PandoraPartyProject

シナリオ詳細

いたずらモグラにご用心!

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

■とある世界の農民が暮らす村
 その日、農民は空を飛んだ。
 ちゅどーん!
「うわぁぁぁぁぁぁ!」

 否、正しくは農民が空を錐もみしながら舞っていた。

「へぶっ!」
 
 空から綺麗に落ちてきて地面に突き刺さったその様はどこか芸術性すら感じられるものだったがこれでは農作業ができない。
 地面に突き刺さった農民を別の農民が助けに行く。

「おい、まて! まだそこにはっ!」
「は! しまっ」

 ちゅどーん!
 犠牲者が増えた。
 このまま続けばスターゲイジー・パイのものまねができそうである。

「またあのモグラどもがいたずらしてやがる!」

 なぜこのようなことになっているかというと村の畑には一定以上の衝撃を与えるとちゅどーん! をいう音を立てて爆発する種が地面に埋められていた。
 これは最近村の周囲に住み着いたいたずらモグラの仕業である。
 村の者は頭を抱えて何とかしようと話し合う。

「これじゃあ作物の収穫ができねぇ!」
「吹き飛んでも大してけがをしないから討伐隊が組まれることもない......」
「あのモグラどもも飛んでるこちらを見て笑うだけだからな...」
「上の役人からの年貢の取り立てもそろそろだ」
「どうしたもんかのぉ......」
「このままでは年貢が納められず上の役人に何をされるかわからんぞ......」

 そんな村人をモグラたちはニヤニヤしながら眺めていた。

■境界図書館
「君たちは農作業をしたことはあるかな?」

 境界案内人は集まったイレギュラーズに今回の依頼内容を芝居がかった口調で話し出した。

「それはそれは農民が必死に育てた作物がモグラにダメにされるなんて許せないだろう? そこで君たちの出番というわけさ。あぁ、命の危険とかは全くないよ。安心してくれたまえ」

 旅立つイレギュラーズを見送った後境界案内人はボソッとつぶやく。

「そう、命の危険はね......」

NMコメント

 こんにちは南瓜です。
 今回はギャグシナリオです。
 童心に帰って土にまみれてみるのもいいかもしれません。
 キャラの雰囲気が崩れてもいい方推奨です。

■目標
 モグラを何とかして村の平和を取り戻しましょう。

■場所
 江戸時代に似た世界の村

■敵
 いたずらモグラ×4
 地中を掘り進み爆発する種を畑に埋めまくる困ったモグラです。直接戦闘能力はありませんが吹き飛ぶ人を見て笑います。

 吹き飛んでもけがはしませんが恥ずかしいかもしれないです。
 退治するもよし、お説教してやめさせるもよし、キャラ次第です。
 では良い旅路を!

  • いたずらモグラにご用心!完了
  • NM名南瓜
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年06月24日 22時15分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ホリ・マッセ(p3p005174)
小さい体に大きな勇気を
80 12(p3p008012)
長月・イナリ(p3p008096)
狐です
只野・黒子(p3p008597)
群鱗

リプレイ


 依頼内容を改めて村の人達から聞いた『小さい体に大きな勇気を』ホリ・マッセ(p3p005174)は顔を顰めた。
「うぜぇいたずらだぜ。冗談にしてもたちがわりぃ。これはちぃと懲らしめてやらなきゃな」
 そんなホリの言葉に同調し強く頷く『狐です』長月・イナリ(p3p008096)。
「そうね! 村の人達の大切な畑を荒らすなんて穀物の神様の使いとして許しておけない! 成敗してあげるわ!」
 目の前の問題に対してやる気を見せる二人をよそに『群鱗』只野・黒子(p3p008597)はその先を見据えていた。
(モグラたちのいたずらは止めさせるとしてその先が重要ですね……ここまでの能力があるなら共存関係を築けそうなものですが)


「畜生風情がいい気になるなよ!」
 80 12(p3p008012)が畑に突撃する。だがそこはモグラによって地雷原と化した畑であり、何の対策もせずに飛び込もうものなら……ちゅどーん!
「うぉあぁぁぁあぁぁぁぁ!?」
 当然のごとく畑に埋められた爆発する種を踏み抜き、宙を舞うことになる。この場に観客と審査員が居たのならばスタンディングオベーションで涙を流しながら満点をつけるほどの見事なトリプルアクセルを空中で決め、落下した。
「ぐべっ」
 地面にたたきつけられた12は土まみれになりながら念のためにライトヒールを自分にかけておく。
「畜生、やってくれたな」
 そんな悔しがる12から少し離れたところで地面が盛り上がりモグラが一匹、顔を出した。そのモグラは12を見つけるとケタケタと笑い、また顔を地面に沈めた。
「舐めやがって、今度こそ」
 ちゅどーん!
「今に見てろ」
 ちゅどーん!
「ふざけ」
 ちゅどーん!
 12の中で何かがプチッと切れる音がした。
「……上等だ! 畜生風情がその体灰になるまで燃やし尽くしてくれるァ!」
 ブチ切れた12に焼き畑農業をされてはたまらないと農民が必死に体にしがみついて止める。
「落ち着いてください! お気持ちはわかりますがそんなことをされたら農業ができなくなります!」
「えぇい!はっなっせっ!」
「後生ですからやめてくださいぃぃぃ!」


 どうにか止まった12は農民にお茶を振舞われ、なだめられている。
 その光景を背にイナリが挑戦する。
 (どうやって土の中の連中を退治しようかしら? 穴に水を流し込んで水攻め、洞窟陣地と仮定して馬乗り攻撃、油でも流し込んで火責め? 全部何かが足りないわね……)
「大人しく一つ一つモグラたちの穴を埋めて退治するしかないわね」
 どこからともなくスコップを取り出したイナリは慎重に畑へと入っていく。
 そーっと、そーっと歩みを進め、穴に近づくがそんなことで回避できるわけもなく、ちゅどーん!
「きゃあぁぁあぁぁ!?」
 錐もみしながら宙を舞う。
 そして不幸なことに着地地点に別の種があったらしく、まるでトランポリンのように跳ね上がる。
 ちゅどーん!
 ちゅどーん!
 ちゅどーん!
「ぜぇ……ぜぇ……や、やっと止まったわ」
 土まみれになり、さながら水切りの石体験をしたイナリはフラフラだった。だがここで折れることはなく、引き続き穴を埋めに行く。そんな姿を見ていた農民はもうやめた方がと心配する者、どうしてそこまでと若干引く者、我らのためにそこまでと涙を流し拝む者と村の人達にいろんな意味で衝撃を与えていた。
「諦めちゃだめよ……これで、ふたつめ……」
 そんなことを思われているとは思いもせずイナリはせっせと穴を埋める。
「努力は最後に報われるのだから、諦めちゃ、ダメなのよ」
 穴を一つ埋めるたびにふらふらになってもイナリは諦めない。
「みっつ、め……」
 ちゅどーん!
 ちゅどーん!
「なんで毎回私が落ちるところに次の種があるの!? おかしくない!? こうなったら!」
 地面にパタリと倒れながらちらりと遠くを見るとモグラ二匹が倒れたこちらを見て地面から全身を出して笑い転げている。
「もう笑い殺した方が早いんじゃない……?」
 そう思えるほど笑い転げているモグラ二匹に目掛けて即座に【AKA】を起動して自身を強化、装備している天叢雲剣を抜き放ちモグラが居る一帯を爆破する。
「「Kyuaaa!?」」
 たまらずモグラは目を回し、地面に落ちる。それを両手でむんずと二匹掴み、確保する。
「やっと捕まえたわ……あとは他の人にお任せね」


ホリが畑を見渡す。
「ここが例の畑ねぇ」
 一見ただの畑で地雷原のようには見えない。
「取り合えず試しに馬で走ってみるか」
 連れてきた馬に乗り、畑に入ってみる。だが数歩走ったところで種を踏み抜いた。
 ちゅどーん!
 乗っていた馬ごと吹き飛ばされたが、大してダメージはないことを確認する。
「なるほどな、こりゃ地雷原だ。こんなこと許してたら農業なんてできるわけもねぇ。やっぱりお仕置きが必要だな」
 ホリはギフトを使い地雷を回収する作戦に出る。
「確かにしちめんどくせーけどよぉ、相手が悪かったなモグラ」
 畑を縦横無尽に掘り進めるホリだったが、種は容赦なく爆発した。
「ちっ、やはり衝撃に弱ぇか!」
 爆発により吹き飛ばされるが、諦めず掘り進めるホリによってどんどん畑から種が取り除かれていく。
 そんな懸命にホリを見て、モグラは顔だけ地面から出し嗤っていた。それをホリは見逃さず地中に穴を掘り進めモグラの背後をとる。
「おい、そこで何している?」
 モグラはギョッとしてこちらを振りむき、ホリの姿を確認すると慌てて逃げようとする。
「遅ぇ!」
 背後から頭を殴られ気絶したモグラを引きずりながらホリは地中から出てくる。
「手間取らせやがって」


 黒子は歯車である。もとの世界でもこの世界でもそれは変わらず彼は歯車の重要性を理解し、歯車であろうとする。いつの日か歯車が必要な時に備えて。
 そして今日も今日とて観察し、経験し、自らの力とするために黒子は動く。
 モグラの生態、能力、性格に至るまですべてを観察しプランを組み立てる。そこに余念はなく、どうしたら最善の結果たりえるかをこれまで培ってきたすべてを使って組み上げる。プランが整うと黒子が動いた。
 黒子はおもむろに近くにあった小石を握り、畑に投げ込んだ。
 畑に投げ込まれた小石は着弾地点に埋め込まれていた種に衝撃を与え爆発させる。爆発音を聞いたモグラが地面から顔を出し、吹き飛んで滑稽な姿をさらしているやつはどこだと探し始めるが吹き飛んでいるのは黒子が投げた小石だけであり笑えるものは一つもない。そこに黒子がモグラに向かって名乗り口上を使う。それによって【怒り】を付与されたモグラは黒子に向かって一直線に向かってくる。その突進を危なげなく避けた黒子はこちらに背を向け無防備なモグラをとっ捕まえた。
「これで交渉に移れますね」


 すべてのモグラは捕まえられ、農民お手製の檻に入れられた。
「ありがとうございます皆様!おかげで年貢も納められそうです!」
 問題が解決し大喜びする村の人々に黒子は待ったをかける。
「いえ、ここからが本番ですよ」
 その言葉に村の人々は首をかしげる。
 黒子は檻に近づき、入れられているモグラたちにしゃがむことで目線を合わせ問いかける。
「おそらくですがあなたたち人の言葉を理解する知能は持っていますよね?」
 その問いかけに対しモグラは知らんぷり(一部は気絶)で返す。
「なに言ってるんですか、モグラがそんな賢いわけがない」
「そうだそうだ、それにこいつらは鍋にするんだ! 話したって無駄さ!」
「そうだ! お礼といっては何ですがあなた達も食べていかれますか!」
 そんな村の人達の提案にモグラはいきなり激しく首を縦に振りだす。
「やはり、理解することができていましたか。さて、ここでモグラの皆さんと村の皆さんに提案です」
 パンッと手を鳴らし注目を集めた黒子はすでに頭の中で固まっていたプランを話そうとする。そこで12が声をあげる。
「こいつらを利用する。そうだろ?」
「その通りです。ですが一方的に利用するのではなくwin-winの関係を築くんですよ」
 黒子が今度こそプランを話し出す。
「このモグラは高い能力を誇っています。それを村の防衛に役立ててもらうのです。掘削が得意なので塹壕が作れますし、種による警戒陣の設置もできます。そうすることによりもしもの争いや他の害獣による畑の被害を抑えてくれます。その代わりあなた方はモグラたちに住処なり食料なりを与えてください。防衛ラインを越えてくる輩には思う存分笑ってやればいいのですよ」
 この提案に農民の一人が手をあげる。
「話は理解できたがよ、モグラたちが言うこと聞くとは思えないぜ?」
 その発言に他の農民たちもうなずく。
「その場合はもう一度捕まえて今度は問答無用で鍋にしてやればいいのですよ」
 黒子はその問いに笑いながら答え、モグラの方を向く。
「次はありませんよ、ね? モグラさん?」
 モグラは檻の中で震えながら首をとれんばかりに縦に振る。
「契約内容はこれでよろしいですか?」
 村の人達もまぁそれならといった風にうなずく。
「もう反省しているみたいだし俺もいいぞ。次はもうこんなふてぇことするんじゃねえぞ」
「それでいい」
「かまわないわ!」
 全員が了承したことでこの件は一件落着した。


「さて!ひと段落したことだしめちゃくちゃになった畑を耕しましょうか!」
 イナリが張り切り、狐耳をぴくぴくさせながら提案した。
「そりゃいいや」
 そこにホリも乗っかる。
「私の力みせちゃうわよー!」
 ギフトを使い、作物を実らせていく。
 村の人達は大盛り上がりしてその日は宴になった。

 めでたしめでたし。

 なお、いつかのどこかの村で彼らを模した木彫りの人形が祀られたとかなんとか……

成否

成功

状態異常

なし

PAGETOPPAGEBOTTOM