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シナリオ詳細

夏来る。或いは、キャンプを成功させろ!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●あぁ、今年も夏が来た
 キラキラとした陽光が水面に反射し、それにつられた魚が1匹跳びはねた。
 レガド・イルシオン王国の郊外にあるとある山中。
 大自然の恵みは豊か。色とりどりの草花が咲き、木々の影にはウサギや野ネズミなどの姿がちらりと覗く。
 木の枝のうえを駆け抜けた影はリスだろうか。
 澄んだ小川には魚影。
 時折、水底近くを大きな魚の影が覗いた。
 また、木々の生い茂る山間部のほど近く。
 急な斜面を登り切ったその先、なだらかな地面にごく小規模な草原がぽっかりと姿を現した。
 人の手が入っていないその山は、知る人ぞ知る絶好のキャンプスポットだ。
 今回、ヨハン=レーム (p3p001117)をはじめとした8名は日々の闘争の息抜きのためその山を訪れることになっていた。
 とはいえ、しかし……。
 夏の嵐、というべきか。
 降り続いた雨が原因でキャンプ予定日を目前にして、ある問題が湧き上がる。

●夏の嵐の過ぎた後
「皆さん、キャンプに出掛けるのですか?」
 出発準備を整えている一行の前に『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)が顔を出す。
 青い髪が熱気を孕んだ風に吹かれて揺れていた。
 どこかに飛んでいかないように帽子を押さえて、ユリーカはこてんと首を傾げる。
「行先は……郊外のお山ですか。だったら少し、準備をしっかりして行った方がいいかもですよ」
 曰く、つい先だって数日にわたって振り続けた雨のせいで現在、キャンプ地には些細な、けれど面倒な問題が起きているらしい。
 新米とはいえ情報屋であるユリーカは、いち早く得たその話を伝えにやって来たのだろう。
「まずですね、地面はまだぬかるんでいるのです。それと、たくさんの落ち葉や木の枝が散らばっているからそれを片付けないとテントを張るのも一苦労なのです」
 ぬかるんだ地面にテントを固定するなどは、そう簡単ではないだろう。
 加えて言うなら、焚火をするための木の枝も湿っているものが多いため、乾かす手段か、乾いた枝を選んで拾う必要がある。
「草原の一部も雨のせいで沼化しているみたいなのです。と言うか、元々沼だったみたいですね、あの草原」
 せっかくキャンプに出掛けて、沼に足を踏み入れたいか……という話だ。
 もっとも、キャンプ地として草原を選ばなければそれでいいだけの話なのだが。
 ちなみに草原にはきれいな花や、食べられる野草が群生しているそうだ。
「土砂崩れや地面の崩落の可能性もあるのです。キャンプ地の選定はしっかりするですよ」
 夕食中に足元が崩れるなど、それはなんて悲劇だろうか。
 それから……。
「こちら、未確定情報なのですが……山中でモンスターを見たという人がいるのです」
 そのモンスターは〝歩くキノコ〟であるらしい。
「その場合の攻撃手段は【毒】ですね。念のため注意するのです」
 と、そう言って。
 楽しんでくるといいのです、なんてユリーカは立ち去って行った。

GMコメント

●ターゲット
・歩くキノコ×10体前後
体長1メートル前後の歩くキノコ。
移動速度は遅いが、なかなか頑丈。
ある程度近づくと、周囲に毒の胞子を拡散する。

毒胞子:神中範に小ダメージ、毒



●場所
とある山中のキャンプスポット。
降り続いた雨のせいで、地面はぬかるんでおり、木の枝や落ち葉が散っている。
木の枝なども湿っているものが多い。
また草原区画の一部は沼と化しているようだ。
そのほか、地面が崩落しやすくなっている部分や、土砂崩れで塞がれた進路もある。
細々とした問題を解決しながら、皆でキャンプを成功させよう。

  • 夏来る。或いは、キャンプを成功させろ!完了
  • GM名病み月
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年08月07日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費---RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)
医術士
ヨハン=レーム(p3p001117)
無限循環
ルチア・アフラニア(p3p006865)
「Concordia」船長
太井 数子(p3p007907)
不撓の刃
ハンス・キングスレー(p3p008418)
虚刃流直弟
霧ノ杜 涼香(p3p008455)
流体人間
黎 冰星(p3p008546)
パンドラの色は虹色
カルウェット コーラス(p3p008549)
新たな可能性

リプレイ

●夏が来た
 レガド・イルシオン王国の郊外にあるとある山中。
 大自然の恵みは豊か。色とりどりの草花が咲き、木々の影にはウサギや野ネズミなどの姿がちらりと覗く。
それを空から見下ろしながら『虚刃流直弟』ハンス・キングスレー(p3p008418)は頬を緩める。
「キャンプ、かぁ……こういうの僕初めてかもしれない。うん、何というか……ふふ、すごく楽しみだ!」
 キャンプを張るのに良い場所を探し、ハンスは周囲へ視線を巡らせた。つい先日に降った大雨により、森はどこも荒れている。
 少しでも良い環境を、とハンスはさらに高度を上げる。

「行ってらっしゃい、気をつけて」
『特異運命座標』ヨハン=レーム(p3p001117)に預けていた荷物を受け取り『「Concordia」船長』ルチア・アフラニア(p3p006865)はそう告げる。
赤い髪が汗で頬に張り付いていた。それを指先で払いのけ、彼女は小さなため息を零す。
「……さて、しっかりと準備しましょうか!」
 キャンプ場に残ったのはルチア1人。残りのメンバーは周囲に発生したというモンスター〝歩くキノコ〟の討伐や、食べられる野草の捜索へ向かった。
 ルチアの背後には皆でくみ上げたテントが1つ。
 テントの影で荷物を開き、彼女は食材を取り出していく。人参、玉ねぎ、じゃがいも、牛肉……。
「キャンプなんて初めてだから、結構わくわくするわね!」
 料理スキルを所持する彼女が、今回の調理担当なのだ。

 空は快晴。
 けれど、生い茂った木々のおかげで森の中は薄暗い。
「ノ“ッ、ノ”ッノ“ッ……」
地上からハンスに追従していたヨハンたちの前に、ソレは突然現れる。
「ノ“ッ、ノ”ッノ“ッ……」
 それは巨大なキノコであった。
 白い身体に黒い傘。短い足でのそりのそりと木々の間から歩み寄る。
 その数は全部で5体。
 キノコが通った後の地面には白い菌糸が根を張っていた。
「歩くキノコ……カレーの具になったりするかな」
頬を引きつらせたヨハンは、慌てて腰から指揮杖を引き抜いた。周囲の仲間……ミーティアこと『不撓の刃』太井 数子(p3p007907)に光の障壁を纏わせる。
「おかず見つけたわよ~!」
 キラリとその目が光って見えた。大剣を引き摺るようにしながら、一気にキノコとの距離を縮める。
 空気が唸る。
 一閃。
 大剣の直撃を受けたキノコが地面に倒れ、周囲に胞子を撒き散らす。
「ミーちゃん!?」
 ミーティアの姿が胞子の中に消えたのを見て、ヨハンはぎょっと目を見開いた。指揮杖がひゅんと宙を泳ぐと、それに合わせて微かな鐘の音が響く。
「う……えほっ」
胞子を吸った『はらぺこフレンズ』黎 冰星(p3p008546)が口を押えて、ふらりとよろけた。頭頂部付近から生えた三角耳がペタンと倒れている。
「初めて、キャンプ。みんなで楽しむ、したい。だから、守る。キノコ、倒す」
冰星を庇うように盾を構えた『新たな可能性』カルウェット コーラス(p3p008549)が前に出る。
 胞子を突き抜け突進して来たキノコの身体を、カルウェットはしっかりと受け止めた。盾に弾かれよろけたキノコの胴に、鋭い足刀が突き刺さる。
蹴りを放ったのは『医術士』ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)であった。
「この美少女の回し蹴りをくらいなさい!」
「ノ“ッ……ノ“ッ、ノ”ッノ“ッノ”ッノ“ッ」
 腹部を深く抉られて、キノコは地面に倒れ伏す。

 胞子に視界を覆われた中、ミーティアは大剣を手に立ち止まる。視界が悪い中、迂闊に剣を振り回してしまえば、ともすると同士討ちの危険があるからだ。
 幸いにしてキノコの移動速度は遅い。
 視認できる距離にまで接近したのを確認してから、カウンターで切り付ければ良いと判断したのだ。
 翳む視界の中、目を凝らすミーティア。
 そんな彼女の前に1匹のキノコが倒れ込む。
「え……何?」
 キノコに剣を突き刺そうとして、ミーティアは“ソレ”に気が付いた。倒れ込んだキノコの胴には何かに殴りつけられたような陥没痕が残っている。
「そちらに飛ばしますので、トドメはお願いします! キノコ討伐、頑張ります……!」
胞子の中から聞こえる声は『流体人間』霧ノ杜 涼香(p3p008455)のものだった。妙にくぐもっているのは、口元に布を巻いているからだろう。
「分かったわ! 任せておいて!」
 と、そう言って。
 ミーティアは、キノコの胴に剣を突き刺す。

●真夏の太陽
 鍋の中には刻んだ野菜。
 石を組んで作った窯では、ごうごうと火が燃えている。熱波に煽られ、ルチアはウっと顔をしかめた。
 それから彼女はヨハンから押し付けられた……もとい、託された小瓶へと視線を向ける。
「この粉、どうしようかしらね……」
 小瓶の中身は“カレー粉”だ。スパイシーで複雑な香辛料の香りが食欲を注ぐが、生憎とルチアはカレー粉なる材料の扱い方を知らないでいた。
「煮込み料理だしよほどの事がない限りは平気でしょう、たぶん、きっと」
 ルチアの所持する【料理】スキルもそれで正解と告げていた。
 未知の材料に困惑を隠せないでいるものの、自分のスキルを信じたルチアはカレー粉を鍋へと投入していく。

 ルチアが調理を初めてしばらく、周辺の探索を終えたハンスに次いで、森の方から仲間たちが戻って来た。
「よ、欲張りすぎた……! 重たいわ……」
 先頭を進むミーティアの背には、巨大なキノコが乗っている。
 よろりよろりとふらつく彼女の額には、光る汗が浮いていた。
 キノコを運んでいるのはミーティアだけではない。カルウェットと冰星もキノコを背負っているし、ヨハンや涼香は紐で縛ったキノコを引き摺っている。
「ルチアさん、これ、カレーに入れられそうですか?」
 キノコの傍にへたり込み、ヨハンは荒く息を吐く。キノコの数は全部で5。鍋のサイズに比して明らかにキャパオーバーである。
「焼くとかしてもいいとは思うけど……」
 と、そう言ってルチアは視線を鍋へと向ける。キノコ討伐に向かう前に、皆で作製した窯は1つだけ。キノコの調理を行うには不十分だ。
「そもそも燃料の枝が足りていないみたいね。何はともあれ、まずは火を使えるようにしないと」
 キャンプ場の隅に積まれた木の枝は、十全に料理や焚火を楽しむには量が足りない。そのうち1本を手に取って、ココロはわずかに眉をひそめた。
「やっぱり湿っているわね」
「キャンプって初めてで……どうしたら良いのでしょう?」
 そっとココロの手元を覗き込み、涼香はそう問いかけた。
 しばし思案した後に、ココロは仲間たちへと視線を向けた。
 ココロからの提案は2つ。
 燃料の調達と、キャンプ場の設備追加だ。

「ビンシンくんは山での暮らしが長いんでしょう? ……その、良かったら色々教えてくれると嬉しいな!」
 冰星を抱え、ハンスは優雅に宙を舞う。
 ハンスと冰星の2人は、空中から食べられる山の幸を探しているのだ。
 風の音をBGMに言葉を交わし、2人はさらに高度を上げた。
 眩い太陽の光が、2人の影を地上に落とす。

 調理を行うルチアとミーティア、涼香の傍へ、おそるおそるといった様子でカルウェットが歩み寄る。
 数瞬、迷うような仕草を見せて、カルウェットは大きく息を吸い込んだ。
「あの、ボクは、器用、違う。けど、お手伝い、頑張る。わからないところは、皆の話、よく聞くして、丁寧にやる、する」
 途切れ途切れに、けれど真摯にカルウェットはそう告げた。
 そんなカルウェットに微笑みを返し、ルチアは石窯を指さして見せる。
「それじゃあ、窯を作ろうか」
 そんなルチアの提案に、カルウェットは大きなうなずきを返す。
 カルウェットの口元には、嬉しそうな笑みが浮いていた。

 地面に散らばる枝を手に取り「そう言えば」とココロは問うた。
「ルチアちゃんが作っていたのは、なんていう料理なの?」
 視線の先には、同じように枝を集めるヨハンの姿。
 ふふん、と胸を張りヨハンは応える。
「あれはカレーという料理ですよ!  お店でオススメされるがままに買ってきたカレー粉! とかいう謎の物体をお野菜やお肉と一緒に煮込むんだそうです」
「なるほど……カレーっていうのね」
 ふむ、とココロはそう呟いた。
 カレーという料理の名前を、脳に記憶しているのだろう。
「えぇ、キャンプにはカレーなんですよ! って、お店の人が言っていました!」
 胸を張って答えたヨハンだが、彼にしてもカレーの作り方はつい先ほどルチアに聞いて知ったばかりだ。
「あ、ヨハンくん。枝を拾うなら乾いたのを選んでね。湿ってると、煙がたくさん出ちゃうから」
「わわっ、ごめんなさい!」
 ヨハンの手にしていた枝は、じっとりと雨に濡れていた。
 それを遠くへ投げ捨てて、新たに乾いた枝を探す。
 そんな風にして2人は少しずつ、けれど着実に燃料となる木の枝を集めていった。

 ハンスの視界で何かが揺れた。
 風が吹いて、木の枝がざわりと動いたのだろうか。チラとそちらへ視線を落とし、ハンスはゆっくり高度を下げる。
 森の中にぽっかりと空いた開けた空間。
 散らばった木の枝が散らばっているのが見える。
 日当たりが良いのか、木の枝はどれもすっかり乾いているのが伺える。頬を緩ませ、ハンスはゆっくりと冰星の身体を地面に降ろした。
「ここなら十分な量の枝を集められそうだ。今回は僕が一番お兄さんみたいですから……頑張らないといけないね!」
 と、そう言って。
 冰星と2人、ハンスはせっせと木の枝を拾い集め始めた。
 そんな2人の様子を窺う、何かの視線には気付かないまま……。

 話をするのは得意ではない。
 人との接し方が良く分からない。
 けれど、仲良くなりたいという気持ちは、きっと誰よりも強い。
 だから、キャンプに誘われた時には「チャンスだ」とそう思ったものだ。
「とりあえず、壊さない!! 絶対に壊さない!! 壊す、だめ」
 慎重に石を積み上げながら、カルウェットはそう言った。
 ここで上手く窯を作って、皆とのキャンプを成功させるのだ。
「焦らなくても大丈夫ですよ。皆が戻ってくるまでにまだ時間がかかるはずですから」
 そんなカルウェットを手伝いながら、涼香は優しくそう告げた。
 ふわり、と花の咲くように自然な笑みを浮かべてみせる。
 カルウェットに微笑みかけながら、涼香はそっと窯に石を追加した。カルウェットが組み立てに苦戦していた部分だ。
「器用ですごい。かっこいい」
「カルウェット君がここまで組んでくれましたからね。これなら何だって焼けちゃいます。そうだ、もし良ければお食事の後にマシュマロを焼いたりするのはどうでしょう?」
 持ってきているんですよ、という涼香の提案にカルウェットは笑顔で頷き返した。

「こーれーぐーす? 入れちゃお。いいよね?」
「うん。いいと思うよ。ところでこのキノコ食べられるのかしら……? ココロさんは毒抜きをしたって言ってたけど」
「うん……もう、ぶわーって感じだったよ」
「ぶわー?」
 言葉を交わし、キノコを刻む。
 ルチアとミーティアは、手際よく調理をを進めていった。カレーももうじき完成で。バーベキュー用のキノコや肉もカット済。
 カルウェットと涼香が作っている窯も、もうじき完成となれば、あとは燃料の到着を待つばかり。
 と、その時だ。
「皆さん、おまたせしましたー!」
 大量の枝を抱えたヨハンたちが戻って来た。

●星空の下
「テントは良し。料理も完成。キャンプファイヤーの用意も万全!」
 1つひとつ確認しながら、ハンスは笑う。
「がんばった」
 設営を手伝ったカルウェットも嬉しそうだ。
 西の空に日が沈み、辺りは夜の帳に包まれている。8人の手にはカレーの皿。窯の1つでは肉や野菜、マシュマロなどが焼かれている。
「みんなで、たくさん、もぐもぐもぐ。幸せ」
 騒ぎ、歌う仲間たちを眺めながらカルウェットは嬉しそうに笑っていた。その手にもったカレーの皿はあっという間に空になる。
「本当に。一度はしてみたかったのです。皆さんと食べるともっと美味しく感じられますね……!」
 そんなカルウェットの隣では、涼香がカレーを食べていた。
 とほど気が緩んでいたのか、その手の一部が透明に……彼女の本性であるスライムのものに戻っていた。
 驚くカルウェットを見て、涼香はくすりと笑みを零した。
 和やかな時間を過ごす2人のもとへ、食事を終えたココロが近寄る。
「カルウェット君。歌をうたってキャンプを盛り上げましょう?」
 ひと夏の思い出を、より一層素敵なものにするために。
 彼女はそんな提案をした。
 差し出されたココロの小さな手を、カルウェットはそっと握りしめ。
 嬉しそうに頷いた。

 歌を歌い、食事を楽しみ、言葉を交わす。
 皆笑顔で、素晴らしい。
 そして、料理もどうやら美味く作り上げられたようだ。
「うん、初めて作るものだけど、美味しく出来て良かったわ」
 その様子を見て、ルチアは満足そうに笑む。
 はじめて作ったカレーという料理の出来栄えに、聊かの不安を抱いていたのだ。けれどそんな不安も皆の笑顔を見た瞬間に吹き飛んだ。
 美味しいと、楽しそうに食べてくれるなら、それが一等幸福なのだ。

 宴も終盤。
 キャンプファイヤーも、もうじき炭に成り果てる。
 思い思いにくつろぎ、話し、或いは歌う仲間たちの様子をハンスは空から見下ろしていた。
 視線を上げれば黒い空に煌めく星々。
 ぼんやりとした炎の明かりが暖かい。
 肌に纏わりつく夏の熱気も、不思議と心地良く思う。
「思い出ができちゃったなぁ。うん、凄く楽しかった!」
 今日のことを、きっとハンスは永久に忘れはしないだろう。
 なんて、そんなことを考えながらハンスはゆっくり高度を上げた。
 と、その時だ。
「ん……わっ!?」
 下方から響く冰星の悲鳴。
 視線を下げたハンスの視界に映り込むのは、一帯を覆う毒の胞子に他ならない。

 森の中に残っていた数体の歩くキノコたちを討伐し、8人はそれぞれ眠りについた。
 至近距離から大量の毒胞子を吸った冰星は気絶してしまったが、どうやら命に別条はないらしい。冰星の看病はココロに任せ、ヨハンとミーティアは地面に敷いたシートの上に寝転がる。
「お腹いっぱいで、星を見ながら眠る……幸せだわ。こうして皆と仲良くなれたしね」
 降り注ぐような満点の星空。
 それを見上げて、ミーティアはくすりと微笑んだ。
「ミィ、皆が寝落ちするまでいっぱいおしゃべりしましょう!」
 空を見上げるミーティアの手を、ヨハンはそっと握りしめる。
 小さな声で、囁くように言葉を交わす。
 どこか遠く、仲間たちの騒ぐ声や蝉の鳴き声が聞こえていた。
 いかにも夏らしい、そして楽しいひと時だ。
 たとえそれが、つかの間の平穏だとしても……。
「また来ましょう。今度はカラッと晴れているときに……」
 約束ね、と。
 小指と小指を絡めた2人は、静かに眠りの縁へと落ちる。
 夏の夜が、過ぎていく。

成否

成功

MVP

カルウェット コーラス(p3p008549)
新たな可能性

状態異常

なし

あとがき

こうしてキャンプの夜は、穏やかに過ぎていきました。
少々のトラブルはありながらも、無事キャンプは成功となります。
お疲れ様でした。

この度はリクエストありがとうございました。
夏のキャンプをお楽しみいただけましたでしょうか。
また縁があれば、別の依頼でお会いしましょう。

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