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シナリオ詳細

滅びを巡る三つ巴の戦い

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

▪︎第一勢力
 ここはとある地下研究施設。この施設で研究されている物は『異世界干渉装置』、その名の通りこの世界とは別の異世界に干渉するための装置だ。そして、その装置は既に完成し今は完全起動を待つばかりだ。
「待っていて、ラーン。もうすぐ迎えに行くから」
そう呟くのは、この研究所の責任者にして世界最高峰の技術と才能を持つ者、ナーラだ。
 ナーラはこの研究をするにあたって一つの目的があった。それはある日忽然と世界から消えた、幼なじみのラーンを救い出すことである。親友のラーンを元の世界へ戻すためならナーラは手段を問うつもりはない、例え自分の世界が無くなるだけで済まないことになろうとも…

▪︎第二勢力
 しかし、ナーラの作った『異世界干渉装置』は使い方次第ではたった一人の人間を救うためではなく、多くの人間の命を左右できる、いわば軍事利用にも有効なものでもあった。それに目をつけたのが研究の大きなスポンサーである、とある軍事国家の将軍アスターだ。
「ふん、製作者だからといってたった一人の人間のために装置を使い、その後は緊急事態以外では使えないよう制限するだと…馬鹿馬鹿しい!そんなことならこの我々が世界を統一するための手段として有効に使ってやろう!」
アスターの前に控えるのは全身を鋼鉄で覆われた動く人形、所謂ゴーレムである。実はこれらのゴーレムは、元々ナーラが発明・開発した物を軍事用に改造したそれであり、奇しくもナーラは自分が作り出したものによって襲われてしまうことになるだろう…

▪︎第三勢力
 と、ここまでがこの世界で起こっていることの簡単な説明だ。そして君たちイレギュラーズのこの世界における目的は二つ。まず一つは軍事国家の侵攻を抑えつつ、先に研究施設の最奥に辿り着くこと。もう一つは製作者であるナーラを説得するなどして『異世界干渉装置』を完全に停止させて、その後に破壊することだ。
 この依頼が成功すれば、結果的に複数の世界の滅亡を防ぐことにもつながる。だからこそ、君たちには頑張ってほしいよ。

NMコメント

滅びを巡る三つ巴の戦い コメント

こんばんは、そして初めまして。桃山シュヴァリエです。初めてのライブノベルですが、よろしくお願いします。

今回の目的
 まず最優先となるのは、ナーラを説得するなどして『異世界干渉装置』の機能を完全に停止してから破壊することです。というのも、ナーラが使うにしろ、軍事国家が使うにしろ装置が起動すること自体が危険なことなので、まずはそれを止めることに力を入れてほしいです。
 しかし、軍事国家の方は力尽くで『異世界干渉装置』を奪おうとして、軍用ゴーレムで攻めていきます。そのため軍用ゴーレムが、『異世界干渉装置』のある研究施設の最奥に辿り着く前に足止めをすることも必要になります。


登場NPCについて(このシナリオでは
 ナーラ
  舞台となる世界における、いわゆる“超天才”。ある日忽然と世界から消えた、幼なじみで親友のラーンを救うため、数十年の長い時をかけて『異世界干渉装置』を作り出した。オープニングでも語ったように他にも色々なものを開発・研究しており、その結果の一つとして姿は10代後半のままである。『異世界干渉装置』の機能を完全に停止させる方法を握っているが、中々口を割らないので工夫が必要となる。
 アスター&軍用ゴーレム
  どちらも軍事国家の手先です。大量の軍用ゴーレムをアスターが指示して戦う形となります。ただし軍用ゴーレムをすべて倒す必要はなく、むしろ軍用ゴーレムの全滅に力を入れるとナーラが装置を起動させてしまうので、プレイングとしてはアスターらと戦う人とナーラを説得する人とで分かれると良いかと思います。

  • 滅びを巡る三つ巴の戦い完了
  • NM名桃山シュヴァリエ
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年06月04日 22時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ヴァイス・ブルメホフナ・ストランド(p3p000921)
虹色
シグレ・ヴァンデリア(p3p006218)
紫灰簾の徒
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
斑鳩・静音(p3p008290)
半妖の依り代

リプレイ

滅びを巡る三つ巴の戦い

⚫︎
 境界図書館から異世界へと転移した四人のイレギュラーズ達。彼女らがいるのは研究所の内部、位置は入り口と最奥とのちょうど中間あたりだ。
 最初に彼女達が行ったのは、ゴーレムの足止めか、ナーラの説得かの選択だ。
「それじゃあ、私はナーラを説得しにいくよ。ここには僅かだけど精霊もいるみたいだから、上手くいけばすぐに最奥までいけるかも知れないし…」
「私もナーラさんの説得に向かうわ。目的やそのための努力は分かるけど、それでも『善い事』と『悪い事』の区別はつけないといけないからね」
まずナーラの説得に向かうのは『半妖の依り代』斑鳩・静音(p3p008290) と、『儚花姫』ヴァイス・ブルメホフナ・ストランドの二人だ。
「そうか、それなら俺は軍の足止めをするとしよう。説得なんて柄じゃないからな。方法だが、ゴーレムの群れがここまで来る前に出来るだけ多くの罠を設置しておくぞ」
「そうね。私も説得はいい言葉が浮かびそうにないし、ゴーレムの相手をするわね。けど私は、逆にゴーレムより先回りして待ち伏せすることにするけど良いかしら?」
「あぁ、構わないが……」
ゴーレムの足止めをするのは『貧乏籤』回言 世界(p3p007315)と『砂漠の冒険者』シグレ・ヴァンデリア(p3p006218)の二人となった。

ここで彼女たちは一度分かれることになる。まず世界は罠を設置するために研究所の上層へ。そしてシグレは、ナーラの説得へ向かう静音とヴァイスと共に下層の最奥まで行くことになった。

⚫︎
 軍の足止めのために一人罠を設置する世界。
「しかし、地下施設だと落とし穴が作れないのは残念だな。とはいえ、これだけ罠を張れば時間稼ぎにはなるだろう」
彼は各階層の至る所に精霊爆弾などの罠を仕掛けておいた。そして、ついに研究所の入り口がある階層の近くまで来たのだが……
「全機、動作の最終確認は完了しました。いつでも起動可能です」
その階は大きな広間となっており、そこには軍事国家の将軍アスターとその配下、そして広間のほとんどを埋め尽くすほどの大量のゴーレムが待機していた。
「よし!それでは作戦を開始……と行きたいところだが、まずはそこにいるネズミを駆除してからだな!」
どうやら、世界はアスターに見つかってしまったようだ。彼は咄嗟に世界は下の階へ逃げ出す。
(ちぃ、この数が相手だと流石にヤバい。こうなったら……設置した罠で数を減らしながら逃げるか)
罠の抜け道が極力バレないよう、落ち着きながらも出来る限り速いスピードで下の階層へ向かい、そして最初に着いた研究施設の中間の階層へ世界は辿り着いた。しかし、この先には世界による罠は一切仕掛けられていない。故に世界は茨の鎧を纏って、ゴーレムの軍隊と直接対峙することとなった。

⚫︎
 その頃、最奥に向かう三人は移動の最中でやけに厳重な部屋の扉を見つけていた。
「この部屋、多分ナーラさんにとって何か大事なものがある部屋なのかしら?」
「そうね……もしかしたら説得に使えるものがあるかもしれないわ。二人とも、ちょっと離れてて」
シグレはヴァイスが疑問を感じた部屋の扉に手を当てて衝術を使う。すると、扉が吹き飛び部屋に入れるようになった。
「それじゃあ私はこの部屋を色々調べてみるから、二人は先にナーラさんのところへ行ってほしいわ」
こうしてヴァイスも分かれ、シグレと静音の二人で最奥へと向かうことになった。

そして最奥の部屋の前についたシグレと静音。ここからシグレは扉の前を見張り、静音は一人でナーラの説得をすることになる。緊張で鼓動が速くなるが、世界が滅びるのを防ぐため、意を決して近術を使って扉を壊した。
「くっ、襲撃者か。大方あの軍事国家の手先だろうな」
「私は斑鳩静音!『異世界干渉装置』を、アンタを止めるためにここまで来た!」
そう言って、静音は歩いてナーラに近づく。ナーラは落ち着いて喋る。
「ボクを止める、か。悪いが装置をできないよ。何せこれはボクの研究の完成形で、ボクの願いなのだから」
「それでもだよ!ここに来る際に知ったけど、アンタは自分の幼なじみを助けるためにここまで頑張ったのよね!」
「ああ、そうだとも。そのためにボクは世界中から資金をかき集めてここまで辿り着いたんだ!それを今更諦めるなんて……」
「けど!アンタの幼なじみは世界を犠牲にしてまで迎えに来て欲しいとは思ってないはずだよ!それが例え自分を救うためであっても、その方法が間違ってたらきっと怒るはずだよ!」
ナーラの反論に対して、静音は声を荒げて説得を続ける。
「・・るもんか……・・・に・・もんか……」
「だから、今度は胸を張って迎えにいける方法を……」
「わかるもんか!外から来たお前に、ボクの気持ちも!ラーンの気持ちも!」
すると突然ナーラが静音に飛びかかる。そして、そのまま静音を殴ろうとするが……

「二人とも、待って!」

ナーラの部屋を調べていたヴァイスが、ついに最奥の部屋に辿り着いた!

⚫︎
 突然現れたヴァイスに驚いたナーラだが、すぐに切り替えて彼女に問いかける。
「ところで君は軍事国家の手先か?それとも静音の仲間なのか?」
「そうね、静音の仲間よ。ヴァイスと呼んでほしいわ。ナーラ、まずは話を聞いてほしいの」
「わかったが何を言ってもボクは装置を止める気は……」
「ラーンが消えた理由についての話よ」
「「えっ?」」
ヴァイスの発言にはナーラだけでなく静音も驚いた。
「どういうことだ?ラーンはある日突然姿を消して、世界中どこを探しても死体すら見つからなかったんだぞ!」
「はっ!まさかあの部屋の中に……」
「二人とも落ち着いて!今から説明するから」
そう言ってヴァイスが懐から取り出したのは、銀色の一本のリボンである。そのリボンを見てナーラは取り乱した。
「そのリボンは……まさか、あの部屋に!」
「そうよ。説得のためとはいえ勝手に部屋に入ったのは悪かったわ」
ヴァイスは話を続ける。
「それはそうと、このリボンはとても大事にされていたみたいね。それこそ彼女がこの世界から消える直前まで」
「……そうだったのか。そこまでこのリボンを……」
ここで静音が問いかける
「それで、どうしてラーンは消えたの?」
「そうね。そろそろ本題に入るわ。ラーンが突如姿を消した理由だけど……」
ヴァイスの次の発言を前に、場の空気が震える。

「ラーンは自分で方法を探して、自分から異世界へ行ったみたいよ」

「自分からって……本当にそんな簡単に異世界に行けるのかい!?当時の彼女はまだ学生だぞ!」
ヴァイスの衝撃の発言に、長年異世界への行き方を研究してきたナーラは驚いている。
「いえ、決して簡単じゃなかったと思うわ。何せ、ありとあらゆる異世界の生き方を毎日検証して、しかもそのほとんどがガセで、それでも諦めずに本当の方法を探すなんて、よほどの意思がないとできないわ」
「けど、どうしてそこまでして異世界を目指したんだろう?」
静音がヴァイスに疑問をぶつける。
「彼女はこの世界ではかなりいじめられてたみたいだからね……多分、異世界に救いを求めていたのだわ」
「それでも、なんでボクには何も言わなかったんだ?ボクに言えばいくらでも……」
「それはあなたに迷惑や心配をさせたくなかったのよ。それと、ラーンはリボンを通じてあなたに伝えたかったことがあるの。それをここで言うわ」
ナーラはヴァイスの、ラーンの言うことを一字一句聞き逃さぬよう耳を傾ける。

「『私がこの世界から消えたら、ナーラは私を探しに行くかもしれない。けど、私は大丈夫だよ。他の世界で楽しく生きれたら、またこの世界に戻ってくるから。その時は、もう一度私の親友になってね』」

ナーラは涙を流した。数十年越しに親友の言葉が、自分が渡したリボンを通じて伝わった。これが奇跡なのか、ナーラは感動していた。
 しかし、感動に浸る時間はもう無かった。
「みんな。感動に浸ってるところ悪いけど、ゴーレムがここまで来たわ!」

⚫︎
「えっ!?もうゴーレムがここまで来たの!?」
「あとちょっとで装置を止めれたのに……」
シグレからの伝令に落ち込んできたヴァイスと静音。しかし、ナーラは落ち着いてシグレから状況を聞く。
「それで、敵の数は?倒すにはどのくらいかかる?」
「敵の数は三体!五分で肩を付けるつもりよ!」
「五分か……よし、ボクはこれから装置を止める!装置が止まったら言うから、それまでゴーレムをこの部屋に近づけないでくれ!」

死霊弓と魔弾を使い分けながら、シグレはゴーレムの群れを倒していく。
「……よし、装置を完全に停止させたよ!」
「静音さん、お願い!」
そして、装置は完全に停止して、静音が世界の危機に終止符を打つ。
「切り裂けぇぇ!」
静音の神薙がついに『異世界干渉装置』を破壊した。

⚫︎
 そして世界を危機から救った四人のイレギュラーズは無辜なる混沌へと戻り、再び平和が訪れた。
 そしてナーラは今も待ち続けている。いつか帰ってくるであろう、親友を。

成否

成功

状態異常

なし

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