シナリオ詳細
鉄帝、春のGun祭り!!
オープニング
●祭りだ、祭りが始まる!
うららかな春が到来した
冬が終わり、芽吹き、育むための種を蒔が巻かれる。
あらたになった季節の始まりを祝う。
つまりは、春は祭りの季節なのだ。
鉄帝では、春の到来を祝って祭りの準備が執り行なわれている。
この祭りこそ“春のGun祭り”である!
「力こそ、パワー! パワーこそ、力! 力=戦力! 戦力というのは、兵力×火力! 火力というのはすなわち……Gunのことだよキミィ!」
語るのはこの祭りを企画し、取り仕切るベルトリガー・カールイ少佐であった。
鉄帝軍の軍人であり、Gunをこよなく愛する火力の信奉者である。
闘技場ラド・バウにあらゆるGunを集めて祭りを行うのが、春のGun祭りの趣旨だ。
「Gunというのは、大砲、拳銃、機関銃にライフル、突撃銃、散弾銃……これらを広く含む! 火薬で弾をぶっ放せばこれすなわち、皆Gunである!」
ある言語では、砲と銃に分かれているがGunといったらそのどちらも含む。
●カールイ少佐かく語りき
「いいかね諸君? Gunは兄弟、Gunは家族、Gunはみんなのために、みんなはGunのために! 私はGunが好きだ。この地上で撃たれるありとあらゆるGunが大好きだ! 敵兵にぶちかましてやる砲兵隊の大砲が好きだ! 自決用に磨いている拳銃なんかもたまらない。一心不乱にGunを讃え、Gunをガンガン撃ちまくるGun祭りを盛大に催そうではないか!」
カールイ少佐は、気持ちよさげに大いに語った。
鉄帝軍の中でどれほどの銃火器があるのかはさだかではないが、カールイ少佐はその偉大な軍事力は銃器が支えていると信じている。
無数の弾丸と、的が用意され、好きに撃ちまくってGunの威力と素晴らしさを知らしめるのが目的だ。
的の他には、大型車両も用意され、これをいかに短時間でスクラップに変えられるかを競う競技もある。
狙撃の正確さを披露してもいいし、Gunにまつわる知識を語ってもいい。
Gunを整備してくれるガンスミスも出店を開くし、子供に人気のおもちゃのGunも売られる。
古式砲術、ガンフー、ガン=カタの演舞の奉納や使えなくなったGunを供養するGun供養の法要の予定もある。
Gunにまつわるあらゆることが行われるのが、春のGun祭りという祝宴だ。
「さあ、このGunの祭典に自慢のGunを持ってきたまえ」
- 鉄帝、春のGun祭り!!完了
- GM名解谷アキラ
- 種別イベント
- 難易度VERYEASY
- 冒険終了日時2020年04月04日 22時05分
- 参加人数6/∞人
- 相談7日
- 参加費50RC
参加者 : 6 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(6人)
リプレイ
●GUNを撃つ祭り
説明しよう――。
春のGun祭りとは、Gunが持つ威力を讃え、Gunが持つ抑止力を讃え、Gunがもたらす勝利と栄光を讃える祭りである。
闘技場ラド・バウには、Gunを愛してやまぬ射手、軍人、戦士、その他愛好家が集った。
「お集まりいただいた紳士淑女の皆さん! 私がGun祭り祭祀委員長を拝命した、ベルトリガー・カールイ少佐である!」
軍服の上から勲章のようにまとったホルスターにいくつもの拳銃をぶら下げ、弾帯を巻いている小太りの男が、カールイ少佐である。
彼もまた、Gunを偏愛する人士のひとりだ。
「このラド・バウに、ありったけの弾丸と的、そしてGunを用意した! 存分に撃ちたまえ、存分に震えたまえ。観客席も今宵は硝煙と砲声に包まれるであろう」
その光景を夢想したカールイ少佐は、絶頂の表情であった。
明らかに前線に出すのはまずいと思わせるタイプだが、昇進を拒否してでも最前線に並ぶのを愛する歴戦の軍人なのである。
その彼が吟味し、Gun好きのためにGun好きが企画し、Gun好きが集まる祭りとなった。
拳銃から、機関銃、ライフル、ショットガンにPDW、戦車砲に対空砲、迫撃砲に大砲など、ありとあらゆるGunを眺められる。
「では、祭りの開始をここに宣言する!!」
さっそく、祝砲が多数鳴り響くのであった。
●撃て! 撃て! 撃て!
ばさり。翼を広げてGun祭りの主催場である闘技場ラド・バウに現れたのはアクセル・ソート・エクシルであった。
そのアクロバット飛行も、また観衆の声援を集めた。
「まずはソウル・ブラスターから!」
空中から、的を狙っての精密射撃を披露しようというのである。
羽ばたきながらというその姿勢、状況でどれほどの精度を見せるのか?
「さあ、存分に撃つがいい!」
カールイ少佐の発砲開始の号令がかかった。
この瞬間に生きている、そんな満足げな顔をしている。
アクセルが旋回しながら、空中に輪を描き、地上の標的に向かってソウル・ブラスターを発射する。
ロングバレルの黒鉄が鈍色に光り、魔法の弾丸が空を裂く。
上空からの一撃は、見事的を破壊した。
「素晴らしい! 粉々ではないかぁっ!」
カールイ少佐も大喜びだ。
祭りの出だしを彩るにふさわしい威力と精度である。
アクセルは、他にもミスティックガン、カースドシューターなど神秘型のGunを所有しているが、まずはこのロングバレルの狙撃を観客にもアピールする。
空中でターンし、ふたたび地上に並べられた的を立て続けに狙撃した。
「んんんんー、いいぞいいぞ」
Gun祭りの先駆けを飾ったアクセルに、カールイ少佐と観客の惜しみない拍手が送られた。
「なかなか、面白い祭りのようだな」
続いて、ジェイク・太刀川がリボルバーを構えて、闘技場に立つ。
今度は、動く的を相手の拳銃さばきを披露する番だ。
「銃は俺にとって体の一部のようなものさ。俺はこいつらから離れられない、こいつらも俺から離れられない……」
かつてはオートマチックを愛用したジェイクだが、今はリボルバーのほうがしっくり来る。
ジェイクを動く的が取り囲むと、クイックドロウの妙技であっという間に撃ち抜いていった。
まさに、目にも留まらぬ早業。さらには、正確無比。
あっという間に的が蜂の巣になっていく。
Gun祭りの会場に押し寄せた観客は、その美技に酔いしれ、やんやの喝采をあげる。
「素晴らしい演舞じゃないか!」
カールイ少佐も上機嫌だ。
「おっと、まだまだ」
ジェイクは、スピードローダーでリボルバーに一瞬にして弾丸を込める。
これもまた、華麗にして精密。まるで手足の延長のように扱い、武道のような技の冴えを見せた。
「銃ってのは狙うもんじゃない。相手に突きつけるものなんだぜ」
最後の決めゼリフで、Gun好きの女性客からも黄色い声援が飛んだ。
その演舞が終わると、続いてガスマスクを装着したジェックが祭りの会場に立つ。
「Gunの素晴らしさ、ネェ」
そのガスマスクの下の表情はうかがいしれぬが、どこか気怠げなような雰囲気もある。
「マァ……アタシの愛銃のヨサを伝えられるならヤブサカじゃないかな」
ジェックが構えたのは、黒鉄の死神ブラック・ラプター。
「おお、美しい……」
カールイ少佐が、そのフォルムに思わず見惚れるほどだ。
「弾丸が無数にアルってんなら、それをツカっていかに弾が詰まらナイかを見せてアゲよう」
口径の大きな弾丸を込めて、構える。
この銃の特徴は、その暴発率だという。
「そうとも! 精密さだけがGunの魅力ではなぁい! いつ来るともわからぬ暴発の瞬間……このスリルもたまらなぁい」
急に身体をくねりだして解説するカールイ少佐。
だが、それを無視して、愛銃の威力を披露する。
破戒対象は、乗用車。
ドゴッ――!! 重い発砲音とともにマズルファイアを吹いて、乗用車を一撃で貫徹する。
あまりの威力に、観客も息を呑んだままだ。
さらに撃ちまくる。弾丸が降り注ぎ、あっという間にスクラップができあがる。
「んんんんんー! これだ、これぞ祭りの醍醐味だぁ!」
何かに達したようなテンションで体を震わせるカールイ少佐であった。
祭祀委員長にもかかわらず気色の悪いリアクションにブーイングが飛ぶも、一向に引っ込もうとしない。
「次は、レミーの番です」
で、結局少佐を押しのけてレミファ=ソラージットが登場する。
彼女には、観客から期待の喝采が上がった。
「レミーは、政治的なとこはよくわかんないデス」
レミーには、政治がわからぬ。
鉄帝で普通に生活し、なんか違うなーと思いつつも重火器を振り回し、ガス欠になるようなそんな少女だ。
「でもGunが火力とかは大いに同意デス」
Gunは火力だ。火力こそ力であり、正義である。
ぱちんと指を鳴らすと、空間から愛用のFFフリークスが出現する。ド迫力の重火器だ。
「そ、そんなものをぶっ放したら、どうなるんだぁ!?」
興奮のあまり、人様にお見せできないような表情となったカールイ少佐をよそに、着々と発砲準備を進めるレミーである。
「大火力で敵を薙ぎ払うのが砲撃の醍醐味なのはよくわかるのデス。空中高く打ち上げた砲弾が命中して敵陣地がばらばらになった時など心が踊るデスよ」
案外、似た者同士なのかもしれない。
その威力をエキシビジョンとして披露するためにも、威力マシマシである。
「ターゲットロック…」
スコープに大型のダンプカーを捕らえ、衝撃補正の姿勢を取り、引鉄を絞った。
「Fire! デス!」
FFフリークス火を吹き、ダンブカーを跡形もなく吹き飛ばした。
轟音と衝撃で、耳がキーンとなっている観客続出である。
「だが、それがいい……」
カールイ少佐曰く、そういうことらしい。
身近で重火器発砲の衝撃に触れてみる、これもまたGun祭りの楽しみ方なのだ。
「戦闘じゃなければ銃も嫌いでは無いっすよ」
中野 麻衣が並べられた拳銃をパンパン撃つ。
出店の射的のような感覚である。
しかし、他の参加者のGunに比べるとなんだか物足りなくなってしまう。
「あっ、これはこうやって撃つっすか?」
麻衣が手に取ったのは、横に湾曲した台座がついた小型の迫撃砲だ。
八九式重擲弾筒という兵器で、その台座がちょうど腿の上辺りに置くのに丁度いい。
この兵器を装備した敵方からは、ちょうどそうやって使うのだと思われてニーモーターと呼ばれた。
で、撃った。
「ひゃ……!?」
感情のこもらぬ目になって倒れる麻衣。
そのように呼ばれているが、くれぐれもそう使ってはならないという通達があったのである。
良い子の皆は、迫撃砲を膝において打っちゃいけない。
ひっくり返った麻衣の犠牲を無駄にしてはいけない。いいね?
カールイ少佐がうんうんと頷いている。
「次は私の番ね。楽しそうなお祭りだわね」
長月・イナリが用意したのは、麻衣が放った迫撃砲をはるかに凌駕するものであった。
その巨大さに、観客もどよめいた。
「というわけで借りてきたわ、リトル・デーヴィッド(914mm重迫撃砲)という大砲よ!」
でかい、説明不要である。
「お、おおおお!? なんという巨砲!」
カールイ少佐も脚が震えるほどのサイズだ。
かの戦艦大和が搭載した主砲の口径と比して倍の口径を持つ迫撃砲だ。
そんなものをぶっ放したらどうなるか?
「ふふふ、凄いでしょ、その世界最大の大砲で、一撃で直径10mの深さ5mのクレーターを作り出すらしいわよ!」
イナリが誇らしげに言うと、海上からも驚嘆の声が上がる。
ウルバン砲や二十八糎砲も並ぶが、やはり群を抜いて大きい。
ただ、その巨大さゆえに設置工事には12時間を要する。
「えーと。……今回は展示だけにしておくわ!」
観客たちは、カールイ少佐と一緒に盛大にずっこけた。
しかし、発砲しなくてもよかったのかもしれない。
闘技場ラド・バウにも甚大な損害が予想される。
「というわけで、春のGun祭りはいかがであったかな? 春夏秋冬、これからいつでもGunをアピールしていきたい!」
というわけで、カールイ少佐の言葉で祭りは締めとなる。
最後に、弾丸と火薬を余らせることなくまとめて撃ち尽くし、盛大な祭りは終わったのである。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
春のGun祭り、無事終わりました。
この世の憂さを吹き飛ばす盛大な祭りになったかと思います。
一応、平和の祭典でもあります。
Gunの威力とGunの魅力が堪能できたことに感謝を。
それではまたお会いしましょう。
GMコメント
■このシナリオについて
皆さんこんちは、解谷アキラです。
春は祭りの季節なので、祭りのイベントシナリオを行います。
春のGun祭りです。皆さん、Gun好きですよね?
オープニングで上げた他にも、さまざまなイベントが用意されています。Gunにまつわることで、思いついたものはなんでもやっちゃってください。
平和(?)なお祭りなので、人死や怪我するようなことはありません。
また、Gunの貸し出しもありますので、Gun持ってない方も参加できます。
それでは、楽しいGun祭りにしちゃいましょう。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
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