PandoraPartyProject

シナリオ詳細

悪徳ジャスティーン・クラブ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ジャスティーン・クラブ
 包帯を巻いた傭兵がいた。
 ホコリだらけの部屋の隅。傾く椅子に腰掛け、右手を翳してみせる。
「奴が死んでくれるなら、命をくれてやったっていい。
 もし悪魔が目の前にいるなら、喜んで契約するさ。
 あんたらは手際がいいって聞いたぜ。金は用意する。コネも使って罪にも問わせない。
 だから……」
 傭兵の右手は、手首から先がなかった。
「あの外道クラブを一人残らず焼いてくれ」

 傭兵はクリムゾン13と名乗った。
 彼が報酬の入った大きな布袋と共によこしてきたのは、ジャスティーン・トロットが働く悪行話のひとつである。

 昔々あるところに、真面目な傭兵団がいた。
 名をクリムゾンズという。
 彼らはラサから幻想にかけての商路のひとつを専門に扱い、商品の積み卸しや旅間のキャンプにも積極的に参加するなど商人たちからもあつく信頼を置かれていた。
 そこへ新たに参入してきたのが傭兵団ジャスティーン・クラブである。
 彼らは商人たちに取り入り、着々と仕事を増やしていった。
 仕事ぶりは高く評価され、クリムゾンズたちも商人たちが喜ぶのならと自分たちでの縄張での活動を許していた。
 だがある日、恐ろしい事実が発覚したのだ。
 商路の途中にある盗賊団と内通し、商人たちを襲わせるという裏取引だ。
 ジャスティーン・クラブが通る際はわざと負け、クリムゾンズが通る際は嫌がらせの限りを尽くす。
 同じ仕事をするにも関わらずダメージの多いクリムゾンズは評判が大きく下がることとなった。
 内通の証拠を掴むべく奔走したが、真面目がとりえのクリムゾンズは翻弄され続け、ついにジャスティーン・クラブは商路での傭兵仕事を全て明け渡すように要求したのだ。
 当然逆らったが……。
「この通りさ」
 傭兵は右手を見て言った。
「奴らは俺たちの信頼を破壊し、縄張りを荒らし、護衛業そのものを汚しやがった。
 今は商路での仕事を独占してやりたい放題しているらしい。
 もう一度言うぞ。
 奴らが一人だって生きていることは許せない。
 あの外道クラブを一人残らず焼いてくれ」

●『博愛主義の』ジャスティーン・トロット
 情報屋が提示した傭兵団ジャスティーン・クラブの本拠地は、幻想から西に離れた砂漠付近にあった。
 ウェスタンドアのついた酒場兼宿屋だが、持ち主を追放して本拠地として使っているらしい。つまり彼ら専用の宿である。
 テーブルに滑らせる顔写真。
「リーダーは『博愛主義の』ジャスティーン・トロット。
 博愛主義は自称だよ。よそにはいい顔してるんだってさ。
 けど周りはコイツが外道だって分かってる。
 建物ごと燃やされたって、自業自得だと思うだろうさ」
 正面から突入してど派手なパーティーを開いてもいいし、何かを装って隙をついたっていい。少なくとも傭兵業が営めるくらいの連中なので、孤立しないようには注意したいところだ。
「オーダーは分かってるよね。一人残らず殺すこと。なんなら酒場ごと燃やして貰っても、構わないよ」

GMコメント

【依頼内容】
 ジャスティーン・クラブの一人残らぬ抹殺。

【エネミー】
●ジャスティーン・トロット
 クラスは『マジシャン/火力主義』。
 傭兵団のリーダー。傭兵出身ではないらしい。
 神秘系攻撃が高い。部下より一回り強い。
 最後に残して集中砲火を浴びせるのが吉。

●部下たち
 前情報では約8人ほどいるらしい。
 クラスは『傭兵/アタックスタンス』。
 武装はバラバラ。
 戦闘慣れしているがかなりズルして傭兵業をやっていたためナマっている者が多い。

【酒場】
 ウェスタンドアのついた酒場。
 二階建てで一階と二階それぞれに宿部屋がある。
 メインの酒場は吹き抜けになっていて、バーカウンター脇の階段で二階通路へ上がれる。
 二階の奥がリーダーの部屋だが、主に酒場で飲んでいるらしい。

【アドリブ度】
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用くださいませ。

  • 悪徳ジャスティーン・クラブ完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年04月01日 21時25分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ラノール・メルカノワ(p3p000045)
夜のとなり
エマ(p3p000257)
こそどろ
ブルーノ・ベルトラム・バッハ(p3p000597)
白朧牙虎
世界樹(p3p000634)
 
エンアート・データ(p3p000771)
終ワリノ刻ヲ看取ル現象
ルルリア・ルルフェルルーク(p3p001317)
光の槍
エルヴィール・ツィルニトラ(p3p002885)
銀翼は蒼天に舞う
オロチ(p3p004910)
悪党

リプレイ

●悪党が死に際に笑うことを許せるか
 巨大なマトックをかつぐ男、『砂狼の傭兵』ラノール・メルカノワ(p3p000045)。
 屈強な腕を漲らせて歩く男、『白朧牙虎』ブルーノ・ベルトラム・バッハ(p3p000597)。
 彼らはラサにほど近い集落へとやってきていた。
 幻想とラサを繋ぐ商路のひとつ。その中継地点として商人の休憩や補給に使われる集落だったはずだが、あちこちでガラの悪い連中が好き勝手にしていた。旅糧は法外な値段に跳ね上がり、殆ど瀕死の馬が売られている。奴隷の姿を隠しもしない。
「見ないうちに、酷い有様になったな」
 ラサで傭兵をしていたというラノールとブルーノは、それぞれなんとも言えない表情をした。一帯の傭兵仕事をジャスティーンクラブが独占したことが無関係とは思えない。
「傭兵は信用第一、このような輩が蔓延っては傭兵という職業全体の沽券にも関わる」
「たとえ正しかったとしても気に入らねえし気にくわねえッ」
 仕事への冒涜や無実の罪といった要素に、思うところも大きいらしい。
 『悪党』オロチ(p3p004910)はどこか悪びれたように歯を見せた。
「クリムゾンの連中も間抜けと思うがね……たまにゃこういうのも悪かねぇし、お人好しは嫌いじゃねえ」
 目指すはジャスティーンクラブの本拠地。荒野の酒場である。

 一方その頃、というわけではないが、若干時を遡って別の場所。
「護衛中に荷物を盗まれた事もあったじゃろ。盗まれた中に酒類はなかったかのう? 滅多に出回らん貴重な酒類じゃ。ジャスティーンは酒好きのようじゃ。故にレアものの酒類は盗賊団から受け取ってそうなんじゃよな」
「商人がそういったものを運んでいて略奪されたということであれば……いや、だとしても証拠にするには難しいだろう。倒した盗賊から奪ったと証言されるとキツい。金のやりとりを追うのがいいだろう。俺たちは全力をかけて失敗したが……」
 『飛行する樹』世界樹(p3p000634)はクリムゾン13と話をしていた。追加で得られるような情報は無かったが。加えて……。
「その場に居合わせてみんかの?」
「いや……俺は顔が割れている。それに、お前たちが罪に問われないために働きかけるって仕事がある。好意を貰ったのに、すまないが」
 世界樹は『ちょっと誘ってみただけじゃ』と言って、手を振った。

「えひひっ……」
 『こそどろ』エマ(p3p000257)が引きつったように笑っている。
「こんな商売ですから、向こうも報復の覚悟くらいあるでしょう。ね?」
「…………」
 横を歩く『終ワリノ刻ヲ看取ル現象』エンアート・データ(p3p000771)。
 はしばし沈黙した後、そうですねと頷いた。
 二人の空気を吹き飛ばすかのように気合いを入れる『悪い人を狩る狐』ルルリア・ルルフェルルーク(p3p001317)。
「クリムゾンズが好意で仕事を黙認したのに……きっと他の組織にも同じようなことをしてきたのでしょう」
 マントの下に隠れたソードブレイカーを握り、『狩ります』と誓いのように呟くルルリア。
 『銀翼は蒼天に舞う』エルヴィール・ツィルニトラ(p3p002885)はバッと翼を広げて、見えてきた酒場をにらんだ。
「誠実な傭兵団を陥れる外道の所業を白日の下に晒し、せめてクリムゾンズの名誉を回復したいでありますね! 皆さん!」

●ジャスティーンクラブ
 エンアートが酒場もといジャスティーンクラブハウスの表を歩く。
 酒瓶をラッパ飲みする傭兵が二人ほど、だらだらと話をしながらこちらを見た。ただの通行人を装って通り過ぎ、今度は裏側を通過していく。
 何度も行き来していれば怪しまれる。恨まれ上等の汚い仕事ぶりから察するに警戒心もそこそこあろう。チャンスはせいぜい二回といった所だろう。
 エンアートは仲間たちが待機している別の建物の影へと入ると、裏側の警備がザルだということを報告した。
 センサーや警報器といった警備機械の存在は定かでないが、中に随分人がいる以上そういった機械はかえって本人たちの邪魔になるだろう。
「では早速、こっそり侵入するであります」
 エルヴィールはラノールを抱えてゆっくりと飛行を開始。
 裏側から壁を伝うようにして奥の……ジャスティーン・トロットの部屋へとつけた。
「ガラス窓か。割れば鍵を開けられそうだな」
 マントを窓に押し当ててからマトックでかち割ろうか……と考えていると。
「ちょっとだけそこ、どいていてください」
 不思議な二段ジャンプで(一階の窓をさけつつ)二階の壁に飛びついたルルリアが、ナイフを使って恐ろしく軽やかにかつ静粛に窓の鍵をこじ開けた。
 見事なもんだと思って窓から忍び込むルルリアを見ていると、『一人ずつ入ってください』というハンドサインが窓から飛び出た。
 エルヴィールの手伝いをうけて部屋に入ったラノール。
 潜めた小声でため息をついた。
(技術がある奴はさすがだな。俺一人なら途中で見つかっていたところだ)
 すると世界樹が飛行と物質透過を使ってするっと同じ部屋に入ってきていた。
 目が合う。
「……そういうのがあるなら先に言ってくれ」
 世界樹、ラノール、ルルリア、エルヴィールの四人はそれぞれジャスティーンクラブの傭兵たちに気づかれることなく裏側二階から侵入することに成功した。目的はジャスティーン・トロットが盗賊と内通していた証拠を見つけ出すことである。

 一方。
 ブルーノは軽く体操をして身体をほぐしていた。
「俺たちはこっちだ。準備は?」
「えひひ……いつでも」
 ナイフをしまい、手袋をして目を大きく見開くエマ。
 でもって、後ろで腕組みをしているオロチ。
 オロチは『先に行ってロープでも下ろしてくれ』と手を振って示した。
 ブルーノとエマは頷き合い、一回窓の様子を誰も気にしていない瞬間を狙って同時に跳躍。外壁のでっぱりにつかまると、よじ登るようにして二階の窓へと接近した。エマは窓の鍵を開き、中へと転がり込む。
 同じくブルーノも中へ入ろうとしたが……。
「おっと」
 いかがわしい本を開いていた傭兵の一人と目が合った。
「入団希望者でーす! ……ってやっぱバレてる?」
「おい誰かっ――」
 慌てて立ち上がろうとした傭兵が自分のズボンにひっかかって転倒。ブルーノは容赦なくマウントをとると、拳を振り上げた。
 一方でエマは隣の物音に気づいて素早くベッドの下に転がり込む。ほとんど音も立てずに滑り込んだおかげで、異変を気にして部屋に戻ってきた別の傭兵には気づかれていない。
 ベッドの下からは向き出しのスネが見えている。
「ポーランのやつ、またコソコソなにかしてやがるな。まあいいか」
 ぎし、というベッドに座る音と歪み。エマはここぞとばかりに両足をつかみ、慌てて立ち上がろうとした相手を引き倒し、そのままベッドの下へ引きずり込んだ。

 場面を戻して、裏で仲間を待つエンアートとオロチ。
 暫くしてから、二階から二本のロープが垂らされた。

●ジャスティーン・トロット
 ウィスキーに口をつけ、ジャスティーンは毒づいていた。
「――そうしたらあのジプシーども、適正価格なら雇ってやってもいいだとよ。俺たちをナメやがってな。今度見つけたら身ぐるみはいでスラム街に放り込んでやるぜ。ハハッ」
 グラスをテーブルに叩き付けるように置いて、フライドチキンの骨を投げる。
「おい、ルーフの野郎はいつまでじゃれてんだ」
 部下の一人が『殺人鬼にでも殺されたんじゃねえか』と笑いながら言った。
 顔を歪めて笑うジャスティーン。
「そりゃいいや。じゃあその殺人鬼を雇って一儲けしようぜ。商路で一暴れさせて賃金を引き上げるんだよ。おい、誰か見て来……」
 何気なく酒場の裏を見る。
 窓の縁ぎりぎりを何かが揺れていた。
 それがロープの端っこだと気づいて、椅子を蹴るように立ち上がった。
「チクショウ!」
 グラスが床で砕け散る。

 手に剣や銃を持ち、4人の傭兵たちが階段を駆け上がっていく。
 ジャスティーンは魔術杖を構えて(形だけの)門番をしていた2人の傭兵を蹴り起こす。
「侵入者だ。俺を守れ。しくじったらここら一帯にいられなくしてやるからな!」
 一方で階段を駆け上がった傭兵は内側から勢いよく蹴り開けられたドアに激突。のけぞった所で室内から飛び出したオロチに首を掴まれた。
 ぎろりと入り口付近のジャスティーンをにらむ。
「チョロくせぇゴミが無駄な抵抗しやがるなぁ?」
 傭兵に鞘がついたままの剣を叩き付けて一階へ転げ落とすと、一階でカウンター裏から顔をだした傭兵に気づいた。ライフルの発砲。
 オロチは室内にいちど引っ込んで弾をやり過ごすと、腰の拳銃をぬいて反撃を始めた。
 イミテートミステリーで自己を強化したエンアートがわずかに身を乗り出しマジックロープを発射。
 カウンター裏の傭兵を牽制しつつ、部屋に近づいてくる別の傭兵に魔弾を浴びせていく。
 一番奥の部屋から飛び出すラノール。
「始まったようだ」
 ちらりと後ろを見ると、世界樹が部屋の探索を続けている。
「ふむ」
 隠された場所に箱を見つけた。
 かなり厳重な鍵がかかっているようで、ルルリアでも開くのにそこそこ時間がかかりそうな作りだ。火でもつければ燃えて中身ごと消えそうな作りにも見える。
 どこかに鍵が無いかと、世界樹は更に探索を続けるつもりのようだ。
 ラノールはそのことを一旦頭から取り除くと、マトックをかついで身を乗り出した。それを指さすジャスティーン。
「あの野郎、俺の部屋に――殺せ! 何か持ってたら必ず奪え。いいな!」
「あからさまだな」
 剣を装備して突っ込んでくる傭兵。かなり鋭い斬撃を繰り出してはきたが、ラノールはマトックで受け止め、その殆どを無力化してしまった。どころか反動を利用して相手を突き飛ばし、豪快なスイングで相手の鎧を貫いていく。
「くそっ……!」
 ジャスティーンが魔術をしこたまに打ち込んでくる。
 きわめて大雑把な性格なようで、弾いて威力を軽減させるのはさして難しくない。
 ということで。
「突貫であります!」
 通路の手すりを破砕する勢いで飛び出したエルヴィールが翼を広げて滑空。
 剣から爆発のようなエネルギーを生み出し、叩き付けていく。
 さらにはカウンターの裏に隠れていたジャスティーンに身体ごと突っ込むと、彼を庇おうとした傭兵を斬り倒した。
「もうダメだ! 付き合ってられねえ!」
 傭兵の一人が裏口の窓を開いて逃げ出した――が、地面にしかけてあった罠にひっかかって派手に転倒。足に張り付いた縄をはがそうともがいている間に、ルルリアがすぐそばへと着地した。
「傭兵団とあろうものが罠に引っかかっちゃうなんてドジさんですね!」
 ナイフを抜いて、逆手に握り、やめろと叫ぶ傭兵の胸へと思い切り突き立てた。
 入り口へと逃げようとするジャスティーン。
「えひひっ、逃がしませんよ」
「特にあんたはな」
 ダッシュして手すりに飛び乗り、そこから勢いよくジャンプするエマとブルーノ。
 倒れた椅子や砕けたグラス。酒瓶や死体。あれやこれやを飛び越えて、入り口の前へと着地。
 顔を引きつらせたジャスティーンが咄嗟に手を翳し火花を散らせるが、咄嗟の攻撃が当たるほどダルい身体能力はしていない。ブルーノは素早く相手の懐にはいって攻撃をかわすと、顎に強烈なパンチを叩き込んだ。
 のけぞった所で大きく飛び、流れるような蹴りを加えるエマ。
 仰向けに転倒したジャスティーン。その腕を踏みつけて杖を手放させると、ブルーノが彼のマウントをとった。
「わりい、地獄で会ってもわからねえ程顔潰しちまうが……まあいいか」
「うるせえ! くそ! 死ね! 俺にタテついて生きてられると――」
 吠えるジャスティーンの鼻っ面に、ブルーノの拳が全力で叩き込まれた。

●悪党の死に様
 割れて中身が台無しになった酒瓶を掴み上げ、オロチは苦笑して放り投げた。
「今火ぃつけりゃ、跡形も無く燃えてなくなりそうだなぁ」
 あちこちに傭兵の死体が転がっている。気絶し椅子に縛り付けられているジャスティーンも、やがて同じ運命をたどることになる。
「これできっと、依頼人も報われることでしょう」
(この様な頼り方を一度した者が、果たして再起できるのか……どうでもいいか)
 エンアートは口と内心で別々のことを述べつつ、その様子を眺めていた。

「鍵はここにあったのでありますな」
 ジャスティーンの首にかかっていたネックレスには、奇妙な形の鍵がさがっていた。
 それをもぎ取るエルヴィール。後からこの鍵だけ出てきてもナンとも思わなかったところだが、世界樹たちが箱を見つけていたのでピンときた。
 箱を開いてみると、盗賊団との間で交わされた金の明細書が出てきた。払った払わないの揺すりをかけられないために用心深く証明をとっておいたという所だろう。あとでクリムゾンズに流してやれば喜ぶはずだ。
「さてと、最後はインタビューだ。ほら、起きろ」
 気絶したジャスティーンに水をかぶせるブルーノ。
 ジャスティーンは目を開け、まず舌打ちした。
「クソッ……」
「内通していた盗賊団のアジトの場所を言え。命が助かるかどうかはおめぇさんの態度次第じゃ」
 腕組みをして言う世界樹。その横ではエンアートが先程みつけた証拠を翳している。
「言えば、俺の命は助けてくれるのか?」
「……」
 無言で返す一同を前に、ジャスティーンは下劣な笑みを浮かべた。
「違うな。俺だったら吐かせて殺すぜ。お前らもそうなんだろう!? クソッ!」
 この後ジャスティーンは思いつく限りの罵声を浴びせたが、誰もそれをまともに聞いてはいなかった。
 風や鳥の声と同じように聞き流し、情報を吐く気が無いと分かったところでジャスティーンを椅子ごと蹴倒した。
「お察しの通りだ。悪いが、一人たりとも逃がすなという依頼でね」
「あなたには死んでもらいます」
 マトックを振りかざすラノール。
 短剣を翳すエマ。
 最後にルルリアがジャスティーンの前髪を掴み、冷たく言い放った。
「人を陥れた報いです」
 このあとのことなど、もはや語るべくもない。

 少しだけ後日談をしよう。
 ジャスティーンクラブが一人残らず始末されたことで、ラサ幻想間の商路のひとつ通称『赤商路』が空白地帯となった。
 いくつかの傭兵ギルドが縄張りを巡って入り込もうとし、半壊していたクリムゾンズもその穴を埋めるようにして業務を再開したという。
 盗賊団はといえば、内通先が潰れたことで焦って動き出しみるみる自滅していったという。
 本来ならここで終わりなのだが……さて。
「あんたらには、本当に世話になった。奴らを潰すだけじゃなく、証拠まで掴んでくれるとは思わなかった」
 報酬受け渡しの際、クリムゾン13は指のない手で目頭を押さえていた。
「俺は憎しみに駆られて連中の死を願ったが、あんたらは俺たちの名誉回復をはかってくれた。それに応えないわけにはいかねえな」
 クリムゾンズにかかっていた悪評はジャスティーンクラブと盗賊の内通が明るみに出たことで徐々にぬぐい去られた。ここからは地道に努力をすれば復権も夢では無いだろう。
「今度から手に負えないことがあったら、神や悪魔じゃなくあんたらに頼むことにするよ」
 と、クリムゾン13はより多くのコインを突きだして言った。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 お疲れ様でした。
 ジャスティーンクラブのジャスティーン・トロットは息絶え、盗賊たちとの内通も明るみに出ました。
 皆様の活躍はクリムゾンズを通じてどうやらラサへと伝わったようで、名声ポイントも特別にラサへと振られました。

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