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シナリオ詳細

<Bloom*Bloom>夏夜のひかり

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

 ――たすけて!

●夜明けを迎えに
 準備も終わり、前夜祭を終えたブルーム・ブルーム。
 人々の喧騒も薄れ、夜が満ち、少しずつ世界が眠ろうとしている頃のことである。
「――でね、突然レモンの花が降ってきたんだよ。俺のところは食事担当だっただろう?
 ケーキにレモンの花がかからないようにみんなで急いで傘をさしてさぁ」
「え?! そんなに広い範囲で降らせたのね私、ごめんなさい!」
「まったくお前は……まだまだ追うというには未熟だな」
「兄さまの昨年の祭りに比べたら楽しくてみんな心から笑ってるわよ。あんな法律クイズだれも楽しめないわ」
「……ほう? それならば来年もう一度――、」
「いや、それはやめておいたほうがいいよ」
「レオ……お前まで」
 美形の三人の談笑。
 きらきらと漂うオーラにカナタは首を横に振った。
「そんなことより、明日のご予定を伺わないことには俺だけじゃなくて皆様も眠れないのですが!」
「もーぉー、カナタったらいじわるぅ。久々の幼馴染の歓談の時間すらくれないの?」
「あのねえ、今二時ですよ夜中の!!
 そんなこと言う余裕あったら明日の開催宣言の暗記だとか睡眠時間確保に努めてもらえません?」
「カナタくんはお父さんみたいだね」
「フローラのストッパーになってくれそうで助かっている」
「こんなパパいらないわよ!」
「そこ二人はまだ書類見てるから許しますけどそこの女王は俺がその気になれば遊ぶ余裕すら与えず公務と書類を積むことができるってことを忘れるんじゃありませんよ」
「ひっどうかそれだけは!!」
「まったく……で、どうするつもりなんですか?」
「うーん、俺たち三人はきっと自由に動いていると思うよ」
「了解いたしました。護衛の人数を増員しておかなくっちゃな……」
 ふむ、とうなずきメモしたカナタにああ、とレオナルドは手を挙げて。
「きっと護衛なんてなくたって大丈夫さ、皆なら毒を仕込むこともないだろうしね」
「あなたは王という自覚を持つべきですよ……まったく。
 何かあったら近くの兵や花冠師(フルール)を頼ってくださいよ。俺がずっと近くにいられるわけじゃあ、ないんですから」
「ふふ、ありがとう」
「やはり父親のようだな」
「こんなパパいやよ」
「フローラ様はあとでよろしくお願いしますね」
「ひぃぃ!!」

●しかして悪の影は
「――大変だ!」
 いつもよりもせわしない様子で現れたフィス。手中の本の血塗られたページには泣き叫ぶフローラの挿絵。
「フローラ、それにレオナルド。二人が誘拐された。
 護ろうとしたグレイシアは重症だ」
 曰く。祭の途中に悲鳴が聞こえたようだ。
 フローラの長い長い、若草の髪。そして、いつかの桜色の髪飾りが血痕とともに置き去りにされていたのだと言う。
「……あの世界にも陰りが見える。どうか力を貸してくれるかい」
 フィスの瞳は、鋭い光を携えていた。

NMコメント

 心踊る物語を貴方に。どうも、染(そめ)です。
 夏の終わりに。もうすぐ深緑編の結果も帰ってくるでしょうか。
 それはそれとして、こちらの妖精界にも陰りがちらほらと。
 どうかお力をお貸しください。
 それでは、今回のシナリオの説明に入ります。

●目標
 フローラとレオナルドを襲った賊の痕跡を調べる。

 誘拐です。身代金目的でしょうか、あるいは。
 二人の残した手掛かりから二人の居場所を探し出しましょう。

●怪しい場所
 四人それぞれ、別のところに行っていただければと思います。
 二人ペアで二か所を回る、というのもありですし、全員ですべてを追うのもありです。

 手掛かり①人に聞き込み調査
 ポセイドンの様子がおかしいと語る人間や、そのポセイドン。
 はたまたお昼だというのに『眠そう』な妖精たち。
 彼らに聞き込みを行いましょう。

 手掛かり②散らばった髪
 フローラのモノと思われる緑の髪がどこかへと続いているようです。
 道中の魔物に気を付けながら進んでみましょう。
 魔物の想定レベルは25、神秘系です。

 手掛かり③カナタ
 珍しく落ち込んでいるようです。
 彼から事件の手掛かりを得ることができたのならば、シナリオに大きな結果をもたらすことでしょう。
 状況次第では戦闘に巻き込まれます。
 カナタ自身の想定レベルは35、神秘前~中衛のトータルファイターです。

 手掛かり④グレイシア
 腹部に大きな切り傷を負いました。
 傷口になにか付着しているかもしれませんし、彼の記憶にも残っている何かがあるでしょう。
 状況次第では戦闘になります。
 想定レベルは25、BS付与に注意しましょう。

●世界観
 魔法世界『ブルーム・ブルーム』。
 花と魔法で満ちた世界。魔法で文明が築かれています。
 基本的には物理攻撃よりも神秘攻撃がメインの世界です。
 また、ファンタジーな世界ですので、妖精やドラゴンなど、ありえない生物がいます。

●フルールについて
 フルールとは、花冠師のこと。
 魔法や魔術を使う人々のことを指し、この世界に住まう人々の半分は花冠師です。
 現地の人々はもちろん、異世界から来た人がフルールと呼ばれる場合もあります。
 また、フルールにはギルドがあり、各々所属している団体があるようです。

●妖精たち
 たくさんいます。
 賑やかで楽しいことが大好きです。
 幼い子供のような見た目で、とても小さく手のひらのほどの背丈です。
 また、後ろからきらめく羽が生えています。

●NPC
・フローラ(ティターニア)
 妖精女王、花の妖精。引き摺るほど長い若草色の髪が特徴で、桜色の髪留めが宝物。
 エルフのような長耳と少女のような凹凸の少ない身体。性格はお茶目でお転婆、然しながら王としての自覚も芽生えつつあります。

 誘拐されたようで、その安否は不明です。
 

・グレイシア
 先代の妖精王、氷雪の妖精。鋭い目つきと薄氷色の髪が特徴。
 エルフのような長耳と眼鏡、恵まれた体格を持ちます。
 他国の妖精へ外交をしに行っていた経歴を持ち、知識も豊富です。

 重症を負い寝込んでいます。

・カナタ
 花冠師ギルド『Flowers Flag』のギルドマスター。
 トップクラスの実力を持つ温厚な青年です。
 剣術を得意とし、フローラ達の護衛として腕を買われています。

 妖精城のテラスにいるようです。

・ポセイドン
 気の弱い海の妖精。水かきのついた手や鱗のある足、耳がヒレのようなのが特徴。
 褐色の肌に青い髪をしている。水に入ると半魚人です。
 フローラやグレイシアとは幼馴染。泳ぐのが好きです。

 街の屋台の近くで休んでいるようです。

・レオナルド・フラウ・ブルーム(レオ)
 地上、つまりは人間界の王でありフローラの幼馴染です。剣術のプロでもあります。
 フローラから最上の祝福を送られた彼は、人間よりも寿命が長く、不老に近いようです。
 金髪碧眼、人の目を引くイケメンです。その性格は計算高いものの温和。

 誘拐されたようで、安否は不明です。

●サンプルプレイング
 私は①を担当するわ。
 聞き込みは地道に。それこそが最高の結果を生むと知っているもの。

 以上となります。
 皆さまのご参加をお待ちしております。

  • <Bloom*Bloom>夏夜のひかり完了
  • NM名
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年09月06日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

サイズ(p3p000319)
カースド妖精鎌
武器商人(p3p001107)
闇之雲
回言 世界(p3p007315)
隠者
ジョージ・キングマン(p3p007332)
絶海

リプレイ


「おやまあ、おやまあ。
 "春の陽気"に似つかわしくない気配に満ちていること。
 可愛い女王様を拐かしたのは誰だろねぇ? ヒヒヒヒ……」
 揺蕩う銀糸。けれども少しばかりの負の感情。
 『闇之雲』武器商人(p3p001107)はいつものように笑みを浮かべながら。しかしながらそれは喜びや嬉しさからくるものではないということを理解していた。
 祭が行われているはずだった街へと足を運ぶ。肩を落とした人間や妖精の姿。武器商人は彼らへと声をかけた。
「おやまぁ、かわいい隣人たち。どうしてそんなに眠たげなんだい?
 それから……キミ達の女王様が攫われたところを見た人は、いるかい?」
 眠たげに空を飛ぶ妖精たちを掌に座らせて問う。
 むにゃむにゃと言いながらも頬ををぺちぺち叩いて自分を叱責して、武器商人へと困ったように笑いかけた。
「あのね。じょおうさま、さらわれちゃったの」
「ぼくたちね、じょおうさま……ううん。長がいないと。すこしずつよわってしまうの」
「それからね。それだけじゃなくってね、」
 ぼろぼろと。少しずつ。こらえていた涙が赤い頬を伝ってゆく。
「わたしたちね、すこしずつまほうをかけられたの」
「きっとぼくたち、ちいさいから。だから、効いちゃうの」
「うっ、うっ」
「……泣くことはないさ。なんたって我(アタシ)達がついてるからね。
 何度もここに訪れているのを知っているだろう? 安心おし」
 ぽふん。頭をなでてやると、うわぁん! とその指にすりよって大声で泣き喚く。
 泣いている妖精たちはみな、花をつけていた。
 きっとフローラの花だろうか。妙な魔力を感じながらも、武器商人は思考を巡らせる。
 もう一つの解答を得るには冷静さを欠いた妖精を手にのせたまま、今度は人間へと問いに向かう。
「やぁ。少し調べ事でね。
 ポセイドンの様子……どうおかしかったんだい?」
「ああ……花冠師さんか。おつかれさま、


 きっと彼は……誘拐されるところを見たんだろうね。


 速足でポセイドンのもとへ向かう。
 眠たげな妖精は抱いたまま、すばやく。
「……みつけた」
「……やぁ」
 彼は背を落としたまま、武器商人へとあいさつした。
「妖精たちは眠くなさそうなのだけれど、キミは眠くはないのかい?」
「……おれは、眠くないよ。
 その花。妙だったから、もらわなかったんだ」
 妖精たちが纏う花を指し示す。
 ふむ、と頷く武器商人。
 ポセイドンのことばは、止まらない。
「おれがあのとき、あの花をもらっていれば。きっと。
 フーちゃんを攫ったあいつを、止められたかもしれないのに」


「……次はこっちか。……ああ、ちょうどいいや」
 『妖精の守り手』サイズ(p3p000319)は確かに怒りを露にして、森を駆ける。
(……誘拐犯に混沌(あっち)でなんもできなかった分、全力で八つ当たりさせてもらおう、フローラ様を誘拐したし…慈悲なんて完全に要らないよね?)
 落ちている若草の髪。
 その切断面。
 刃物で切ったのだろうか、あまりにも整っていた。
(敵は刃物を持っているのかもしれない……いや、フローラ様が俺達に見つけやすくするために切ったのかも)
 その答えは、聞いてみなければわからない。
 だから探そう。
 おてんばな姫君を。
 泣き虫で、本当は弱い、ただの強がりなお姫様を。
 しかし。それをよしとしてくれるほど敵は優しいわけではない。
 この森を撤退ルートに選んだのは魔物がいるから。
 それは己にとっても不利ではあるが――敵(おって)にとっても同じ。
 行く道を阻む魔物たち。
 サイズを取り囲み、手掛かりを、手を伸ばしているであろうフローラ達とのつながりすらも断ち切られそうに思える。
「ああ……今の俺に優しく手加減できる余裕はないんだがな?」
 氷の刃。斬。
 切り拓くは救出への道筋。
 生きて連れ帰らねばならない。
 必ずだ。
(……だって。まだ、俺は貴女とすごした過去があるから)
 小さな小屋でのひと時を。
 ふたりだけの小さな約束を。
 忘れたわけではない。
 だから追うのだ。
 幾度魔物が道を阻もうとも、前へ前へと。
(フローラ様が見つかったら……甘いものを用意して、あたたかいベッドで眠ってもらおう。
 俺たちはしっかり護衛して、安心できるようにしてもらわなければ)
 本当は彼女が弱いことを知っている。
 ふつうの女の子だということを知っている。
 怖いだろう。震えているだろう。
 気丈にふるまって立ち向かっているかもしれない。
 けれど散らばった髪はもう無事ではないことをしめすものかもしれない。
(くそっ、誘拐犯め……人間なら拷問してでも吐かせてやる。
 誰を誘拐したのか、その身にわからせてやる……)
 駆ける。駆ける。
 今度こそ。
 この手で。
 妖精を救うのだと。


(誘拐事件……それも人間と妖精双方の王とはな。こいつは大事だ、祭りが中止になりかねない。というかなってる。
 まったく、カナタ達は何をやってるんだ。平和だからってたるんでるんじゃないのか?)
 甘味が遠のいたことをぼやきつつ『貧乏籤』回言 世界(p3p007315)はカナタのもとへと足を運んだ。
 妖精城のテラス。
 眺めも良く、心地よい風が吹いていた。
「カナタ、早速起こった出来事と現状判明してる事を教えろ。お前ほどの男が今までただ落ち込んでいただけという訳でもないだろう」
「まったく、君ってやつはセンチメンタルのセの字も知らないんじゃないかな」
 苦笑しつつも、その表情には陰りが見える。
 情けない。悔しい。
 そんなところだろうか。
「攫ったのは恐らくクロユリのときと同じ奴だ。
 フローラ様の髪が切られた。それだけはわかってる。妖精たちの眠気の原因は不鮮明、ポセイドン様が犯人を目撃している」
「……そうか。落ち込みたくなる気持ちもわかるが、生憎気分が晴れるのを待ってるほど俺は気が長くないからな。
 後悔や反省は次に活かすためのものだ。二人がどうなってるか分からない今、俺達に立ち止まってる暇なんてないぞ」
「はは……そう、だね」
 テラスから出ようと、世界が扉を開いた。
 風が吹いた。
 カナタの瞳には、光などなかった。
「だから。嫌なんだ」
「は……?」
「俺じゃあもう役には立てないよ。護衛だと言っておきながら攫われてしまった」
 わがまま。
 理解している。
 だけれど。
 進むにはもう、勇気が足りない。
「俺を負かせてくれたなら、君についていくよ、世界」
「……いったな。ついでに甘味奢りも追加だ」
「はは……俺が勝ったら何も言わずに見逃してくれ」
「カナタが強いのは百も承知だが、気落ちしていては腕も鈍るというものだ。そんな状態で余計な怪我を負われては迷惑だからな。手加減してやる(意訳:落ち込んでいたカナタが心配なのでできるだけ戦線に立たせておきたくない。し、早めに倒す)」
「……とことんお人好しで。心配になるよ。馬鹿だな、世界は」
「あいにくだがお前よりは賢いはずだ、カナタ」
 風が強く吹いた。
 どちらかともなく地を、蹴る。
 そうして。
 ふたりは。
 初めて刃を交えた。


(王をさらうような豪胆な者が、身代金目的とは考えづらい。
 なにせ、手を出したのが王だ。国を敵に回すのは、割りに合わないだろう。
 鬼が出るか蛇が出るか。何が出ようと、叩き潰すのみだ!)
 『絶海武闘』ジョージ・キングマン(p3p007332)の決意や硬く。
 握られたこぶしはつよく、つよく。
 そして今彼は護衛としてグレイシアの傍にいた。
「当時の状況を、グレイシアが見て、戦ったものを教えてほしい。
 一体、何があった……?」
「……ああ。正直、あまりはっきりと覚えているわけではないのだが」
 頭をおさえながら。グレイシアは身体を起こし、ジョージへと向かい合う。
「フローラに花を差し出した男が居てな。
 ローブを羽織っていて……その裾の内側に刃が見えたから、跳ねのけたんだ。
 そしたらこの有様だ。妹は攫われてしまったし……情けない」
 自虐気味に笑うグレイシア。
 自分を保つためなのだろうが、しかし悔しさの色がにじんでいた。
「大丈夫だ。俺たちが必ず助け出すと誓う。
 また、蜂蜜を土産に持ってきてある。あの二人が居ないと、茶会も楽しめないだろう?
 グレイシアも、養生してくれ。まずは、身体を治すのが先決だ」
 ジョージの発言にしばらく瞬いた後、グレイシアはぷっと吹き出した。
「……そうか。そうだな。そうさせてもらうよ」
「ああ、そうしてくれ。
 誰かがこの世界を嫌っているのかもしれない。そうでなくとも、俺はこの世界を好ましく思っている。
 だから。そこに影がさすなら、その憂いは俺達で払い除けよう」
「……よい友を持ったものだな。ほんとうに、ありがとう……ぐっ!?」
「グレイシア?!」
 傷口を押さえ、うめくグレイシア。その額には冷や汗がにじんでいた。
「すまないグレイシア、できるなら、傷口を見せてもらってもいいだろうか。
 先代の妖精王に、ここまで重症を負わせた物の正体を探るためにも」
「はぁ……っ、う、かまわ、ない。たの、んだ……」
 痛みか、苦しみか。
 気を失うグレイシア。
 腹部にまかれた包帯をほどき、傷口を診る。

 そこにあったのは、呪いの残滓。
 猛毒と、致死量の薬物と。
 確実な殺意を込めて。

 “愚かなものだ。この世界を妖精に託すなど”
「貴様は誰だ!!」

 ジョージの声が部屋に響く。声の持ち主は現れそうにない。

 “なあ、花冠師よ。この世界は、善と思うか?”
「……迷い、進んできたのだろう。善とは言い切れない。
 しかし、悪などではないッ!!」

 腹部に取りついた悪を、邪を、その拳が打ち祓う。

 “……そうか。残念だ”
「待て! 二人へつながる手掛かりなら、逃しはしない……!」

 拳を伸ばす。虚空へ。
 しかし。そこに残されたのは。
 クロユリの花弁であった。



成否

成功

状態異常

なし

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