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シナリオ詳細

海の幸を食らう! ~巨大タコ料理編~

完了

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●水揚げされた海の幸
「こいつはでけえな……」

 引き上げられたそれを見て、運搬してきた船の船長もしみじみと言った。
 水揚げされた、巨大なタコである。
 謎の神殿の奥に棲み着いていたとも、とある海域では邪神と恐れられていたともさまざまに言われているが、船長はどこから運ばれてきたのかは教えてくれない。
 船長が預かる船は、小回りが効く小さな船だが、小さいといってもそれと比較して倍以上がありそうなタコというのは、人々が想像し得るものではない。超自然的な存在と認識されても不思議はない。
 これほど巨大であれば、神と畏れ、崇める人々がいるのも頷けるというものである。
 海とは、人類が探索し得ない未知の世界である。
 その未知の世界から超巨大生物が陸に揚げたのだ。
 異様さとともに、人知の及ばぬ自然に対して畏敬の念を新たにさせる。
 しかし、水揚げしてどうするのか?

●やっぱりそうするだろ!
「どうするのかって? そりゃあまあ、食うだろ」

 船長は、さも当然のように言った。
 タコも海産物である。たとえ、それが大きくとも、だ。
 見たところ、規格外のサイズであるが、マダコとか水ダコと外見上の差異はそう大きくない。
 仮に邪神と恐れられていたとしても、よくよく見ればどこかユーモラスなキャラクター性を有する、あのタコなのである。
 幽霊の正体見たり枯れ尾花……ではないが、恐るべき海の神だと思っていたら。ただの大きなタコであったというわけだ。
 もっとも、これほどの巨大なタコと生きているときに出くわしたら、正気を保てはしないだろう。
 仕留めた勇者たちを讃え、感謝も示したいところである。
 さて、俗に「芋蛸なんきん」という言葉がある。
 さつまいも、タコ、かぼちゃは、女性一般の好物であるとの意味だ。
 そんなわけでタコはうまい、だから食える。
 そしてでかいとなれば、食いでもあろう。
 料理の腕もさることながら、狂王種を食うという勇気、そして平らげる強靭な胃袋と旺盛な食欲も必要とされる。

 タコを料理してくれる者、そいつを味わおうっていう勇気ある者を求む!」

 船長は、海の恵みに感謝して巨大タコを料理し、おいしくいただくための人員を広く募集した。

GMコメント

■このシナリオについて
 皆様こんちは、解谷アキラです。
 どこかで獲れたタコをを食ってしまおうというイベントシナリオです。
 獲れた以上は、食わないとやっぱりもったないわけです。
 でかいので、料理のし甲斐も食いでもあります。
 タコを料理する人、食べる人、両方をこなすイレギュラーズを募集します。食っても大丈夫ですよ!

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 海の幸を食らう! ~巨大タコ料理編~完了
  • GM名解谷アキラ
  • 種別イベント
  • 難易度VERYEASY
  • 冒険終了日時2020年03月30日 22時10分
  • 参加人数6/∞人
  • 相談5日
  • 参加費50RC

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(6人)

エイヴァン=フルブス=グラキオール(p3p000072)
波濤の盾
十夜 縁(p3p000099)
幻蒼海龍
マルベート・トゥールーズ(p3p000736)
饗宴の悪魔
寒櫻院・史之(p3p002233)
冬結
フィーゼ・クロイツ(p3p004320)
穿天の魔槍姫
湖宝 卵丸(p3p006737)
蒼蘭海賊団団長

リプレイ

●タコを食らう
 海に生きる頭足類、タコ――。
 古来より、多くの地域で食用にされてきた、
 そのグロテスクさから、“悪魔の魚Devil fish”と言って忌み嫌われ、あるいは宗教上の理由で食用にしない地域もある。
 しかし、食ったら美味い。
 問題は、今回水揚げされたタコの巨大さであった。
 やはり、呆れるほどでかい――。
 人間をその触手で捕らえ、絡め取ったりするのでイレギュラーズが死闘のすえに水揚げしたという。
 なんでも、その付近では海の荒ぶる神として崇められていたとか。
 それもうなずけるほどの巨体である。
 でかい、とにかくでかい。
 輸送してきた船長の船の倍はあろうかというほどだ。

「そういうわけで、料理してもらえねえかな? これだけでかいとどうしたもんかって感じだし……」

 船長は、集まったイレギュラーズたちに言う。
 料理方法はいろいろあるとはいえ、確かにこれだと処置に困るだろう。
 料理をするにしても、どこから手を付けたらいいか途方に暮れてしまう。
 これだけの大きさであるならば、それだけ食いでがあるというもの。
 このタコは、日々の航海で疲れた船員、そして冒険者たちをねぎらう為に振る舞われるのだ。
 タコ、イカ、貝類などの海産物は、タウリンという栄養素が含まれている。
 疲労回復に効果があると言われており、たくさん食べて英気を養っておきたい。

「大タコを食べに来たわよ」
「フィーゼと一緒に、倒した大タコを食べにきたんだぞ!」

 フィーゼ・クロイツは、この巨大タコと戦って仕留めたという湖宝 卵丸と一緒にやってきた。

「おお、よく来てくれた! せっかく仕留めたんだから、存分に食ってくれ。でないともったいないだろ?」

 もったいないの精神。
 タコも生き物であり、生命が宿っている。
 その生命が、誰かの命を育む。
 命を奪うというのは、やはり罪深いことかもしれしれない。
 しかし、無駄なく使うことで、誰かを生かすことにもなる。
 やむなく殺してしまったわけだが、せめて次の命のために使いたい。できれば、余すところなく。
 それが船長の心意気であった。

「それにしてもかなり大きいわね……」
「だろう? 俺も見たときは驚いたもんよ。だが、こうしてみるとどこか可愛げもあってなぁ」

 見上げるフィーゼの横で、船長はしみじみと言った。

「卵丸の故郷、淡水の湖だったからタコが珍しくて……田舎者じゃないんだからなっ!」
「って、誰も田舎者なんて言ってないから。むしろ、私もタコを実際見たのは初めてだから安心して」

 ふたりとも、タコという生物には馴染みがない。
 卵丸も、故郷が湖だったのであのときに見たのが初めてだったのだ。
 もちろん、食べるのも初めてである。

 ――で、これはどういうお味なのか?

 見ていると、どんどん好奇心が募っていく。

「わーいタコー! タコおいしいよね。消化にもいいし歯ごたえもいいし、からあげにするとジューシー!」

 一方、秋宮・史之はタコを食べた経験があり、さっそくどう料理しようかとその食べ方についてまであれこれ想像していた。
 横で聞いていたふたりも、俄然興味を惹かれるというものである。
 横でうまそうな食い物の話をされると、俄然食欲も湧いてくる。

「タコ、うまいよね」
「ああ、うまいと思うぜ」
「なんで食わない人多いんだろうね? ふしぎ!」
「理由はいろいろあるだろうが……見た目じゃねえかな?」

 軟体動物であるタコの見た目は、やはりグロテスクなところがある。
 同時に、どこかユーモラスなところもあるのだが。
 まあ、そんなことより料理である。
 そもそも、食べてしまえば見た目は気にならない。

「タコか。素敵な生き物だよね」

 マルベート・トゥールーズも美味しそうなタコを目の前にして感心している。

「何処かの地では“悪魔の魚”などと呼ばれていたと聞くけど、とんでもない! とても美味しく食べる事が出来るし何より悪魔とは似てないからね」

 マルベートが言及するとおり、タコは忌み嫌われる地域もある。
 しかし、その味を知っているマルベートからすると、やはりもったいないと思うのだ。
 そのために、ナイフとフォーク、調味料も持ってきている。

「……あぁ、またかい。確か前はサメだったが……今度はタコとは、相変わらず豪快な船長だねぇ」

 十夜 縁は以前、巨大なサメを料理したことがあった。
 基本的に、縁は魚を食べないのだが、料理はする。
 そういうわけで、今回も料理担当に回る。

●料理開始!
 まず、 ぬめりを塩もみで洗って落とし、タコの足を切り分ける。
 これだけ大きくなると、この作業も一苦労であった。
 船長と船員が総出で行なう。しかるのち、その足を落としていく。
 まず、卵丸はその身をぶつ切りにして焼いて食う。炙って食べるタコもまた美味い。
 大きくても、歯ごたえのある独特の触感と味に遜色はなかった。

「このタコ、神殿の奥にいて暴れていたんだぞ」
「神殿って……。ほんとに神様扱いだったのね」

 卵丸の冒険譚を聞きながら、フィーゼもタコを頬張る。
 歯ごたえと、染み出してくる旨さがたまらない。
 初めての食材だが、こうして食べてみると海に感謝したくなってくる。

「そう言えば卵丸、タ・コヤキという伝説の食べ物があるって聞いたんだぞ」
「タ・コヤキ?」

 それは一体、いかなる料理なのだろうかと、フィーゼが興味を惹かれていく。
「丸くて、外はカリッと中はトロトロらしいんだぞ」
「気になるわ。せっかくだから作ってみましょう」

 そんなわけで、ふたりはうろ覚え、想像だけで作っていった。
 粉を使うところまではわかっている、溶いた小麦粉にタコを入れ、これを鉄板の上でじゅうううう……!

「ええと、これにマヨネーズにソース? だったかな」
「そりゃ、オ・コノミヤキって料理だなぁ」

 傍から見ていた船長が言った。
 そういう料理もあるらしい。それはそれで美味しい気もする。

「おっ、たこ焼きか。だったら作ってやれるぜ」

 縁が答えた。さっそく丸いくぼみが並んでいる特別な鉄板と千枚通しを用意する。
 これに生地を流し入れ、切ったタコを入れ、丸めるように焼いていく。ああ、揚げ玉と紅しょうがもだ。

「うちの店主曰く、『混ぜる、焼く、ひっくり返す。猿でもできる』ってな」

 そうは言っても、縁の手つきは見事なもので、くるくると丸いたこ焼きができあがっていく。
 このアツアツに、鰹節を乗せ、青海苔をかけてソースとマヨネーズ。
 湯気で踊る鰹節がなんともいえない。
 頬張ると、外はさくっとした感触と舌を火傷しそうな中のとろとろ具合、そしてタコの歯ごたえのバランスが口を楽しませた。

「じゃあ、こっちは刺身としゃぶしゃぶだよね」

 タコ刺しとタコしゃぶ、史之はタコ料理の定番に取り掛かる。
 タコの身を、薄ーく削ぐように切って、皿に絵のように並べていく。
 まるで、純白の花が咲いたような趣である。
 この薄さなら、歯ごたえを楽しめるし噛み切れないなんてこともないだろう。
 このまま醤油とわさびでいただいてもいいし、さっと出汁にくぐらせて火が通るか通らないかのうちに薬味の出汁醤油と紅葉おろしでいただいてもいい。あさつきなんかを散らすと彩りも楽しめる。

「まだまだいくよ」

 と今度はタコの唐揚げである。
 油の中で、衣を通して色が変わっていくのがわかる。
 油を切って、お皿の上におもむろに並べる。

「うまそうじゃあないか!」

 ビールジョッキ片手に、エイヴァン=フルブス=グラキオールほか船員たちがこれを待ち構えていた。

「レモン? 邪道な、塩だよ」

 まずは塩で素材の味を楽しんでほしい、そういう趣向である。
 炊き込んだタコ飯、箸休めの漬物、そして煮物とアオサの赤出汁もつくという豪勢な定食であった。

「船長さんたちもめしあがれ!」

 これを合図に、怒涛のように船員たちが食らいついていく。
 たこ焼きも、どんどんなくなっていく。
 しかし、まだまだたくさんある。

「それじゃ、今度はこっちの一品よ」

 マルベートが、ナイフとフォークで身を切り分け、ていねいに皮を剥いでいく、
 すると、純白のタコの身が現れた。
 これもまた、薄くスライスする。
 合わせるのは、ワインビネガーなどの調味料でさっと作ったヴィネグレットソース。
 周囲には、色が変わる程度に湯引きしたタコの皮をあしらう。
 そして、海産物には白ワイン。マリアージュが楽しみである。

「うん、絶品」

 ほどよい酸味とタコの持つ滋味、そして歯ごたえ。
 そして冷やしすぎない程度に冷やした白ワインを含むと、豊かに広がっていく幸せ。

「それこっちにもだ!」

 エイヴァンたちからも注文があった。

「いやあ、この調子なら意外に早くなくなるかもなぁ」

 船長もタコ刺しとしゃぶしゃぶに舌鼓を打ちつつ、ラム酒を開ける。
 海賊の酒といったら、やはりなんといってもラム酒である。
 タコに含まれるタウリンは、肝臓にもいいので飲み明かしても平気だ。きっと。
 海の恵みに感謝するこのタコづくしは、明け方まで続くのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 というわけで、獲れたタコを美味しく召し上がりました。
 海の恵みに感謝して、船員たちも責任を持って処理しました。、
 食べ物の描写は、過ている側もお腹が空きます。また、なにかこういう依頼を出そうかと思います。
 では、またお会いしましょう。

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