PandoraPartyProject

シナリオ詳細

結びの神は永遠に

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●絡まる赤い糸
 6月の花嫁は幸せになれる。
 そんなジンクスが世界的に広まっているせいか、この時期の恋愛の神はどの異世界においても多忙である。
「なのに何で君はそんなに暇そうなんだい?」
『境界案内人』の神郷 蒼矢(しんごう あおや)が問いかけると、巫女服姿の眼鏡の少女ーー縁結びの神"霊縁姫(たまよりひめ)"は眉間に皺を寄せ、掃き掃除の手を止めた。
 箒を肩にかけながら、ぷっくりと頬を膨らませる。
「私だって人の愛を結びたいわよ。これでも一応、縁結びの神様ってヤツなんだからね!
 ただ……私以外にも愛の神様は沢山いるってだけ」

 八百万の神が集う異世界《黄昏ノ記述》にはその名の通り、無数の神が暮らす場所。
 些細な事象にも神が在り、祝福に満ちた素敵な世界。
ーーゆえに、"愛"などという分かりやすいテーマを司ってしまうと、人気の差が大きく出てしまうのだ。
 実績のある恋愛成就の神ばかりが目立ち、遠方からはるばるその加護を受けに人間がその社へ向かう事も少なくない。

「私が守護するこの神社も、すっかり閑古鳥が鳴いちゃってるみたいで。
 宮司さんは『大丈夫ですよ』なんて優しく言ってくれるけど、困窮の様が目に見えてるのよねぇ。
 あーあ、いっそもっとマニアックな神様に転神しようかしら。『掃き掃除の神様』とか」

 悩まし気な霊縁姫の言葉を受けて、うーんと蒼矢は腕を組んで暫く唸る。
「要は君が"ご縁を結んだ"っていう実績があれば、この異世界の人間にも頼られるようになる……って事だね?」
「そうだけど……だから何だっていうのよ。信号機の付喪神だか何だか知らないけど、道具のアンタに愛なんてーー」
「だぁいじょうぶ! なんとかするよ。泥船に乗ったつもりで期待してて!」
 それは本当に……大丈夫なのか?
 一抹の不安を覚えつつも、自信あり気な蒼矢の誘いを断る訳にもいかず、霊縁姫は本日何度目かの溜息をついたのだった。

●そうだ、合コンしよう!
 所変わって境界図書館。
「ーーという訳で、合コンしよう!」
 眩しいほどの爽やかな笑顔を特異運命座標へ向けて、蒼矢は笑う。
「異世界の"縁結びの神様"が、人に頼られなくて困っているんだ。彼女の加護で沢山のカップルが成立したら、
 知名度はきっとうなぎ登り! 人気の恋愛成就の神様になれるって訳さ」

……とはいえ、出会ってすぐの相手を正式に恋人にしろというのも無理がある。
 今回はあくまで出会いの機会。そこから本当に好きになるか、どういう付き合い方をしていくかは自由だ。

「そうそう、今回の合コンは必ず"相手に贈る花"を持参してね。誰だって心を込めて選んだ花を贈られたら嬉しいでしょ?
 ワクワクするよね、どんな相手とのご縁があるか!」

NMコメント

 今日も貴方の旅路に乾杯! ノベルマスターの芳董(ほうとう)です。
 作中では合コン、と言っていますが肩ひじ張らず、お気軽にご参加戴けると嬉しいです!

●目的
 新しい出会いをして霊縁姫に自信を持たせる。

●場所
 異世界《黄昏ノ記述》
 八百万の神様と人間が住んでいる和風ファンタジーな異世界です。
 今回の合コンパーティーの場所は霊縁姫が祀られている『霊縁神社』の大広間。
 宴のためのお酒や料理が並び、縁側からは山の上の神社らしい絶景が見渡せます。
 少し歩いた場所に蛍が住んでいる湖なんかもあるようです。

●書式
 今回はランダムに2人選んでリプレイを書く都合上、書式を守って戴く事がかなりポイントとなります。

 一行目にマッチングしてOKな相手の性別(男、女、不明)
 二行目に相手へ贈る花(理由)を添えてもOK
 三行目からはプレイングをお願いします。

例)
 一行目:女、不明
 二行目:薔薇。情熱アピールするっス!
 三行目:アピールポイントとしてギフトをお見せしちゃうっス!お友達からでも、これからよろしくお願いしますッ!

●登場人物
 霊縁姫(たまよりひめ)
 この世界の縁結びの神様。実績がなく、恋愛成就の神様達の中に埋もれてしまっている。
 眼鏡で緑神の神子服の女の子。

『境界案内人』神郷 蒼矢(しんごう あおや)
 娯楽好きな境界案内人。合コンでもなんでもパーティーは好きな方。自分の正体を詳しく説明するのが面倒だったので、この異世界の住人には自分の事を"歩行者信号の付喪神みたいなもん"と説明している。

●その他
 ※あくまで出会いのきっかけとなるシナリオです。一緒にリプレイが公開された=付き合わないといけない、ではありません。
  付き合い方は人それぞれですので、軽いご縁繋ぎと思っていただければ幸いです。
 ※事前の相談のない状態での2人のプレイングをよきようにくっつけるため、アドリブが入る場合がございます。
 ※知り合いかどうかは感情一覧を軽く見る程度なので、すでに知り合ってる人とのリプレイになる場合もあります。

  • 結びの神は永遠に完了
  • NM名芳董
  • 種別ラリー(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年06月29日 15時38分
  • 章数1章
  • 総採用数6人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

ガーベラ・キルロード(p3p006172)
noblesse oblige
奏多 リーフェ 星宮(p3p008061)
虚空

 百戦錬磨、あらゆる依頼をこなしてきたローレット・イレギュラーズでも、合コン経験者は多くない。
 元々が異世界由来のパーティーだからというのもあるが、世界の情勢もそこまで明るくない奏多にとっては完全に未知の領域だ。
(こういった場は初めてなんだけど、なんだか少し緊張するな。女性相手に口説く? のも初めてなんだけど……)
 座布団の上で姿勢を正し、緊張から気を紛らわせようと縁側へ視線を向ける。
ーーと、目の前の席に誰かが座る気配がした。
(折角こういった催しなんだし、頑張らないとね)

「初めまして、星宮・奏多と言うよ。貴女のお名前はなんて言うのかな?」

 合コンの基本、まずは男らしく相手をリードせよ!
 怖がらせないように穏やかな声で問いながら、奏多は視線を前へと向けてーー会場に響き渡るほどの高笑いに目を見開いた。

「オーホッホッホ! 私はキルロード男爵家が長女、ガーベラ・キルロードですわ。よろしくお願いしますわ!」

 金髪、縦ロール、高笑い。清々しい程に分かりやすい貴族令嬢っぷりにも驚いたが、彼女が傍らに置いた物が更なる混乱を引き起こす。
「ガーベラ君。えっと……それは、鍬……だよね?」
「えぇ。こちらに出向く前、少しばかり畑仕事をし来ましたの」

 この貴族、庶民的である。

 見た目と中身のギャップに驚きつつも、話すうちに合点がいきはじめる。彼女の家ーーキルロード家は地位に驕らず、誰とでも分け隔てなく接す、素晴らしい精神を持っているようだ。

「キルロード家か。ごめんね、もっと僕が情勢に詳しければピンと来たかもしれないけど……幻想の外れにずっと住んでいたから、疎くって」
「お気になさらず。それより、奏多様のお住まいが気になりましてよ。幻想の外れというと、やはり自然が豊かな場所なのでしょうか?」
「うん。海の近くでね、さざ波の音が心地よくて、夜には満天の星空が広がってーーお気に入りの場所なんだ」
 そんな話をしているうちに、二人の前をふわりと黄色い光が過ぎっていく。
「一瞬、お星様かと思いましたわ」
「そういえば、近くに蛍の出る湖があるんだっけ」
 折角だからと共に席を立ち、二人で向かった湖は星空の中を歩くような、神秘的な美しさを持っていて。
(美しい光景を素敵な男性とみるのはロマンチックですわね……)
 烏の濡れ羽のように艶のある黒髪が夏の夜風にサラリと揺れる。長い月を生きたという奏多のその姿は、風景と相まって神秘的に見えた。
 うっとりと目を細めるガーベラに、一輪の花が差し出される。
「フリージアの花言葉は『親愛の情』。君にもそう接していきたいから」
「ありがとうございます。それでは私からはガーベラの花束を。花言葉はーー」
 愛情、情熱、そして究極の愛。
 言葉にするのが恥ずかしくて、無言のままに肩を寄せるガーベラ。その身体を覆うように黒い大翼を広げる奏多。

 二人の出会いを祝福するように蛍が舞うーー。

成否

成功


第1章 第2節

チック・シュテル(p3p000932)
埋れ翼
アナスタージオ=A=マディッツィーニ(p3p008634)
特異運命座標

 結びの祝福は恋仲だけに留まらず、新たな友を求める者にも降り注ぐ。
「おほほ! オネェを投入したらどうなるのか興味本位で来てみたわ!」
 目的は恋ではなく別のモノ。観察するに足る人物は居るかと周囲を見回しーーふと、何処からか聴こえてきたメロディに惹かれる。
「……こんばんは」
 歌の主は不思議な青年。真白の翼を持つ人物で、一緒に話す? と手前の席を示した。
「アタシは誰でもウェルカムよ! 去る者も追わないわ、どう、試してみる?
 なんちゃって! アッハハ!」
「何だか……パワフルな人、だね。おれは、チック・シュテル。君の名前は…何て言うの?」
「アナスタージオ=A=マディッツィーニ。気軽にナーシャって呼んでね♡」
 饒舌なアナスタージオとゆるふわなチック。互いに普段あまり付き合わないタイプの相手同士で、一度喋り出すと、些細な会話でさえ新たな話題が生まれはじめる。

「あら。それじゃあチックは合コン初体験なのねぇ」
「合コン……あんまり、聞いたことない言葉…だけど。お話したり……ご飯を食べて、仲良くなる…ことなの、かな」
「間違ってはないわ。一般的には恋を探すパーティーってところかしら」
「恋……とかは、わからない。でも、誰かとの縁に。繋がれたら……嬉しい、かも」
 そうしたら君がいた、とチックは微笑む。
 彼が紡ぐ言葉は春の陽だまりのように穏やかで、ひとつひとつが柔らかい。しかしその瞳は虚ろでーー何かしらの闇が垣間見え。

「ねぇ、チック。2人きりになりましょう? 近くにね……蛍が沢山見れる湖があるんですって」

 ぞわ、と足元から沸き立つ好奇心が抑えられない。
 もっと知りたい、アナタの事……その身に宿る魂さえも!!

「ナーシャ、見て。あっちの方……蛍が沢山、輝いてーー」

 ぼう、と闇夜に浮かび上がる魂。
 蛍も霞んでしまう程の、大翼を広げた真白き光。

(素晴らしいわ! でも……何かしら、この違和感。何処か"ずれて"いるような)

 それが魂の形なのか光なのか、或いは……とアナスタージオが考え込むうちに、目の前へカンパニュラの花が差し出される。

「今日は……楽しい時間を過ごす、お手伝い。出来てたかな?」
"沢山話してくれて「ありがとう」"の気持ちが込められたそれを、アナスタージオはしっかりと受け取る。そして己もまたひとつ、愛らしい花をチックへと差し出した。
「勿論よ。特別なひと時をくれたアナタに、アタシからはこの花を」
「素敵な青い色……だね」
「ブルースターよ。青い花って自然ではあんまり見かけないじゃない? それだけで特別って感じがするでしょ?」

 特別なのは魂もだ。観察した時の、妙な違和感。
 その正体を確かめるなら、経過を見ていかなければ。

「もし、良ければ。これからも仲良く、してくれると……嬉しい」
「勿論よ! アタシももっと、アナタを知りたいと思ったもの」

成否

成功


第1章 第3節

ピュアエル(p3p005358)
実直天使
中野 麻衣(p3p007753)
秒速の女騎士

 境界案内人に誘われるがまま、訳も分からず参加をしてみたけれど。
(うぅ……、こういうのは麻衣まだ中学生だからわからないっすよー!)
 合コンなんて、もっと大人になってから体験するものだと思ってた。大学のサークルとか、社会人になった後の友好関係でお誘いがかかって……なんていうのもドラマや小説でよくある話で。
 お相手の男性は、面倒見のいい先輩とか、サークルの中心の俺様イケメンとか、笑顔が眩しいパリピとか――。
「ウェーイ! そこの彼女、飲んでるー?」
(出たっす、笑顔が眩しいパリピ!!)
「えぇっと、私はまだ中学生で……」
「マジでか。って事はそれ、ソフトドリンク? じゃあ俺もウーロン茶で付き合うよ」
 自己主張の強そうな外見に反し、ピュアエルは麻衣に無茶を押し付ける事もなく、こちらに合わせてくれるようだ。
(話してくれる相手が決まったら、次はどうするんだっけ?!)
 素面なのに頬が火照る。身体が熱い。普段通りに接したらいいだけなのに、合コンという横文字が麻衣を大きく混乱させる。
「お待たせ、そういえば名――」
「一応お花買ってきたけど、これでいいっすか!?」
 戻ってきたピュアエルの前に差し出されたのは黄色い薔薇。
 花言葉を少しでも知っていれば、贈る相手を選ぶ代物だ。嫉妬、恋に飽きた、別れよう……他にも酷い言葉が沢山ある。ピュアエルは一瞬きょとんとした後――。
「サンキュ! 元気もらえる色の花だな!」
 と満開の笑顔でそれを受け取り、己のシャツの胸ポケットに飾った。
「俺からの花は後で渡すよ。素敵な薔薇をくれた君、名前を聞いても?」
 問われてようやく、名乗る事はおろか、相手の名前さえ知らなかった事に気付く麻衣。
「中野 麻衣って言います。えっと……あのその! 誠心誠意お付き合いさせていただくっす!」
 勇気を振り絞って出した声は少しばかり震えていた。緊張でぎゅーっと目を閉じた彼女の頭に、ふわりと温かい掌が降ってくる。
「よく出来ました。俺はピュアエル。麻衣ちゃんの一生懸命な気持ちに今夜は精一杯応えられるように頑張るな」
 負けないようにしなきゃなぁなんて人懐っこく笑うピュアエル。彼の爽やかオーラを受けて、麻衣は内心青ざめる。
(これは……普段えろいシナリオとか同人誌とかぱんつとかやってるなんて言えないっす!)
 普段あんなに大胆な事をやってる割に、こういうところに出るとガチガチで駄目駄目な麻衣であった。

 連れ出された蛍の湖は夜風が少し冷たくて、火照った頬を冷ましてくれる。
「麻衣ちゃん、これ」
 差し出された花は麻衣も分かるような花――スズランだった。
「スズランの花言葉は『再び幸せが訪れる』。次に会った時は、麻衣ちゃんを今日よりも、もっともっと幸せにしてみせる」
 花にこの先の願いを込めるのではなく、自分の力でより良くしようと誓いを立てる。
 どこまでも誠実なピュアエルに、麻衣はようやく心が解れて微笑んだ。

成否

成功


第1章 第4節

「どうだった? 縁結びのお仕事」
 蒼矢に声をかけられ、霊縁姫は穏やかに微笑んだ。
「私、いままで人間って恋愛的な愛を強く求めてると思ってたわ。でも……今夜来てくれた特異運命座標を結んで気づいたの。人にはいろんな絆のカタチがあって、素敵な思いが交差してるんだ……って」
 友情であったり、居場所であったり。
 魂のカタチであったり、お付き合いであったり――。
 十人十色、求めるものが違うと知れば、もっと手を広げてみたくなる。次があればもっと手広く、もっと多くの幸せを!
「皆が望むいろんな幸せを後押ししたい。だから……私、もっと自分を見つめなおして、これからどういう神様として生きていくか考えようと思うわ」
「志が凄いなぁ! 特異運命座標も、それを知ったらきっと喜んでくれるよ。
 また力になれる事があったら、いつでも僕に聞いてみて。出来る限りのサポートをするよ」

 立ち去ろうとする蒼矢の背中へ、霊縁姫はハッとして声をかける。
「蒼矢、ひとつだけいいかしら!」
「……何?」
「貴方は本当に信号の付喪神なの? それだけにしては、不思議な力を持っているじゃない」
「信号機がいつの間にかこの姿になってた、っていうのは本当だよ」
 ゆるりと蒼矢が霊縁姫に振り向く。人差し指を唇に当てて、ニィと悪戯っぽく微笑んだ。
「それより先は……超ヒミツっ!」

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