PandoraPartyProject

シナリオ詳細

竜の背に乗って

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

■それはドラゴンライダーの物語。
 かつてある世界には、人と竜が共存する国があった。
 本来気性が激しく人には懐かないのが竜なのだが、不思議な事にその国に住まう人々とは心を通わせ信頼しあっていた。
 ある竜は空を飛び、他国との行き来を担い。
 またある竜は火を吐き、人々に熱の恩恵を齎し。
 別の竜は水に住まい、恵みを与え。
 他の竜は人と共に作物を育てる。
 それはまさしく、大昔の賢者が夢見た理想郷であった。

 しかし、世界は彼らを許さなかった。
 ある年、遥か遠くの地方で生まれた闇の竜は瞬く間に勢力を強め、周辺諸国を制圧。
 最後まで抗うのはこの、人竜一体の王国だけとなった。逃げ延びた人々はこの恐怖に立ち向かう為に武器を取り、勇敢に立ち向かうが。戦力の差は埋め難く……じわりじわりと滅亡への道を歩んでいた。
 そこで王国は、最後の手段に出る。竜達と共に戦うドラゴンライダー部隊の結成であった。
 人よりも強い竜が、心通わせたパートナーと一心同体で戦う事でその力は更に増す。これにより、戦力は拮抗状態にまで持ち直す。

「王よ、拮抗では……我らはいずれ負けます」
「わかっておる……何か、一手を考えねばならん……!」
 拮抗状態と言えば響きは良いかもしれない。しかし戦力差は歴然。消耗戦になれば兵力で劣る王国が負けるのは自明の理であった。
 そして、王が下した決断は……。
「かの邪竜を打ち倒す、特攻部隊を組め!最高の人と、最強の竜を組み合わせるのだ!」

■なれぬ竜の背
「……そんな王国があるのだけども。本当は人も竜も平和に暮らしていた素晴らしい国なのよ」
 境界案内人のポルックスが、悲痛な面持ちで説明を終える。
 その手に持った本はボロボロで、今にも終わりを告げそうな雰囲気を醸し出していた。
「皆なら、実力は王国の人達よりは上なの。後は、竜とどのようにして心通わせるかだけよ!」
 皆ならきっと、できるから。
 そう信じてポルックスは、本のページを静かに捲る。

NMコメント

 唐突に思いついたシナリオです、以下略です。
 今回は少々特殊なルールがあります、が、やるべきことは一つ。敵の親玉たる邪竜を打ち倒して下さい。
 以下敵詳細と味方詳細
■邪竜×1
 巨大な体躯を持ち、漆黒の鱗に身を包んだ竜。その力、魔力は並の竜を凌駕します。これを打ち倒す可能性を持つのはイレギュラーズとイレギュラーズの乗る竜だけです。
 能力としてはHP、物攻、神攻、防技、抵抗の高い重戦車タイプ。身体が大きい為か回避、反応、EXAは低いです。

P邪竜の鱗:同じ世界出身の人間の力は受け付けない。異世界の人間、もしくは竜族の攻撃のみが通用する(イレギュラーズには効果を発揮しないフレーバーです)
P迸る竜の力:超再生+高速充填
A鋭き爪:至近単体攻撃。【流血】
Aドラゴンブレス:中距離扇型攻撃。【万能】【暗闇】【業炎】
A大地を揺るがす足:戦場全域攻撃。【万能】【足止】【呪縛】但し【飛行】によって無効化される。
A瓦礫を投げる豪腕:遠距離単体攻撃。【飛行】を持つ者には威力倍加。

味方NPC
・炎の竜
 ワイバーンタイプの竜です。【飛行】能力を持ち、反応、回避が高くドラゴンブレスが得意技。耐久力は低め。
・水の竜
 水竜タイプの竜です。耐久性能が高く、味方を支援する能力を持っています。反面攻撃性能は低め。
・大地の竜。
 耐久、攻撃共に高い恐竜型の竜。但し至近戦闘しかできない上に回避、反応は低め。
・雷の竜
 ワイバーンタイプの竜です。【飛行】能力を持ち、反応、CT、EXAに優れています。但し耐久性能と一撃辺りの火力は低め。

 イレギュラーズの皆さんは上記の4種の竜からどれに乗るかプレイングに明記して下さい。書かれていない場合はランダムとなります。また、重複OKです。
 竜達はある程度イレギュラーズとは別に自己判断で攻撃してくれます。ほぼ全ての邪竜の攻撃を竜倒れるまでは肩代わりしてくれます。
 プレイングに明記していただければ竜との同時攻撃も可能です。イレギュラーズ自身のスキルも使用可能です。
 また一部非戦スキル及び一部アイテムを持っている場合には、竜のステータスにボーナスがつきます。

 以上となります。よろしくお願いいたします。

  • 竜の背に乗って完了
  • NM名以下略
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年05月25日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

藤野 蛍(p3p003861)
比翼連理・護
桜咲 珠緒(p3p004426)
比翼連理・攻
陰陽丸(p3p007356)
じゃいあんとねこ
ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)
戦輝刃

リプレイ

■竜達との会合
「人と竜は末永く幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたしって終わらせるために、ボク達も力を合せて頑張りましょう。ね、珠緒さん!」
 色とりどり、形も姿も様々な竜達を前に少し興奮気味な『二人でひとつ』藤野 蛍(p3p003861) は傍らの 『二人でひとつ』桜咲 珠緒(p3p004426) の手を引く。
「ええ、勿論ですとも、蛍さん。今日は珠緒達も、竜たちと手を携え、参りましょう」
 この世界を終わらせない為に。その願いを胸に、二人は竜達の顔を見回す。時折唸り声をあげる以外は大人しくしている竜達は、人を信頼していると見ているだけでわかる。
「ボクは……先頭に立ち、矛として盾となる。だから、大地の竜さん、ボクの命を貴方の導きに預けさせて貰ってもいいかな?」
「炎の竜よ、貴方の翼に、この身を預けます。ご安心を、その速さへの応答が遅れることはありません」
 蛍の持つ印が僅かに輝く。珠緒の想いが形を作り現れる。二人の願いを聞き届けたかのように、二匹の竜はその頭を二人の手に擦りつけた。

「竜と共に生きて来た国、か……」
 元いた世界では考えられないな、と『特異運命座標』ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)は竜の瞳を見つめる。恐らくは、彼のいた世界では竜とは畏怖の、恐怖の象徴だったのであろう。しかしこの竜達に敵意はない。
「俺はベネディクト、君の名前は……俺には解らないだろうか。宜しく頼む」
 やがて一匹の、鮮やかなエメラルドの鱗を持つ竜の前で彼は名乗る。人語を理解し操る竜もいると聞いた事はあるが、ここの竜はそうではないらしい。しかし、その言葉はたしかに通じたようで大きく一鳴きし、翼を広げた。

 猫だ。
 猫だよな。
 あれは戦士なのか?
 現地の人々が困惑の声をあげる。それも致し方ない。青き竜の背に乗っているのは、とてもとても大きな猫。竜と比べても遜色ない体格の猫なのだ。
 『じゃいあんとねこ』陰陽丸(p3p007356)は竜の乗り心地を確かめるかのようにごろごろと背中を擦り付けている。そんな彼の行動に、竜は嫌がる様子もなくぺたりぺたりとヒレを動かし歩んでいく。
「んなぁーん(一時はどうなるかと思いましたが、普通に乗れました)」
 イレギュラーズ達には通じる言葉だが……現地の人々の困惑と疑惑は張れる事は、ない。

■邪竜に挑め!
「いました…邪竜、です!」
 四人のライダーと四匹の竜は、邪竜の居城へと。空から向かっていた珠緒が叫ぶ。
 その邪竜の姿は、四匹の竜と比べても大きく、かつ禍々しく歪んでいる。一体何がかの者を形作ったのか。それを知る術はないが。
「さあ、行こうか友よ。俺の命、預けた!」
 ベネディクトは雷の竜の頭を一撫で。その意を汲んだのか、竜は速度を上げて一番に邪竜の下へと辿り着く。
 竜は鋭き爪を邪竜の背に食い込ませ、ベネディクトは全力をもってニ槍を突き刺す!
「く……流石に、硬い、な」
 しかし邪竜の鱗は彼が思っていた以上に硬く、攻撃したはずのベネディクトの腕にしびれが走るほど。されど邪竜にもダメージは伝わったらしく、鱗が何枚か剥げている。
「ベネディクトさん、避けて下さい!」
「おう!」
 珠緒の声に合わせ、雷の竜の手綱を引き邪竜の背中から離脱するベネディクト。彼と竜がいた場所へ、珠緒の駆る炎の竜が得意技のブレスを放つ!
 珠緒のギフトとテレパスの応用技により、その狙いは至って正確無比。剥げた鱗から見える皮膚を無慈悲に焼き尽くす。
「グガァァァ!」
 小蝿が煩いとでも言わんばかりに吼える邪竜。空を飛ぶ二匹に向けて反撃の黒きブレスを放つ!
 その闇に二匹の竜は飲み込まれるが、すぐに羽ばたき抜け出す事に成功する。
「やっと辿り着いたね……いくよ!」
 ドスドスと地響きを立てながら、蛍と大地の竜。そして陰陽丸と水の竜が戦場へと合流を果たす。
 蛍は早速自身の持つ加護の力を大地の竜へと与え、頑強な身体をさらなる高みへと駆り立てる。その力に興奮したのか大地の竜は雄叫びをあげ、邪竜の横っ腹へと頭から体当たりを繰り出す。
「うにゃにゃにゃーん!」
 蛍達と反対側の横っ腹には、陰陽丸がしつこいくらいに猫パンチを繰り出していた。その光景は猫がじゃれついているようにしか見えないが陰陽丸の身体は巨体、その筋肉は普通の猫の数倍。故に衝撃も凄まじいものとなる。
 一方の水の竜は、自らの目の前に水のベールを展開し邪竜の攻撃に備えているようだ。
 初手はライダー達が有利を取る。しかして相手は邪竜。

「グルァァッ!!」
「うわわっ!?」
「うにゃあ!?」
 邪竜の咆哮と共にその巨大な四肢が大地に打ち付けられる。その衝撃は正しく地震、大地の咆哮。空を飛ぶニ竜は当然無事だが、地に足つけるニ竜に伝わるダメージは凄まじいものとなる。
 されど……。
「貴方が振り撒いてる痛み、自分の体で味わいなさい!」
 蛍が先に竜に与えた加護により、大地の怒りの幾分かは邪竜にも矛を向き。更には大地の竜自身も牙を剥き出しにして邪竜に食らいつく。
「にゃあぁぁー!!」
 陰陽丸も無事だ。先に水竜が生み出した水のベールにより、幾らか衝撃が逃げたのだ。今も元気に猫パンチを繰り出している。水竜のダメージも自身で回復しているようだ。
「あちらは大丈夫そうですね……」
「ああ。俺達も接近戦に持ち込もう。その方が安全だ」
 地上の様子を伺っていた珠緒が、ベネディクトにも状況を伝える。ひとまず安心だと理解したベネディクトが接近戦を提案する。先の地震で生み出された瓦礫が飛ばされてきては飛竜たる二匹には致命傷となりかねないからだ。
 珠緒も彼の意見に賛同し、炎と雷の竜は勢いよく邪竜の背へと向かっていく。

■討ち倒される竜。
 戦は長引く。イレギュラーズ達に直接のダメージはほぼないとはいえ、その精神は疲弊していく。
 彼ら彼女らのダメージを肩代わりしている竜達も皆無傷ではない。どこかしらか傷を負い、血を流している。
 だが、邪竜とて同じ事。本来ならば同じ竜以外に傷つけられる事なき身体はイレギュラーズという可能性により、深く傷つき、もはや身体を起こす事も叶わず。
 対する四匹の竜は、水竜の加護と、珠緒の献身的な癒やし。そして蛍の齎した力によりまだ余力はある。
「今こそトドメの時だ!」
 ベネディクトが天より叫ぶ。それに四匹の竜が吠え応える。
「いきましょう、炎の竜さん!」
 力強き珠緒の言葉に、炎の竜が業火を吐き出し想いに応える。珠緒も思い切って背より飛び降り、邪竜の背に降り立ち、炎の滝を背に魔術回路を起動する。
 狙いは、幾度となく傷つけたあの剥げた鱗。音さえも置き去りにする光の一撃は、鱗の下の皮膚さえも貫き、脊髄にまで侵食する。
「うにゃーあ!」
 陰陽丸の雄叫びに、水竜も水のブレスで応じる。陰陽丸が水流に身を躍らせ、加速し。身体ごと邪竜にぶつかっていく!
「ボクが道を示すよ……お願い!」
 蛍が生み出す桜花の道を、大地の竜が力強く踏み込み、駆ける!
 蛍の一撃は軽くとも、その真の力は仲間へと託す軌跡。それを、大地の竜は確かに受け取り、邪竜へとぶつけた!
「タイミングを合わせて、君のブレスと同時に仕掛ける。行けるか?」
 ベネディクトの声に、雷の竜は頷く。その口から吐き出されるは神の鳴。その勢いを殺さぬように、ベネディクトが竜の背より飛び乗り槍に力を込める。
 友の力もこの槍に込める。最後の咆哮を聞くが良い!
「グ、ガァァア……」
 黒狼の勝利の雄叫びの後に……邪竜はその肉体を大地に横たえ、力尽きた。

■英雄凱旋
「うわー、皆出迎えに来てくれてるよ」
 ドッスドッスと、どこか足取り軽やかに故郷へと戻ってきた大地の竜と、その背に乗る蛍を王国の民達は総出で出迎えた。
 恐怖の象徴たる邪竜は滅び、国は救われたのだ。これほど喜ばしい事はないだろう。
 竜の背より降りた蛍は英雄の如き扱いを受け、竜は仲間の竜達の下へと誇らしげに帰っていく。
 持て囃される蛍の隣へ、珠緒が慌てて身を滑らせる。
「蛍さんの隣は、珠緒のものです」
 その言葉にますます人が沸き立ち興奮し。炎の竜は巻き添えを避けたのか上空を旋回するばかりであった。

「……友よ、感謝する。此度の勝利は、君のおかげだ」
 人混みより離れた地で、ベネディクトは雷の竜へ労いの言葉をかける。
 雷の竜はまるで『感謝する』とばかりにベネディクトの頬へ鼻先を擦り付け、そして飛び去っていった。
「……邪竜よ。願わくば次の輪廻では、友として会わんことを」
 邪竜と呼ばれた存在。しかしてかの者も竜なのだ。もし、違う生を受けていたならば……そう思わずにはいられなかった。

「うにゃぁ~ん」
 猫だよな。
 猫なのよね。
 ごろごろと、水竜と戯れる陰陽丸を人々が囲んで見つめる。
 間違いなく邪竜を打ち倒す事に貢献した英雄の一人なのだが……どう見ても、大きな猫なのだ。
「うにゃん(終わりよければ全てヨシ! です)」

成否

成功

状態異常

なし

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