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シナリオ詳細

《狐の嫁入り 異聞録弐》都市を豚人から護る為に!

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

■二人の長
「ほう、ほう。良く来てくれた。俺の名はスーラク・ルークスだ。この都市の長と騎士団長も兼任している」
「……此度は我らの無礼を許して貰い、その上お招き頂き感謝。族長のギルダス、だ」
 スーラクが取りまとめる城塞都市。その中でも一際大きく堅牢な建物の中で二人の男が会談を始めていた。にこやかに、とはいかないが。剣呑な空気でもない。ただ、お互いに。相手に気圧される事のないように、と自分をしっかりと持っているだけ、だ。
「なに。あそこの森は義兄弟の護る地。きちんと話を通せばわかる男よ」
「……うむ。取次をして貰った事は感謝している。おかげで皆も安心して暮らせる」
「だが、いつまでも無償で。とはいかぬぞ?」
「わかっている……」
 一瞬だけ、スーラクの眼光が鋭くギルダスの身体を射抜く。まるで、「俺の言いたい事はわかっているな?」と念を押すように。
 だがギルダスも怯む事無く。落ち着いた物腰を崩さずに弁を返す。
「……ご子息に協力すれば良いのだろう?」
「ああ。彼ら彼女らの力を借りても良い。とにかく……」
 息子が自慢する『友人達』が今この都市には滞在している。ギルダスも何人かとは顔を合わせたところだ。信頼できる、と肌で感じれる、心根のいい者達であった、と。
 そこまで語り合ったところで、スーラクは窓から、眼下に広がる都市を見下ろす。
 その背を、ギルダスの瞳が見つめる。
 オークの暴走を、止めねばならぬ、と。

■あなた達の選択は?
「……ということで。先日の話に続けて、になるけども。城塞都市の騎士団達と連携してオーク達の暴走を止めて欲しいの」
 見慣れた背表紙の本を手に。境界案内人のポルックスはそう語る。
 4箇所でオーク達が暴れだすので、そこを騎士団員達と捕まえて欲しい、と。
「荒事ばかりになっちゃうと思うけど、自信なくても大丈夫。騎士団の人達は皆協力してくれるし、強い人達も援護してくれるから!」

NMコメント

 異聞録なのに第二話です。以下略です。
 城塞都市にて4箇所同時に起きるオークの暴動を騎士団と連携して防いでくださいませ。
 以下発生する場所と、協力NPCの詳細です。
■城塞都市の下水道出口
 多数のオーク達が使っている抜け道です。目撃情報が入った為に見張りをつける事に。
 ここではかなりの数のオークと戦う事になります。一人ひとりは大した事はないですが、なるべく逃さずに捕らえてください。
 ここでの協力NPCは、イグニス・ルークスと彼が率いる騎士団です。片手槍と盾を持ったロイヤルナイト。統率に優れ、1対1では絶対にオークに負けません。但し集団戦は苦手な模様。
■城塞都市の不審な空き家
 いつからか人が住まなくなった空き家……のはずですが。オーク達が今は占拠しているようです。場所は下水道管理施設のすぐ傍です。
 中に押し入るとオークにしては屈強な個体が5人います。倒して捕らえてください。
 ここでの協力NPCはスーラク・ルークスと彼が率いる精鋭騎士団員です。騎士団長だけあって強力で、油断しなければ負けはありません。但し任せっぱなしにすると不測の事態が起きるかも……?
■街の食堂
 城塞都市の西側にある、人気の食堂です。どんな時間帯でも盛況ですが……オーク達数人はここで食い逃げを働くようです。
 強力な敵はいませんが、逃げ足は早いです。しっかりと張り込み、警備を行って下さい。但し一般客を怯えさせないように、一般客に紛れて警備をするように店側からは頼まれています。
 ここでの協力NPCは、メルティ・ルークスと彼女率いる女性騎士団員です。イグニスの奥さんです。ホワイトオデット相当の強さを誇り、遠距離攻撃と回復技能に長けます。但しすばしっこい相手は苦手なようで……。
■街の酒場兼宿屋
 都市の中央付近に存在する大きな宿屋です。24時間いつでも開いている酒場が特徴。
 ここで荒くれ者のオーク達が酒に酔って暴れだすので取り押さえて下さい。
 協力NPCはギルダスと彼に預けられた騎士団員です。ギルダス個人はスーラクに匹敵するほどに強力ですが、騎士団員の中には彼に不信感を持っていて非協力的な者もいる様子。イレギュラーズがしっかりと指示を出せば、全員従ってくれます。

 以上となります。長くなりましたが……皆様がそれぞれ分担して動けば負けはないシナリオです。よろしくお願いいたします。

  • 《狐の嫁入り 異聞録弐》都市を豚人から護る為に!完了
  • NM名以下略
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年03月13日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)
白銀の戦乙女
ティア・マヤ・ラグレン(p3p000593)
穢翼の死神
紅楼夢・紫月(p3p007611)
呪刀持ちの唄歌い
ルリム・スカリー・キルナイト(p3p008142)
勇気のチャロアイト

リプレイ

■少女騎士(見習い)の誇り
「ギルダス様、お久しぶりでございますわ!この度はよろしくお願いいたしますね!」
「……うむ」
 「姫騎士」を目指す者』ルリム・スカリー・キルナイト(p3p008142)の元気な言葉に、静かに頷くギルダス。そして……
「騎士団の皆様も、どうかよろしくお願いいたします! この街に住まう民の為にも、皆様の誇りの為にも!」
 礼儀正しく、されど強い想いと信念を込めて声を張り上げ。一礼するルリムの姿に。騎士団員達は暫し顔を見合わせ……そして、声を揃えた。
「あなたのような若者に、騎士を教えられ……なのに腐っていては、騎士を名乗れないでしょう」
「それでは……!」
「ギルダス殿、大変失礼致しました。此度は……一度私情を起き、共に尽力致しましょうぞ!」
「……ああ、宜しく頼む」
 ルリムの想いが、小さな誇りが。騎士団員達の心を動かし、ギルダスとの間の蟠りを溶かしていく。ギルダスも、少しばかり肩の力を抜いて、僅かに笑った。
 街を守る、と意志を一つにしたところで。酒場になっている宿屋の一回部分から怒号が響く。
「……っ! 皆様、行きましょう!」
「おう!」
「突入っ!!」
 ルリムとギルダスを先頭に。そして3名の騎士団員が入り口を押さえる殿につき、酒場に飛び込む。
 そこでは8人のオークが、酒瓶片手に店員に乱暴を働こうとしていた。すんでのところで飛び込んだ一団に注目が集まり、その間に店員はカウンターの影に隠れる。
「オーホッホッホ!そこまでですわ!酒の勢いに任せて狼藉を働こうなど言語道断。この騎士見習いルリム・スカリー・キルナイトが居る限り、これ以上の狼藉は許しませんわ!」
 いつもの高笑い混じりの名乗り口上。そしてルリム自身は無自覚だがギフトの効力によりオーク達の敵意は全てルリムに向かい、襲いかかる!
「むんっ!」
 ルリムに飛びかかるオークの一人をギルダスが背負投で沈黙させ。更に二人目、三人目もルリムを庇うべく立ちふさがった騎士団員達に取り押さえられ。
「簡単には負けませんわよ!」
 大柄な剣、ジャスティスソードを振るうルリムによってまた一人のオークが目を回して倒れ伏す。

■空き家での大乱闘
「ローレットにもオークはいた様な気がするけど、世界によっては悪いオークもいるんだね」
『この世界では人に害を成す存在の様だ、遠慮する事は無いだろう』
「そうだね、新しい能力も得た事だししっかり倒して行こうか」
 2つの魂を1つの身体に宿す 『穢翼の死神』ティア・マヤ・ラグレン(p3p000593)が、件の空き家を前に、スーラク率いる騎士団と合流。作戦を確認し合う。
「ほう、ほう。見た目は若い嬢ちゃんだが、期待して良さそうだな?」
「ええ。スーラクさんも、よろしくお願いいたします」
 値踏みするようなスーラクの視線にも怯まず、ティアは扉を開けようと前に進む。
 バンッ!
『なっ!? 突破する気か!?』
「させない……!」
 突然中から扉を蹴破り、駆け出してきたオーク達。しかしティアは、スーラクはそれしきで動きを止める程の者ではなく。
 ほんの少し開いた距離を、一瞬でティアは詰め。走るオークの背に杖の先端を突き立てる。それにオークがもんどり打って倒れたところにもう一撃。
 スーラクも騎士団を統べる長だけあり。その手に掴む剛槍の一撃で屈強な体格を誇るオークの一人をあっさりと吹き飛ばしていた。
 後は三人。屈強とはいえ所詮はオークか、と油断していた騎士団員の一人が顔を殴られ気絶する。
「むっ、馬鹿者が油断しおって!」
「大丈夫……!」
 叱責するスーラクを他所に、ティアがカバーに入り。強力無比な一撃を食らったオークはそのまま昏倒する。残りは二人のオーク。だがその二人も騎士団員達に囲まれ時間の問題だろう。
「いやはや、見た目以上に強き者だったな、嬢ちゃん」
「どういたしまして」
「久々に滾るわ……どうじゃっ!」
 にやり、と笑ったスーラクが、手の剛槍をティアに突きつけ。しかしティアは半身ずらしただけでそれを回避。キッと睨みつける。
『どういうつもりだ……?』
「1つ、軽く手合わせでもせんか?もうここも終わりだろうて」

■食堂でのひととき
『犯罪を犯す人はオーク云々関係ありませんが、大人しく捕まっていただかなくてはいけません!なぜかちょっと私が個人的に引っかかる部分がありますが、乱暴狼藉、阻止します!』
『個人的に引っかかる、がわかりませんが、その意気やよし!頑張りましょう!』
 『朝を呼ぶ剱』シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)とメルティの、約2時間前の会話である。
 そう、2時間前。ずっと彼女らを始めとした騎士団員達は食堂で待機している。と、いうのも。彼女たちの作戦は、食い逃げオークに対し好きなだけ食事を送りつけ動きを鈍らせる、というものであったが……とにかく食事が長い。どれだけ飢えているのかと。
 時折店員が不安そうに見つめてくるが、頷き返すしかできない。商品代は騎士団が責任持って払う、と約束したのだが……一体幾ら分になるのだろうか。何杯目になるかわからないコーヒーを啜りながらシフォリィは考えるのを止めた。対面に座るメルティも同様のようだ。ちゃっかりケーキを頼んでいる。
「あ、お、お客さんお代金ー!!」
 と。うっかり任務を忘れかけた二人の耳に店員の叫び声が響く。ようやくオーク達が動いたようだ。さっと二人が手をあげると、待ってましたとばかりに騎士団員達が立ち上がり、出入り口を全て塞ぐ。
「逃しませんよ。ずっと、ここで待っていた分……しっかり働きますから!」
「神妙にお縄につきなさい!」
 剣を抜くシフォリィと、式符を読み上げるメルティ。そして逃げ場を塞ぐ騎士団員達に恐怖したオーク達は。元々の戦闘能力の低さもあり、あっさり捕まり、或いは投降していた。それはもう、手応えが全くない程に。
「シフォリィさんの作戦が見事に当たりましたね」
「いえいえ……皆さんのご協力があってこそです」
「ふう……安心したらお腹すきましたね。すいませーん」
「えっ」
 唖然とするシフォリィを尻目にさらに料理を注文しようとするメルティ。こっそり逃げようと試みるも、がっしりと腕を掴まれ……後の彼女たちを知る者は、店員達しかいない。

■下水道口の死闘
「別の世界とはいえこっちのオークも人様に迷惑かけるんやねぇ。被害が出る前に対処せんとねぇ」
 どこか間延びした口調でイグニスに語りかけるように、もしくは独り言のように。『呪刀持ちの唄歌い』紅楼夢・紫月(p3p007611) はそう語る。
 一方のイグニスは、「普段はそうじゃねぇんだがな」とだけ返し。油断なく下水道の出口を張り。彼が率いる騎士団員も皆、盾を構えいつでも戦闘に入れる体勢であった。
 暫くそうして……紫月の耳が、音を拾う。大多数の足音を。
「来るで、イグニス君」
「……何?」
 イグニスの耳にはまだ届かない音。しかし紫月の聴力の前では逃さぬ音。妖刀を鞘から抜き、薄っすらとどこか色っぽく、されど妖しく笑う紫月に寒気を感じたイグニスは、全隊員に号令をかける。
「もうすぐ賊が来るぞ!気を抜くな!」
 それからは、一方的な狩りの場所。
 先頭で現れたオーク達は、待ち構えていた紫月の飛ぶ斬撃に薙ぎ払われ。
 その横をすり抜けて逃げようとする者達も、イグニス率いる騎士団の壁を突破する事叶わず。
 そして騎士団達の背の後ろ。舞うように、楽しそうに刃を振るう紫月の。羽織がひらひら舞う舞台。
 一人のオークは後にこう語る。まるで彼女は、歌い手のようで踊り手のようで。
 死神であった、と。

■しかしてその背景には
「……何?オークロード、だと……!?」
 捕らえたオーク達を一先ず牢屋に振り分けて。一部のオーク達から事情聴取を行った騎士団達。
 当然その話は長であるスーラク達に届く。その内容に、さしものスーラクも驚愕の色を隠せず。
「オークロード……オークの長、ですか?」
「……いいや、そんな生半可なものではない。もっとおぞましい……化け物だ」
 ルリムの問に、ギルダスが重々しく答える。彼の者が現れれば、自然の均衡は壊されるとまで言われた者。
「なるほど……オーク達の暴走は、そいつが現れたせいと思えば……辻褄は合う」
『魔王とかの一種みたいだな』
 ティアのもう一つの魂が、腕に包帯を巻きながら呟く。なお、腕の怪我はスーラクとの『手合わせ』で負った物であると追記しておく。
「……魔王、か。言い得て妙だな。伝承通りなら、その名に相応しい厄災が起きるぞ……」
「それはそれは……一度、見てみないとやねぇ」
 楽しげにそう笑う紫月。その内心も、新たな強敵に出会える事に震えているのだろうか。
「スマンな、友人達よ。また力を借りる事になるだろう。暫し身体を休めてくれ」
 重々しくそう告げるスーラク。
 しかし彼にトドメを刺したのは……。
「あ、これ。請求書です」
 シフォリィが持ち帰ってきた、食堂からの請求書であったという。

成否

成功

状態異常

なし

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