PandoraPartyProject

シナリオ詳細

朝焼けの喫茶店

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●日が昇った頃

 見上げると淡い橙色が太陽が昇り始めた空に溶け込んで美しい朝焼けが広がっていた。午前。小さな紙きれの地図を見ながら路面電車の線路の上をせかせかと歩く。煉瓦造りの時計塔、和と洋が入り交ざった不思議な館、大きな看板を掲げている小さな劇場
待ちゆく人達は足早に通り過ぎていく。懐から出した懐中時計をチラリと見ては溜息をつく者、路面電車を慌てて追いかける者、風呂敷包みを抱えて誰かを探すようにキョロキョロと辺りを見渡している者
普段見慣れない建物を横目に、目的地である喫茶店にたどり着いた。屋根には瓦が敷き詰めてあるが、硝子窓から覗く店内はテーブルがあり、ソファーがあり、大正モダンを思わせる内装だ

取っ手に手をかけた瞬間、ふんわりと紅茶の香りが鼻を優しく撫でた。カランカランと戸に付けてあるベルの音が店内に響いた
「いらっしゃいませ。お好きな席にどうぞ」
 と、髪がすっかり白くなってしまった年寄りが微笑んだ。年寄りはカウンターの内側で真っ白い楕円のお皿を一枚ずつ丁寧に拭いている。恐らくこの喫茶店のマスターだろう
 店内は朝焼けの明かりで照らされており、ゆったりとした葡萄茶色のビロードのソファーに腰を下ろすとその明かりがなんとも心地よく感じる。蓄音機で再生されるレコードの音楽は爽やかな朝に相応しい軽快なピアノソロ。どこか優しさを感じるメロディーだ
暫くの時間が経ち、マスターが紫檀のテーブルに「失礼します」と水が注がれたグラスを置いた
「ご注文が決まりましたらお声かけください」
 そう言うと、マスターはまたグラスを拭きにカウンターに戻っていった
 テーブルの端に立ててあるメニューを持ち上げ広げる
 
『Menu
モーニングセットA(サンドイッチ、サラダ、スープ、紅茶or珈琲)
モーニングセットB(オムレツ、サラダ、スープ、紅茶or珈琲)
モーニングセットC(グラタン、スープ、紅茶or珈琲)
ワッフル
ホットケーキ
紅茶
珈琲                               』

 万年筆で書かれているであろう文字は所々擦れていてだいぶ使われているようだった。どれも魅力的なものばかり、だがどれにしようか悩めば悩むほどに時は進み腹は減っていく。朝は時の流れが一層早く感じる。「今日はこれにしよう」と決め、手を挙げると、マスターが顔を上げゆっくりと頷いた
「只今ご注文をお受けします」

――――

●ゆったりとした朝を

「君達は、特異運命座標として日々奮闘しているけど、偶には忙しい朝に落ち着いた喫茶店で美味しいものを食べて一日に必要な英気を養ってもいいんじゃないかな」
 境界案内人のカストル・ジェミニはそう言うと微笑んで栞が挟んであった本を開いた
「大正時代って知ってる?日本っていうどこかの世界にある国が、異国の文化を沢山取り入れた頃の時代だよ。今日はそれによく似た世界へ遊びに行ってみない? ゆっくりするのは午後だけだと思ったら大間違いだからね」
 そう言ってカストルは本に挟んでおいた一枚の紙きれを一人一人に手渡した
「それじゃあ楽しい朝を過ごしてきてね」

NMコメント

こんにちは。初めましての方は初めまして。佐茂助と申します

今回は先日お送りしました黄昏時の喫茶店のモーニングバージョンです
朝って何かと忙しいですよね。二度寝したくてもできないことが多く、朝があと3時間くらいあればいいのにといつも思っています

<目的・目標>
喫茶店で楽しく朝ご飯を食べる

マスターとお喋りしても大丈夫です。朝だから少し忙しいかもしれませんが
他なにかしたいことなどがあればお気軽お書きください。大正浪漫っぽいことなら喜んで書きます
グループ参加も歓迎です

皆様のご参加をお待ちしております

  • 朝焼けの喫茶店完了
  • NM名佐茂助
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年03月24日 22時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (4人)

ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
天穹を翔ける銀狼
回言 世界(p3p007315)
貧乏籤
日車・迅(p3p007500)
狼拳連覇
羽住・利一(p3p007934)
特異運命座標

リプレイ


「Cセットとホットケーキを」
 『天穹を翔ける銀狼』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)は指先でくるりと宙に魔方陣を描く。すると、魔方陣の中から小さな羊がぽんっと現れた。
「これは、なんともお可愛らしい」
「私の分のホットケーキは後に出してくれ。それと、セットの飲み物はミルクティーをホットで」
「はい。畏まりました。モーニングセットのCと、ホットケーキがお二つでございますね」
「あぁ」
 マスターは注文を書き込んでいた紙から顔を上げ、軽く頭を下げてからカウンターへと戻っていった。
ゲオルグは猫舌だから熱いものは苦手なのだが、今朝はグラタンが食べたい気分らしく、カウンターから漂うホワイトソースの香りに肩を揺らせた。
 暫くすると、マスターが「お飲み物をお先に」と、テーブルの上にティーカップをそっと置いた。それからまた暫く待っていると、ホットケーキとグラタン、コーンポタージュスープが続けて並べられた。
ゲオルグはまず銀のフォークとナイフでホットケーキに切れ込みを入れる。ジークの為に小さく切り分けているのだ。そして、切り分けたホットケーキを少し食べさせてあげる。ジークはパクパクと美味しそうにホットケーキを口に頬張った。
ゲオルグは別のフォークを持ち替え、グラタンに差し込む。表面の焼けたチーズのサクッとした感触と共に
中から濃厚なソースとマカロニが現れた。心躍るのも仕方のないこと。それにふーふーと息を吹きかけ冷ました後、口の中へと運び入れれば、ゲオルグは思わずハフハフと息を小刻みに吐いた。
……でもそう、そうなるのがわかっていても食べたいのだグラタンが!
口の中に広がる濃厚なソースの味にマカロニの食感。焼けたチーズの香ばしさの織りなすハーモニーは、猫舌であっても味わいたいものなのだ。
グラタンが半分ほど減ったところで、ゲオルグはコーンポタージュスープをスプーンですくい、口に入れた。口の中に広がる優しい甘さが、全身をほかほかと温めているのを感じる。

そして、すっかりグラタンもコーンポタージュスープも空っぽになってしまうと、お待ちかねのホットケーキの時間だ。
ふんわりと焼き上げられた二枚重ねのホットケーキにフォークを入れる瞬間。しゅわっという軽快な音と共に、とろけたバターと蜂蜜が皿の上に流れ出す。その感動は何度味わっても色あせることはない。

全部食べ終わって、ゲオルグはミルクティーをゆっくりと飲み終えた。
「今日も一日頑張ろう」



「ふむ、大正時代っぽい世界か。ちょっと古めかしいがこのレトロ感がたまらないよなぁ」
 『凡才』回言 世界(p3p007315)が木製のドアを押すと、カランカランとベルの音が響いた。
世界は店内をぐるりと見渡してから、大きなガラス窓の近くの席にゆっくり腰を下ろした。
喫茶店に来たならまずはやっぱりモーニングセットだな。3種もあるのか……どれも良さそうで悩むが今回はサンドイチのあるAにしよう。
 と、世界は小さく手を挙げてカウンターに立っていたマスターを呼んだ。
「Aセットを」
「お飲み物は何になさいますか?」
「んー、じゃあホットコーヒーを」
「畏まりました」
 優しく微笑んで、マスターはカウンターへと戻っていった。
 時計の長針が八つ程進んだ頃にテーブルにサンドイッチやサラダ、スープ、コーヒーが並べられた。
世界はコーヒーカップを口に付け、傾ける。ふんわりとほろ苦い香りが鼻をくすぐる。それからサンドイッチを頬張り、またコーヒーを口に含む。
ふと、視線をカウンターに向けると今朝届いたばかりの朝刊が置かれていた。
「もし、……読んでもいいかい?」
世界はマスターに朝刊を指さし声をかけた。
「えぇ、勿論」
 マスターはこくりと頷き、朝刊を世界に手渡した。世界は席に戻ると、朝刊を広げる。右から左に書かれた文字は、見慣れず少し読みずらい。だが、読めないわけではない。内容は特に面白くもおかしくもないごくごく平凡なものだ。
 そうして暫くの間、世界はコーヒーを片手に新聞を広げていた。

モーニングセットを食べ終えると、世界はデザートのワッフルとホットケーキを注文する。
ふんわりホットケーキにはシロップをたっぷりと掛けて、熱々のワッフルは紅茶と共に。幸せな甘さが世界の口の中いっぱいに広がる。
「両方とも食べ終えてもまだ腹に余裕があるならもう一回頼むのもいいかもな。甘い物は別腹って言うし」
 ホットケーキとワッフルを口に運びながら世界はぽつりと呟いた。



ソファーにゆっくり腰をかけながら、『何事も一歩から』日車・迅(p3p007500)は腕を組んだ。
「ただのんびりしていれば良いとは……ありがたい事ですね。戦うのは好きですが、やはりこのような時間も大切です」
 それから迅はメニュー表を開きながら目を細めた。
「では、お言葉に甘えてゆっくり過ごすといたします。……せっかくなのでメニューの制覇でもちゃれんじしましょうか!」

「ご注文はお決まりになりましたかな?」
「うーん、モーニングセットBを。悩みましたが飲み物は紅茶でお願いします」
 マスターは注文を聞き終わると、軽く頭を下げた。

暫く経つと、マスターがトレーを腕に乗せて戻ってきた。
テーブルに並べられた料理を見て迅はごくりと唾をのんだ。オムレツはナイフを入れると中からトロリとチーズが流れ出した。ふーふーと息を吹きかけ口に入れると、とろとろの半熟卵とまったりチーズが混ざり合う。次に迅はサラダの入ったガラスのお皿を手に取る。瑞々しいレタスと、大ぶりの真っ赤な完熟したトマト、赤と黄色の甘いパプリカ、薄く切られた紅色の生ハム。シャキシャキとした歯ごたえがなんとも心地良い。そして、オニオンスープをスプーンですくい口に流す。程よい塩加減とパンチの効いたオニオンの風味が鼻を通る。
「うーん。美味しい!」
 美味しいモーニングに迅はにっこり微笑む。
「マスターは腕が良いですね。ここが異界でなければ常に通うのに、残念です。
でも朝から良いものをいただきまして僕はとても幸せ。残りも大事に食べましょう。」
もぐもぐと口を動かして、皿の上がすっかり空っぽになってしまうと
「これはAセットやCセットも素晴らしいものに違いありません。」
 と、迅は続けて注文を追加する。
 料理を待ちながら、迅はのんびりと店内に流れるレコードの音楽に耳を傾ける。
 それからAセットもBセットもぺろりと平らげてしまうと、迅は紅茶のおかわりとワッフルとホットケーキをお願いする。一瞬、目を丸くしたマスターは微笑んで頷いた。

「ああ、良いですね。何て素敵な時間でしょうか……」

戻れば闘いの日々。それは望むところなのですが。ワッフルおいしい。
このお店に元気を貰えたのでさらに頑張れそうですね。ホットケーキおいしい。
ほかほかのワッフルとふわふわのホットケーキを口いっぱいに頬張りながら迅は幸せな時を噛み締めた。

「ふぅ。ごちそうさまでしたマスター!幸せな時間をありがとうございます!」
次はいつになるか分かりませんが、またこの店に遊び来れる日を楽しみにしていますね!!
ぱんぱんに満足した腹をさすり、迅は喫茶店のドアノブに手をかけた。



今日の午前中は、何の予定もなくゆっくりと寝ていられる……はずなのに、いつものクセで目が覚めてしまった……。外はもう十分に明るいし、二度寝するのも何だかもったいないな。
ベッドの脇に積まれた本を見ながら、『特異運命座標』羽住・利一(p3p007934)は欠伸をした。ベッドから立ち上がり利一は先日カストルに教えてもらった喫茶店を思い出した。
せっかくだしちょっと行ってみようか。
利一は身支度を整え、家を出た。まだ空には紫が混じっていた。

外の様子をゆっくり眺めながら紅茶を飲もうと、利一は窓側の席に腰を下ろした。カウンターからも近く、こぽこぽと膨らんでは弾ける丸い硝子で温められている珈琲が見えた。
テーブルに置かれた水の入ったグラスを手に取り、水を一口含む。
「マスター、モーニングのAセットで、飲み物は紅茶」
 利一はカウンターでグラスを拭いていたマスターに呼びかける。マスターは首を立ててに振ると、キャビネットから白い皿を取り出した。
注文を終えた利一は、小説を鞄から出し、開く。
キリのいいところで小休止しては視線を店内に移し、また本の世界に戻る。サンドイッチやらサラダやらがテーブルに並ぶと、一旦本を閉じる。食べ終わればまた本の世界へ戻る。ゆったりとしたルーティーンを過ごす。

「なぁ、マスター。随分と素敵なデザインのティーカップだけど、どこから仕入れているんだい?」
 座っていた席の近くを通りかかったマスターに、利一は何気なく疑問を問うた。
「そうですね。店の大半は近くにある雑貨屋で揃えていますよ。西洋の品物が沢山置いてあるんです」
「へー、そうなのか」
「店を出て暫く西に歩いて行った所で、随分とお世話になっているんです」
「私も後で寄ってみようかな」
「是非、寄られてみてください」
 マスターとの他愛のない会話をぽんぽんと重ねていると、カップの中の紅茶はあっという間になくなっていった。

―気づいたらもう昼か、時間の経つのは早いものだね
日がすっかり上がりきった空を見ながら、利一は呟いた。それから会計の為に席を立った。
「美味しい紅茶をありがとう」
 と、一言。会計を済ませながら微笑んだ。マスターは嬉しそうにはにかんだ。

成否

成功

状態異常

なし

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