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シナリオ詳細

農家の天敵、デビルチキンを倒せ!

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

● 農家の天敵、デビルチキンを倒せ!
 初夏、黄金の絨毯がうねる。小麦畑は実りの時期を迎え、もう収穫しても良い頃合いだ。害虫の駆除、雑草取りなど天塩にかけた小麦がまた今年も実る。初老の農家・ファマは収穫した小麦の使い道を頭のそろばんで計算する。そして何より穫れたての小麦粉で作った料理が何より楽しみであった。
 パスタにするのもいい。もうすぐ夏の野菜も穫れるし、ツテで肉や魚介のパスタにするのもいいだろう。ファマはここではちょっとした有名人だった。顔なじみのワインと小麦を取引きして一杯ひっかけるのもオツだろう。またはふかふかの白いパンにするのもいい。焼き立ての香りを楽しみながら、まだ温かいパンを口にほおばる……。そんな空想にふけりながら今日も日課をこなそうとしたが……。
「あれは……?」
 黒い羽毛。だがしかし彼らは地を駆ける。あの姿は間違いない。我らが天敵デビルチキンだ。名前の通り奴らは悪魔のようなニワトリだ。食欲旺盛で、根こそぎ作物を食い尽くすのだ。
 敵は一匹のようだった。ファマは農業で使用する大きなフォーク──ピッチフォークを握りしめ、デビルチキンの脳天へガツンと一発食らわせる。たちまちデビルチキンは気絶する。
「……今夜は鶏肉料理だな……」
 胸を撫で下ろすファマだったが、よく見ればあちらにもこちらにもデビルチキンが……。
「ぬう、これは応援がいるか……?」
 ファマに眼前にそびえ立つ物があった。疑問符を頭に浮かべ、視線を上へとずらすとそこには2mをこえるデビルチキンの姿が。
「う、うわああああーーーー?!?!」
 雄叫びをあげるデビルチキン。ファマは一目散に逃げ出し、なんとか無事ではいた。

● デビルチキン討伐依頼
「今回の依頼はデビルチキンを倒すことだ」
 境界案内人のカストル・ジェミニはイレギュラーズたちへ説明をする。
「一匹や二匹だったら依頼主本人たちで倒せるらしいけど……。どうやら異常発生しているようだ。2mごえの大型種も目撃されているよ。異常発生の原因は別で依頼を受けて調査中だよ。何しろ討伐には人手が足りないみたいなんだ」
 ああ、それと。とカストルは付け加える。
「デビルチキンは普通のニワトリと味が変わらないらしいから、倒したあかつきには依頼主が鶏肉料理を振る舞いたいと言っているよ。好きな鶏肉料理のリクエストも聞いてくれって言われているんだ。君の好きな鶏肉料理は何だい……?」

NMコメント

 こんにちは。今が夜のかたはこんばんは7号です。鶏肉料理とパンとパスタが食べたい……。そう思いませんか? そんなあなたにピッタリの依頼です。

● 目的
 小麦畑を荒らすデビルチキンの討伐。

● プレイング例
・スキルの飛行を使って上空からデビルチキンを一掃する。好きな鶏肉料理はからあげです!
・背が小さいので小麦畑に隠れてデビルチキンを不意打ち。好きな鶏肉料理はバンバンジーです!

● 場所
 麦畑広がる大きな農園です。ド田舎です。最寄りのお店まで馬で1時間はかかるでしょう。休憩などは農家の依頼主が自宅を貸してくれるようです。豪農……とまではいきませんが農業で結構儲けているらしく、家はちょっと大きいです。

● デビルチキン
 習性は普通のニワトリと何ら変わらないです。突かれると痛いです。蹴りも強力です。鳴き声がうるさいので見つけやすいかも?がんばって飛べばちょっと浮けることも。常にお腹を空かせています。

● 鶏肉料理
 討伐後に農家のかたがデビルチキン料理とパンとパスタを振る舞ってくれます。地元産のワインや子供にはぶどうジュースもあるようです。

 上記以外でもこんなのはどうだろう、と思ったものがあればそちらを推してみてください。
 それでは討伐がんばってくださいね!

  • 農家の天敵、デビルチキンを倒せ!完了
  • NM名7号
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年08月20日 22時20分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

マルベート・トゥールーズ(p3p000736)
饗宴の悪魔
高槻・林檎(p3p008675)
特異運命座標
烏谷 トカ(p3p008868)
夜霧
酒匂 迅子(p3p008888)
ゴーストオブお正月島

リプレイ

●イレギュラーズの顔合わせ
「初上陸後の依頼が鶏退治たあ、パンチが利いていて最高だよ。」
 酒匂 迅子(p3p008888)は酒臭い口で語った。
「まっ、という訳で大船に乗ったつもりで安心召されい!」
 迅子は豪快に笑う。酔っているから気が大きくなっているのだろうか……。いやもしかするとものすごい大物である可能性も……? と依頼主のファマは逡巡した。
「しかし『デビル』と銘打ってるのを聞くといささか躊躇してしまうよ。まさか同族……ではないだろうね?」
 そう不安を口にしたのはマルベート・トゥールーズ(p3p000736)。
「形容する言葉に近いらしいですよ。『悪魔のように』凶暴で、作物を食い荒らすからだとかなんとか。」
 説明してくれたのは高槻・林檎(p3p008675)だ。そして林檎は疑問を投げかける。
「ところで、倒した後はスタッフ……もとい、私たちで食べちゃっていいとのことでしたが……。トカさんは鳥のブルーブラッドじゃありませんでしたっけ?」
「うん。ミミズクのね」
 声をかけられたのは烏谷 トカ(p3p008868)だ。トカは続ける。
「海に住む大きな魚は小魚を食べて生きてるよね? だから、同じ鳥でも種類が違うしそんな感じだから問題ないよ」
「そういうものなんですねえ。むん」
「ワハハ! とっととやっつけて、宴会としゃれこもう!」
 提案なんだが、とマルベートは言った。
「急ごしらえのチームで連携を取るより、各々の特技を生かして各個撃破いくのはどうだろう? 私の技は派手だから、静かに捕まえたいと思うものには邪魔に感じるだろう」
「それもそうだな。俺は罠を使う予定だし」
 と同意したのは迅子だ。
「ま、ま、まじですか……!黒いデカい鶏。普通に怖いんですが」
 慌てる林檎。そこにトカが乗る。
「林檎さん。よかったら僕と小さいやつを狩ろう。僕は狩りより索敵が得意だし」
「ほっ……。トカさんありがとう。それでは次に合う時は宴席ですね。がんばりましょー」
 林檎がおーっと手をあげる。それを合図にイレギュラーズはそれぞれの持ち場へ向かった。

●デビルチキン討伐へ
 トカが聞き耳を立て、デビルチキンの居場所を探る。
「林檎さん。小麦畑をこえた3時方向に一匹いるみたいだよ。」
 林檎がそろりそろりと小麦畑に潜む。トカの言う通りにそこにデビルチキンがいた。林檎はマジックロープ──対象の動作を阻害するオーラの縄を放つ。見事命中。デビルチキンはびりびりと痺れているようだ。
「やりました。むん」
 と林檎はガッツポーズ。トカが慌てた声で駆けてくる。
「林檎さん危ない!」
 林檎を狙ったデビルチキンが襲う。間一髪でトカが林檎をかばう。
「っ……! このお、つつくな!」
 林檎は手持ちの杖でデビルチキンの脳天へガツンと一発KO。
「サイキック殴打。むん」
「サイキックなのかな……」
 トカの疑問は流されてしまい、二人はヒット&アウェイ作戦で行くことに決定。麦畑に潜り、次の攻撃の機会をうかがうのであった。

「古今東西の妖怪退治のセオリーと来れば、酔い潰させる。これ一択だろ」
 迅子は酒の入った杯やバケツと大量の酒粕を用意する。自身はそばにどかっと豪快に座り、酒盛りをしてひたすら待つ。すると一匹の大きなデビルチキンや小さなデビルチキンたちの集団が寄ってきた。
「おお! まあまあ一杯やってけよ」
 デビルチキンに迅子の言葉が伝わったかは謎だが、酒粕をつついたり、ごくごくと酒を飲み始めた。
「っべーな! 思ったよりいける口じゃねぇか」
 迅子もぐびぐびと酒をあおる。デビルチキンたちも酒が進み、酒粕をがつがつと食らう。噂には聞いていたが目の当たりにするとデビルチキンは食欲旺盛だなと迅子は思う。酔いが回り、うとうとと寝始めるデビルチキンもいた。
「そんじゃ頃合いかねぇ」
 すとん。迅子は剣でデビルチキンの首を一刀両断。普段ならデビルチキンが逆上してくるところだが、今は全員酩酊しているので抵抗するものは誰もいなかった。

 マルベートが狙うは大きな個体だ。2mごえのデビルチキンはすぐに見つかった。饗宴への誘い──マルベートの眼光でデビルチキンの心をかき乱し、こちらへと殺意を向けさせる。一直線に向かって来るものは相手にしやすい。ダーティピンポイント、相手を痺れさせる技も簡単にかかってしまった。そこへ血肉を食らう──雷を帯びた双槍でデビルチキンを切り刻み、負傷させる。逃げることもままならないデビルチキンはその場に倒れてしまった。──失血死だ。
「どれ、少し味見だ」
 マルベートは羽をそいで生肉を一口サイズに切り取り口へ放り込む。
「一般的な鶏のように弾力があるね。雑食のように見えて臭みは少ない。なかなかいい素材じゃないか。」
 マルベートの背後にまた大きな個体のデビルチキンが忍び寄る。味見に夢中になっていると思いきや、マルベートは油断していなかった。マルベートはすかさず麻痺攻撃を繰り出すが、外してしまう。血の臭いにあてられたのか、手が付けられないほどデビルチキンが暴れている。
「やむを得ないな──ゲヘナ」
 地獄の炎の再現──のちょっと中火版とでも言えばいいのだろうか。デビルチキンを『ロースト』してしまう。チキンのいい香りが当たりに満ちる。
「ああ、晩餐が楽しみだ。地元産のワインもあると聞いた。早く終わらせてしまおう」

●仕事の後の宴
「長かった戦いよ、さらば。人類の勝利です。うぉーっ」
 と林檎は勝鬨をあげる。
「たくさん動いてお腹も空いたね」
 そうお腹を押さえるのはトカだった。
「中々の達成感。きっとご飯も美味しい事でしょう。じゅるり」
 林檎はよだれをふく仕草をする。
「さあ、祝宴といこうか」
 マルベートも嬉しそうだ。
「俺はちいっと仕込みがあるから」
 じゃ!と迅子はキッチンへと向かう。
 ファマはお礼にとデビルチキン料理をずらりと並べた。美食家のマルベートがいち早く反応した。
「鶏肉の香草焼き……と言ったところかな。ハーブと鶏のいい香りがするよ。おおこれはサムゲタンでは?」
 サム、ゲタン?とファマは首をかしげる。これは鳥のお腹に米やにんじん、スパイスを詰めたスープだと説明する。
「出来たぜえ~」
 と迅子は間延びした声でダイニングへと入って来る。そこにはデビルチキンの胴体を丸ごと酒に付けたものがあった。
「ひえー。なかなかグロテスクでは?!」
 驚きの声をあげたのは林檎。
「ふむ。マムシ酒のようなものと思っていいのかな。一杯頂いても?」
「いいぜ」
 興味を示したのはマルベートだった。
「名付けてデビルチキン酒!」
「そのまんまだね」
 突っ込みを入れたのはトカ。マルベートが品評をする。
「なかなか強烈な味がするね。これも悪くない。そういえばまだ地元産のワインを頂いていなかったな。……おおこれは。淡くて鮮やかな味だね。デビルチキンにとても合う。素晴らしいマリアージュだ」
「ごくり。ワインも気になります。そんなに美味しいものなのか」
 じっとマルベートの飲むワインを見つめる林檎。
「駄目だよ林檎さん。未成年なんだから。はい僕と一緒にぶどうジュース飲もうね。これも美味しいよ」
 トカがぶどうジュースのコップを渡す。
「おいおい。うぬは成人してると聞いたぞ。一杯やらないのか?」
「お酒に弱いんだ。感覚が狂っちゃうもんでね」
「食べるもの、飲むものが選択出来る。それが贅沢でもあり自由ってものだよ」
 マルベートは持論を語った。
「余った手羽先はあぶったりタレを付けてみたぜ。おっ唐揚げも王道だな。いいねいいねえ。」
 迅子は上機嫌だった。林檎は自分のリクエストだと語る。
「至高の勝ち飯と唐揚げ部の先輩も言ってました。唐揚げ部はふくよか先輩が立ち上げた唐揚げ専門の調理部で……この話要らないですね」
「そんなことはないよ。酒の肴に聞かせてくれないかな?」
 マルベートは話をうながす。
「そうですか。では……先輩の郷里では鶏の天ぷらも主流のようです。天ぷらあるんですかね、この世界」
「これか?」
 迅子が指さす。
「そこにあるのは鶏の天ぷら! ポン酢は流石に無いです……そこにあるのはポン酢!」
「見事な照りの『あん』だね。これは誰のリクエストかな?」
 マルベートは次に口を付ける料理を吟味していた。トカが答える。
「あ、それは僕だね。鶏と野菜の黒酢あんかけだよ。一度全部の材料を唐揚げにするとかなんとか」
 宴席はとても盛り上がった。こうしてイレギュラーズたちの夜は更けていった。

成否

成功

状態異常

なし

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