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シナリオ詳細

ポセイドンは空の上

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ポセイドンは気が弱い
「ふう……さて。ポセイドン、逢いに来たわけなのだけれど」
「だからって僕を急に空の上に連れてこないでよォ!」
 フローラと青い髪の半泣きの男――ポセイドン――海を支配する男は、夏の島の光景にわあ、と息を漏らす。
「ふーちゃんすごいね、こんなの作っちゃったの? またセイくんに怒られてない?」
「にいさまは今熱でくたばってんのよ。雪も降るから大丈夫だと思ったのだけれど……」
 些か口が悪いような気がするが気にしない。フローラの瞳が揺れる。
 嫌な予感がしたポセイドンはくるりと振り返って逃げようとするのだが――、
「えっ、な、ななんでぇ!!?」
「すみません、女王の命令に従うのが俺の仕事なんで……」
 先程まで仲良く談笑し、カナくんとまで呼んでいたカナタの突然の裏切り。退路を防がれたポセイドン。
 がっくりと肩を落として。ポセイドンはフローラにその腕を掴まれる。
「まあ、少し話を聞いてくれると助かるわ」

 *

「……という訳なのだけれど」
「なる、ほどねぇ。でも僕も海のお世話があるしなぁ、うーん」
 おすすめのトロピカルジュース片手にうーんと悩む二人。あっ、と声を上げたのはポセイドンのほう。
「フーちゃんそれならさ!」
「なっ、何何近い近い近い!」
 巨躯のおとこが近付く。さすがに威圧感に耐えかねて胸板を押してバックさせ。
「あのね! おれにもこの島を案内してよ!」
「……」
 一人称がおれになっている。これは変なスイッチが入った時のポセイドンの癖だ。フローラは頭を抱えた。
「……拒否権は」
「じゃあ俺海に帰ろっかなぁ」
「フルールを呼んで頂戴」
 ありがとうフーちゃん! と笑うポセイドンとは裏腹に、フローラははぁとため息をこぼして。
 こうしてフローラとポセイドンの、夏の島の魅力探求がはじまった。

●夏の島は暑い
「おにーさん、おねーさん! 新鮮な依頼っすよ〜」
 手を大きくぶんぶんと降って。ガトゥは特異運命座標を出迎える。
「えっとですね……」
 渡された羊皮紙をぺらぺらと捲って。あ! と閃く頃には数分が過ぎていた。
「えっへへ……纏めるのが苦手なんっすよ。
 さて、本題ですが。以前向かわれた夏の島の魅力を沢山教えてあげて欲しい、とのことっす」
 これまでのあらすじを端折って説明したガトゥは、大変そうっすよねとどこか他人事。
「でもでも、皆さんならやれるって信じてるっす!」
 いってらっしゃい、と大きく手を振って。ガトゥは忙しなく駆けていった。

NMコメント

 どうも、染(そめ)です。
 暑いです。もうすぐ六月です。もうすぐ夏ですね。
 それでは今回の依頼の説明に入ります。

●目的
 ポセイドンと仲良くなる。

 次はポセイドンの説得となります。場所は夏の島。

 夏の島の魅力をとことんアピールしてください。でまかせでも良いです。どうにかします。
 妖精もいますので、話しかけてみるといいでしょう。

●世界観
 魔法世界『ブルーム・ブルーム』。
 花と魔法で満ちた世界。魔法で文明が築かれています。
 基本的には物理攻撃よりも神秘攻撃がメインの世界です。
 また、ファンタジーな世界ですので、妖精やドラゴンなど、ありえない生物がいます。

●夏の島について
・屋台があります
・夏の花が咲いている
・雪が降る
・日差しは強いが日焼けしない
・島全体がアトラクション

 などなど、夏の要素がぎゅぎゅっと詰まった島のようです。
 だいぶ大きい島のようです。巨大なプール島のイメージ。
 動物や昆虫もいますし、妖精たちもいますので、普段のブルーム・ブルームとあまり変わらない景色が広がっていることでしょう。
 海とプールがあります。何でもあり。

●NPC
・フローラ(ティターニア)
 妖精女王。引き摺るほど長い若草色の髪が特徴。桜色の髪留めが宝物。
 エルフのように長い耳を持つ。成長が遅いとはいえ、いつまで経っても凹凸のない身体に悩んでいる。
 今日は水着です。海の中をシャボン玉につつまれて進んでいきます。

・グレイシア
 前の妖精王。鋭い目つきと薄氷色の髪が特徴。ガタイがいい。
 エルフのように長い耳をもつ。シスコン。眼鏡。
 他国の妖精へ外交をしに行っていた。
 今日はお熱でお留守番。

・カナタ
 花冠師ギルド『Flowers Flag』のギルドマスター。齢19にしてトップクラスの実力を持つ温厚な青年。
 胃薬が手放せないのが最近の悩み。今回は護衛を手伝ってくれます。
 何かあればカナタへ。

【New!】
・ポセイドン
 気の弱い海の妖精。水かきのついた手や鱗のある足、耳がヒレのようなのが特徴。
 褐色の肌に青い髪をしている。水に入ると半魚人。
 フローラやグレイシアとは幼馴染。泳ぐのが好き。

●サンプルプレイング
 よっし、ポセイドンに夏の島の魅力をアピールするぜ!
 うーんとな……泳げるところがたくさんあるぜ!
 俺と泳ぎで勝負しよう!

 以上となります。ご参加お待ちしております。

  • ポセイドンは空の上完了
  • NM名
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年05月23日 22時30分
  • 参加人数4/4人
  • 相談3日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

サイズ(p3p000319)
妖精■■として
ランドウェラ=ロード=ロウス(p3p000788)
黄昏夢廸
武器商人(p3p001107)
闇之雲
回言 世界(p3p007315)
狂言回し

リプレイ

●レポート&データ
(夏の島の魅力を伝えるか……。俺は気弱な相手を怖がらせる可能性があるからまあ、夏の島のデータを纏めてフローラ様に渡して、ポセイドンに渡してもらうか……。後はいつもの警護に戻ればいいかな?)
 『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319) は夏の暑い島でもいつもと変わらず包帯をぐるぐる巻きにして、島内を歩き回る。
 以前、警護目的で夏の島を歩き回ったため、ある程度の情報は頭に入っているけれど、夏の島の総合のデータが不足していると感じたサイズは、浮遊して上級妖精から聞き込みをすることに。
 複数の目線から見たデータは大切なのだ、魅力の調査だってきっとそうに違いない。
(とはいっても上級妖精は今は忙しいかもしれない……少し遠回りして時間を潰してみるか……)
 ふわふわと慣れた様子で飛行して。サイズは夏の島に浮かぶ上級妖精たちを追った。
「こんにちは、ちょっと話聞いてもいいか?」
「おや、こんにちは。どうかされましたかな?」
「この島の魅力を聞いて回っているんだ……なにか魅力として感じるところを教えてくれ」
 なるほど、と頷いて。上級妖精はこちらへどうぞと手招いてサイズを案内した。
(ふむ……?)
 上級妖精に案内されるまま辿り着いたのは超巨大なウォータースライダー。はい、と背中を押されると、三分ほど水の荒波にのまれる。
 ぐるんぐるんと重力を無視したような回転に振り回された最後は、プールにドボン!
「ここのスライダーがおすすめですね!」
「……先に言ってくれるだけでいいんだが」
 滴り落ちる水滴を払って、びしょ濡れになったサイズはよろよろとプールから飛び出して。
 また来てくださいね、と手を振る上級妖精に多分もう来ないだろうなという心の声を返しつつ、いくつかの店やアトラクションを見て、体験して、遊ばれ(?)、纏めたサイズはフローラのもとへ。
「フローラ様」
「あら、サイズ! これは?」
「俺なりにまとめてみました。だいぶ疲れたんですけど……ポセイドン様を楽しませるためのヒントになればって」
 サイズの顔に浮かぶ疲労のいろ。フローラ様は嬉しくなってサイズの手を握り上下にぶんぶん振った。
「ありがとうサイズ! 頼もしいわ、いつも本当にありがとう!
 これならきっとポセイドンも楽しめるはずね!」
 嬉しそうにはしゃぐフローラがプールに落ちそうになっているのを見たサイズは、護衛の意味も込めてフローラに付き添うのだった。

●よるにさくはな
「コンニチハ、いと慈悲深き海の王。
 連れてきた手前、大変だったねなどとは言えないが……ヒヒ」
「ほんとうにね! 僕は海の底にいたはずなんだ……」
 屈強な男がなよなよとしている姿を見るのは面白い。『闇之雲』武器商人(p3p001107) はくすくすと笑いながら、ぽんとポセイドンの肩を叩いた。
「王に限らずまとめ役というのは何かと気を配るものだから、暫しの間心を休めても誰も咎めなかろ」
「そうかい……? そう、そうかな……それなら、少し満喫してみようかな」
 それがいいさ、と頷いた武器商人は、ポセイドンを夏の島へと案内した。
「夏の島の魅力といえば…そうだね、泳ぐ場所が多いのはもちろんだが……海の底ではなかなか見られない花がたくさんあるかな」
「確かに、ハイビスカスとか、ヤシの木とか、海の中だとないもんねえ」
 そう、ここは夏の島。咲き誇るカラフルな花は海には無いものだから、ポセイドンはわあ、と顔を綻ばせていた。
「それに、常夏の島であれば、マンゴーやドパッションフルーツみたいな南国に生える果物もあるだろうね」
「あの美味しいやつだよね。フーちゃんがかき氷にしてくれたやつ!」
「そうそう、それだね。美味しかったのならよかった」
 ケラケラと笑った武器商人に、ポセイドンはふと声をかけて。
「きみは、夏の花とか食べ物だとなにかおすすめはある?」
 ふむ。と、武器商人は考えて。
 夏の青。煌めく海のような、明るいひとみをした青年。日だまりに閉じ込められたような、優しい微笑みを携えた青年に教えるべきは、宵闇の儚さ。
「――そうだな、夏の花といえば我(アタシ)は月下美人がオススメだなァ。普通に夜まで待って誘うのでもいいし……ああ、そうだ」
 おいで、おいで、と夜の妖精を呼んで。木陰の暗がりからだんだん滲んだ夜は、フローラの恩恵で月下美人を咲かせ、煌めく星を散りばめる。
 はじめてみた夜空にわあ、と息を吐いたポセイドンは、ただ上を見続けるばかり。
 けれど、それだけでは終わらない。
「ほら、花火が咲くよ」

 ヒューーー…… パァン!!

 空に渇いたおと。破裂するように咲く炎の花。

「……あれは、はなび、と、いうの?」
「ああ。近くで出来る線香花火もあるけど……やってみる?」
「うん。やってみたい、いいかな」
 勿論と頷いた武器商人は、時間が来るまで花火をポセイドンと共に。
 夏の夜の夢は、ポセイドンにとって大切な思い出となった。


(仲良くなるという事は友達になるという事か?
 僕でよければ沢山仲良くなろうじゃあないか)
 『黄昏夢廸』ランドウェラ=ロード=ロウス(p3p000788) は近くを飛び交う妖精たちを手招きして、少し質問を。
「ぼくたちがよばれました! えっへわ!」
「ふふ、来てくれてありがとう。それじゃあまず質問。ポセイドンは雪、大丈夫?」
「ポセイドン様はねー、大丈夫だよ!」
「おお、そうなのか。それなら安心だね。それじゃあお礼にこんぺいとうをあげよう」
 わーい! と嬉しそうに声を上げて、差し出した手に乗る星屑のかけらを持ち帰る妖精たち。
「ああ、お留守番している妖精がいたらその子達にも渡してほしいから多めにあげるよ。独り占めはダメだよ?」
「わかった! みんなでたべます!」
 えっへん、と胸を張って。嬉しそうにこんぺいとうを持ち帰った妖精たちに手を振って、ランドウェラはポセイドンの元へと向かった。

「ランドウェラ=ロード=ロウスだ。好きに呼んでおくれよポセイドン」
「はじめまして、ランドウェラくん。おれはポセイドン、よろしくね」
 きらきらと水面が光る。そんな光景が美しく思えた。
(綺麗な世界だなぁ……できるだけ記憶して帰ろう)
 ランドウェラはさて、と話を切り替えて。ポセイドンの隣に並ぶと、一歩踏み出して共に行かないか、と誘った。
「それじゃあ雪が降る所行こうよ。気になっていたんだよねぇ。
 ここは夏、つまり温かいのに冷たいときにしかない雪がある」
「わあ、それいいね。雪は見たことがないから楽しみだ」
 と、踏み出した矢先。ここは夏の島、妖精王の加護のある島。
 願いに反応して、ちらほらと雪が降り始める。
「僕が知っている妖精は、雪の降る場所だと羽が凍ってしまって破れて一生飛べなくなってしまうと聞いたものでね。
 ここで君が無事なら、問題ない場所ってこと。彼らは君達を羨ましがることだろう」
「うん、おれ無事みたいだ。羽根も凍らないし、元気だよ」
 ランドウェラの声に反応して羽根を震わせてみる。けれど、凍った様子はない。だから、それが嬉しい。
 海の中ではない世界でも生きることが出来るのだなぁ、とポセイドンは目を細めた。
「そういえば君は泳ぐのが得意らしいじゃないか」
「うん、よく知ってるね?」
「ふふ、まあね。雪が降る中で、泳ぐことで散る水滴を見るのはさぞ綺麗だろう。そこに本来ならあり得ない夏の花を入れることで幻想的になるかな。
 素晴らしい場所だろう? そう思わないかい?」
「うん……おれ、ここの島、好きだなぁ」
 ポセイドンは確かに頷いて。この島に愛着を覚えているのを感じていた。
 ランドウェラは満足気に笑って、ポセイドンの肩を叩いた。
「それなら何より! そうだ、こんぺいとう食べる?」
「……こんぺいとう?」
 首を傾けたポセイドンに勿体ないよ! と溢れんばかりにこんぺいとうを手渡したランドウェラ。
 きっと、ポセイドンはこの島を大切に思うようになるだろう。

成否

成功

状態異常

なし

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