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シナリオ詳細

<Spooky Land>悪戯っ子だらけのゴーストハウス

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●開園は突然に
 空ににっこりと笑う三日月が輝く夜。
 背丈以上もある顔付きカボチャのゲートの向こうからは、明るく、少し調子外れな音楽が聞こえてくる。ぽっかりと開いたカボチャの口に、意を決し足を踏み出せば――
 眼前に広がったのは、ジェットコースターにカルーセル、あらゆる種族の人々が楽しげにはしゃぐ姿。ああ、ここは確かに『遊園地』だと合点がいく。
 けれど、どこか引っかかる。カボチャの観覧車に、燃えるカルーセル。子どもが齧っているのは、真っ赤な血の滴るロリポップキャンディ。それに、従業員の姿が――?

「やぁ、ゲスト諸君! 終わらない夜の遊園地『Spooky Land』へようこそ!」

 カボチャ頭のてっぺんに、金ぴかの王冠を乗せた紳士が貴方達を出迎える。

「入場料は要らないよ、だってここではお金なんて意味がないから。お代はお客様の笑顔と悲鳴で十分さ!
 キャストはゴーストに狼男、悪魔に天使に大賑わい。
『ファントム・ナイトはもう終わった』だって?
 おかしなことを言うんだね、ここはいつでもゴーストとモンスターの楽園だよ。
 皆、ゲストの事が大好きなんだ――人によっては『食べたいくらい』ね!
 思い出を見せるカルーセル、時々底が開いてしまう観覧車。
 どれもが刺激的な自慢のアトラクション!
 疲れた時は売店へどうぞ、今日はコウモリクレープがおすすめだよ。
 好きなだけ食べて、遊んでいくといいさ。
 それじゃあ――いってらっしゃい!」

 さぁさぁ、と手渡されたのは園内マップ。
 手始めに一番近くの建物へと向かえば、そこは古びた二階建ての洋館。
布を被ったゴーストに人数を告げれば、ギィ、と音を立て扉が開き――

「ゴーストハウスは悪戯が大好きな子たちがいっぱい、沢山怖がってくださいね!」

 そんな明るい声に見送られ、後ろでがちゃり、と無慈悲な音が響くのだった。

●気弱な怪物と俺様帽子
「あのう、あのう……集まってくれて、ありがとうございます」
 境界図書館に集められたイレギュラーズは、その小さな声の出所を探るも一向に見当たらず首を傾げる。
「っこ、ここです!」
 目線を下にやれば、そこには大きな帽子があり――
『オイジャック! もっとハッキリ喋んなきゃ聞こえねえぞ!』
 帽子についた大きな口が、先程と違う、比にならないボリュームの声を発する。ううう、と帽子をずらしイレギュラーズを見上げたその案内人は――緑色の身体をした、一つ目の小さな怪物だった。
「お、オイラは案内人のジャック・ディミトリです……で、こっちは」
『伝説の魔法器具、グルート様だ!』
 ジャックが帽子を指させば、グルートと呼ばれた帽子も名を告げる。どうやら二人でセットの案内人のようだ。
「えっと、皆さんにはこれから遊園地に行ってもらいます。好きなだけ遊んでいいみたいなので、楽しんできてください」
 ちょっと怖いみたいなのでオイラは行かないけど、と零したジャックに文句を言うグルート。どうやら力関係はグルートが上らしい。
 そんなやりとりを横目に、イレギュラーズは新しい本の世界へ飛び込むのだった――。

NMコメント

 とにかくハロウィンが好きすぎてこんな世界を用意しました、飯酒盃おさけです。
 臆病な一つ目モンスターのジャック、口うるさい帽子のグルートは初めまして。

●目標
 ゴーストハウスを無事脱出すること。

●『Spooky Land』
 明けない夜の、ポップで不気味な遊園地。
そこで働くのは、まるでハロウィンの仮装のようなゴーストやモンスター達です。
 カボチャの王『キング』がマスコットのこの遊園地は、アトラクションにレストラン、パレードにショー……と様々なエンターテインメントがあるでしょう。
 この世界に入り込んだ皆さんはこの遊園地の『ゲスト』です。
 時にのんびり、時にスリル満点。
 自由に楽しんでしまいましょう! 

●ゴーストハウス
 古びた二階建の洋館。キングお気に入りのアトラクションです。
 悪戯好きなゴースト達が沢山脅かしてきますが、直接危害を与えることはありません。
 一人でも複数人でも、全員で一緒に進んでもOKです。

・コース
【1階】
 玄関~廊下(扉が揺れる、絵画が見てくる)
 キッチン(血まみれ包丁が飛んでくる)
 バスルーム(鏡を見ると……?)
【2階】
 ベッドルーム(ベッドに明らかに『何か』います)
 長い廊下(お約束ですね)
子ども部屋(人形が笑いだしたり動いたり)
【再び1階】
 広間(クライマックス!)

 その他、あちこちからゴーストが脅かしてきます。
 ありそうな仕掛けはなんでもあるので、プレイングに盛り込んでみてください。
 全部を書くと文字数が足りなくなると思いますので、何か所かに絞ることをおすすめします。

●サンプルプレイング
べべべべべつに俺お化けとか怖くないからな!
い、一番後ろにいるのは後ろから襲われても皆を護れるように……
バスルームとか絶対何かいるじゃん、ひっ!み、水か。
後ろを振り返るといたゴーストに、仲間を突き飛ばして逃げる!うわー!!

 気軽に気楽に、怖がって遊んでみてくださいね。
 それでは、よろしくお願い致します。

  • <Spooky Land>悪戯っ子だらけのゴーストハウス完了
  • NM名飯酒盃おさけ
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年03月10日 22時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ミディーセラ・ドナム・ゾーンブルク(p3p003593)
キールで乾杯
かんな(p3p007880)
カピブタ好き
シェリオ・アデラ(p3p007986)
魔女の人形
ソロア・ズヌシェカ(p3p008060)
幻想の冒険者

リプレイ


「あそぶぞー!」
 瞳を爛々と輝かせた『特異運命座標』シェリオ・アデラ(p3p007986)。何せ混沌に飛ばされて日も浅い彼は、今まで見ていた世界よりずっと色鮮やかで、賑やかな景色に興味津々。
「あ、あそぶ……怖くないのか? その、おばけ」
『新たな可能性』ソロア・ズヌシェカ(p3p008060)が、傍らで楽し気なシェリオに目を丸くして問う。
「へ? おばけ? おれ、ちゃんとおばけ見たことないからわくわくする! あんた、怖いのか?」
「こ、怖くない! 脅かされるってわかっていくなら怖くなんてないぞ、ほんとだぞ!」
 早口でまくし立てるその言葉の本心は――彼女が青肌でよかった、と言うべきか。
「まあ、まあ……ゆうえんち」
『キールで乾杯』ミディーセラ・ドナム・ゾーンブルク(p3p003593)は、怪しげな館を前にしてなお、大きな尻尾を揺らし穏やかに微笑む。前に雑誌で見ていた遊園地、とは随分雰囲気が違う――なんだか返って来られなくなってしまいそうな場所だけれど、これはこれでとても興味深いのだ。
「無辜なる混沌には、こういうモノもあるのね」
 その横ではとっても素敵だわ、と『実験台ならまかせて』かんな(p3p007880)も声をあげる――が、その表情からは『楽しい』の感情は読み取り難い。
(楽しみじゃないワケじゃないんだけど――上手く驚いたり怖がったり、できるかしら)
「ただの女の子」だった彼女の朧な記憶は、少しだけ不安になるけれど。それでも。
「こんな私でも、お邪魔して……よろしい?」
 入口のゴーストは「大歓迎です!」と応え布を揺らし――四人を迎え入れる。


「ぎゃあああ!」
 壁に飾られた絵画がガタン、と落ちる音に何度目かの悲鳴をあげたソロアは、一階の廊下を必死の形相で走っていた。この調子では脱出できた頃には声が枯れるのではと不安にもなるが――怖いのだからしょうがない。
「うぅ、ただの絵かと思ったら目が動くとか落ちるとかひどい……」
 既に息も絶え絶えなソロアは、すぐ傍の扉が開いていることに気付く。ここは誰かいるのかもしれない。怖がる姿を見られることは乙女として気恥ずかしさはあれど――ひとりで進むより、断然マシだ。
「誰かいますかー……ぶわっ!?」
 一歩中に入った瞬間、真白な煙がぶわりとソロアを包む。
「わ、わ、なんだこれ! 何も見えないぞ!」
 手を振り煙を仰げば、少しずつ視界はクリアになり――ソロアが足を踏み入れたのは、バスルームだと気付く。目の前の浴槽はカーテンで半分が隠れていて、明らかに『開けてください』と言わんばかり。
(いや、まさかそんな……でもここでスルーして後ろから来たら!)
 意を決しカーテンを開け――何もないことに安堵、した瞬間。
「!?」
 後ろからの気配に目をやれば、そこには人影が――
「な、なんだ同じ場所に来てる人居たんだよかった安心したー! って、あれ? 私?」
 早口で捲し立ててみたものの、そこには見慣れた自分の顔が映った鏡。
「そうだよな、バスルームだし鏡くらいあるよな……」
 拍子抜け、と気が抜け笑ったソロアの耳に。

「「あははは」」

 重なる声。
(いやほらお風呂って声が反響するもんな、うん気のせい)
 納得させようとしたものの、鏡の中の自分は引き攣っておらず、満面の笑みでこちらに手を振り、にゅっとその手を鏡の外へ――
「ぎゃああああああ!!」
 ソロアは一目散に走って(いるつもり。実際はふらついている)廊下を、階段を駆け抜ける。もう平気かもしれなくとも――生憎、振り返る勇気などない。
(部屋に入らなければ、廊下はさっきと同じ! いくら長くてもここを抜ければ――)
「無理いいいいい!!」
 窓が開き、電気が点滅し、天井から落ちてくるゴースト達に一つ一つ驚きながらソロアは最後まで駆け抜け――その後何日かは、バスルームが怖かったとか。


 ミディーセラは鼻歌交じりに、ひとり館を探索していた。
 ここまで驚かなかったといえば嘘ではない。しかし、それと同じ位にここは興味深く――バスルームの片隅に薄汚れた箒を見つけた時、コレクションに一本拝借しようとして、金切り音に注意されたのは先程のこと。
 歩き回ってずれてきたとんがり帽子を被り直し一息つけば、この遊園地へと送ってくれた――彼と似たフォルムの帽子を被った案内人を思い出す。
(ジャックさんにグルートさん。いろいろとお話を聞いてみたいし、知りたいこともあったのですが……)
 一緒に行こう、と誘ったもののジャックに「オイラは絶対いやだ!」と全力で断られてしまったのだった。
「でもあのしゃべる帽子……グルートさん。そのうちかぶらせてもらえないかしら?」
 だめかしら、の声に境界図書館でグルートが盛大なくしゃみをしたのはさておき。
扉を開けると――そこは、中央にベッドが置かれた寝室だった。そして、そのベッド。どう見ても『何か』が寝ている膨らみがある。
「まあ、まぁ……これはまた歓迎してくれる気があふれている子が」
 怖いもの知らずの彼は、そっとベッドに近づき毛布を捲り――
「眠リヲ……妨ゲタナアアア!」
「まあ!」
 痩せ細った半透明の紳士がベッドから跳ね起き、思わず声をあげるミディーセラ。
クローゼットから、ベッドの下から、沢山飛び出してくるゴースト達に続けて声をあげ――なかった。
「なんとかわいらしい。この子たちはどういう存在なのかしら……?」
 ひとり……いえ、もうふたりぐらい、もらえないかしら。そう呟けばさしものゴースト達も肩を寄せ合い、驚かせようと閉めていた鍵すらそっと開け放つのだった。

(ベッドに誘われて夢の中で――なんてあるかと思ったのに)
 ざんねん、と廊下を歩けば、ふと違和感に気付く。
 ゴゴゴ、と小さく唸る音に、消えていくシャンデリア――もしかして、これは。
「壁が……! わたし、おいかけっこは苦手で。その、困ります……!」
 驚いてくれないなら今度はこれ、そう言わんばかりの逆襲。
 ――なお、脱出したミディーセラのおでこは真っ赤になっていた。


「いやーすごかった、さっきの包丁は首が取れるかと思った!」
 楽しげに二階を歩くシェリオ。何せ今まで出不精の魔女の世話ばかりだった彼にとって、こういった遊園地に来るのは初めてのことなのだ。
「ん? だれかの話し声が聞こえる……」
 入ったのはベッドルーム。しかし、先程の声の主は見当たらず。
「あれ? 絶対ここなんだけどなー」
 おかしいな、と首を傾げ室内を見渡せば、誰かが『起きた』形のベッドにぴこん、と合点がいく。
「わかった! かくれんぼだろ! へー、遊園地ってかくれんぼもできるんだな。なー、どっちが鬼?」
 問いかけてみるも返事はなく、シェリオは「じゃあおれ隠れる!」と手頃なクローゼットに身を潜める。
(へへ、見つかりそうになったら逆に驚かせてやろっと)
 身じろぎせず息を潜めている内、聞こえてきたのはコツコツと響く足跡。
(なんだ、やっぱりいたじゃん! いつ見つかるかなー)
 部屋中を歩き、引き出しやカーテンを開ける音が聞こえる内、ふとシェリオは気付く。
(これ、見つからなかったらおれずーっとここにいることになるのでは?)
 それはちょっと嫌だなあ、と思ったシェリオの耳に――

「みぃつけた」

 女の声が聞こえる。けれどクローゼットは開けられていないし、耳元で聞こえたよう、な。
「え、え? えっ!? うわあ!」
 つんのめるようにクローゼットを飛びだせば、ゴーストがにっこりと笑い手を伸ばし――
「なーなー、おれこの中にいたのになんで後ろから声聞こえたんだよー! なーなー何がいたんだよー!」
 シェリオの無邪気な問いに、ゴーストも圧されるばかりだった。

 そして、最後の居間――
「うわあああ! ちょ、ちょっと待て落ち着け! ほら紅茶! だめ!?」
 紅茶を片手に、猛ダッシュで出てくるシェリオなのであった。


「あらまぁ、こんにちは――こんばんは、かしら?」
 かんなはゆっくりと挨拶をしながら廊下を進む。
(扉や窓が揺れている、ということはゴーストさんがいるんでしょう?)
 歓迎の準備をしてくれているのね、と待ち受ける宴に向けて足取りは軽くなる。
 通り過ぎてなお、絵画の目がこちらを見ていると気付けば――振り返って、手をひらり。かんなはこの状況を純粋に――怖がることなく、楽しんでいた。
 惨劇が起きたのであろう血塗れのキッチンにも躊躇うことなく足を踏み入れる。
「乾いていてよかったわ。怖くはないけれど、この服が汚れてしまうのは残念だもの――あら」
 どこからか飛んできて頭上を掠めた包丁にも、瞬きをひとつさせるのみ。
「ふふふ、とっても賑やか。どこから飛んできたのかしら?」
(ああ、けれど――包丁は怖がる所だったかしら?)
 兵器として、理の外のものとして。そうあった自分には『普通の人』の感覚が解らなくて――少しだけ、胸の辺りが痛む。それが自身に生じた変化だと、まだ彼女は気付かない。

「あら、もうここが最後なのね。きっと素敵で賑やかな歓迎をしてくれるのね」
 一際大きな扉の前に立ったかんなが、重厚な音を立て居間へと迎えられれば。
 そこでは、着飾ったゴースト達が晩餐会を繰り広げており――その全員が、かんなを見て大きく口を開けた。

「メインディッシュ」
「焼コウ」
「煮ヨウ」
「美味シソウ――!」

 ゴースト達が一斉に襲い掛かり、皿が、フォークが、椅子が、テーブルが飛び交うその空間をかんなは軽やかに駆け抜ける。
「ごめんなさい、この遊園地――きっとまだ、素敵なところがたくさんあるんでしょう? だから、食べられてあげられないの」
 出口の扉で振り返り、手を振るかんな。
 無辜なる混沌とも、知っている世界とも全然違う、この賑やかで楽しい世界。
(もし、次があるなら――その時までに怖がる、という事も、思い出せていると良いのだけれど)

成否

成功

状態異常

なし

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