PandoraPartyProject

シナリオ詳細

麻薬組織の姉妹

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

■それはとある異世界での犯罪者と警察のお話
「おいおい、お前正気かよ?」
「正気も正気だぜー?」
 どんな豪華絢爛な都会にだって、裏の世界は存在する。この街も例にもれず、スラム街が存在した。
 そこにアジトの一つを構えるはある泥棒一味。とはいえ最大でも四人しかいないのだが……彼らは世界を股にかけて財宝を集める凄腕の泥棒なのだ。
 彼らはまた一仕事しようと、話し合いを始める。
「だから、お前たちをアテにしてるんだぜ?」
「拙者は気乗りせんがな」
 しかし今回の手法はいつものスマートなものではない。赤いジャケットを来た男曰く、ある麻薬組織にもうすぐ警察がガサ入れを行うという情報を手に入れた。その混乱に乗じて、組織のボスが持つ宝石を奪ってしまおうという算段である。
「なーんでい。せっかくいい話持ってきたってのに」
「どーせまた女絡みだろ」
 帽子を被ってタバコを吸う男が、鋭いツッコミを入れると「ハハハ、マサカ」と片言になる赤ジャケット。
 仕方あるまいとため息をつく、侍風の男であった。

「すまんな。君の領分ではないというのに呼び出して」
「いえ、犯罪組織が目の前にいるのに見過ごしては警官がすたるというものです」
 一方の警察。ここでは腕利きの警部が泥棒一味を追いかけていたところ、地元警察の要請を受けて麻薬組織への突入に協力しようという流れになっていた。
「うむ、君の指揮能力、判断力には期待しておるよ」
「はっ!」
(それに……嫌な予感がする)

 そして麻薬組織では……。
「グ、ガァァアア!!」
「どうだ、進行は?」
 苦しむ声をあげる『何か』を見つめながら、ボスらしき太った男が声をあげる。
「順調であります。このままいけば、立派に道具として働くかと」
「ククク……ならば良い」

■警察に紛れて
「……っていうお話の世界があるんだけども。実はこの後、この組織が作り上げたある姉妹によって、警察も泥棒も全員殺されてしまうの」
 はては、麻薬組織自体まで。そこは自業自得というものだが……後味は悪いものになるであろう。
「だから皆には、警官の一人として突入して……その姉妹を『なんとか』して欲しいの」

NMコメント

 とある動物番組を見てて思いついたシナリオをぶっこむ以下略です。
 登場人物達がどこかで見覚えあると思ってもきっと気の所為です。ええ、きっと。
 今回のオーダーは麻薬組織が作り上げた兵器たる「姉妹」を『なんとか』する事です。その方法により、結末が少々変わる予定です。
 途中までは雑魚相手の無双プレイ。後半はその姉妹との対決になります。
 以下味方NPCと敵詳細
■泥棒一味×3
 赤いジャケットの男と、黒い帽子を被った男は銃撃メイン。侍風の男は近接攻撃メインで戦います。それなりには強く、普通の人間相手にはまず勝てます。
 途中で戦線離脱し、お宝を狙いにいきますがそれまでは共闘してくれます。放っといても問題はありません。ですが「姉妹」には勝てません。
■中年の警部×1
 泥棒一味を追いかけて世界を回る警部です。体術メインに戦いますが銃も使えます。
 彼もそれなりに強く普通の人間相手ならまず勝てます。
 途中で泥棒一味を追いかけて離脱しますが、それまでは共闘してくれます。放っておいても問題はありませんがやはり「姉妹」には勝てません。
■一般警官×無数
 突入する警官部隊です。これにイレギュラーズは混ざって突入することになります。

■麻薬組織の構成員×無数
 鉄パイプを持っていたり銃を持っていたりする下っ端達です。数は多いですが弱いです。イレギュラーズの敵ではありません。
■麻薬組織のボス×1
 太った老年の男です。ぶっちゃけ弱いです。金の力だけで成り立っている男。放っておけば泥棒一味と警部がなんとかしてくれます。
■兵器たる「姉妹」
 後半で現れる、イレギュラーズが『なんとか』すべき敵です。その正体は、科学の力で洗脳強化された熊と虎一匹ずつです。
 大型の生物で、普通の人間よりは圧倒的に強いです。イレギュラーズとは互角もしくはちょっと下程度。
 特殊能力はありませんが、ただでさえ獰猛な生物が強化されている為に攻撃力は凄まじいものがあります。放っておけば麻薬組織、泥棒一味、警官全てが殺されます。

 以上となります。
 どのような結末を迎えるかは皆様次第。どうか、「幸せ」なエンディングを……。

  • 麻薬組織の姉妹完了
  • NM名以下略
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年06月29日 23時00分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ナーガ(p3p000225)
『アイ』する決別
宮峰 死聖(p3p005112)
同人勇者
メリー・フローラ・アベル(p3p007440)
虚無堕ち魔法少女
クシュリオーネ・メーベルナッハ(p3p008256)
血風妃

リプレイ

■警察の突入
「それでは皆……かかれぇいっ!!」
 警部の一声と共に、盾を構えた警官部隊が一斉に門をぶち破り屋敷の庭へと突入する。それを待ち構えるは武装した麻薬組織の下っ端達だ。
 武装しているとはいえ、警官も武装している。更にはこういった事態の為に訓練も欠かさずに行っているのだ。何もしていない犯罪組織の下っ端に敵う相手ではない。
 それに今回は、こっそりとイレギュラーズが四人紛れ込んでいるからなおさらだ。
「サア、たっぷりアイしてあげるよ!」
 先陣を切ったのは『『アイ』する決別』ナーガ(p3p000225)だ。彼女の鍛え上げられた筋肉は、それそのものが凶器。そして防具。
 下っ端の振り下ろすバールも何のその。そのまま掴んで捻り潰し、怯む下っ端の頭をヘッドロックしてから回転しぶん回す。
 正しく人間台風。近寄るものは全てアイされてしまうのだろう。
「人間以外の獣の臭いを感じたら教えてね」
 背中のザックに子犬を入れて、戦場を駆けるのは『躾のなってないワガママ娘』メリー・フローラ・アベル(p3p007440)
 小さな身体は警官隊に紛れると浮いているが、そんな事は彼女には関係ない。遠距離から放たれる銃弾を軽やかな足取りで躱しながら、殺してしまわないように優しい一撃を放つ。
 優しい、とはいえ。それは彼女の基準なので一般人からすれば恐ろしい一撃なのだが……それに撃ち貫かれた構成員達は立つ気力を失いへたり込んでいく。
「お……あれは?」
 『同人勇者』宮峰 死聖(p3p005112)が遠目に見つけたのは、警官の制服とは違うものを着た三人の姿。邪魔な構成員を車椅子で跳ね飛ばしながらそちらへと向かっていく。
「おんやぁ? 可愛いお嬢さんがこんなとこにいるなんてねぇ」
「元の身体は女、魂は男、謎の名無しのモブ警官1号だよ♪」
 口笛混じりに話すのは、赤いジャケットの男。泥棒一味のリーダー格だ。それに対し名乗る死聖に、帽子を深く被ったガンマンと侍風の男は肩を竦める。何かおかしい奴がきたと。
「はっは、面白いことを言うね嬢ちゃん。おおっと」
 談笑をしながらも、泥棒一味と死聖も屋敷の中へ向けて駆けていく。
「でもどうせなら俺は、あっちのおねーちゃんの方が良かったかなー、なんて」
 男の視線の先には、『血禍美人』クシュリオーネ・メーベルナッハ(p3p008256)の大変目立つ胸があった。彼女が動く度にぶるんぶるん揺れている。これも一種の凶器といえるだろう。
「うん、わかる。わかる」
「こぉらぁ! そこ、何をしておる!!」
 泥棒と意気投合している死聖に怒鳴り声がスピーカー越しに響く。声の主は音頭をとった警部だ。ずかずかと近寄ってきて……。
「あ、やべ」
「貴様っ! なんでこんなところに……どうせまたろくでもない事を企んでおるんだろう!」
 顔を青くする泥棒一味と、手錠を取り出し彼らを追いかけ回す警部の姿に、クシュリオーネはため息一つ。
「喜劇が悲劇で終わらないように……と思いましたけど、今くらいは真面目にしてほしいですね」
 ごもっともである。
 しかして彼らも修羅場をくぐり抜けた回数だけでいえばイレギュラーズには負けていない。追いかけっこを続けながらも、構成員の下っ端達を次々と無力化していっているのは流石である。

「ぐぬぬ……なんだこの有様は!!」
 その様子をモニターで見ていたのは麻薬組織のボスだ。構成員達の不甲斐なさに顔を真赤にしている。飲んでいたワインのグラスを床に叩きつけ、叫ぶ。
「こうなれば途中でも構わん!『姉妹』を連れてこい!」

■生命への冒涜
「お、ありゃあボスじゃないのとっつぁん?」
「なにぃ?」
 警官隊とイレギュラーズ、そして泥棒一味は不思議な共闘体勢を続けながら屋敷の中も暴れまわる。
 そんな中、赤いジャケットの泥棒と警部の二人が、麻薬組織のボスの姿を目にした。
「おう、確かに。皆、あいつを捕らえるんだ!」
 その声に、イレギュラーズの四人が一斉に駆け出す。傍らには泥棒一味の三人も一緒だ。
「ぐふふ……お前たちも頑張ったと褒めてやろうかの」
「なんですか、あの気色悪い笑み」
 クシュリオーネが指先を光らせながらも、心底嫌そうな顔をする。生理的に受け付けないといったほうが良いのだろうか。
「キミをアイせばおわりだよね。さあ、アイしあおう!」
 血気盛んなナーガが一足先にボスへ飛びかかろうとし……柱の影から飛び出した物体に遮られる。
 メリーの連れてきていた犬が、悲壮な叫び声をあげる。動物の本能が逃げるべきだと叫んでいるのだ。仕方なくメリーは犬を降ろして逃がす。
「あれが『姉妹』かぁ……可愛いね」
「か、可愛いのか、アレが?」
 死聖の呟きに、ガンマンが思わず聞き返す。それもそうだ。
 姿を見せたのは巨大な虎と熊。『姉妹』というのが憚られるほどに強大な生物だ。
「せっかくボコろうと思ってたのになー」
 メリーが何か残念がっているのは、置いておこう。最初からボスが切り札を持ってきたのだから仕方ない。
「さあ、あいつら全員殺してしまえ!」
 ボスが奥の部屋へと姿を消しながら、『姉妹』へと命令を下す。
 唸り声をあげ、筋肉を隆起させながら『姉妹』はイレギュラーズ達へと一歩一歩歩みだす。
「こんなの相手にしても何も得しませんもの。逃げることをお勧めしますよ?」
 警官の制服を脱ぎ捨てながら、クシュリオーネが周りの人物達に語りかける。約二名ほどが揺れる胸に釘付けだったのは秘密にしておこう。
「……いや、わしは逃げん。あやつを追う!」
 正義感が人一倍強い警部が、足音を立てないようにして奥の部屋へと歩を進める。
「さぁすがとっつぁん……俺達もお供しましょうかね」
 それに続いて泥棒一味も、脇をすり抜けるようにして『姉妹』をやり過ごす。
「さあ、ナーちゃんとアイしあおうよ!」
 ナーガが喜色満面の笑みで叫ぶと同時に、『姉妹』が床を蹴りイレギュラーズに襲いかかった。
 熊の腕がナーガに振り下ろされるが、ナーガの筋肉とて負けてなどいない。真っ向から取っ組み合い、力比べの鍔迫り合いを始めた。
 俊敏な虎の一撃は、死聖がその身を踊らせる事で受け止める。
「……っ! さすがに、効くねぇ……!」
 虎の爪痕が深くつくが、死聖は笑みを崩さない。何故ならば、後ろには美少女が二人いるからだ。
 彼女らを守る為なら多少の傷など痛くもない。
「そのまま、押さえてて!」
 メリーの身体より神々しい光の帯が伸び、『姉妹』の両方を貫き裁きを与え。
「私もいきますよ……!」
 『姉妹』の両方を射程に捉えたクシュリオーネの指が煌めき、指先から奔る不可視の弾丸が身体を抉り取っていく。
「く、ぅぅ……ツヨイ、けど、まだまだだよ!」
 メリーとクシュリオーネの攻撃を受け、怯んだ熊の身体を押し切ったナーガが腕をへし折り、更に身体ごと武器として激しい乱打を繰り広げる。
「僕だってね……肉弾戦ができない訳じゃないんだよ!」
 髪と瞳の色が変化し、いつの間にか車椅子が消え去った死聖の身体はオーラを纏い、死霊術師の力を拳から繰り出し虎の身体を打ち据えていく!

■『姉妹』のその後
「あ、警部。泥棒一味は?」
「逃げおったわい……こやつは捕まえたがな」
 奥の部屋から苦い顔をして出てきた警部は、手錠で繋がれた麻薬組織のボスを引き連れていた。
 泥棒一味はというと、ボスの側近の者を倒すと早々に宝石を見つけ出し逃走。一度は捕まえていたものの、目を離した隙に逃げられたという。
 まあ、あいつらはまた今度捕まえてやるわい、と息巻く警部。
「そういえば、このこたちはどうするの?」
 ナーガが、『姉妹』を見下ろし警部に問いかける。イレギュラーズに倒されたものの、命は失わなかった『姉妹』は今は寝息を立てている。げに恐ろしきは強靭な生命力か。
 もちろんイレギュラーズ達が故意に命を奪わなかった事による賜物でもあるが。
「うん? そやつら生きておるのか」
「わたしは殺しちゃっても良かったんだけどねー」
 物騒なことを言いながらも、眠る虎の頭を撫でるメリーには微かな優しさがあった。
 生きる事と死ぬ事。どちらがより『幸せ』なのかは未来に進む本人にしかわからないのだから。
「警部、何かいい方法ございます?」
 クシュリオーネが警部に問いかける。再び制服を着ているが、胸のボタンが飛んでしまっているのは仕方ないだろう。
 警部も意図的に視線を彼女からは逸している。
「あー……そうだ。確か動物の保護施設があったな。そちらへ話を通しておこう」
「それは良かった……大丈夫、悪い人間はもう皆懲らしめたからね…安心しておやすみ」
 警部が無線で連絡を取り合っている間、死聖は優しげな眼差しを『姉妹』に向けていた。

 余談だが、彼女達は無事に保護施設に引き取られ、野生にいた頃と一つを除いて変わらない生活を送ったという。
 一つだけ変わった点は、いつまでも『姉妹』仲良く暮らしたこと。
 この事件を通じて、辛い思いもたくさんしたけれども、一緒に乗り越える事ができた二人の間には、本当の『姉妹』ができたのであった。

成否

成功

状態異常

なし

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