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シナリオ詳細

<Bloom*Bloom>嗚呼、なんて、呪わしい

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●呪いの残響
「フローラッ!!!」
 部屋に駆け込んできた白銀の男――グレイシア。フローラと名を呼ばれた妖精女王の、実の兄である。
 では何故女王の兄たる彼が血相を変えて彼女(フローラ)の元へと飛び込んできたのか。
 その理由は――、
『ハァ、ハアッ、ティターニア様が何者かにっ、呪いをかけられました!!』
 との、兵からの報告によるものである。
 夏は体調を崩しやすく、日陰にいる彼が血相を変えて飛んだのだから、それこそ一大事であろう。
 国の、妖精界の女王が、呪いをかけられたのだから。
「くそっ、なんでフローラが呪いなどかけられねばならんのだ……」
「まだ反王権派のものも居るようです。しかしこの国は安定しています。彼女の尽力によって」
「ああ、カナタか……フローラは、治るのか?」
「………………」
「……そうか」
 大きなキングベッドの上で苦しそうに呻き、冷や汗を滲ませて。
 首に絡まる黒き呪いは、何人たりとも彼女に触れさせない。黒き怨念が彼女の身体に染み付いて――離れない。
「呪いの正体は?」
「クロユリです」
「なんだと!?」
 花を触媒にした呪いは、この世界にとって定番である。
 花言葉を糧に、呪うのだ。
 そして、クロユリの花言葉は。
「――呪い。直球だな。……カナタ、」
「勿論です。俺だって一応フルールなんですから、任せてください」
「嗚呼。頼んだ」

●くるしみからすくいだして
「……さて。フローラが眠り姫になったようだね」
 『全く、この世界の住民は。直ぐに、問題事を起こすんだから』と。頬をふくらませたフィスが、小さく本の本体を小突いて。
「まあ、ともかく。
 君たちもご存知、フローラが呪いをかけられたようなんだ。
 それも、命を蝕まれる、酷い呪いを――ね」
 花瓶に入ったクロユリを指し示す。フィスは意地悪く笑った。
「あれが呪いの正体。花の妖精が花に呪われるなんて、皮肉なものだよね。
 でも、そうだね。物語は幸せだけじゃつまらないだろう?」
 フィスの纏う空気が変わった。その眼差しは真剣なものだ。
「だから、彼女を救ってあげて欲しい。
 彼女が死んでしまう前にね」
 クロユリの呪い。
 それは、悪夢に閉じ込め、衰弱させ、そのまま死へと導くおぞましい呪い。
 彼女を呪いから、救い出して。

NMコメント

 心踊る物語を貴方に。どうも、染(そめ)です。
 丑の刻参りとかすごく怖くないですか。ひやっとしませんか。
 そんな呪いの物語です。
 それでは、今回の物語の説明に入ります。

●目的
 呪いの解除

 フローラにかけられた呪いを解除しましょう。

●手段
 王城のどこかに呪いの根源の『クロユリ』が5つ、咲いているようです。
 ひとつはカナタの手により根絶されました。残り4つを散らしてください。

 ◇怪しい場所
  1F 庭、門
  2F 図書館
  3F テラス、ダンスホール

 敵対NPC:クロユリ(レベル20〜想定)
 呪わしい! 神超単 ダメージ中【毒】【停滞】
 妬ましい! 神近範 ダメージ強【猛毒】【流血】

●世界観
 魔法世界『ブルーム・ブルーム』。
 花と魔法で満ちた世界。魔法で文明が築かれています。
 基本的には物理攻撃よりも神秘攻撃がメインの世界です。
 また、ファンタジーな世界ですので、妖精やドラゴンなど、ありえない生物がいます。

●NPC
・フローラ(ティターニア)
 妖精女王。引き摺るほど長い若草色の髪が特徴。桜色の髪留めが宝物。
 エルフのように長い耳を持つ。成長が遅いとはいえ、いつまで経っても凹凸のない身体に悩んでいる。
 呪いのせいで寝込んでいます。声をかけても反応はないでしょう。

・グレイシア
 前の妖精王。鋭い目つきと薄氷色の髪が特徴。ガタイがいい。
 エルフのように長い耳をもつ。シスコン。眼鏡。
 他国の妖精へ外交をしに行っていた。
 今日は木陰で花を愛でています。

・カナタ
 花冠師ギルド『Flowers Flag』のギルドマスター。齢19にしてトップクラスの実力を持つ温厚な青年。
 フローラに付き添って、カンテラをもって色々なところを回っているようです。

●サンプルプレイング
(カナタ)
 くっ、フローラ様が……なんてことだ。
 俺はとりあえず、門と庭を探ってみようか。
 怪しい者は見かけなかったか、そして、クロユリを咲いているところをしらないかを、聞きたい。
 ――あった!! よし、それじゃあ遠術で倒してしまおうか。

 以上となります。
 皆様のご参加をお待ちしております。

  • <Bloom*Bloom>嗚呼、なんて、呪わしい完了
  • NM名
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年07月19日 22時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

サイズ(p3p000319)
妖精■■として
武器商人(p3p001107)
闇之雲
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
碧紗(p3p008350)
物理型お嬢様

リプレイ

●悲恋の呪い
(呪い……。見た感じ俺より格下の呪詛か、くそ、今までは物理的な物に警戒してたが呪術的にはノータッチだったな。
 カースド武器として反省だ……今は呪いを何とかしよう)
 『妖精の守り手』サイズ(p3p000319)はフローラの部屋へと足を伸ばした。
 サンタクロースとして渡した聖なる杖を握らせることで、呪いの効果を少しでも防ぎたい。フローラのことだから、大切に部屋に保管してあるだろうと考えたサイズの予想は命中していた。
 大切に壁に飾られたそれが、フローラが仕事や国事行為の際に使っていると教えてくれたのはグレイシアだった。
 フローラのお気に入り。サイズが作った杖。
(……酷いな)
 何としてでも、助けねば。
 優しい願いは力に変わる。
 苦しげに呻いていたフローラの顔色が幾分かはマシになった。
(これで杖の聖なる力で暫くは持つだろう……後は呪いの元を断つだけだ)
 サイズは王城を飛んだ。

(……あれか)
 凛と気高く咲きほこるクロユリ。その姿が何故か不気味にすら思えた。
 本体で殺傷性の低い術を放ち、様子を見る。
(……よし)
 続いて魔術と格闘を合わせた一撃を放ち、確実にクロユリを根絶した。
 切られたクロユリは魔性を放ち、黒い瘴気を漂わせている。
「……呪いなんてやるもんじゃないが」
 呪詛返し。
 呪いを呪った相手に焚きつける。
 ぼう、と黒く燃えたクロユリ。それはやがて膨らんで、

 パァン

 破裂した。
「……」
 血のようなものをサイズに振りかける。やれやれ、と首を振ったサイズは、タオルを貰うと丁寧にそこを掃除した。
(……フローラ様が寝ててよかった。
 純粋な彼女に血まみれ、妖精の呪いと闇に満ちた俺を見せるわけにはいかない……)
 彼女が目覚めた時に、血まみれの己を見たらどう思うだろうか?
 笑い飛ばすかもしれない。
 或いは、怯えて怒鳴るかもしれない。
 それは、サイズにはわからない。
 だから、眠っていてよかったのだ、と、思った。
(さてと……残りは仲間に任せておけば問題ないだろう。
 俺はフローラ様のそばにいて、様子を見ておこう)
 彼女が変に気負いしないようにいつも通り接しようと心に決めて。
 この程度の呪い、自分が居れば問題ない――なんて、その通りなのだけれど。
 まだまだ自信を持つのは、難しいのだった。

●かくれんぼ
(ふぅん……この世界の住人は春の様に麗かな気性のモノばかりではなかったってことだね。
 あァ、其処は安心したとも。それは心休まる世界かもしれないがモノガタリに限って言えば、いささか"退屈"だからね)
 『闇之雲』武器商人(p3p001107)はあくまで、笑みを絶やさずに。
 けれど、ああ。
 それが肯定や同意を表すだけではないことを、ご存知だろう。
(我(アタシ)のお気に入りに手を出したのは少しいただけないなァ……ヒヒヒヒヒ……せっかく、この世界じゃ妖精(りんじん)たちと仲良くできてたのに!)
 笑顔。
 時に人すら狂わせる、魔性の貌。

 図書室。
 フローラも愛用するとグレイシアが告げていたのを思い出した。
 彼女がよく読んでいるのであろう本は、まとめてひとつの本棚に集められている。
 本の森に咲くクロユリなんて、似つかわしいにも程がある。
 人の目が届かぬところにあるだろう。検討をつけた武器商人は、カーペットの裏、職員の部屋、全てを覗いて――、
「……ない?」
 見つからなかった。
 そんなはずはない。
「……くだらない小細工を、」
 天井に美しく咲くクロユリ。
 ああ、なんて憎たらしい。

「ーーみィつけた」

 纏うは惑星環。金と銀の色彩。
 呪わしいと、妬ましいと声を上げるクロユリ。
 けれども、嗚呼。それはすべて、届かない。
「ああ、可哀想に……。
 その程度の毒で。
 その程度の呪詛で。
 我(アタシ)を少しでも犯せると、そう思った?」
 有り得ない。軋む音。
 クロユリの花弁からおぞましい程の瘴気が吹き出す。
 けれど、武器商人はそれを跳ね除けて、クロユリのがくを掴んだ。
 へし折れ。
 ナニカが告げるが、それはしなかった。
 へし折ってしまうのは容易い。
 だから、倍返しの呪いを贈ろう。
「わかっているね? キミは呪いだ。
 破られた以上は呪いは法則に従わねばならない。
 ――人を呪わば穴二つ。
 であれば、キミは主(のろったもの)へ返されなければならない」
 呪いの悲鳴が聞こえる。
 呪いの呻きが聞こえる。
 許せない! ふざけるな!
 叫び。呪い。
 けれども、それは弾かれる。
 武器商人は笑みを絶やさなかった。
「我(アタシ)に視られたな?
 我(アタシ)に識られたな?
 我(アタシ)に触れられたな?

 ならば、貴様の運命はーー、」

 破滅のみ。
 甲高い悲鳴が聞こえた。
 クロユリは生ける呪詛のようにのたうち、はね、駆け巡り――呪い主の元へと、返っていった。

●それでも力になりたいから
(やれやれ……年中平和で騒がしい世界だとは思っていたがこういう事もあるんだな。
 退屈しなくてありがたいが、こういう刺激は求めてないぞ)
 穏やかな世界に波乱の気配が芽吹きつつある。
 悪い予感がする。『貧乏籤』回言 世界(p3p007315)は頭を抱えた。
「このまま放っておいてもメリットは精々ティターニアが凹凸のない身体に悩む必要がなくなるくらいしかないし、素直に呪いを解きに行きますかね」
「本人の前で言ったらどつかれるよそれ」
 苦笑しつつカナタがわらった。
 仲のいい友人である二人。世界がカナタへと声をかけたのは、情報収集――所謂コネクションのひとつとして、だろう。
 勿論、頼っているのはカナタをはじめとするこちらの世界の住人だ。
 断る理由などない。
「……俺もさっき、クロユリを見つけたんだ。
 だから、一緒に行ってみないか、世界。
 それで、フローラ様を助けよう」
「勿論だ」

 たどり着いたのは1階の庭。
 植物庭園としても名高いそこは、フローラのお気に入りのスポットでもある。
 フローラの生んだ花たちが絢爛に咲き誇るそこは、永遠の春を準えたかのようなせかい。
 そこに咲く、異質なクロユリ。
「あれか……」
「俺は剣が使えるけど、世界は?」
「まあ魔術を少々。サポートはするさ」
「わかった」
 カナタの斬撃に合わせて世界が白蛇の陣を描く。虚空より生み出されたそれは、クロユリをきつく締め付けると、そのままクロユリを排除する。
 しかしこのままでは終われない。
 そう言わんばかりに、クロユリから禍々しい怨念が吹き出した。
「ぐっ!?」
「カナタ!」
 すぐに駆け寄ると、迅速な回復処置を施す世界。
 調和の力を。癒しの光を。
 はぁ、とため息を吐けるようになったカナタは、切り傷をもろともせず立ち上がる。
「すまないね、世界」
「それよりもお前は大丈夫なのか?」
「まぁ……それなりに。これでもフルールだからね」
「とりあえず、細かい手当はフローラの部屋でするか」
 すたすたと素早く歩いていく2人。
 部屋には落ち着いた様子で眠るフローラの姿が。
「……寝てるな」
「さっきより顔色が良さそうで何よりだ」
「それよりも、カナタ」
「ん?」
「そこの果物は貰ってもいいのか?」
 かごに積まれたフルーツの山を指さして。
 世界の片手には果物ナイフが既に握られているのだが。
「多分いいと思うよ?」
「じゃあ失敬しよう」
 しゅるしゅると、りんごの皮を向きながら。
 2人はフローラの目覚めを待つのだった。

●さちあれかし
(花言葉をそのまま呪いへと変えるなんて酷いのですわ。
 この境界世界に来るのは初めてですが尽力させていただきましょう。
 お役に立てれば良いのですが……)
 1階の門の近くを捜索する『物理型お嬢様』碧紗(p3p008350)。
 可憐な顔立ちにはきりりと、凛とした表情を浮かべ。
 フローラの呪いの根源たる、最後のクロユリを探していた。
 しかし王城ともなれば広いのは当然。だから、碧紗は門番や城で働く者たちに声をかけることにしたのだ。
「ご機嫌様、失礼ですがこの付近にクロユリが咲いていそうな場所はあるかしら?」
「こんにちは。んーと、向こうの方なら花が多いんじゃないかな」
「だな。雑草とか多いし、花なんて咲いててもわかんねーし」
「手入れされてないからまた掃除しないといけないかもしれないな」
「うっそ、だるいなぁ……」
「ふむふむ、情報に感謝ですわ。皆様も頑張ってくださいね」
 素早く駆け出して。
 その指し示された先に生えるは――、
(あった)
 そこに元からありました、と言いたげに。
 風に揺れるクロユリの姿が。
「――参りましょう」
 気力の漲る連続攻撃がクロユリを襲う。体力が尽きても、戦闘(ワルツ)は終わらせはしない。
 華奢な腕から繰り広げられる連撃に、クロユリは果敢に反撃をする――が。
「毒耐性……よかった、対処できたみたいですわ」
 ふう、とひといき。
 クロユリは悔しげな声を響かせながら散っていった。
「……さて、これで最後だったかしら」
 碧紗はフローラの部屋へと駆け出した。

「まあ! 貴女も助けてくれたのね。
 私はフローラ、女王をしているわ! 貴女は?」
「わたくしは碧紗と申しますわ。どうぞよろしくお願い致しますわ」
 やわらかく、たおやかに。笑みを浮かべた碧紗にフローラはもうご機嫌。
 病み上がりだと言うのに元気に声を上げた。
 そんなフローラがおかしくて、碧紗はくすくすと笑って。
「そうだわ、お茶会をしない?
 最近むさくるしくてたまんないの! ふふ、どうかしら!」
 フローラは手を差し伸べた。
 碧紗は、恐る恐るその手を――、

成否

成功

状態異常

なし

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