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シナリオ詳細

《狐の嫁入り 異聞録伍》採掘場の魔物

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

■子供達の試練
「成程のぅ……そういう事だったか」
 城塞都市の領主、スーラク・ルークスは孫娘のカイ・ルークスより話を聞き、息を吐く。
 確かに最近、モグラ族から届く鉱石の数が少ないとは感じていた。だが、こういう事もあるだろうと大した問題としていなかったのだ。
 そのツケが今回り回ってきた。これは己の責任でもあるとスーラクは自戒する。
「お祖父様、モグラ族の方達はティティスちゃんが保護して下さっております。彼らに案内を頼み、討伐隊を派遣すべきではないでしょうか」
 領主の孫娘としての教育を受けているカイは、つらつらと己の意見を祖父に述べる。
 頼もしい孫娘の姿に一瞬笑みを浮かべるスーラクだが、次の瞬間には厳しい領主の顔を見せる。
「お前の言い分はもっともだ。だが、お前の父イグニスは遠方の都市が魔物の蹴撃を受けているとの報を受け、隊を率いて遠征中だ。これ以上都市の警備を緩める訳にはいかぬ」
「ですが……!」
 まあ落ち着け、と手で。立ち上がりかけたカイを座るように促す。渋々と座り直したカイは、まだ不満を顔に表したままで。
「そこで、だ。カイ、お前の友のティティスと、そのモグラ族と共に……魔物討伐に赴くのだよ」
「私が、ですか?」
 突拍子もないことを言い出す祖父の顔を、ぱちくりと見つめる。スーラクにしてみれば、彼女はもう立派に一人前だと感じている。後は自信をつけさせるだけなのだ。
「ああ。……友人達にも協力をお願いしよう。いつも頼んでばかりだから心苦しいが、な」
 そしてスーラクは一通の手紙をしたためる。この都市にいつからか訪れるようになった、不思議な『友人たち』へと。

■今回の依頼は
「……という訳なんだけど。このお話、どんどん新しい物語ができているのが不思議よね」
 境界案内人のポルックスが、手にした本のページを捲りスーラクからの招待状が描かれたページをイレギュラーズ達に見せる。
 そこには、『孫娘達を頼む。後、可能ならで良いので魔物の発生源を調べて貰えると有り難い』と書かれていた。
「なにはともあれ、困っているモグラ族の人達を助ける為に。そして、カイちゃんやティティスちゃんが怪我しないように、護ってあげてね、イレギュラーズ!」

NMコメント

 前回の『畑の異変』シナリオにて、モグラ族の扱いを城塞都市の住人へ一任したので派生したシナリオです、以下略です。
 今回は採掘場に棲み着いた魔物との戦闘です。リプレイは到着し戦闘開始するところから始まります。
 戦場は採掘場の中、つまり洞窟の中となります。明かりについてはNPC達が用意してくれるので問題ないものとします。
 依頼成功条件は魔物二体の撃破。可能であれば採掘場の奥を調べてみると……?
 以下登場NPCと敵詳細。
・味方NPC
■カイ・ルークス
 領主の孫娘。ホーリーメイガス相当の強さ。
 スキルとしてメガ・ヒール、狐火(遠距離範囲攻撃、【猛毒】【業炎】)、天使の歌、ブレイクフィアー、サバイバー、剣魔自在、毒耐性、火炎耐性、肉体言語を持っています。
 前衛でも戦える能力。母親の影響か少しずつ気が強くなってきている模様。
 ■ティティス
 オーク族の族長の娘。魔生乱破相当の強さ。
 スキルとして斬神空波、アビス・ロブ、クリティカルスナイプ、多重影、狙撃戦闘熟練、二刀流、生存執着、逃走、変化を持っています。また通常攻撃が毒付与されています。
 ダガーとクロスボウを使い分け、遠近両方で戦うスピードファイター。臆病な性格が災いしFBは少し高め。

■モグラ族及びオーク族の若者数名
 直接戦闘はしませんが、魔物たちが逃げ出さないように通路を塞いでくれています。また、彼らが明かりを持ち込んでくれるので、戦場による不利はないものとします。
 万が一、イレギュラーズの皆様、カイ、ティティスから戦闘不能者が出た場合には、彼らが穴埋めに戦闘を行ってくれます。
 ですが実力は皆様やカイ、ティティスより下なのでアテにはしないで下さい。


・敵NPC
■採掘場の魔物×2
 四足の獅子に似た魔物。子供達はどこかで見たような魔物だと思っています。
 四足歩行故に反応、回避が高く、物攻、EXAもそこそこ高め。反面防技、抵抗はそこまで高くないようです。
 P毒耐性 
 P暗闇耐性
 P
 P多重影・改
 A鋭爪:至近単体物理攻撃。【致命】【流血】
 Aポイズンブレス:中距離扇状物理攻撃。【致死毒】【窒息】【万能】【識別】
 A全力タックル:近距離単体物理攻撃。高威力。【体勢不利】【飛】【反動ダメージ】

 以上となります。
 結構な強敵となりますが、子供達が適切に動きさえすれば戦力としては有利です。是非、連携を確実なものとし勝利を掴んでくださいませ。
 

  • 《狐の嫁入り 異聞録伍》採掘場の魔物完了
  • NM名以下略
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年05月24日 22時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

セリア=ファンベル(p3p004040)
初日吊り候補
ジュルナット・ウィウスト(p3p007518)
風吹かす狩人
長月・イナリ(p3p008096)
狐です
鬼怒川・辰巳(p3p008308)
ギャンブル禁止!

リプレイ

■少女達の決意
「ライオン……じゃないっぽいけど。こういうのとやり合えるのは異世界ならではっつー感じ?」
 鬼怒川・辰巳(p3p008308) は一行の先頭を歩き、開けた場所にて唸り声をあげる二体の魔物を見て、どこか軽い雰囲気でそう呟く。
 売られた喧嘩なら買って出る。だから、少女達は護ってみせると、口には出さずに誓いを立て。その口からついて出るは、またも軽口。
「カイ、前衛できるみたいだが俺に任せてもらおうかな?」
「え?」
 辰巳のその言葉に、呆気に取られる少女。確かに目の前にいる魔物に一人で勝てる気はしない。でも、今は一人じゃない。それに……街を出た時の決意が再燃する。
「お言葉は有り難いですが……今回は、前に出ます。お祖父様より頂いた、この武器を扱えるようにする為に!」
 力強い言葉と共に、カイは手にしたランスを一振り。ヒュウ、と辰巳が口笛を吹いてその熱意に感心する。
「よっし、いいぜ。俺が一匹相手する。カイはもう一匹を頼むぜ」
「はい!」
 二人の前衛が、それぞれ魔物に対して散る。対して後衛は4人。いささか多い気もするが……今回は作戦が作戦故に致し方ない。
「今回の作戦は速攻だけど、する事は変わらないヨ。皆の力を合わせて、敵を倒すのサ」
 『風吹かす狩人』ジュルナット・ウィウスト(p3p007518)がオーク族、モグラ族の若者達の用意した明かりを頼りに魔物に狙いをつけつつ宣言する。
 今回の作戦。それは絶対に倒れる事なき辰巳を囮にして一匹にあて、もう一匹に残りの総力を結集し一気呵成に倒し切るというものであった。
「あまり時間をかけちゃ酷い目に合いそうね。短期決戦で挑むわよ!」
 『狐です』長月・イナリ(p3p008096) はカイの隣に並び立ち、布都御魂剣……贋作だが……を構え、神降ろしの準備に入る。
「手伝いついでにどれだけ成長したか見せてもらおうかな。もちろん強さや技だけじゃなくてね」
 少し昔を懐かしむ『初日吊り候補』セリア=ファンベル(p3p004040)は、後衛として並び立つティティスに話しかける。
 カチャカチャとせわしなくクロスボウに矢を番えるティティスは小さく頷きを返し、無言で鏃を魔物へ向ける。
(あんな臆病者だった子が、立派にやるじゃない)
 こちらも口に出すのは控え、セリアもまた魔術回路を起動し始める。

■聖騎士と盗賊王
「いきますっ!」
 掛け声と共に魔物へ挨拶とばかりに、踏み込みから刺突を繰り出すカイ。身の軽い魔物はひらりと回避するが、それは彼女の狙い通り。後ろを振り向かずに叫ぶ。
「ティティス、お願い!」
「任せて!」
 身を翻した魔物の着地点。どんな生物でも着地の一瞬は隙ができる。そこをティティスは正確無比に矢で射抜く!
「やるねぇお嬢チャン。おじいちゃんも負けてられないネ!」
 どこか飄々とした態度を崩さぬジュルナットだが、彼の弓から放たれるは正しく剛矢。ティティスの矢が刺さった魔物の足に、無慈悲に追い打ちをかけていく。
「ここまでは作戦通り……次は私!」
 二人の矢雨に苛立ったのか、魔物は後衛に狙いを定めようとするも。そこはカイが間に入り、振るわれる爪を肩で受ける。
 一瞬心配になるが、彼女なら大丈夫とイナリは自らの役目を思い出す。それは、今回のメンバー中で最大威力を放つ事のできる『彼女』への橋渡し。
 その為に自らの身体の限界を超える、異界の神の力を身に降ろし雷の連撃を見舞う。一度はカイを蹴飛ばし跳躍した魔物に躱されるも、やはり着地の隙を狩る形で追撃の刃が刺さる!
「タイミング、ピッタリね……!」
 魔術を練り上げたセリアが口の端を釣り上げ笑う。今なら魔物はイナリの刃に意識を奪われ回避される事はない。それでなくとも彼女の、他の全てを投げ売ってまでも極めに極めたこの一撃は……並ではない!

「おうおう、向こうは盛り上がってるね。……こっちも楽しくやろうや、ワンちゃんよ!」
 いや、ライオンっぽいから猫ちゃんか?
 そんなどうでもいい事を考えながら、くいくい、と手で挑発するように魔物に呼びかける辰巳。
 言葉は通じなくとも、動きの意味はわからなくとも。なんとなく馬鹿にされているのはわかったのだろうか。唸り声をあげた魔物は一足で辰巳に飛びかかる。
 辰巳にのしかかり、押し倒し。その鋭き爪で肩を引き裂く。
 しかして辰巳もやられてばかりではない。カウンターとばかりに左腕でフックを脇腹に見舞い、更には蹴り飛ばす。
「へっ、やるじゃねぇか。ほら、もっと来いよ!」
 お互いに立ち上がる魔物と辰巳。魔物の表情はわかるよしもないが、辰巳は、この命のやり取りがとても楽しく思えていた。
(こんな闘い、元いた日本じゃ味わえないからな!)

 一方。5人で一つの魔物を相手とっていたメンバーは。予め決めていた通りそれぞれの距離を少し開けた布陣が幸いし、毒のブレスに惑わされる事もなく。前衛の隙間をすり抜けようとする魔物の足をカイが身体を張って止め、その隙に全員で攻撃するというサイクルが見事に決まっていた。
 足がふらつき、全身から血を流す魔物の姿を見てジュルナットが、イナリが、セリアが叫ぶ。
「ここで決めるんだヨ!」
「成長したとこ、見せてみなさい!」
「大丈夫、フォローは私がするわ!」
 その言葉に背中を押され、カイとティティスはお互いの顔を一度見合わせ、力強く頷く。
 ティティスが駆ける。ダガーを逆手に持ち、真正面から魔物に向けて突き立てるべく。対する魔物は黙ってやられはしないと、ティティスが眼前に迫ると同時に肩からタックルを繰り出し……そこには、誰もいなかった。
「残念、私はこっちだよ!」
 一瞬の判断、フェイント。魔物が肩を前面に出した瞬間にティティスは跳んでいた。魔物の身体は空を切り、体勢が崩れる。ドゥ……と砂煙と共に倒れ込む。
「これで……!」
「終わりっ!!」
 倒れ込んだ魔物の口を、カイの持つランスが抉り。空中から降りてきたティティスが背中にダガーを突き立てる!
 暫く痙攣し、まだ起き上がるのかと思われた魔物だったが。やがて力尽き、二度と立ち上がる事はなかった。

「ちっ、負けるつもりはないが、勝てる気もしないな!」
 辰巳は苦戦とまでは言わないが、勝ち筋が見えない闘いを続けていた。魔物が攻撃してくる一瞬を突き、軽いカウンターを入れる事はできる。しかし辰巳から仕掛ける攻撃は魔物の身軽さが災いしクリーンヒットまではしない。
 しかしその闘いは終わりを告げる。一方の魔物を倒した5人が合流したからだ。
「待たせたネ辰巳クン」
「さあ、手早く終わらせましょ」
 こうなれば多勢に無勢。粘る魔物もやがては追い込まれ、討ち倒される事となる。
「あーあ、散々かみついたり引っかいたりしやがって。服ボロボロじゃんか……気に入ってたのにさあ」
 カイの治癒術を受け、塞がる傷を見ながら辰巳はボヤく。流石に破れた服も直る程に便利なものではないのだ、魔法は。

■災厄の予兆
「それで、この奥を調べるんだっけか?」
 カイとセリアの治癒を受けた面々は、スーラクの依頼文を思い出し魔物の巣の更に奥へと向かう。魔物の死体の処理はオーク族とモグラ族の若者に任せ、カンテラを借りて洞窟の中を進んでいく。
「ええ……何事もなければ良いのですが」
 不吉な予感が拭えないカイが、先頭を歩きながら汗を拭う。何故だろう、妙に息苦しい。そう感じ、ふと後ろの仲間の様子を見ようと振り返ると。皆も同じような表情を浮かべていた。
「何だろうこの感じ……神と同じような……でも違うような……」
 イナリの尻尾の毛が逆立つ。神降ろしに協力してもらっているのは異界の神。それと同じような力が洞窟の奥から感じられる。しかしそこから感じられるのは、意識あるものではなく。無。
「……風が……嫌な風ダヨ……」
 洞窟の中なのに、奥から冷ややかな風が吹く。狩人たるジュルナットは、それが恩恵をもたらすものではないと本能で感じた。これは、生命に仇なす風だ。
「……どうする?調べるだけ調べて、すぐ逃げる?」
「……そう、しましょう……大丈夫です、逃げ道は、私がなんとかします、から!」
 セリアの提案に、ティティスは力強く返す。本当は真っ先に逃げたいのはティティス自身だろうに。セリアは、一行はその勇気を買う事にした。

「な、なんだよ、これ……!?」
 奥へ進んだ辰巳が眼にしたのは、まさしく闇。全てが無に還りそうな程に深く昏い闇。その近くに立っているだけで、気力が奪われそうな程の寒気がする。
 これは不味い。直感でそう感じた辰巳が一歩下がる。そんな彼に、さらなる不可思議が襲いかかる。
 目の前の闇から、真っ暗な辰巳の影が生まれたのだ。ニタァ、と何もないはずの顔なのに嫌な笑いをしたのだけがわかる。
「皆逃げろ!」
「は、はい! こっちです!」
 辰巳の叫び声にいち早くティティスが反応し、転身して一目散に駆け出していく。全員がその後に続く。消耗した状態でコレと戦ってはいけない。戦う者の本能が叫んだ。
 時間をかけて体勢を立て直せば、セリアとカイの力で完全回復も可能だったかもしれない。しかし、あの得体のしれない物と戦う為には6人では足りないのかもしれない。
「……皆様、今回はありがとうございました。奥で見たあの謎の……魔物と言っていいのかはわかりませんが……あれについてはお祖父様に報告しておきます」
「ちゃんと報酬はスーラク様が出してくれるみたいだから、受け取っておいてください。……お疲れ様でした」
 謎の存在に気圧されたのか、カイもティティスも意気消沈気味であった。
「……これはまた、一波乱ありそうね」
「……そうだネ……」
「私達も一度、帰りましょう」
「……ああ、そうだな」

成否

成功

状態異常

なし

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