PandoraPartyProject

シナリオ詳細

《狐の嫁入り 異聞録陸》闇に蠢くもの

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

■遂に動く男
「なに……?魔物を倒したその奥に、謎のものが……?」
 城塞都市の領主、スーラク・ルークス。彼は今、執務室にて孫娘のカイ・ルークスの報告に耳を傾けていた。
 モグラ族の鉱山に魔物が棲み着き困っているとの事で、孫娘とその親友。そしてスーラク自身の『友人達』を派遣しての報告だ。
 魔物自体は問題なく倒したとカイは語る。しかしその表情は硬く、口調は重々しく。何があったと問いただしたところなのだ。
 カイの言葉からすると、見ているだけで精神を刻まれそうな、正しく闇の中の闇。更にはその場に立っていた者の姿を模倣した闇を生み出したという。
「それで、すぐに撤退したのか」
「はい……申し訳ありません」
 一太刀も交える事なく逃げ出してきた事を、カイは恥じていた。あのまま戦えばどうなっていたかはわからないとはいえ、敵前逃亡など騎士の家系としては失格だと叱られる覚悟の上だった。
 しかし、スーラクの反応は真逆であった。
「うむ、良い判断をしたなカイ」
「え?」
 俯いていたカイが顔をあげると、そこにあったのは厳格な騎士団長ではなく気さくで優しい祖父の顔であった。
「わしは怒りはせん。お前の判断は正しいと思っておる。仲間を、友を危険に晒さぬように判断できるのは素晴らしい事だ」
「お祖父様……」
 祖父の優しい言葉に緊張が解けたカイは、涙が一筋溢れる。
「これ、泣く奴がおるか」
「す、すいません」
 取り繕うカイにもう一度笑って、そしてスーラクは再び騎士の顔に戻る。
「……これは、わし直々に向かうしかないか。カイ、案内せい!」
「え、え? お祖父様、街の警備は?」
「ミルディンに任せる!」

■闇に立ち向かえ!
「……ということで、前回のお話に続いてスーラクさんからの依頼よ。あの採掘場にもう一度、一緒に出向いて欲しいとの事だわ」
 境界案内人のポルックスが、新たに開かれたページを捲りイレギュラーズ達に説明する。それは、先に出向いたイレギュラーズ達が発見した謎の存在を討伐する、という内容であった。
「本当に何が起こるかはわからないわ。だから、無理にとは言わない。ただ……無事で帰ってきてね?」
 泣きそうな表情を浮かべながらも、ポルックスはイレギュラーズの無事を深く、深く祈った。

NMコメント

 いくつ異聞録続くのかは私にもわかりません以下略です。
 今回は前回と同じ採掘場に出向く事になります。そして見つけた謎の闇に対抗するシナリオです。オーダーはただ一つ。負けないで下さい。
 以下味方NPC詳細。
■スーラク・ルークス
 超強力な味方NPCです。両手槍を豪快に扱い、敵を粉砕するスタイルの騎士団長。
 神攻、反応が低い以外は穴のないステータスを誇ります。また歴戦の勇士故に精神耐性を会得しています。但し、その超強力な実力が今回は災いする可能性が……。
■カイ・ルークス
 前回と同じくホーリーメイガス相当の実力。スキルも前回と同じく回復術をメインに、攻撃から火耐性毒耐性スキルまで幅広く持っています。
 祖父と同じくランスを扱う事で前衛として戦う力を物にしました。
■ティティス
 前回と同じく魔生乱破相当の実力。スキルも前回と同じく遠近両用の攻撃スキルに、回避性能を高めるスキルを中心に会得しています。通常攻撃が毒付与されてるのも同様です。

 以下敵詳細。
■謎の闇×1
 生物かどうかも謎の、ただそこに広がる闇です。これが自ら攻撃する事はありませんが、その特殊能力が牙を剥き皆様を襲います。
 能力はHPが極めて高く、抵抗値がイレギュラーズでいうところの250ある以外は全て0です。
P無限の闇:謎の闇が戦場にいる限り、敵全てに毎ターン【懊悩】【停滞】【狂気】【魔凶】【暗闇】のいずれかがランダムで付与されます。複数付与される可能性もあります。
 付与タイミングは敵一人一人が行動する際に個別に付与されていきます。
P広がりゆく闇:3ターンに一度、戦場にいる敵一体をランダムに模倣した闇の生物を生み出します。闇の生物はコピー対象の影のような姿で、スキルも使えずステータスも若干低くなります。但し、あくまでも若干なので……。

 以上となります。命の危険は低めですが(メタ的な事を言えばライブノベルなのでありませんが)シナリオ上でどんな精神汚染が進むかはわかりません。
 それではお気をつけて……。

  • 《狐の嫁入り 異聞録陸》闇に蠢くもの完了
  • NM名以下略
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年05月31日 22時35分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (4人)

ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
天穹を翔ける銀狼
セリア=ファンベル(p3p004040)
初日吊り候補
ジュルナット・ウィウスト(p3p007518)
風吹かす狩人
長月・イナリ(p3p008096)
狐です

リプレイ

■ただそこにある絶望
「これはこれは……確かに、カイの説明通りだな」
 日を改め再び謎の闇のいる坑道奥へやってきたのは7名。そのうちの一人で、歴戦の勇士たるスーラクが思わず言葉を零す。
 その闇は変わらずそこに『いた』。いや……変わってなどいない。見る者が見れば違いはわかる。
「これ……大きくなって、る……?」
 『狐です』長月・イナリ(p3p008096)が尋常ならざる視力により、前回の時との違いに気づく。僅かながらに闇が広がっているのだ。
「お祖父様……なんとかなるのでしょうか?」
 カイがスーラクの後ろから不安げに、頼れる祖父の顔を見つめる。祖父は不安げな孫娘を安心させるように、頭に手を起き、それから一喝。
「当たり前だ。なんとかするのが、わしとお前と……友人達の役目だからな!」
「流石スーラククンダネ……」
 『風吹かす狩人』ジュルナット・ウィウスト(p3p007518)は久方ぶりに顔を見た友人が変わらずいる事に安心し、そして矢を手にする。
「子供扱いしないつもりだったけど、この子たちだけでも生きて帰さないとね。」
 書物を手に 『初日吊り候補』セリア=ファンベル(p3p004040)が決意を口に。しかしその言葉は、子供であるティティスに否定される。
「だ、大丈夫、です。私だって、戦えます、から!」
「ならば、それぞれできる事を、だな」
 『天穹を翔ける銀狼』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)は静かに語る。未来ある若者を、そして友人を護る為に、自分にできる事はただ一つ。戦線を支える事と決めて。
「ああ、そうだ。良い事を言う友人殿。……では、始めるぞ!」
 槍を豪快に一振りし駆け出すスーラクに続くようにして、絶望への闘いは始まる!

■光を食らう闇
「グッ……これは、コレハ……」
 矢を構え狙いをつけようとしたジュルナットの視界が揺らぐ。暗闇が広がる錯覚……これは目がやられたかと思考の隅で察する。
 敵は動かない闇故に、目が見えずとも場所はわかる。問題は仲間の動きだ。下手にうつと誤射しかねないが……彼は持ち前の聴力を活かして物音だけで判断し、矢を放つ!
「当たった……のかどうかもわからないね」
 息苦しさを感じつつ、イナリも攻撃に加わる。剣を一振り振るう毎に、炎の弾丸が闇に吸い込まれ爆発音だけが耳に響く。
「ぬぅ……手応えもない」
 闇に向け突き出されたスーラクとカイのニ槍は、確かに穂先は闇に刺さった。だが、空振りをしたかのような感覚しかない為に本当に効いているのかどうかも判断できない。
「か、身体が重い……」
 クロスボウに矢を番えるティティスの手が震える。足が動かない。闇に身体が押しつぶされそうだ。それでも、大好きな友達が頑張っているからと恐怖心を勇気で押さえつけ、奮い立つ。
「ゲオルグさん、任せるわね」
「ああ」
 小さくやり取りしてから、セリアが魔導書を捲る。心の光が弾丸となり、闇に向け放たれる!
 下級の魔物程度なら一撃で粉砕しかねないセリアの一撃だが……それですら、闇に飲み込まれ、効果があったのかは判別できない。
「……諦めるな。希望はきっと、ある!」
 ゲオルグが動く。闇は狂気を振りまき彼を飲み込もうと包むが、ゲオルグは止まらない。
 彼の叫びが仲間達の恐怖を、暗闇を拭い去る。活力が戻る。
 されど闇は未だ健在。再び全てを飲み込まんと広がりゆく。

「え……あれ、は」
「カイちゃんが二人……?」
 闇の中で蠢く存在に気づいたのはカイ。何か来ると察して後ろに数歩跳ねる。直前まで彼女がいた場所に突き刺さったのは、彼女自身が持つ槍。否、影。
 ティティスが呆然と呟く。闇の中から現れたのは正しくカイの影そのものだったからだ。
「来たネ……スーラククン!」
「おう!」
 ジュルナットの声に応じ、スーラクがカイの影へと突撃する。ほぼ同時に、スーラクの槍とジュルナットの矢が影に突き刺さる。
「影とはいえ、孫娘に攻撃するのは気分のいいものじゃないな……」
 槍を引き抜くスーラクを嘲笑うかのように、影は槍を掴み立ち上がる。そして彼の顔へと手を伸ばし……。
「させない!」
 セリアの怒号と共に放たれる不可視の刃が影を切り裂き霧散させる。もうそこに、影はない。
「本人よりは弱い、のね」
 影が消えた事で再び闇へと攻撃を繰り出すイナリが情報を分析する。所詮影は本体に勝てやしないのだ、そう安心し……。
「う、うわぁぁぁあ!?」
「え!?」
 カイが頭を押さえて蹲る。彼女に何が起こったのか。それは他の面々にはわからない。
 彼女の見たものは、暗闇の中で祖父に殺される自分自身。その映像が直接脳内に入り込み、彼女の精神を揺さぶったのだ。
「まずい……!」
 半狂乱で槍を振り回すカイの手をティティスが持ち前の素早さで押さえつけ、ゲオルグの賦活の術が彼女の見た幻覚を振り払う。
「カイちゃん、落ち着いて!」
「はぁ、はぁっ……ご、ごめんなさい……」
 闇が光という名の希望を飲み込んで往く。

■闇を振り払う希望
「今度は……ワシか!」
 ゆらぎの一つも見せない闇。だが、7人の奮闘もあり少しずつだが広がりが小さくなっている。全員がもう少しだと直感した次の瞬間に闇から現れたのは。
 剛槍を手にした初老の狐人の影。全員が一番コピーされたくはないと願っていた者。
 あろうことかその影は、闇を庇うように前に立ちはだかる。
「もうっ、邪魔しないで!」
 イナリの怒りと共に、闇と影を焔の弾丸が飲み込んでいく。何発も何発も。
「悪いケド……そこは、おじいちゃんのラインダヨ!」
 一直線に並んだ影と闇。それを貫くはジュルナットの凶弾。影の胸を穿ち、そのまま闇の中心部へと。
「怖い……けど、皆一緒なら……」
「いきなさい、狐火!」
 ティティスの放つ矢が、カイの放つ狐火が。影も闇も明るく照らしていく。闇が、一瞬、揺らいだ。
「所詮は劣化品よ。そこをどけぇい!」
 怒号と共にスーラクは影を押し倒し、踏み潰し。闇へと槍を突き刺す。永遠に続くかと思われた闇の中、明らかに手応えがあった。
「ここだ……ここを狙えぇ!」
「任せなさい!」
 何発か誤射しても、彼なら大丈夫だと信じて。セリアが持てる全ての精神力を光の弾丸へと変換し、スーラクの槍の穂先を狙い放つ!
「……闇が、消えていく」
 仲間の回復に努めていたゲオルグが、洞窟の中の闇が消えていくその瞬間を見届けた。

■一粒の闇
「……ああ、疲れたネ」
 疲労困憊だとばかりにジュルナットが自分の肩を揉む。なんともやりづらい相手であった。ただそこにあるだけの闇だというのに。
「なんだ、これは?」
 闇があった場所の中心部に転がる一粒の黒い球体に気づき、スーラクが拾い上げる。
「……先程の闇の本体、か?」
 それを横から見たゲオルグが、なんとなく頭に浮かんだ事を口にする。状況からすればそう考えるのが妥当なとこだろう。
「お祖父様、壊せないのですか?」
「……ふっ……ぬ……!」
 カイの言葉に、手に力を込めてみるスーラクだがびくともしない。まるで金剛石の殻に包まれたかのように硬い。
「ちょっと貸してちょうだい?」
 試しにとイナリが刃を突き立ててみるが、跳ね返されてしまう。「贋作じゃダメか……」と、尻尾が垂れ下がる。
「あ、こんなこともあろうかと」
 ティティスが道具袋を漁ると、小箱が一つ。破壊する事がかなわないなら、とりあえずしまっておこうという思惑だ。
「……それにしてもこれが本体だとすると……」
 小箱へ闇の粒が入れられるのを見て、セリアが呟く。
「……あの闇は人の恐怖心だとかを餌にしていたのかしら」


「とりあえずこれで一件落着だな!」
 坑道から抜け出た一行をモグラ族達が取り囲む。もう大丈夫だと伝えると一気に沸き立ち、採掘再開へ向けて動き出した。
 やはり陽の光は良いとスーラクが大きく伸びをする。
「スーラククン、それをどうするんだイ?」
 ジュルナットが問うのは先の小箱の件だ。放置しておけばまた同じ事が起きるかもしれないという懸念はある。
「ああ……アングラーの奴にでも封印の札を作ってもらうさ」
「私ができればよかったのに……」
 残念そうに呟くイナリ。いつかきっと、その為の技術を学ばないととこっそり誓う。神を降ろせるのだから、闇を封じるくらいはできないと、と。
「その後は海にでも捨てておけば誰も開けれないだろうよ」
「……海、か」
 一瞬、何か嫌な予感がした気がするが。きっと気のせいだろうとゲオルグは首を振る。
 闇の本体らしきものを手にしても、なんともなかった御仁だ。きっと何も起きないと。
「それじゃ、帰りましょうか。頑張ったからお腹空いたわね」
「あ、街に帰ったら私が何かごちそうしますよ」
「私も、私も!」
 セリアのなんとなしの呟きに、カイとティティスが賑やかす。
 スーラクはその背を見て、とても眩しそうに目を細めた。

成否

成功

状態異常

なし

PAGETOPPAGEBOTTOM