PandoraPartyProject

シナリオ詳細

砂漠の涙、不毛な戦

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


「あれはうちの依頼人が購入するってんでとりに来た物なんだが? あんたらどこの誰だ?」
「それはこっちの台詞です。どこのどなたですか?」
 ラサ傭兵商会連合が都ともいえるネフェルストからやや離れて東へ。
 幻想との国境に近いとある小さな町の郊外にて、2つの傭兵団が対峙していた。
「聞いてねぇなぁ……どこの商人だ?」
 片や大柄な獣種の男。リカオンだろうか。年齢は壮年に入ってそうだ。
 顔に刻まれた傷が数々の戦場を潜り抜けた猛者であることを証明している。
「あははは、気が合いますね。こちらも聞いてませんよ」
 片や細身の人間種の青年だ。眼鏡を掛けた青年は丁寧な言葉ながらも棘のある物言いを男へ返す。
「怪しいねぇ……さては、賊か何かか?」
 男がそう言って詰め、片刃の大剣を担ぐようにして構えるのとほぼ同時、青年の方も棒を構えた。
「賊というのならそちらの風貌の方がそれっぽいですよ? 戦うというのなら、こちらも構いませんが」
 互いのリーダーらしき二人が構えたのに合わせるように、後ろに構える傭兵たちも構えた。
 一触即発の雰囲気を見せるその2つの傭兵団の様子を、君達は遠巻きに確認する。
 ぶつかり合いを見せる一歩手前の両軍を前に、君達は――――


 ――さて、事の発端は7日ほど前にさかのぼる。
「えぇ、私たちは何でも屋ですから。ご依頼があればお伺いしますよ」
 アナイス(p3n000154)はネフェルストから遠く、幻想との国境線近くにある小さなオアシスの町から訪れたという商人から話を聞いていた。
「……なるほど、二重に商品を売却するお相手を見つけてしまったと……」
「は、はい……私と、不肖の倅が同時にそれぞれ別の商人様と同じ商品を売買する計画をまとめてしまい……
 それ自体は商人様同士でお話を纏めて頂いたので解決済みなのですが……」
「ふむふむ、その商人同士が商品の輸送のために雇った傭兵が既に町に向けて出発済み。
 前払いでお金を頂いてしまった傭兵に今更キャンセルが出来ずと……」
「はい、今回の商品は砂漠の涙と名付けた綺麗な青い宝石で、今のところ1つしかなく……」
「つまりは2つの商人に渡せないので、どうにかして傭兵に返っていただきたいと……」
 アナイスが情報を纏めながら問いかけ続ければ、商人はこくこくと頷き続ける。
「分かりました。誰かに行ってもらえないかお聞きしましょう。
 貴方はお店もあるでしょうし、お帰り頂いて大丈夫ですよ」
「ははは、ありがとうございます! ありがとうございます!」
 ぺこりぺこりとしきりに頭を下げた商人が、そのままそそくさとその場を後にする。

GMコメント

さてこんばんは、春野紅葉です。
そんなわけで、傭兵対傭兵対イレギュラーズの三つ巴を始めましょう。

早速詳細をば。

●オーダー
2つの傭兵団を相手に交渉して落ち着いてもらう。

●戦場
砂漠地帯です。
丘陵のようになっている部分も多く、
やろうと思えば身を隠すことはできます。

●状況
みなさんは下記の2つの傭兵団がドンパチ始めた直後に到着し、
様子をうかがっている形になります。

2つの傭兵団が殴り合って勝負を決した後に介入するもよし、
今すぐ突入して両方とも蹴散らすのを目指すもよし、
どちらかに介入して叩き潰してみるもよし。

どのような手でも構いません。
また、現状においては双方ともに頭に血がのぼっています。
一度は叩かないと人の話を聞いてくれません。

●傭兵データ
・『オーフェルヴェーク傭兵団長』シドニウス・オーフェルヴェーク
大柄の壮年男性の方。豪快で堂々たる人物。
けんかっ早く、人の話を聞きもしませんが、一応、道理はわきまえています。
戦闘スタイルも豪快な近接物攻型パワーファイターです。
皆さんより多少格上です。
黒顎魔王にも似た闘気を収束させて放つ超高火力の斬撃が一番の大技です。
それ以外も攻撃スキルです。

・オーフェルヴェーク傭兵団×5
文字通りオーフェルヴェーク傭兵団の団員達です。
全員が獣種、物攻系アタッカーが多く、2人が槍兵、2人が銃兵、1人が剣兵です。

・『アイベンシュッツ傭兵団長』ハンノ・アイベンシュッツ
青年の方。眼鏡を付けた人間種の青年です。
基本的に理性的で穏やかですが、仕事とあれば多少の強引さは持ち合わせます。
戦闘スタイルは付与によるサポートとバフを乗せた一撃を叩き込む神秘系のテクニカルアタッカーです。
皆さんより多少格上です。
AKAにも似た付与からの魔光閃熱波にも似た魔術が一番の大技です。
その他、味方への神攻、命中、防技などを上げるサポートスキルを持ちます。

・アイベンシュッツ傭兵団員×5
文字通りアイベンシュッツ傭兵団の団員達です。
全員が人間種、神秘サポーターが多く、3人が杖持ち、2人が剣兵です。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • 砂漠の涙、不毛な戦完了
  • GM名春野紅葉
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年09月29日 22時20分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

ラダ・ジグリ(p3p000271)
剣砕きの
サンディ・カルタ(p3p000438)
須臾を盗む者
藤野 蛍(p3p003861)
二人でひとつ
桜咲 珠緒(p3p004426)
二人でひとつ
天狼 カナタ(p3p007224)
夜砂の彼方に
カイロ・コールド(p3p008306)
果てのなき欲望
玄緯・玄丁(p3p008717)
蔵人
幻夢桜・獅門(p3p009000)
撃劍・素戔嗚

リプレイ


 陽光が照り付け、足場の砂を灼熱に変えていた。
(防ぐべきではあるが、稀に事故が起こるのは仕方がないな。
 自分がやらかした時の為にも、しっかり経験積んでおかないと)
 ラサの武装商人一家の一人でもある『剣砕きの』ラダ・ジグリ(p3p000271)は身を隠しながら偵察を続けていた。
「解決済みの案件で無駄な諍いが起きても困るものね
 傭兵さん達には何とか話を通してみましょ!」
 ファミリアーの鳥を飛ばす『二人でひとつ』藤野 蛍(p3p003861)は鳥の視界で見下ろしていた。
「もう始まっちゃてるみたい」
「早めに止めたいですが……この間に入るのは無理がありますね」
 そう言ったのは『二人でひとつ』桜咲 珠緒(p3p004426)だ。
 超聴力で聞くまでもないほど、激しい金属同士のぶつかり合う音が、炸裂音が響いている。
「流石は傭兵、血の気が多いですね~
 傭兵同士の殺し合いは中々見られませんし、このまま見物していたい所ですが……今回は諦めましょう」
 殴り合いを見せる両傭兵団の様子を『果てのなき欲望』カイロ・コールド(p3p008306)はにこにこと笑いながら眺めていた。
「傭兵の矜持なんだろうが……話も出来ない脳筋じゃ二流だろ。
 強引に仕事を奪うなら三流以下だ」
 がっつり殴り合う敵を眺めながら『夜砂の彼方に』天狼 カナタ(p3p007224)は呆れた様子を見せる。
(……僕の探し人も見つけてくれないかなぁ)
 本当に何でもやるのだと感心する玄緯・玄丁(p3p008717)だった。
 とはいえ、別の傭兵に頼むと傭兵同士のブッキングに傭兵が絡むという面倒ごとが発生するのを考えれば、イレギュラーズに頼むのも理解できる。
「本当なら元気な内に挑みたかったんだが、両方殴り飛ばすにはさすがに力が足りないからなぁ」
 幻夢桜・獅門(p3p009000)は精強と名高き砂の国の傭兵を眺めながら呟く。
「さて、もうそろそろか?」
 懐の文書をしまった『須臾を盗む者』サンディ・カルタ(p3p000438)は仲間たちに問いかけた。
 ぶつかり合う2つの傭兵団に依頼をした商人達から受け取った証明書である。
 これがあるのとないのとでは変わってくるという判断だった。
 ラダとカナタはイレギュラーズに依頼をした商人とその息子からも話を受け取っていた。
「このくらい、でしょうか……行ってみましょう!」
 珠緒の言葉に合わせて、イレギュラーズは走り出した。
「そこまで! そこまでですよ!
 ローレット・イレギュラーズが仲裁に参りました!」
 攻撃のぶつかり合いは収まる様子は見せない。
「話を……」
 そっと構える。はたはたと魔力が可視化し、砂が舞い踊る。
「……聞くのです!」
 放たれるは閃光、鮮やかに桜色の鮮烈な光が降り注ぐ。
 既に混戦であることもあってそれだけを射抜くようなことは難しいが、人間種の者に比べて獣種側が前衛が多いこともあって比較的狙いやすくはある。
 奇襲を受けぬ獣種達がイレギュラーズに気づき動きを見せる。
 鮮やかなる閃光は収まらず、二度に渡ってその輝きで再び獣種達を照らし出す。
 一方で、敵の大将同士はこちらに見向きもしない。
「そこの傭兵さん達! ボク達はローレットの者よ!
 取引の行き違いの仲裁を任されてるから、まずは矛を収めて話を聞いて……」
 反応を見せた獣種に対して、人間種達もこちらに気づいた様子を見せる。
 しかし、蛍の目的は彼らじゃない。
「話を……聞きなさいって言ってるのよ!!」
 まるで見向きもしない大将同士に踏み込み、純白の手甲で握る桜色の剣を振りぬいた。
 紅蓮に熱を放つ桜吹雪が、獣種の大将――シドニウスを、その近くにいた1人の獣種に叩きつけられる。
 対して、シドニウスが人間種の男――ハンノを蹴り飛ばして、合わせるように蛍に合わせるように剣を振るう。
「っだァ!? てめぇは!」
 炎熱の桜吹雪を身に受けたまま戦意に満ちた瞳が蛍を見下ろした。
「ふふふ……どうも初めまして。カイロ・コールドと申します。少し遊んでいって下さい」
 蹴り飛ばされて後退したハンノに近づいたカイロが笑う。
「これはこれは、初めまして。横から割って入っていただけるとは――して、どのようなお話でしょうかね?」
 ひょうひょうと笑い返したハンノもまた、こちらに警戒心を向け、構えを外さない。
「割り込んだ際の苦情とかは受け付けませんので」
 カイロは金色の光を自らにもたらした。
 治癒を齎す光は鮮やかにその身の抵抗力を押し上げ、その生命力の上限を押し上げる。
「いえいえ、苦情などはありませんよ。ここまで都合よく現れるのです。
 恐らくはどこかで見ておられたのでしょうし」
 そう言うと共に、いつの間にか伸びていた棒の先がカイロを打ち据える。
 タフネスさもありさほど問題はないが、響く痛みは無視できる火力でもない。
「――それに我々もここで止まるのは少しばかり鬱憤が溜まりますので、発散させていただかないと」
「ォォオォ!!!!」
 カナタの咆哮が戦場に響く。
 杖を持つ人間種へと近づいたカナタの咆哮は拒絶を帯びる。
 人間種の帯びていた加護が削り落とされた。
 オーフェルヴェークに間違われるかとも思っていたカナタだが、オーフェルヴェークは共通した紋章とマークを付けている。
 間違われることはない。
 夜を抱く細剣を握った幻丁が魔力を練り上げる。
 雷霆を迸らせて細剣を指揮棒のように振るう。その瞬間、鮮烈なる魔力の砲撃が打ちだされた。
 焼き付けた熱線が、数人の傭兵を巻き込んだ。
 殴り合いを続ける傭兵の間を撃ち抜くように、ラダは引き金を引いた。
 圧倒的な眼力を有したラダの精密な狙撃を受けた獣種が飛び去ってそれを交わし、人間種がこちらを見た。
「あんた方と同じ商人から依頼を受けてきた!
 剣を納め、話を聞いてもらえないか!」
 身を晒して、改めて宣言するように声を上げる。
 仲間たちの言葉を聞かないのもあり、これで終わるとは思っていなかった。
 寧ろ、獣種の銃兵がこちらに銃口を向けた。
 サンディは一番弱っているであろう敵目掛けて走り抜ける。
 こちらを向く両傭兵団の剣兵1人ずつ。獣種の方へと、サンディは思いっきり蹴りこんだ。
 それだけで倒れてくるわけはなかったが、殺す気まではない。
 握りしめた大太刀を構えた獅門はサンディが蹴りこんだ剣兵へと大きく踏み込んだ。
 大上段からの振り下ろしは、手心を込めた慈悲の一撃。
 対応するように剣兵が剣を振るうがやや遅い。切っ先がその身体を浅く裂いた。


 アイベンシュッツを相手にする4人の状況はあまりよくはない。
 介入に気づいた彼らは直ぐに体勢を立て直していた。
 カナタは敵の大将、ハンノと相対していた。
 したくてしているわけではない。
「邪魔だ、そこをどけ」
「すいませんね、厄介な前衛に一番強い者を置くのは定石でしょう?」
 立ちふさがる敵に向けて、カナタは魔力を込め上げた。
 その爪牙を憎悪で磨き上げる。黒い魔力が浮かび上がるように可視化していく。
 それを見たハンノが涼し気な顔を驚きに見開いた。
 跳ぶようにハンノの懐へと潜り込み、圧倒的な火力を以って斬り開く。
 魂さえ抉り取るかのような憎悪の斬撃が、ハンノの傷を押し開き、鮮血が舞う。
「やはり、私が相手してよかったですね」
 後退しながら、笑ったその口元から血が零れ落ちる。
 反撃と共に撃ち込まれる敵の攻撃が、カナタを大きく撃ち据える。
 反撃の光がハンノを打ち据えるのを見ながら、カイロは治癒術式を呼び起こす。
 強引につなぎ合わせる治癒魔術がカナタの傷を癒していく。

「人の話は最後まで聞きましょうって教えられなかったかい? ……まぁ、僕は教えてもらえなかったんだけどね!」
 幻丁は雷霆を撃ち抜いた。
 真っすぐに走り抜けた魔弾が、追いすがってくる杖兵へと撃ち抜かれる。
 押し込むような一撃が真っすぐにかければ、杖兵が一度つまずいたように足を止めた。
「さて、そろそろ終わりだ――」
 スコープを覗いて、ラダは再び引き金を引いた。
 放たれるそれは不殺の弾丸だ。
 たとえ骨が砕けようと、内臓が揺さぶられようと。死ぬことのないゴムの弾。
 真っすぐに走り抜けた弾丸は、近づいてきていた人間種の男を撃ち抜いた。

 珠緒は蛍へと近づいていた。シドニウスを抑える蛍の傷を癒すことは重要だった。
 天使の福音はシドニウスを抑えんとする蛍の身に刻み付けられた多くの傷を癒していく。
 戦場に似つかわしくない穏やかで温かな音色に導かれるように、蛍が剣を握りなおした。
 その様子を見た珠緒は視線を別方向――サンディと獅門が潰そうとしている槍兵と銃兵へと注ぐ。
 そのまま、聖なる閃光を齎した。
「やるじゃねえか! いいぜ、アンタら2人、息があっててよぉ……」
「こんの……ッ! いい加減落ち着きなさいよ……ッ!」
 闘気が収束していく。大技を感じ取った蛍は覚悟を決めた。
 強き意思を、覚悟を自らの限界を超えた力に変える。
 桜の花が舞い散るような鮮やかな色の力が、全身を覆う。
「はっ! あのもやし野郎に比べて随分とおもしれえ奴らとやってんのに――白けてたまるかよ!」
 可視化するほどの濃密な闘気を帯びた斬撃が降り降ろされた。
 砂を吹き飛ばし、強かに蛍の身体を更に傷つける猛攻を、ぐっと、抑え込む。
 猛威を潜り抜けた蛍は、反撃の一撃を叩きつけ、そのままに炎熱の吹雪を呼び起こす。

 突き出された槍に剣をそえるようにしながら、獅門は一歩踏み込んだ。
 そのまま、お返しとばかりにこちらも刺突を叩き込む。
 真っすぐに駆け抜けた刺突は重傷足りえない位置を撃ち抜き、敵の動きを阻害する。
 続くように跳んだサンディが、その槍兵の懐に身を躍らせた。
 撃ち抜くは槍兵の鳩尾。綺麗に叩きつけられた拳を受けて、槍兵がその場でうずくまった。
 不殺を心掛ける2人の手によって沈んだ槍兵を見下ろしたまま、視線を別の方向に向ける。
 サンディは撃ち込まれた銃弾の傷を再生力に任せて打ち消した。


「ここまでよ!」
 蛍は振り下ろされた剣を撃ち返して、シドニウスへと叫ぶ。
「あぁ? ――ん? ……まじかよ」
 周囲を見渡したシドニウスが、舌打ちする。
 銃兵を打ち倒したサンディと獅門が近づいてきていた。
「消化不良だが、まぁ……しゃあねえか。あんた等2人と遊びすぎたな」
 シドニウスは剣を砂に突き立て、砂を払うように後頭部?を掻いた。
「ボク達はローレットに所属するイレギュラーズ。取引の行き違いを仲裁されてきた」
「あぁ、分かってら。聞こえてたからよ。わりぃな。
 でもよ、アンタらが本当にどうかは知らねぇし、そいつが本当に俺らの依頼主が取引した相手か分からねえし。
 何よりもだ。俺達を仲裁するってんのに、話にならねえ雑魚じゃあ意味がねえだろ?」
 けろっとした様子でそう言った男が視線を別方向へ向けた。
「終わりにしましょうか」
 ラダの放った弾丸を肩に受けて体勢を崩したハンノが、起き上がると共にそのまま棒を背中に回して伸びをする。
「後ろからの弾丸ということは、うちの者は全滅したみたいですし?」
「場所を変えませんか?」
 カイロは歩いてくる2人をハンノ越しに見れば、同意を受けた。


 イレギュラーズは傭兵たちと共に町の中にある酒場へと訪れていた。
「これが、私達の依頼人からの文書だ」
 ラダは2人の団長たちに事前に用意していた依頼人からの書状を見せる。
 内容は代理人であること、商人側のミスの謝罪などなどが記されてある。
「同じようにこっちはうちの代理人の倅からだ」
 カナタが同じように謝罪文を出せば、団長たちは2人ともそれに視線を落とす。
「それからこれはあんた等の依頼人からのだ」
 サンディはそれに続くように持ってきた彼らの依頼人の文書を手渡した。
「確かにうちのみたいだな」
「ええ、こちらも間違いなく」
「戦闘お疲れ様……と言いたいところだけど、被害は少なくないよね
 怪我を治したとしても疲労はあるだろうし、この際二つの傭兵団で輸送をすれば良いんじゃないかな?
「契約内容は知らないけど、この怪我も補償に入ると良いよな」
 幻丁と獅門の言葉に2人が否定する。
「はっ、死んじゃねえんだ。怪我の補償も何もいらねえわな」
「ええ、うちも大なり小なり怪我を負ってるぐらいです。休ませれば済む話ですから」
「うちの依頼人には直接の話がいるならお二人と話をしてもらえるようにしてるけど、どうかしら?」
「そうですね……蛍さんのおっしゃる通りでしょうか。いかがなさいますか?」
「いいや、構わねえさ。輸送は輸送なんていらねえらしいしよ」
「ここには今回の輸送対象は3つの商家で共同して出資する基金とやらの資本金に変える形にするとのことですし。
 前金はそのままお互いの傭兵団がもらい受けるようですし、うちとしては報酬分に近い運動もしましたからね」
「そうそう、それだ。報酬分働いたようなもんだ。消化不良もなし、金は貰える、万々歳ってやつだな」
 傷だらけのリカオン顔で笑うシドニウスと眼鏡を押し戻したハンノがいう。
「まぁ、文句があるとしたら、もっと早く出てきて頂いて、このむさ苦しい獣と戦わずにすませてほしかったぐらいですか」
「あぁ!? 喧嘩売ってんのか!?」
「そういうところですよ。それより、せっかくです、貴方達も傷を癒されたらいかがです? 我々が奢りましょう」
 そもそも反りが合わないのかまた喧嘩しかける2人だったが、イレギュラーズの用意した文書を受け取りはしている。
「あぁ、そうだな。報酬は前払いで受け取ってるしよ。あんた等にも苦労かけたな」
 そう言って押し切られるようにイレギュラーズは酒宴に巻き込まれるのだった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

藤野 蛍(p3p003861) [重傷]
二人でひとつ
天狼 カナタ(p3p007224) [重傷]
夜砂の彼方に

あとがき

お疲れさまでした、イレギュラーズ。

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