PandoraPartyProject

シナリオ詳細

おめでとうございます! 500,000,000,000Goldが当選しました!!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●お元気ですか? 以前助けて頂いたグナグルゥッシャガオゥーです。
 貴方にお金を振り込むことが、私達の幸せです!
 是非連絡先を教えてください。
 当店の取り扱っている商品は全てクリーン。安心安全です。

 それらから得た利益を貴方に振り込みます!
 これは嘘ではありません。私達を信じてください。
 夫がパカダクラに殺されて一年、真面目に働いて得た資金です。

 簡単なアンケートにお答えいただけるだけですぐにお振込み出来ます。
 貴方からの連絡をお待ちしております!

●お分かりですね?
「――という怪文書が出回ってるんだけど、まさか引っ掛かった人はいないよね」
 ギルオス・ホリス(p3n00016)は言う。ハハハまさかねと。
 上記の怪文書が出回り始めたのはごく最近の話だ。なんでも各国家間サミットにおける領地――の話が出た後すぐだとか。成程、詐欺の話は世間の流行にも敏感なんだなぁ……え、これは詐欺の話ですよ? 500,000,000,000Goldとかある訳ないじゃないですか!
 ともあれ、これは手紙で届くらしい。
 そして手紙に返信すると――あら不思議、個人情報が駄々洩れだそうだ。
「連絡先には個人的な資金の口座番号とか、家のどこにお金を保管してるとか、鍵はどこに保管してるとか……そういうあまりにも分かりやすい内容記載箇所があるんだけど。でもね、あれなんだよね。こういうのって一人引っかかるだけで利益になるらしいからなぁ」
 特にこれ、一般人もそうなのだが――イレギュラーズも狙い撃ちされているらしい。
 もしかしたら貴方の家にもこんな手紙が届いているかも……まさか返信したりしてませんよね? ね?
「で。この詐欺にあったとされる複数のバ……もとい、複数のお貴族様とか色んな所から依頼があってね。僕達でこの件を解決しに動こうと思う。具体的に言うと……この詐欺グループに襲撃を掛ける」
 実はギルオスの調べにより詐欺グループのアジトは既に判明しているらしい。
 とある一軒家。そこへ一気に襲撃を掛け、この事件を終わらせる。
 500,000,000,000Goldというあまりにも分かりやすい数字……なれど、悲劇的な犠牲者をこれ以上出してはならないのだ。
「向こうは完全に油断しているみたいでね、襲撃を掛ければそんなに苦労はしないと思う」
 準備する時間もあるだろう。例えば知り合いを呼ぶだとか……
 まぁかといって悟られたら面倒な事になる。
 日を跨いで後日、などと言う訳にはいかない。その日限りの勝負だ。

 と言う訳で頼んだぞイレギュラーズ――
 あっ! 解決しても勿論500,000,000,000Goldは出ませんよ!!

GMコメント

 まさかこんな詐欺に引っ掛かった人はいませんよね……!!
 と言う訳で依頼です!!

■依頼達成条件
 詐欺グループを壊滅させる!

■戦場
 幻想の、とある一軒家です。
 中はしっちゃかめっちゃか散らかっていますが、まぁ動くに問題は在りません。

 ここに詐欺グループのメンバーが潜んでいます。
 向こうはまさか襲撃されるとは思っていないようで油断している様です。
 時刻も朝・昼・夜いずれを選択しても構いません。

 奴らを思いっきりぶちのめしてやりましょう。

■詐欺グループ
 一軒家の中に男性が五名いる様です。
 そこそこタフですが、戦闘能力に優れている訳では無い様子。
 逃さないようにだけ注意しておけば脅威ではないでしょう。

■その他
 これは詐欺にあった複数の国家の貴族とかその他色んな人から出されています。色んな国家の人が注目しているという訳で……今回の依頼では『取得名声先を一人ずつ選べる』ものとします。(取得できる名声の値は難易度相応の数値です)

 一行目に『国家の名前』を一つだけ記述してください。

 幻想の名声が良ければ『幻想』で、鉄帝が良ければ『鉄帝』という感じです。
 記述がない場合『幻想』の名声を付与します。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • おめでとうございます! 500,000,000,000Goldが当選しました!!完了
  • GM名茶零四
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2020年08月29日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ユーリエ・シュトラール(p3p001160)
優愛の吸血種
フィオナ=バイエルン(p3p001239)
牛柄ガーディアン
イルミナ・ガードルーン(p3p001475)
まずは、お話から。
リョウブ=イサ(p3p002495)
老兵は死せず
マニエラ・マギサ・メーヴィン(p3p002906)
記憶に刻め
ルカ・ガンビーノ(p3p007268)
運命砕き
シルキィ(p3p008115)
繋ぐ者
カイロ・コールド(p3p008306)
闇と土蛇

リプレイ


 500,000,000,000gold……魅惑的な数字である。
 500,000,000,000gold……ぶっちゃけガチで欲しい金額である……が。
「え? いくら頭おかしいヒトの集まりだからってこんなのに引っかかるやつおる? 
 おった?? マ??? 正直それって頭がおかしいというよりもただのば……」
 か。と続けるのは流石に『策士』リアナル・マギサ・メーヴィン(p3p002906)もやめてあげた次第である。いやどう考えてもば……としか思えないが、ただちょっと頭がおかしいからそういう基準がなかったんだろう。
「まぁ何はどうあれ詐欺を見過ごすわけにはいかないな……依頼として出されてるともあらば」
 そう。実際被害に出た者達から依頼も出たのであれば、ローレットの一員としては何でも良い。仕事のためなら人も殺すし芝居もするし、時に人を騙す事もあるし、ギルオスとかおっさんとかのパンツをギルオスの家に届けたりもする。仕方ないね……いやちょっと待つんだ。何かおかしいのが混じっていたよリアナル。おおい! 聞くんだ! 最後のは仕事じゃないだろう、おい!
「ああ。だがその前に一応偵察だけ済ませておくか」
 ともあれ念には念を入れて、と。『鬨の声』ルカ・ガンビーノ(p3p007268)は『la mano di Dio』シルキィ(p3p008115)の方へと視線を。彼女のファミリアーの猫さんが家の方へと近寄っている……情報通りなら逃げ道さえ塞げばなんとかなりそうだが、それでも念の為。
「……しかし各国の奴が、ねぇ。こんなアホみたいな詐欺に引っ掛かるやつがラサにまでいるたぁな……まったく、驚きだぜ本当に」
 呟くルカ。ラサではお国柄商売の読み合いが激しい。
 情報の正誤。この商売は是か否か――そういったモノに優れていなければあの国では淘汰されよう。よく今まで生きて来れた者がいたものである……呆れる様な、まぁ自らが掛かった訳でもなし。別にいいと思わないでもないが。まぁそれでもなんというか……
「まぁでも――既に各国から複数の被害報告が出ている……放っては置けないねぇ。
 人の純真な心を弄ぶなんて許せない。詐欺師たちにはたっぷり反省してもらうからねぇ!」
 ともあれシルキィは猫を近付け偵察しながら信念を固く。
 こういうのは騙す方が悪いのだ。信じた者は純真だっただけ……
 500,000,000,000gold。そんな数字が目の前に現れれば人はどうなる? そう! 騙されるのは悪くない! 悪いのは全部詐欺師たちである!! 何を隠そうわたしも送りかけ……
「いや違うんだよぉ、最近領地経営始めたら色々入用で、その、ちょっとお金に目がくらんで……えぇいとにかくお仕置きだよぉ! 彼らは絶対に許さないんだよぉ!!」
「そうですよそうですよ!! いえいえ私も別に引っ掛かった訳じゃないんですけどね? ええ、ただちょっとアンケートには全てお応えしただけで――ええ、ただそれだけで引っ掛かった訳じゃないのですが。とにかくゆるしません」
 それは完全に引っかかってますよ『牛柄ガーディアン』フィオナ=バイエルン(p3p001239)さん!! 拳固く、怒りのウサシン。ここに爆誕。
 ともあれ偵察の結果、大丈夫そうだ。詐欺師達は油断している。
 こんな輩共はさっさとしばき倒してしまおう。人を騙すのは百歩譲ってよいとしても。
「騙すにしてももう少しスマートさが欲しいと感じるね、私は」
 あまりにも雑だと『老兵は死せず』リョウブ=イサ(p3p002495)は吐息一つ。
 騙すというのは手を抜いて行うものでもないし、代償が無いものでもない。まぁ世の中中途半端に上手い嘘よりは明らかに下手な嘘を出して引っかかる者を『あぶり出す』というテクニックもあるが――無差別にこのような詐欺を出した結果『代償』が目の前に来ている。
 これが彼らの下手さの証左。彼らは報いを受ける時がきたのだ。
「その性根に少しばかり喝を入れてやろうじゃないか」
 足音に気を付けつつ前へと進む。周辺の窓や出口、逃亡に使いそうなルートを把握しつつ。
 それぞれが配置につく――そして。
「お邪魔しますよっと。負債を払うお時間だぜ」
「さぁ御用ッスよ!! 御用改めッス、覚悟――!!」
 ボッコボコにしてやるッス! 扉を蹴破り突入したのはルカと『機心模索』イルミナ・ガードルーン(p3p001475)だ。イルミナの放つ軌跡は青を導き、手足に纏う光が力と成る。ただの扉如きに防げる道理もなく突き破れば――直近に居た男に拳一閃。
「な、なんだテメェらは!! 一体どこのモンで……ぐぉ!」
「『どこからの者』でもありますよ。ええ、それこそ各国あらゆる所からの」
 にっこりと。笑顔と共に『果てのなき欲望』カイロ・コールド(p3p008306)もまた中へと踏み込む。
 男を抑え込む様に。決して逃げられる様に壁を背に前を抑えて。
 カイロの集中力は此度、極まっていたというに等しい。なぜならその理由は――
「騙す事。ええ、それは構いません。それ自体を嫌っている訳ではありませんし……なんんら私だって人を平気で騙しますしね。ええですが――私が騙されるなんて許せるものではないのですよ。絶対に」
 そう――彼自体も被害者であるからだ!!
 別に怒ってはいない。怒ってはいませんよ? だがケジメは付けさせる。
「人のことを騙して得るお金なんて絶対に間違っています!
 何人も実際に被害も出ている以上……きついお仕置きがあるのは覚悟してくださいね!!」
 そして『優愛の吸血種』ユーリエ・シュトラール(p3p001160)もまた彼らを許さない。
 自らに活力を。戦うための力を宿しつつ――思うは彼らの所業だ。
 500,000,000,000Goldとかいう非常に分かりやすい、あの、金額だが。実際に騙された人がいるのだ。多少なりともお金が動いてしまった――失われたお金があるのだ。とても分かりやすいアレだったけど。
 故に覚悟を。恨みはなくても怒りはあり、だからこそ……決して逃がすまい!


 昼間。まだ日が高い頃に始まった襲撃は電撃的に行われた。
 詐欺師たちはまさか襲撃されるとすら思ってもいなかったのだろう――彼らの慌てふためきようは心の底から。動きは鈍く、イレギュラーズの突入を簡単に許して。
「ひ、ひぃ! まさかお前らはイレギュラーズ……!」
「あぁ? 悪事を働くならこういうリスクは付きもんだろ? まさかちゃんと考えてなかったのか?」
 机を蹴り上げ露骨に威嚇する様に。ガラ悪き様を見せつけ怯えさせながらルカは前へと。
 手に持つ剣を大振りに。味方を巻き込まぬ様に――その場を薙ぐ。
 与えるは痛みよりも恐怖。した事から考えれば殺す程ではないと考え、しかし無罪放免させる気もさらさら無い。奴らが逃げられる様にその動きには常に注意を払いながら。
「ふふふ。ええ逃がしませんとも。絶対に逃がしませんとも……真の恐怖を与えてあげましょう」
「こ、こいつ!!」
 カイロもまた奴らに『恐怖』を与える事を優先とする。
 動けぬ様にしている者が抵抗とばかりに拳を繰り出してくるが――その度に叩き込む一撃。幾度とも返すは各部位へと。膝、肘、鳩尾、股関、指、足の甲、顎、肋骨、鎖骨、鼻、歯、喉、眼球の表面……ああいずれも潰さず折らず決して殺さぬ。
「痛いですか? 痛いでしょうね――しかしやらねば逃げれませんよ?」
 人が痛みを感じやすい場所へ。
 自らには治癒の術を施しながら精神を追い詰める。ケジメを受けろと何度でも。
「くっ、相手してらんねぇ! 逃げろ逃げろ! 窓からでも……!」
 さすれば男の一人が窓を見据える。
 イレギュラーズの相手などしていられるかとばかりに。駆け出し、そこから跳び出さんとして……
「ほら、ね? 出口から飛び出せたら『逃げ切れる』と少し安心すると思うんだよ――そこを叩き落とした方が、もっと面白いと思うんだよねぇ」
 其処へ至ったのは『氷』だ。
 それはリョウブの一撃。逃げれる、と確信した所へと放たれる絶望の証。
 ――逃げれる箇所を残しているのはわざとだ。敵に決死の感情を与えるよりも、希望を与えながら――それを手折る。元より逃がしはせぬ様にほぼ全域を射程に捉えられる位置へと布陣しているのだ。
「さぁ頑張りたまえ。もしかしたら逃げられるかもしれないよ? もしかしたら、もしかしたら」
 与えるつもりは一切ないが。
 まるで彼は語る様に。歌う様に――絶望を与えるのだ。
「どこに行くんですか? 絶対に逃がしませんよ。
 ……まぁ、たとえ逃げても地の果てまで追いかけますが……?」
 銀の髪。それはユーリエの吸血鬼の証。右肩にはまだお昼時で眠そうな蝙蝠君も居て。
 紅き瞳が彼らを捉え、薄き微笑みは――まるで獲物を前にする狩人の様に。
 優しさの詰まっていないソレだ。潜在的な怖さを与えてくるソレを口端に携えながら、紡ぐのは赤黒い血の鎖。金属の音を鳴り響かせながら部屋を突き進み――またもや脱出せんとしていた者の足を絡め捕る。
 その身全てを縛る様に。窓がすぐそこにあるのに進めぬ。そこから跳び出せば逃げられるのに。
「さぁ――後悔してもらいましょうか」
 短い叫びが響いたと同時、鎖を動かし敵を壁に叩きつけて。
 そして彼女の瞳はそのまま場の総てを捉える。
 被害者からの金品は無いか――? もしそうなら壊す訳にはいかず。
 注意の声を周囲に飛ばす。統率の力をもって、戦場の余波をコントロールする様に。
「ゆるしませんしにがしません。拳の餌食にしてさしあげましょう」
「悪い事をする人にはお仕置きッス! こら! 逃げようとするんじゃないッス!」
 更にフィオナの怒りの一撃と、イルミナの逃亡を防ぐ打撃が繰り出される。
 元より八対五だ。意図的に逃げ道を作りでもしない限り敵は袋の鼠……
「ゆ、許してくれぇ! 俺達にも事情があったんだ! こ、故郷の家族の為……」
「うんうん、詐欺に手を染めたくなる時もあるよねぇ……儲かるし、それだけの理由があるんだもんねぇ。故郷に子供もいるならなおさらだよねぇ。辛いよねぇ。わたしは許すよぉ」
 にこやかなシルキィ。満面の笑顔はまるで聖母の様に。
 後光がさして見える程だ。ああこれは慈愛と許しの表情――
 だが。
「各国の被害者が許すかなぁ!!」
 瞬時に切り替わる。まるで天から地の如く。
 放たれる雷撃が詐欺師共を穿つ――生じた苦痛を追い打つように、放つ黒きキューブが敵を包む――
 絶対許さない。500,000,000,000Gold寄こすまで許さない!
 大変なんだよ領地経営は!! いくらやってもお金が足りない気がする!! あぁ500,000,000,000Goldがあったら何に使えるか……闇市チャレンジが110,000,000回分出来るし、領地を幾つも確保しつつ金融資産399,999,928,000で安定した領地経営が出来る。リアル銀行だ。
 そして何より――乙女のぱんつが50,000,000枚買える――!!
「つまり分かるね? 私は――五千兆Goldが欲しいんだよぉおおお!!」
 万感の叫び。詐欺だった事の怒りの総てを載せながら、奴らを一撃。
 響く悲鳴は幾つも。何度も逃げようとチャレンジするのだが、当然逃がさない。
「私はまぁ依頼の失敗にならない程度には許そう……だがこいつらが許すかな!」
 リアナルの一喝は皆の動きをサポートしながら、自身も攻勢に参加。
 そういえば今回の依頼、生死はどうだったか……いや問われてなかったのだから別に生かしても問題はないだろう。死なないと良いな。こいつらが悪であるのは間違いないが、こんな阿呆な手紙に引っ掛かった頭フォルデルマン達がいたのも問題で……おっとっと。
「――頭お花畑の間違い、だな。魔種達の暗躍により世が乱れる中……まぁ良い事だ。
 そう思う事にしよう。うん」
 敵の一人を叩き伏せながら、蝕みの術を伝染させる――
 やはりこいつら雑魚である。多少なり体力はある様だが、戦闘の仕草がなっちゃいない。
 容易く追い詰められていく。まざ数でも上であれば当然ともいえるが。
「ふふ、あはは、何を痛がっているのですか? あなた方に騙された私……ついでに被害者達の心の痛みに比べれば、軽いものでしょう? ねぇ? 本当に痛いのはどちらだと思っているのですか? ねぇ?」
 そうでしょう? そう思いますよね? そう思うと言いなさい――?
 カイロは常に表情を一定に。敵の攻撃に対応しながら味方の攻撃を待って。
 紡ぐ紡ぐ。自らの心を。自らの内を。
 これが騙したという代償だ。
 ――私が騙されるなんて許せるものではないのですよ。絶対に
「ねぇ?」
 同意しなさい。
 でなければ――痛みを知りなさい。
 神聖ビンタ。神秘なる手の平の一撃が悔い改めさせるべき対象の頬を打つ――
 彼らが痛みを知るまで。
「ひいいい待ってくれ助けてくれ! 命だけは!!」
「おぉ? 都合のいい事言いやがるな……そんなに助かりたければアレだ」
 逃がしゃしねぇとばかりに首根っこを捕まえたルカが命乞いの男を前に。
 紡いだ言葉は――ただ一つ。

「――そうだな、じゃあ500,000,000,000Gold用意しな」

 くくくっと笑って、止めの一撃を顔面に叩き込んだ。


「なんて、ジョーダンだよ、ジョーダン。
 まぁ反省してるなら口利きくらいはしといてやるよ――実際どうなるかは知らねぇけどな」
 完全に制圧したイレギュラーズ達は詐欺師たちを縄で捕らえて。
 ルカはゆっくりと言葉を紡ぐ。手加減はしなかったが、連中、タフな事が幸いしたか……死人は出なかったようだ。まぁここで生かしても依頼人に引き渡せば――特に幻想の貴族サマ辺りがどう判断を下すかは知らない。そこは運に祈れと紡いで。
「さぁ反省してください! こんなに人々を騙すだなんて……いや騙される方もどうかと思わないでもないですが、貴方達が詐欺をしなければ不幸はなかったんですからね!」
「ひぃぃ~! お、お許しを~! も、もうしませんから!! 助けて!!」
 そしてユーリエが鎖を痛む程強く縛り付ける。
 一軒家の中を見渡せば――詐欺グループが騙しとったであろう金品や、次に騙そうとしていた人物のリストなどが乱雑に保管されていた。彼女の鑑定眼は全てを見逃さずに……
「……私のお店も詐欺にあわないように気を付けないと……! 世の中色んな詐欺がありますからね」
 いつか自分の店にも来るかもしれないと注意を改め。
「ホントッスよ! タダほどこわい物はない、と言いますしね! これを機に防犯意識を高めていきましょう! 明日は我が身。一度でも騙されれば取り返すのは物凄い労力がいるもんッス……!」
 ……いや、犯罪防止ポスターみたいなセリフを誰に言ってるんですかね、イルミナは……
 そんな事を自問自答する彼女。大丈夫、天はちゃんとその声を聴いています。実際防犯意識は大事である――防犯意識なく、500,000,000,000Goldほしい!! という欲望強き者達こそがこの依頼に引っ掛かったのだから。
「はーしかし500,000,000,000goldかぁ……ふふ、もし本当にそんな金額を貰えたなら何がしたいッスかねー。額が大きすぎて使い切るのも大変そうッス! ふふふ、夢が広がるッスね!」
 へへっ、と莫大な金額に夢を馳せるイルミナ――でも手に入らないから諦めようね。此処に500,000,000,000goldはありません!
「全く。金が欲しいにしてもどうしてこのような……まぁお金が欲しいならギルオスという情報屋の家に乗り込んで彼のパンツを闇市に売り払ってあげなさい。なんか困ってるみたいだから」
 どうせ闇市に流れればまたギルオスの下へと還るから何も心配することはないですよ、多分と。リアナルは本当に同情するかの様に彼らへと声を掛けて……ちょっと待つんだリアナル。何を案内してるんだ! 止めるんだ犯罪者を僕の家に送り込んでくるのは!
「なんか変な天の声が聞こえた気がしたが――とりあえず後は引き渡せば?」
「まぁそうだねぇ――ああしかし。仕事でここに来たのだけれども、まぁ私も“うそつき”でね。見返りがあるなら、見逃してもいいけど……」
 どうする? とばかりにリョウブは詐欺師共を横目に一瞥。
 されば希望を、水を得た魚の如く彼らが目を輝かせる。
 上手い話があるんだ――絶対に儲かる――そんな様子を見せるが。
「ハハ。なるほど……まぁ、それが『嘘』なんだけれどもね」
 口端を吊り上げ、彼は笑みを。
 瀕死過ぎる者がいれば引き渡しの為に適度に治癒の術を掛け。
 彼は笑う。だってああ――
「嘘の重み、残りの分は獄中で味わうんだね」
 彼らに思い知らせる事が出来たのだから。
 戦闘の跡で酷くみすぼらしい様。其れがきっと依頼者たちの満足ともなるだろう。
 この世には幾つもの嘘が溢れている。彼らの存在もまたその一つだろう。
 だが騙すのならばスマートに。鮮やかに。で無くば誰かが『このように』来る。
 騙すという事に手を抜けば――しっぺ返しは必ず来るのだと。

 ああしかし。

「500,000,000,000gold……500,000,000,000goldほしかったなぁ……!!」
 それでも諦めきれぬ人の夢があるのだと。
 シルキィは紡ぐ。なんなら五千億どころか五千兆Gold欲しかったと……!

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 依頼、お疲れさまでしたイレギュラーズ!!!!!

 500,000,000,000goldほしい(確信)ですがそう上手い話はないもの。
 或いは上手い話には裏があるもの……気を付けねばなりませんね。

 それではありがとうございました!!

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