PandoraPartyProject

シナリオ詳細

にゃんにゃんぱにっく!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 幻想ローレットに届いた依頼。
 それは、街が多数の獣に蹂躙されるというものだった。
「非常に恐ろしい事態になっているようです……!」
 『穏やかな心』アクアベル・カルローネ (p3n000045)は戦慄しながらも、その状況について語る。
 幻想のとある街道沿いの街。
 ここは幻想内において、主要な街道となっている場所。
 それだけに多数の人々が行き交い、行き来する人々が落とすお金で潤っている街だ。
 そんな街へとある日の昼下がり、恐ろしい獣達が街を襲い始めたのだとアクアベルは言う。
 頭に突き出した2つの耳、つぶらで大きな瞳、多数の毛が生えた体。丸っこい肉球に鋭い爪の付いた手足。ぴょこぴょことつかみどころなく動く尻尾。
「そう、猫の群れが襲ってくるのです……!」
 刹那、ローレット内のイレギュラーズ達がポカーンと口を開く。
 そこでアクアベルがやや硬い表情で、話を聞くイレギュラーズ達へと訴える。
「猫は恐ろしい生き物です。これまで、混沌を行き来する中で何度噛みつかれて食べられそうになったか……」
 アクアベルも海種とあって、もしかしたら猫にとっては食べ物に見えてしまうのかもしれない。
 それはそれとして、その街の住人は人間種ばかりで食べられる心配はなさそうだが、それ以上に街や家屋内を荒らされる被害が深刻とのこと。
 出来る限り急いで現地へと向かって猫達を抑えたいところだ。
「猫達を扇動しているのは、メインクーンと呼ばれる品種の巨大猫ですね」
 全長1m……まあ、猫にしては巨大猫ではあるが、魔物となっているわけではなさそうだ。
 ところが、この猫、並々ならぬ力を持っている為、油断ならない相手である。
 下手な傭兵や兵士などは軽くのしてしまう力がある為、注意して押さえつけたい。
 アクアベルはこの猫についての資料を手渡しつつ告げる。
「どうか、この恐怖の存在から、町を救ってあげてください……!」
 話を聞いたイレギュラーズ達の反応は様々だが、嘆息したり、呆れたりしながらも、その街へと急ぐことにしたようだった。

GMコメント

 イレギュラーズの皆様、こんにちは。GMのなちゅいです。
 幻想のとある街で獣が街を蹂躙している事件が起こっておりますので、その解決を願います。

●敵……無数の猫達
 いずれも首輪などはついておらず、全てが野良猫のようです。
○猫×200体
 大きさは8割ほどが普通の猫がほとんどで、人間種の一般成人が両手で抱きかかえられる程度です。2割程度は子猫で、片手に乗るくらいの大きさです。
 下記のボス猫の影響もあり、混乱している猫も多いようで、攻撃してくることもあります。
 爪で引っかかれれば出血することもありますし、猫キックで大きく吹っ飛ばされることもあります。
 顔に飛び掛かられれば窒息もありえますし、大勢で襲われたら足止めも食うこともあるでしょう。
 
〇赤い瞳のメインクーン×1体
 全長1mもある灰色の毛並みをした巨大猫です。
 言葉は喋れませんが、かなりの力を持つ猫で、この街を自分の支配下に置こうと多数の猫を扇動して街を混乱の渦に陥れていますので、懲らしめてあげてください。
 大きさの割に素早く、攻撃が当たらないことも多々あるようです。

・毒ひっかき……(A)神近列・猛毒・連
・不吉な鳴き声……(A)神自域・万能・泥沼
・SP猫キック……(A)物遠単・ブレイク・飛
・一斉攻撃……(A)物遠域・万能・弱点

〇場所
 昼間、とある幻想の街に、多数の猫の群れが現れ、あちらこちらを走り回って町の人達に迷惑をかけています。
 猫の群れを扇動する巨大猫メインクーンを探し、人々の迷惑にならない場所でお仕置きする必要があります。メインクーンを懲らしめることで、他の猫達も暴れなくなるようです。
 できるだけ、人々が買い物や帰宅など、忙しなく動き出す夕方前に解決していただければと思います。
 事後は多数の猫達の処遇、街道の掃除なども必要と思われますが、こちらは夜になってからでも大丈夫です。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

 それでは、よろしくお願いいたします。

  • にゃんにゃんぱにっく!完了
  • GM名なちゅい
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年03月30日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヨハン=レーム(p3p001117)
おチビの理解者
レスト・リゾート(p3p003959)
にゃんこツアーコンダクター
炎堂 焔(p3p004727)
炎の御子
陰陽丸(p3p007356)
じゃいあんとねこ
羽住・利一(p3p007934)
特異運命座標
カナメ(p3p007960)
毒亜竜脅し
モカ・ビアンキーニ(p3p007999)
Pantera Nera
ミィ・アンミニィ(p3p008009)
祈捧の冒険者

リプレイ


 幻想某所の街。
 そこは今、未曽有の大惨事に見舞われていた。
「なるほど、なるほど? なんかこう久々に変なお仕事を受けた気がします」
 朗報を待っている情報屋のことを考えつつ、機械の猫耳とコンセント状の尻尾を持つ『第7回 ローレット・カップ 優勝』ヨハン=レーム(p3p001117)は目の前の街の惨状を見つめる。
「「うにゃああ」」
「「にゃああう」」
「「にゃおおおおおう!!」」
 今、この街は200匹もの猫の大群による襲撃に見舞われていた。
「ほわぁー! かわいいー! ネコちゃんいっぱーい!」
 目の前の光景に、マゼンタ&シアンのツートンカラーが特徴的な『優しいカナ姉ちゃん』カナメ(p3p007960)は思わず目を輝かせてしまう。
 傷を押しての参加、身長3mと巨躯の体に対してやや弱気な『大いなりし乙女』ミィ・アンミニィ(p3p008009)ももふもふ大好きなようで、可愛らしい猫を手に取って。
「ああ……ねこちゃんがいっぱい……かわいい……」
「猫さんがっ! いっぱいっ!!」
 炎の神の血を半分引く半神半人の少女、『炎の御子』炎堂 焔(p3p004727)も猫の群れの中へと飛び込む。
「猫ちゃんに襲われる街……。なんて、ご褒……恐ろしい事件なのかしら~」
 自身も思わずトリップしそうになりながら、ゆるふわ系幻想種の『妖精のお友達』レスト・リゾート(p3p003959)もこの事件の恐ろしさを垣間見る。
 歴戦のイレギュラーズ達を瞬時に可愛さで心を奪ってしまうとは……、猫の大群、恐るべしである。
「たたた、大量のもふにゃんこ!? ……ゴホン、取り乱してすまない」
 そんな中、やや目つきの鋭い黒い短髪女性、『特異運命座標』羽住・利一(p3p007934)が我を取り戻して咳払いする。
 猫達は可愛さを振りまく一方、勝手に家に入り込んでその家の夕食の食材を勝手に漁ったり、家の柱でガリガリと爪を研いだりとやりたい放題。
 この中から、猫を先導してきた全長1mもある赤目のメインクーンを探し出し、懲らしめねばならない。
「猫は可愛い。しかし、大き過ぎると可愛いという感情が吹き飛ぶなぁ……」
 こちらも重傷の中での参加、色黒でスタイリッシュなアンドロイドの『脚癖が悪いバーテンダー』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)が見上げていたのは、ミィと同じ大きさのある魔猫、『じゃいあんとねこ』陰陽丸(p3p007356)である。
「んなーぅ、なーぉ!」
 どうやら、陰陽丸は『我ら猫族。自由奔放、天下御免。されど通すべき筋ってものがあるのです!』と主張しているらしい。
 以下、彼の言葉は鳴き声と共にその意思を併記したい。
「みゃーん、にゃん!!(そんな事を故郷の裏通りをまとめていた親分が言っていました! やんちゃさんはお仕置きです!!)」
「……はっ、気を入れ直さなくては」
 身振り手振りで、一応陰陽丸の意思表示は他メンバーも汲み取れるらしく、ミィは我に返って。
「悪さをする以上は、しっかりと懲らしめてあげませんとね」
「っと、いけないいけない」
 焔もまた、まずはイタズラ猫達にお仕置きするのが優先だと、自分達の仕事を再認識する。
「あ、もふもふしたいけど、今は巨大ネコをなんとかしないとダメなんだよね」
 思わず猫を抱きかかえていたカナメもまた、触れ合いたくも攻撃されちゃ安心できないと、猫の大群を引き連れてきたメインクーンのお仕置きをと考える。
「でも、ちょっとだけ、ちょっとだけならああぁぁぁー!!」
 思いっきり頬をすりすりしたカナメは、猫に引っかかれてしまって。
「うぇへへ……いたーい♪」
 そこは猫愛好家にとってむしろご褒美であるが、カナメは単なるドMなだけらしい。
「街の人達のためにも、猫さんたちと遊ぶためにも頑張ろうっ!」
「みんなに愛されるべき猫が嫌われ者になってしまわないよう、一肌脱ぐとするか」
 気合を入れ直す焔に、利一もやる気を見せる。
「とても危険な依頼だけれど……頼れる子達といい感じに解決してみせるわ~」
 そんな仲間達の様子にレストも微笑みを湛え、猫達が自由奔放に活動する街へと歩み出すのである。


「「なー、なー」」
「「にゃうん、にゃああん」」
 まさに我が物顔で攻め込んだ街をのし歩く大量の猫達の鳴き声が街中にこだまする。
 1匹の猫をどうにか押さえつけても、新たな猫がやってきてどこかしこも収集できぬ状況に、住民達は頭を抱え込んでしまう。
「みゃん!(街の皆さんに目撃情報を聞いてメインクーン……赤目さんを探しましょう!)」
「そうだね。まずは巨大ネコを探さないとね」
 陰陽丸の鳴き声に同意するカナメは1人になることを避けてヨハンと行動し、街の人へと大きな猫を見なかったかと聞き込みを始める。
「赤い目とメークインでね。……あ、そこまで大きな猫じゃなくて」
 メークインだとジャガイモなのはさておき。
 3mある陰陽丸の方に注目が集まってしまうのは、仕方ないというべきか。
 ヨハンは戦略眼で猫の動き、雰囲気を目にして、メインクーンの場所を探る。
 思った以上にメインストリートでの証言を得られなかったことを彼は鑑みて。
「人の迷惑にならない場所……。やはり、裏通りでしょうか」
 そう推測を立て、ヨハンはカナメと路地に入っていく。
 丁度、その近場ではレストは街路樹、花壇の花などに自然会話で問いかけ、その居場所を探っていた。
 合わせて彼女は街に被害が出ぬよう保護結界も展開しつつ、ついでにと人気のない路地にて種の小箱からマタタビの種を取り出す。
「これでよしと」
 そうして、レストは街のあちこちにマタタビ癒しスポットを作り、猫を足止めしていく。
 レストのマタタビは他メンバーにも行き渡っており、ミィがそれを手にして懐柔を試みる。
 メインクーンはともかく、それ以外はごく一般的な猫だ。
「ふにゃーん、ごろごろごろ……」
 うっとりしながらマタタビに食いつく猫にうっとりしながらも、ミィは気を強く持って戦場となりそうにメインクーンを誘導するための下準備を行う。
 主だっては、街路の分岐点における進路の封鎖。
 ミィが巨体を生かして自ら壁となる他、モカが進路から離れる方向など、大量の重い荷物などで通路を塞いでいた。
 
 一方で、メインクーンの捜索も続く。
「猫さん達とお話出来れば早かったんだけど……」
 焔は自分にできることをと、猫に襲われて困っている街の人を助け、事情を尋ねる。
 そこで、焔は大型の猫がのっしのっしと歩いているのを見たとの証言を得ることができて、手応えを感じた焔は嬉しそうに跳び上がっていた。
 その焔の傍では、利一が猛獣使いのクラスに加えてワイルドスピリットのエスプリの効果を得て対していた。
「ちょっとごめんよ」
 レストから分けてもらったマタタビを分け与えつつ、額、顎の下、背中、尻尾と利一は猫の喜びそうなポイントを探る。
「この辺りかな?」
「にゃん、にゃうん」
 見極めた喜ぶツボを触ることで調教する利一は、その猫と目線を合わせて疎通し、混乱する猫などの説得へと当たらせていく。
 少しずつメンバーが状況を整えていく中、陰陽丸は猫達と穏便に接していくのだが。
「なーん! にゃう!」
「「うにゃっ、にゃあっ。ふーーっ!」」
 敵意を抱かれた数匹の猫に、陰陽丸は道を塞がれることもあって。
「ふかーっ!」
 彼は識別効果のある武器を活かして相手を脅し、強引に道を空けさせて。
「にゃん(道を開けな。そしてボスに伝えるんだ。やんちゃはここまでだってな)」
「「にゃん、にゃうん」」
 猫達は陰陽丸に恐れをなして、その場から走り去っていくのだった。


 のっしのっし。
 全長1mもあり、貫禄も兼ね備える赤目のメインクーン。なお、オスである。
「にゃふん」
 多数の猫を従えるカリスマにそれだけの戦闘力も兼ね備え、人間など歯牙にもかけず、恐れを知らない猫だ。
 この世界は混沌肯定の影響もあり、強さは見た目では測れない。
 こんな猫だって、並々ならぬ強さを持つことだって珍しくないのだ。
 慌てふためく街の住民を涼しい顔で眺めていたこの赤目猫は鼻高々に歩いていたのだが、突然束縛のリボンで縛り付けられて。
「は~い、イタズラ猫ちゃん捕まえたわよ~」
「にゃにゃっ!?」
 大型猫は事態が把握できぬままレストに引っ張られ、裏通りの広場まで誘導されていく。
「みゃみゃみゃあっ!」
 助けに来いと叫ぶ赤目だが、生憎とレストのマタタビスポットやモカの荷物、ミィのブロックに遮られる。
 焔はファミリアーで使役する鳥の視覚情報を元にして上空から道を確認し、猫達が合流できぬよう炎で道を塞いで分断していた。
「みゃーん、にゃぅ!」
 さらに、赤目より大きな陰陽丸が吹かすアニキカゼに臆し、その場から走り去ってしまう猫の姿も。
「にゃう、にゃにゃっ!」
「なーぉ、にゃー(話ができそうですね)」
 中には赤目を慕う者もおり、退かぬ猫の姿を見た陰陽丸はしばし話を聞くことにしていたようだ。

 さて、誘導先の広場はヨハンが発見した上で、この場に誘導する手はずを整えており、彼は統率スキルを使って人払いしつつ効率的な指揮系統を築く。
「来ましたね」
 レストは誘導には時間をかけていたはず。
 他メンバーと足並みを揃えヨハンは、暴れる赤目の攻撃を集中して受けるレストを守る。
 リボンの拘束から逃れた赤目が素早くこの場をチェックし、再び大声で咆哮を上げた。
「なあーーーーーーぉ」
 しかしながら、駆けつける猫はせいぜい2,30体といったところ。
 そのほとんどは何らかの形でこの場にはたどり着けなかったようである。
「追い込みだね」
 カナメの声に頷く利一は武器を手にして。
(もふにゃんこを攻撃するのは気が引けるが……、ここは心を鬼にしてお仕置きしないとな!)
 誘導に当たっていたメンバーも駆けつけてきたのを受け、利一は赤目のメインクーンを無力化すべく、その刃を突き出すのである。


「にゃにゃあっ!!」
「「にゃあっ!!」」
 鳴き声を上げる赤目に呼応するように猫達も鳴き、一斉にイレギュラーズ達へと飛び掛かってくる。
 これ以上、乱入されぬようにと、焔がこの広場の周囲をギフトの炎で包む。
(近づかれたら熱くないのはバレちゃうかもだけど、時間稼ぎくらいにはなるよね)
 その間に、カナメはフリーになった赤目を煽って。
「あれれー? ネコちゃん案外すばしっこくないんだねー。これならすぐ掴まちゃうねー?」
「にゃううん!」
 それにのった赤目は早速カナメへと猫キックを繰り出す。
 あくまで懲らしめるのが目的。カナメは火力が高めのスキルを避け、拳での牽制に移る。
「「うにゃにゃああん!」」
 数は減ったが、それでも猫の数はこちらより多い。
「赤い瞳のメインクーンに戦力を集中させましょう」
 先手必勝の利を作ろうと、ヨハンは仲間達と主に一気に攻め込む。
「「にゃにゃにゃああん!」」
 飛び掛かってくる配下猫達の攻撃はレストが旅行鞄を盾に受け止めながら、仲間の手当てに当たる。
 また、防御を固めるミィは仲間を守りながらも、赤目へと慈悲を帯びた一撃を叩き込んでいた。
 とはいえ、猫達全てを防ぎきるのは難しい。
 猫に絡まれながらも、モカは速度を持って赤目へと攻撃を打ち込むが、赤目も毒を伴うひっかきで応戦してくる。
「相手は普通の猫じゃありません。気を抜かずに行きましょう」
 直感で戦況の把握に努めるヨハンが仲間を立て直す号令を発する中、距離を取る利一が因果を歪める力で赤目に銃弾を撃ち込む。
「んなーん!(穏便にいかないなら喧嘩です!)」
 陰陽丸も仲間に合わせ、赤目を大人しくさせるべく審判の一撃を浴びせかけていくのである。

 戦闘自体は他の魔物などに比べれば穏やかなもの。
 それというのは、いい形での猫達との決着を望むイレギュラーズ達は力を加減しながらか戦っていたからだ。
 カナメなどは拳を打ち込み続け、高い力を持つ赤目の無力化を狙っていた。
 だが、赤目は並々ならぬ力で応戦し、不気味な鳴き声を上げながら鋭い爪を振るってくる。
 相手に麻痺を与え、モカは蹴り技での攻撃に切り替えていたが、思わぬ爪の一撃をもらってしまい、パンドラの力にすがらざるを得ない状態となっていた。
「「にゃにゃにゃあん!!」」
 周囲の猫達は赤目を守ろうとその身を挺してくるが、ヨハンの号令がそれをさせない。
「オールハンデッド! 目標、ねこ! 目標、ねこ! 撃ち方はじめーっ!!」
 ここぞとヨハンが仲間達へと号令を出すと、ミィがなおも慈悲の一撃をと渾身の一撃を打ち込む。
「今回の目的はあくまでも懲らしめる為。命までは奪いません!」
「お仕置きだよ、猫さん!」
 さらに、焔も命を奪わぬようにと手にする槍で殴り掛かる。
 続けざまに利一も拳を叩き込んでいくと、赤目の動きが鈍りだしたことで、レストが攻撃を止める。
「んにゃぅ!」
「んみゃ……う……」
 陰陽丸が顎にねこぱんちを浴びせかけると、赤目はついに目を回して倒れこむ。
 それに合わせ、配下の猫達も戦意を失い、降参とばかりに仰向けになってお腹を見せていたのだった。


 ようやく大人しくなった赤目を中心に、レストは調和の力で癒しに当たる。
「このメインクーンに、名前つけてあげましょう。……『たこやき』、なんてどうでしょ」
 観念した赤目メインクーン(♂)を抱えるヨハンがそう呼び始めたこともあり、名前は「たこやき」に決定した。
「……え? メークインじゃないの?」
 なお、カナメはようやくそこで、赤目の品種がメインクーンと認識したようである。
「ああ、できるなら、両腕で猫ちゃんを抱いてみていいですか……?」
 巨躯のミィには普通の猫はかなり小さく、片手で抱えることができるが、全長1mもある赤目ことたこやきは彼女にとってちょうどいいサイズなのだという。
 好きにしろニャと言わんばかりのたこやきを抱えるミィ。両腕でもふもふを堪能する彼女は実に幸せそうだ。
「にゃにゃん(赤目……たこやきさんは強いですが、上には上がいるものです)」
 陰陽丸がそんな大型猫へと呼び掛ける。
「みゃーぉ、なぅ(猫は力ではなく愛嬌。街の人達と仲良く暮らせばもっと良い猫生となるでしょう)」
「みゃう……」
「みゃーん(立派なボスになってくださいね)」
 陰陽丸に諭され、たこやきは大きく頷いていた。
「人の迷惑にならないよう生きろ」
 モカもそっけなくそう語りかけ、その場から去ろうとした。
 ただ、そんな彼女の後ろに子猫数匹がついていて。
(私のことが気に入ったのだろうか……)
 そんな子猫達を抱えたモカはこの場の猫達に了解を得て、連れて帰ることにしたようだった。
「大勢のネコちゃん達、たこやきっちについていきたいのかな☆」
 塞がれていた通路を越えてやってきた猫達が徐々に集まり、たこやきへと向かっていく光景に、カナメが思ったままを口にする。
 野良でもペットとしてでも、街の人達と仲良く暮らしてくれれば。
 そんな希望とは別に、カナメは何匹かローレットに連れていきたいようだったが。
「きっと、みんな癒されると思うんだけどなー☆」
 とはいえ、やっぱり無理となった際に困ってしまう為、カナメは一時断念することにしていたようだ。
 そこで、レストが動物疎通でこんな提案をたこやきへと持ちかける。
「ねぇねぇ、街を支配するんじゃなくて、共存してみたらいいんじゃないかしら~?」
 人と猫の共存。悪いことをしなければ、街の人もきっと受け入れてくれるとレストは主張する。
 それには、利一も同意しており、多くの人が行き交う街だからこそ、猫達はたくさんの食べ物がもらえ、街の住民も更なる活性化が望めるWIN-WINの関係になると主張する。
「君達にとっては、ある意味この街の『支配者』になるようなもんだよ」
「みゃあう……」
 些か、人間に不信感はあったようだが、たこやきはしばらく、多数の配下猫達と共に裏通りで大人しくする構えのようである。

 その後、後片付けの為、作戦で封鎖した道は実際に塞ぎに当たったミィやモカが片付けに向かう。
「倒したら、ちゃんと後片付けしないとね」
 焔は自身で点けた炎の火消しと合わせ、猫達が暴れた街の方も片付けに向かおうと考えているようだ。
「今更かもしれないけど、猫さん達の扱いが悪くならない為にも頑張るよ」
 そこで、人と猫が共存する『猫まみれの街』として大々的に宣伝……なんて未来予想図をレストが口にする。
「これから、街の人達の説得……。まだまだ大変ね~」
「そうだな、しっかりと根回しをしなければならない」
 レスト、利一はまだまだ働く気満々だ。
「上手くいったら、街は収入が増えて幸せ、収入源の猫達も大事にされて幸せでハッピーエンドにならないかしら~」
 それはここからのイレギュラーズ達の手腕の見せ所。
 ともあれ、猫達を大人しくすることに成功させた一行はひとまず、情報屋やローレットへの報告もあって解散することにしたのだった。

成否

成功

MVP

レスト・リゾート(p3p003959)
にゃんこツアーコンダクター

状態異常

なし

あとがき

 リプレイ、公開です。
 MVPは大量のマタタビで猫のほとんどを足止めしたあなたへ。
 街の路地に住み着く形となった猫達。そして、街の住人の説得などなど。まだ問題が山積しそうなので、続編を考えております。
 ご参加、ありがとうございました!

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