。最後まで気を抜かずに君だけは守りきるよ!」
 マリアはラゴスを視界に収めつつ、仕上げに入る。雷光が疾走し蒼く輝く軌跡が宙に浮かぶ。
「吾が白百合清楚殺戮拳、貴殿に受け切れるか!?」
 百合子もスパートをかける。彼女はその拳で幾人も葬ってきた。彼女の高速のすり足による独自の歩法――百合歩き。その動きにノルダインの戦士達は翻弄された。中国拳法の奥義であろうか。思わずイレギュラーズ達も注目してしまう。
「ノルダインはこの程度なのか。これで精鋭ならノーザン・キングスは鉄帝軍には勝てまい」
 ジョージは最後の一人を打ち倒して問う。別に誰かに回答を求めたわけではなく自問自答に近い。思わず口からこぼれた。
「ヴィーザルは広い。ノーザン・キングスもピンキリだよ。今回は相手は下の方だと思う」
 ヴィーザルを知る者、リズリーが代弁した。

「アタシ達はお役に立てたかい? 弔いは済んだかい?」
 戦闘後、リズリーがラゴスに問う。「ああ、済んだかもな。おめおめ一人だけ生き残っちまったよ」ラゴスは仲間の亡骸を見て呟いた。

「けっ……てんで使い物になりゃしねえ。おめえ、山賊向いてねえよ。仲間が死んだのもお前が不甲斐ないからだ」
 グドルフはラゴスに冷たく吐き捨てる。
「そうかもしれねぇ。俺はあんた達のようにはなれないから」
 ラゴスは果敢に戦い、敵を討ち取ることこそできなかったが、数度の斬撃を敵に見舞ったうえで生き残った。善戦したと言いたいところだが二名の団員を失った以上、浮かれたことは言えない。
「こんなもんすっかりやめちまって、カタギに戻りな」
 グドルフは踵を返しラゴスの前から去る。あえてそう言ったのかもしれないが真意は分からない。

●エピローグ
 この紙切れ……。『ラゴス山賊団より』って。この死体はノルダインのやつらの!!!
 討伐隊の詰め所に放りこまれた死体を見てビビルは卒倒する。

 ――その遺体、ちゃんと埋葬してくれるかな?

「いや。やっぱり私がやろう」
 マリアは討伐隊の面々にそう伝え、戦いに敗れた戦士達の死体を一つ一つ丁寧に埋葬していく。
 これは命をかけて戦って勝利した者の責任のはずだから。
 マリアはドッグタグを持ち歩く。もしも自分が敗れた時に友人・家族、大切な人に死を伝えたいから。
「いくら仇とはいえ、死ねば仏さ。生きた証が必要なんだ」

 後に名もなき村の討伐隊は卑劣な策が露見し、別のノルダイン一派の報復で壊滅する。イレギュラーズが手を下す必要はなかった。
 しかし、濡れ衣を晴らすためとはいえノルダインの一派を抹殺したイレギュラーズ……。
 悪逆非道、乱暴狼藉を地で行く峡湾の支配者からすれば、イレギュラーズは唾棄すべき存在。このまま野放しにしてくれるだろうか。

成否

成功

MVP

マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫

状態異常

なし

あとがき

見事成功となりました。
また、二名の団員を失いましたが依頼者(ラゴス)は生還できました。

依頼者を庇い、生還させてくださったマリア様をMVPとさせていただきました。

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