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シナリオ詳細

白骨館の恐怖

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●骨を集めた館
 白骨館――。
 その高台を人々はそう呼んだ。
 館の主、ロック・カルホーン伯爵は、趣味が狩猟の貴族であった。
 猟で仕留めた獲物を剥製しにしては悦に入っていた。まあ、そこまではよくある趣味といえる。
 しかし、いつの日か剥製よりも中身の骨格に興味が移っていったという。
 仕留めた獲物から、肉をこそげ落として現れる白い骨。
 生前の姿を想像させ、複雑に組み上がってる神秘的な関節の数々――。
 肉や革よりも、骨にこそ真の美しさがあるのではないだろうか? 伯爵は骨に魅せられていった。
 ただ、さまざまな骨をコレクションした伯爵であったが、まだ揃えていない。人間である。

「やはり人間の骨も揃えなければ!」

 最初は、どこかに展示されていた骨格標本の入手からであった。
 しかし、それでは思ったものが手に入らない。続いて、墓を暴いたり闇ルートで人間の死体を手に入れるという具合にエスカレートしていった。

「だが、どうも思ったようにコレクションできん。どうやって手に入れればいいだろう? 例えば、あそこに歩いている者の骨格が手に入れば……」

 カルホーン伯爵は、はたと気づく。
 あれも肉がついているだけで、処理してしまえば骨ではないか――。
 いつしか、館の麓では人々が不意にいなくなるという神隠し事件が起こった。あるいは、伯爵の館に招かれたまま帰ってこないものがいる、と。
 数カ月後、さすがに放置できなくなった当局が踏み込むと、そこには無数の骨が飾られていたという。
 カルホーン伯爵の狂気が明るみに出ると、裁判のすえに処刑された。
 しかし、伯爵の忠実な召使いが遺言に従ってその亡骸を骨にして館に安置し、押収された骨の数々も密かに取り戻したという。
 人々は噂する。カルホーン伯爵の白骨館では、夜な夜な骨たちが宴を繰り広げているのだと。

●白骨館を探索せよ
「えー、そういうわけで白骨館を調査してほしいのです」

 『新米情報屋』ユーリカ・ユリカ(p3n000003)は、集まった冒険者たち相手に、このたび調査することになった白骨館の謂れを会談風に語り終わった。

「そんなわけで、白骨館にはいっぱいスケルトンが出現するらしいのです。これをきれいに片付けてもらうのが、皆さんのお仕事なのです」

 スケルトン、動く骨のアンデッドだ。
 単体なら何のことはないが、白骨館に潜んでいるスケルトンは、ユーリカの事前の予測では、だいたい30体ほどと見積もられている。この白骨館は取り壊しの話が進んでいるが、スケルトンが出現するとなるとおちおち解体もできないのである。

「うち、10体くらいは人間外のスケルトンなのです。スケルトンドッグとかスケルトンバードとかスケルトンエレファントとか、そんなのなのです」

 動物も骨になってしまえばだいたい同じであるが、多少は生前の姿の機能が残っているらしい。骨だけになった鳥がどうやって飛ぶのか謎だが、なんらかの魔力が影響しているのだろう。

「ただ、問題がひとつあるのです。カルホーン伯爵の骨が館に持ち運ばれていたことは確かなようです。召使いの人も、遺言を守るために骨を折ったそうです」

 骨を折る。この場合、苦労するという意味の慣用表現だ。
 ユーリカも、ちょっと言ってやったという顔をする。
 まあ、それはいい。置いといて、問題に話を移す。

「骨好きだったカルホーン伯爵は、生前ある術術を行なったそうです。それは、骨がいっぱい集まってスケルトンキングになるというものなのです。おそらく、倒したスケルトンたちは、カルホーン伯爵のしゃれこうべに集まってスケルトンキングになるはずです。これも倒して、しゃれこうべを封印しなくてはならないのです」

 つまり、白骨館に乗り込んでスケルトンとスケルトンキングを倒し、カルホーン伯爵のしゃれこうべを持ち帰るというのが今回の依頼だ。
 スケルトンを一掃して、カルホーン伯爵の妄念を断ち切ってこそ、安全に白骨館も取り壊せるというものである。

GMコメント

■シナリオについて
 皆さんこんちわ、解谷アキラです。
 今回は、スケルトン退治の依頼となります。
 ゾンビやスライム、オークにゴブリンはやっていたが、ファンタジーでもおなじみのスケルトンはやってなかったと気づいて作成しました。
 白骨館という名で呼ばれる曰くつきの館からスケルトンを一掃するのが依頼内容です。
 出現する敵について解説します。

・スケルトン
 骨だけとなったアンデッドです。20体ほどおり、館に侵入してくると問答無用で襲いかかってきます。
 館に残された武器で武装しています。
 剣や槍にバックラーなどの軽装で、飛び道具は使いません。しかし、館の中での戦闘となりますので、飛び道具は一方的にアウトレンジ攻撃で有利にはなりません(それでもプレイング次第で有利に戦えるかもしれません)。接近戦の反撃を受ける場合もあります。

・アニマルスケルトン
 カルホーン伯爵が生前買って骨格標本にした動物のアンデッドです。10体ほどいます。鳥、猟犬、ビッグゲームで仕留めた大型の獣、猛獣もいます。
 生前の性質にしたがいますが、肝心の筋肉を失っているので動物の特性をあまり活かせません。人間のスケルトンよりは弱いです。
 ただ、飛行したり巨体であったり、牙や爪を持っている猛獣などはそれなりに脅威となります。

・スケルトンキング
 すべてスケルトンを倒した先に現れるカルホーン伯爵の骨への妄念がこもったしゃれこうべが骨を集めて顕現する誕生する巨大なスケルトンです。
 この出現は先に防ぐことはできないものとします。ラスボスです。でかいので中距離も白兵攻撃が届きますし、耐久力もそこそこあります。いわゆるラスボスです。
 倒すと元凶であるカルホーン伯爵のしゃれこうべを入手できます。

・白骨館について
 いわゆる貴族のお屋敷です。2階建てで広めです。
 一階が正面ホール、展示室(おもに骨)、浴場、食堂。
 二階がゲストルーム、書庫、書斎となっています。
 基本的にどこでも戦闘が発生しますが、部屋でどう戦うかプレイングに工夫があればボーナスがあるかもしれません。

・その他
 ホラーテイストのシナリオなので、プレイングに怖がってくれたりホラーのお約束があったりするとボーナスがあるかもしれません。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 白骨館の恐怖完了
  • GM名解谷アキラ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年05月30日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

アルペストゥス(p3p000029)
煌雷竜
杠・修也(p3p000378)
壁を超えよ
ヨハン=レーム(p3p001117)
無限循環
イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)
業壊掌
湖宝 卵丸(p3p006737)
蒼蘭海賊団団長
ボーン・リッチモンド(p3p007860)
嗤う陽気な骨
アカツキ・アマギ(p3p008034)
焔雀護
フゥ・リン(p3p008407)
戦う行商人

リプレイ

●その館、骨だかけ!
 カルホーン伯爵が残したという、曰くつきの“白骨館”。
 なんとも不気味な雰囲気が漂っている。
 立派な門構えも、今は朽ち果て、手入れをする者がいなくなった庭園は荒れ、烏たちの羽音と鳴き声が響いている。
 時は夕刻すぎ。なんともおあつらえ向きな時間帯だ。

「ここがウワサの白骨館か……カルホーン伯爵のモウシュウが飲み込んだギセイ者は数知れないって話だよ」

 依頼を受けて仲間たちと噂の白骨館の前にやってきた『業壊掌』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)は呟く。

「夜に入ったニンゲンがモトの姿で生きて帰って来たことはないってさ……」

 探索の前に盛り上がりそうな話題だ。

「う、いかにも恐怖物語に出てきそうな館。卵丸、今から武者震いが止まらないんだぞ……こっ、怖くなんかないんだからなっ」

 ツンっと強がってみせるのは、『蒼蘭海賊団団長』湖宝 卵丸(p3p006737)である。
 ここで怖がってしまうと身内からもネタにされてしまう。そのような思いがあるのだろう。
 年頃の男子には、そういう難しいプライドもあるのだ。

「どんな趣味を持つのも自由だと思うが。死んでまでそれで周りに迷惑をかけるのはやめてほしいもんだ」

 杠・修也(p3p000378)は眼鏡をクイッと上げる。
 彼の眼光を隠すかのように眼鏡が輝く。それは何かの合図であるようにも見えた。

「……グルルル……」

 一緒についてきた『煌雷竜』アルペストゥス(p3p000029)が唸り声を上げて警戒している。
 館から漂う何かの気配を嗅ぎつけたのだろう。小竜の末裔だが、子犬のような振る舞いをする。

「趣味が高じて本人もスケルトンの仲間入りとは……ゾッとせぬ話じゃな」

 前情報では、処刑されたカルホーン伯爵自身の遺骨もこの白骨館に飾られているという。
 ずいぶんと厄い話である。『放火犯』アカツキ・アマギ(p3p008034)も、懐に悪霊退治グッズを忍ばせつつ館を見上げた。

「ホネは実体だからお化けじゃないネ……」

 その脇で、『戦う行商人』フゥ・リン(p3p008407)がぼそっと呟いた。

「そういう理屈でいいのかの?」

 リンの謎理論に、思わずアマギも突っ込んでしまった。

「アイヤー……、今のは独り言ヨ! べべべ別に怖いわけじゃないヨ!?」

 そうは言っているが、態度でバレバレであった。

「ホネには打撃がよく効く、ってワタシの爺様も言ってたヨ! だから大丈夫ネ!」
「打撃かー。妾、火炎系だから火葬ならできるんじゃが」

 これまた謎理論だ。アマギは燃やしてしまえばいいと思っていだ。
 この辺、意見が分かれるところであろう。

「ま、悪趣味な貴族様はどこにでもいるようで。犠牲者たちの無念を晴らしてあげましょう!」

 『ステンレス缶』ヨハン=レーム(p3p001117)は気合を入れた。
 怪談のバックボーンを考えると、カルホーン伯爵というのは骨への偏愛が行き過ぎ、骨の髄まで妄執に囚われ、悪業の報いが骨身に染みているはずだが、どうもそれが要因で怪異が起こっているようだ。
 ヨハンとしては、放ってはおけない。

「カッカッカッ! スケルトンの俺がスケルトン退治なんて皮肉の利いた依頼だな、おい!」

 カタカタと『嗤う陽気な骨』ボーン・リッチモンド(p3p007860)が骨を鳴らす。
 彼もまた骨となっているスケルトンであるが、この依頼を果たすために骨を折る気でいる。慣用表現的にも、実際出てくるスケルトンの骨を折るという物理的な意味でも、だ。

「アイヤ!? すでにフードを被ったホネがすぐそこに…!? えっ、リッチモンドサンは味方なのネ?」
「おう、そうだとも。30体のスケルトンにスケルトンキングまでいるとは骨が折れそうだな……スケルトンだけに!」

 表情を司る顔面の肉と表情筋がないので彼の今の表情をうかがい知しれないが、おそらくは「言ってやった」という顔をしているだろうと想像できる。
「びっくりしたヨー。ほんとに怖くないからネ? こ、こ、これは武者震いヨ」

 強がっているが、リンの言い訳は卵丸と一緒なだけに本音は仲間たちにも丸わかりであろう。
 アマギがその心を知ってか、悪霊退治グッズのひとつをそっと差し出す。心強いアイテムである。
 そんなわけで、8人は館に乗り込んでいく。

●骨だらけの館
 ぎいいいいいいいいいいいい……。重々しい音を立てて、白骨館の大扉は開いた。
 一階のエントランスホールは広々としているものの、暗く、人の手が入っていないために空気はよどんでいる。
 リンのカンテラとイグナートのたいまつが中を照らしていく。

「グゥ……?」

 アルペストゥスが無理やり電気を流し、館の照明に灯りをともす。ランプが明滅し、光が生まれた。
 浮かび上がってきた固形は、噂どおりだった。飾られている調度品は、骨にまつわるものばかりである。
 花瓶には肋骨のような飾りが、階段の手摺は腕骨を模したもの、絵画の人物は骨の姿で描かれている。
 かなりの悪趣味なもので、それらが一様に朽ちかけているのだから相当に不気味だ。
 今のところ、それらの骨が動きそうな気配はない。
 と、そのときだった。
 ばたん! と入ってきた大扉が勢いよく閉まる。開く時はあれだけ重々しかったというのに、不自然な勢いだ。
 さっそく、イグナートが扉を調べ、首を横に振る。

「生きて帰るにはヤツを倒すしかないってワケか……」

 そう、この館の主の意思を感じる。
 カルホーン伯爵は、新たに入ってきた獲物たちの骨を欲している。

「海賊センサーに感有りなんだぞ」
「聞こえるな。展示室の方からだ」

 卵丸と修也が、うごめく気配に気づいた。
 ホールに集まったイレギュラーズたちに警戒を促す。展示室の方から、カタカタと骨が鳴って迫ってくる。

「で、出たー!」

 ボーンも叫ぶ。
 彼が叫ぶと今更の感があるが、それでも敵の出現には違いない。

「オールハンデッド! 行くぞ!!」

 気合とともにヨハンがスキルの発動を宣言した。
 軍隊式の号令が、仲間たちにも力を与える。玄関ホールでの配置についても、問題はない。
 数は10体程度だ、情報ではあと30体はいるはずだ。
 まずは、この10体から掃討せねばならない。

「………ッ!!」

 スケルトンたちが顎の骨をカタカタと鳴らしている。
 何か叫んでいるようだが、その声を伝える器官はあいにくと失われている。
 近づいてきたスケルトンに、まずはイグナートが拳の洗礼を浴びせた。
 乾いた音を立てて、スケルトンの頭蓋骨が砕ける。さらにラッシュをかけて複数体をまとめて薙ぎ払った。

「こいつはいい。“死霊王”としての力を発揮させてもらおうか。目覚めろ――」

 そのボーンの一言で、砕かれた骨たちが起き上がる。
 カルホーン伯爵の怨念妄執よりも、このときばかりは魔王としての威厳が上回ったのであろう。

「骨が増えたのじゃ!」

 アマギがソファーをひっくり返し、防壁とする。
 まずは身の安全の確保だ。

「あわわ、来ちゃだめヨ!」

 フゥ・リンも拳で応戦しつつ、そのソファーを盾とした。
 この混戦の中、倒れた骨はアルペストゥスが齧っている。骨は好物のようだ。
 だが、これだけではなく二階からもスケルトンが駆け下りてくる。
 
「ギャウ……グルルゥ……!」

 骨を噛り終えて何かを満たしたアルペストゥスは、階段を駆け上がった。
 ニ階にも、スケルトンがまだ5体ほど入るらしい。
 リンもこれに続くようにして駆け上がり、その蹴りによって階段から蹴落とした。
 卵丸と修也も、それぞれ虹色☆蒼海斬と魔力撃によって掃討に加わり、第一波はあらかた片付いたようである。
 アルペストゥスが書斎の扉をぶち破って、さっそく書棚を漁る。
 翼によってページを捲ることまでできる。
 さすがは古代竜といったところだろう。

「ギャーウ」
「こういう所の本棚って呪われそうで怖いんじゃよな……手に取ったら離せなくなるとか」

 そういう不安を感じながらも、アルペストゥスの開いたページをアマギは覗き込む。
 どうやら、カルホーン伯爵が行なった儀式について記述されたもののようだ。

「……ふむふむ。やはり展示室じゃな」

 スケルトン化儀式において“魔術の核”となるものが、展示室にあるらしい。

●展示室の怪
「……というわけで、展示室じゃな」

 戻ってきたアマギとアルペストゥスがもたらした情報を得て、展示室に向かう。

「あー、ホラーなテンカイだとよくあるよね……」

 イグナートもその書物に目を通した。
 おそらく、カルホーン伯爵の自慢のコレクションが飾ってあるはずだ。

「なんか嫌な予感が、あちこちに見える気がするんだぞ……」

 卵丸は、何かの予感を感じていた。
 さっき、通り過ぎたときにちらりと見た鏡になにか映った気がしたが、スルーした。「こんなとこにいられるか!」と言いたくなったのも我慢した。物音もしたが覗きにはいかなかった。この館には、そこら中に悪い予感が潜んでいる気がする。

「やはり、予想どおりの光景だな」

 修也は眼鏡をくいっと直して言った。
 いくつもの動物の骨と、人骨が展示してある。

「グルル!」
「あっ、あれじゃ」

 アルペストゥスとアマギは、骨の中に入っている小さな箱を指し示した。

「あの箱がどうかしたネ?」

 思わず、リンがどういうことかと訊く。

「あの箱の中にある宝石に、伯爵の思念を移して骨に宿る儀式が書いてあったのじゃ。骨同士が飛んでくっつく光景は心臓に悪すぎると思うのじゃ……」
「へえ、そんな魔術がねえ。そういや聞いた覚えがあるな」

 ボーンにも、覚えがある。
 古今、魔術師は肉体という器から魂の解放を願った。
 朽ちる肉体を捨て、永遠を生きようとする方法のひとつだ。
 リッチーとかノーライフキングとか、ボーンのように朽ちた肉体に宿る方法もある。

「なるほどな。だが、動き出すようだ」
「みんな、気をつけてください!」

 修也とヨハンが警戒を促すと、展示されたスケルトンたちが一斉に動き出した。

「カッカッカ、大歓迎のようだな!」
「リンさん、気をつけて!」
「わかったヨ!」

 ヨハンの指示でリンも戦いに備えた。数は多い。
 猟犬、鳥類、さらには熊や虎といった猛獣のアニマルスケルトンまでいる。
 武器を持っていないが、動物の本能的な動きは厄介だ。
 イグナートもこれを接近戦で迎え撃つ。
 修也も魔力撃からレジストパージの特殊な格闘術式によって抵抗をねじ伏せた。奇襲に対しては十分に備えていた。

「ギャウ!!」

 向こうは獣のアニマルスケルトンだが、こちらには古代竜の末裔アルペストゥスがいる。
 竜と動物では、やはり格の違いというものがあるだろう。

「びっくりスケルトンは火葬じゃ!」

 言って、アマギはスケルトンに炎を浴びせた。
 高温であれば、骨も焼けるのだ。

「ヨ・ク・モ……。我が骨を……」

 不気味な声が響いた。
 ガシャガシャと砕けた骨が集まり、巨大な頭骨を形作る。
 その額の部分には、箱の中に入っていた緑の宝石がはまった。
 スケルトンキングの顕現である――。

「出たな、スケルトンキング……! 鉄帝国の人間はこんなモノ恐れたりはしないっ!」

 ヨハンは骨たちの王の出現に気を引き締める。
 仲間たちに配置を指示し、戦いをサポートする。
 今回、仲間のうちリンは初依頼だ。エスコートがあれば、彼女も切り札となりうるだろう。

「グルル……」

 アルペストゥスは、不愉快そうにスケルトンキングを睨む。

(……死をゆがめる。輪廻をゆがめる。すきじゃあ、ない)

 あたかも、そう言っているようだ。
 カルホーン伯爵の思念が封じられている宝石を核として、多くの骨を集めてひとつとなる。
 ならば、狙う点はひとつだ。
 イグナートが拳を固め、卵丸がキルデスバンカー射出の用意に入る。

「グアァァァァァウッ!!!」

 雄叫びを響かせ、アルペストゥスの怒りの雷撃がその額に命中する。

「グオオオオオオオオオオオオオオオオ――ッ!!」

 スケルトンキングが苦痛の声を上げる。
 だが、その口からは砕けた骨を吹雪のように吹き付ける。

「グウッ!?」

 杭のようになった骨が、反撃とばかりにアルペストゥスに容赦なく突き刺さった。
 だが、次はイレギュラーズの番だ。

「――はっ!!」

 骨の嵐を掻き分け、イグナートが固めた右拳を叩きつける。その衝撃は計り知れない。

「この雷でもう一度貴様を裁く! 勝利への布石!ライトニングダガー射出!!」

 回復に回っていたヨハンも、ライトニングダガーを宝石めがけて撃ち込む。

「この身を、蒼き彗星に変えて……喰らえぇぇぇ!!」

 青い彗星となって吹きつける骨を弾き、キルデスバンカーが貫く。

「ガ、アアアアアア……」

 さらに、リンが拳で連打する。弱点を把握され、立て続けに打たれては骨の王もあっけなかった。
 しかし、崩壊しながらも、なおも骨を集めて形を修復していくさまは生前の執念を感じさせるものがある。

「俺はテメェの趣味嗜好が理解できないが…一応聞いておくぜ。カルホーン伯爵……骨への執着を諦め、成仏する気はあるか?」

 ボーンが問うのは、骨となった伯爵への慈悲だったかもしれない。
 だが、その慈悲も骨の王にまでなった狂気には、無意味であった。

「お? オオオオッ!? 骨だ、骨えええええっ!」
「うわ、気色わりいな。なら、この骨野郎のボーン様の手に掛るがいい! ………いくぜ! 骨哭!」

 そのボーンの剣が伯爵を惑わし、一刀のもとに宝石を切断した。
 伯爵の夢の器であった巨大なしゃれこうべが崩壊していく――。

「やった、勝利ヨ!」

 リンはガッツポーツを取った。そう、イレギュラーズは勝った。
 そして白骨館と恐れられているが、貴族の館には違いない。

「面白そうな物はないかナ? どうせ解体するんだから、ちょっとぐらいもらってもいいよネ?」

 戦利品漁りは、勝者の権利である。
 実際、骨をモチーフとした美術品の価値はともかく、珍品には違いない。

「あー、でもノロわれてないかな? ここの品」
「そ、それは先に言ってほしかったネ……」

 イグナートの指摘はもっともであり、リンも手にとったことを後悔する。

「それと、水回りは気をつけないとね。こういうとき、ガバっと来るし」

 ホラーの定番であり、そのへんはイグナートが後処理を担当した。

「ガウ?(だったら燃やす)」
「もちろんじゃ。びっくりホラーハウスはもう勘弁じゃ、館ごと燃えてしまえー!」

 アマギがあたりに放電するアルペストゥスの背に乗り、館への放火を敢行する。
 炎による、浄化、火葬、弔いである。
 これに漏電火災も加わった。

「おっと、その前にこいつは持ち帰るか」
「あっ、妾も!」

 ボーンが骨の中から、カルホーン伯爵のしゃれこうべを拾い上げると、アマギも思わず反応する。
 さて、その伯爵のしゃれこうべがどうなったのか? それはまた別の物語である。

成否

大成功

MVP

なし

状態異常

アルペストゥス(p3p000029) [重傷]
煌雷竜

あとがき

 お疲れ様です。館からスケルトンも一層されました。
 そして館は案の定燃えましたね。まあ、館や村はよく燃える可燃物です。
 カルホーン伯爵もスケルトンも、イレギュラーズの前に蹴散らされた感じです。
 弱点も見つけられてしまい、スケルトンキングもわりとあっさり沈みました。大成功とさせていただきます。
 それでは、またの依頼でお会いしましょう。

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