PandoraPartyProject

シナリオ詳細

<サイバー陰陽京>立太子記念パレードを襲うクラッカー軍団とその影に潜む謎のバニー

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●凄腕クラッカー軍団の暗躍
「体仁(なりひと)親王殿下の洛外パレードね……。おめでたいじゃないか。おめでたい奴らには踊っててもらおうか。報酬もたっぷり貰ってるしな。お前らも手抜かりするんじゃねーぞ」
「「おう」」
 体中に電子端末をつけた男達は両手両足の指と唇、視線の動きを早めていく。それは異常者のそれで、電子を操っているのか、電子に操られているのかすら分からない。こうして、組み上げられたクラッキングAI達は電脳網に一気呵成に広がっていくのだった。
 
 体仁親王殿下がの洛外パレードの日、世界中、祝賀モードだった。厳しく整備した電脳網に間違いはない筈だった。だが、現実として電脳網は混乱しきっていた。正しい情報は全て出鱈目な情報に置き換わる。電脳網の混乱は無辜の民ならず、パレードの警備体制にも混乱を生じさせた。
 これを起こさせたのはテロリスト『白峯』のハッカーグループに違いなかった。しかし、今回のハッカーグループは、ハッキングなどという生易しいものではなく、クラッキングと呼ばれる電脳網の破壊行為に違いなかった。クラッカーはハッカーと比べ、一重、二重に罠を仕掛けていると言われている。今回クラッキングされたのは、電脳網の分かれ道に置かれている、電子情報がどちらに向かえばいいかを指示する信号機と呼ばれるAIだった。
 信号機のAIを独自のモノに書き換え、ハニートラップという手口で、情報の行き先を特定の場所に誘導している。信号機AIには本来電子透かしというお札に使われるような透かし技術が組み込まれているのだが、書き換えられた信号機の電子透かしは本物と比べると違和感を感じるだろう。また、ハニートラップによって一か所にデータが集まっているところには何かしらのデータ書き換えAIが存在するだろう。
 警察の精鋭セキュリティ専門家が調査しても、クラッカーグループの本拠地は見つけられなかった。AIの体に仕込まれているかもしれない本拠地の情報を探るしかない。

●緊急依頼
 赤色の蝶が何羽も本から出てきては境界案内人であるオハナの元へ留まって情報を伝えたのか、消えていく。
「ちょっと緊急依頼があるんどす。足を止めて聞いてくれなんし」
 いつもは冷静なオハナに焦りが見える。よほどのことだろうと貴方は足を止めた。
「今日は大事な大事な体仁親王殿下が立太子記念パレードの日。そやけど、クラッカーグループに電脳網が滅茶苦茶にされてしまっておりんす。このままやと、一般の人同士の交信も警備体制にも問題起きておりんす。クラッカーグループを捕まえたいところやけど、クラッカーグループを捕まえるのは難しいでありんしょ。そやから、電脳網を正常にすることが第一、クラッカーグループの居場所を見つけるのが第二」
 いいでありんすか、と確認するオハナの話を聞けば確かに緊急事態のようだ。だが、オハナのいうように電脳網を正常化するのもしないのも貴方の選択次第だ。どうしますか?

        YES NO

NMコメント

綴です。はじめましての方もそうでない方もどうぞご贔屓に。
今回は椎野NM主催の<サイバー陰陽京>連動企画の一つとして出させて頂きました。
ここぞとばかりに凝った設定にしましたので、是非ご一読頂ければ幸いです。

◆目標:信号機の正常化
電脳網の分岐点にある信号機を正常化するミッションです。必ず果たしてください。なお、果たされないと……。
◆オプション:クラッカーグループの本拠地を探る
電脳網の混乱を引き起こしたクラッカーグループの本拠地を探るミッションです。できていてもできていなくても大丈夫です。

●世界観:サイバー陰陽小説『ネオホーゲン』
 『八紘』は、『キョート』と呼ばれる国家が地球上の全てを統治するサイバーパンク世界です。舞台となる『洛外』地区の上空には陰陽術に守られた空中都市『洛中』が浮かび、地上には無数の企業アーコロジーが林立しています。そんな中で、今日発表された立太子の宣旨との後日の『立太子の礼』を経ることで、『体仁(なりひと)』親王殿下は正式に皇太子として認められる。ところがその情報を事前に得た反政府武装勢力『白峯』が、政府の方針に不満をもつ超巨大企業、『徳大寺重工』からの極秘裏の物資援助を受けて、テロを行おうとしていた。

●本ライブノベルの特殊ルール
 データは通常のルールに従い解釈されます。
 ただし皆様は、自身が『電脳体である』として、物理空間ではなく電脳空間上に存在することもできます。その場合、皆様のデータは電脳戦用アバターとしてのものだということになります(物理存在としてのデータがどうなっているのかは、ご自由に決めて構いません)。

●舞台
 電脳空間内が舞台です。電脳網の分岐点に信号機があります。電脳網は広く、すべての分岐点へ向かうことはプログラムでも難しいです。

・信号機
誤った方向を示す信号機にはどこかに偽装した証拠があります。発見した情報を味方のセキュリティグループに報告すると自動発見プログラムを作ってくれ、自動で全ての電脳網の信号機を直してくれます。但し、ずっと信号機の側にいると誘惑してくるバニーが現れ、VIPルーム(後述)へ連れて行きます。

・バニーバー
信号機のいう通りに進むと最終的にたどり着く場所です。出入口はありません。隠し出口があるらしいのですが……。

・VIPルーム
信号機の側にずっといると現れるバニーに誘導される先にある場所です。マッチョバニー10体がお出迎えして、接待してくれます。出入口はありません。戦闘できる程度には広いです。隠し出口があるらしいのですが……。

※PL情報※
バニーバーとVIPルームの隠し出口の鍵が二つとも開いたとき、クラッカーグループの本拠地の手がかりが得られます。

●敵
・バニー
 可愛いバニー。怒り付きの攻撃を引き撃ちで仕掛けてVIPルームへ無理やり連れて行こうとします。

・マッチョバニー
 上腕筋なんかを褒めると照れる可愛いバニー。HP、攻撃力、防御技術が並外れて高く、それ以外は並です。

●味方
・セキュリティグループ
 今は地道に一個ずつ信号機を入れ替え中。信号機に偽装した証拠を見つけることができ、それを報告すると一気に修正プログラムを作って、差し替えてくれるでしょう。

楽しんで頂ければ幸いです。尚、リプレイは多少のコミカルが入ることをご了承下さい。

  • <サイバー陰陽京>立太子記念パレードを襲うクラッカー軍団とその影に潜む謎のバニー完了
  • NM名
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年03月10日 22時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ジェイク・夜乃(p3p001103)
『幻狼』灰色狼
蟻巣虻 舞妃蓮(p3p006901)
お前のようなアリスがいるか
ハルラ・ハルハラ(p3p007319)
春知らず雪の中
奏多 リーフェ 星宮(p3p008061)
お嬢様の恋人

リプレイ

●踊る電脳網
 立太子記念パレードのその日、電脳網のパニックは極地に達していた。朝から現在に至るまで全く通信ができないのだ。運良くできたとしても、その内容は全くのデタラメ。電脳網が支配する、この世界で通信できないことは極めて致命的だ。
 灰色の耳と尻尾をピクピクと動かして、ハルラ・ハルハラは混乱した街中を見回していた。
「凄い世界もあるもんだな……」
 空中都市『洛中』を見上げながら、白いスーツに身を包んだジェイク・太刀川がそれに応じる。
「電脳世界ってのは確か練達にもあったが、それとは違うものなのかね。物珍しさに入ってみたんだが。こんな空中都市なんかは確かになかったな」
 一見、練達のようにも見える、この世界だが、全く異なる。世界は国家元首にして最高の術師である帝の陰陽術と高度な技術により支配されている。今日は、その帝の後継者たる体仁親王殿下が正式に皇太子になった記念パレードの日なのだ。国家の威信がかかっている。
 不幸中の幸いというべきか、パレードが始まるまでには、まだ時間がある。オハナの仕事を受けた4人は混乱する街中を抜けて、警察のセキュリティ部門へと向かう。
 責任者が青ざめた顔をしていたが、4人がオハナから斡旋されてきたことを伝えると、待っていたとばかりに信号機を使わない特殊な通信端末を4人に手渡し、現状とその使い方を口早に説明した。そして、震えながらよろしく頼むと頭を下げてきた。
 もの優しげで天使のような青年、奏多 リーフェ 星宮はそんな責任者の姿に恐縮してしまう。
「別の世界でもテロリストによる犯罪ってあるんだね。厄介なプログラムの改変みたいだし僕に出来ることをやろうかな」
 ハルラは頭をかきながらも決意する。
「しかも何だかめでたい行事もあるらしい。それを滅茶苦茶にする奴は放っておけねぇ。しっかり解決しないとな」
 ジェイクもその意見には同意だ。
「まあ何にせよ、テロを起こそうとする碌でもねえ輩は、早めに処分するに限るな」
 3人が決意を固める中、蟻巣虻 舞妃蓮は極めてマイペースであった。気分で変わる髪色は適当を示す金髪だ。
「私はバニーだ」
 「え?」という顔で皆が振り返る。
「もとい、アリスだ」
 また皆が振り返る。オハナと契約する時、舞妃蓮って名乗っていたよね?! そんな皆の反応を気にも留めず、舞妃蓮は語る。
「兎を追いかけ幾星霜。だからという訳でもないのだが、今日も兎の巣窟を追いかけに行こうかと思う」
 と言うなり、舞妃蓮はポータルに早速飛び込む。アリスは兎を追いかけて穴に飛び込むものと相場が決まっている。
 他のイレギュラーズも舞妃蓮を追いかけるようにポータルに飛び込んでいく。それをセキュリティ責任者は心配そうな顔で見送るのだった。

●信号機とバニー
 舞妃蓮は自分の体を確認する。電脳体になろうとアリスはアリス。なんら変化はなかった。奏多とハルラも姿に変化はない。
 一方、ジェイクは狼人のカウボーイ姿に変化している。ジェイクの心中での本来の姿なのかもしれなかった。
 舞妃蓮と奏多はデータが最終的に辿り着く先がどこなのかを調査するつもりだ。流れてくるデータを捕まえる。そして、お互い捕まえたデータの行く方向へ進むことにした。
 舞妃蓮は分かれて動く奏多との連絡用に、ミニウサギを召喚し渡す。そして颯爽と信号機の指示通りに進む。まるで散歩のような気軽さで。
 奏多は渡されたミニウサギに穏やかな顔を更に緩めながら、同じように信号機に従ってデータを運んでいく。だが、その表情とは違い、慎重そのものだ。
 ハルラとジェイクは信号機のバグを探すつもりだ。その為には偽装されている信号機を探さなければならない。ジェイクはハイセンスをもつハムスターのファミリアを召喚し、調査、連絡用としてハルラに預けた。
 しかし、偽装は巧妙なようでなかなか分からない。幾つかの信号機を調べているうちに可愛いバニーが突如現れた。ハルラはそれを獣人のもつ超人的な勘で察知し、すぐさま違う信号機へと逃げる。
 可愛いバニーは中指を立て、残ったジェイクを挑発する。
「こんなところでチンタラしてんじゃねぇよ! さぁ、さっさと行くよ!」
「俺を挑発するたぁ、いい度胸してんじゃねぇか! ついていってやる!」
 ジェイクはキレてついていく。着いた先に何かある。そう直感して。
 一方、逃げたハルラは信号機を片っ端から調べていた。バニーを超人的な勘で避けていくものの、集中して調査しにくいのが厄介だった。
 偽装はなかなか見つからず、半ば諦めそうになったとき、ハムスターが信号機に埋め込まれている電子透かしを齧ろうとする。そこでハルラは電子透かしを色んな角度から見てみた。
 そして、気付く。特定の角度から電子透かしを見るとバニーに見えるのだ。だが、それに気づいた時、バニーが現れる。
「立ち止まってジロジロ見てんじゃねぇよ! 余計なことに気づきやがって! テメェついてこい!」
「これでアンタらも終わりじゃねえの? ザマアみろ!」
 ハルラをバニーは捕まえて、何処かへと連れて行くのだった。
 丁度その時、舞妃蓮と奏多は合流していた。ここがどうやらデータの誘導用のメインルートなのだろう。二人は場所をよく記憶してから、誘導先へと向かって行くのだった。

●バニーバーでの乱舞
 舞妃蓮と奏多が辿り着いた先は胡乱な場所だった。キツいピンク色のネオンが『ウェルカム!』と点滅している。AIや電脳体は可愛いバニーに接待されて、鼻の下を伸ばしている。
「バニーバーへようこそ! データはお預かりしますね! さぁ、こちらへどうぞ!」
 可愛いバニーが舞妃蓮と奏多からデータを奪うように持ち去って、二人を取り囲んで、ほぼ強制的にソファへと座らせる。明らかにこのバニー達は敵であろう。ここは大人しくしておくのが得策のようだ。敵に囲まれている上に、入り口だった場所はもはや消えていて、出口も見当たらない。
 飲み物も差し出されるが、危険な雰囲気がする。二人は飲み物に口をつけたふりをしつつ、奏多は渡されたミニウサギを密かに足元から逃す。舞妃蓮はミニウサギをバニーに見つからないように遠隔操作して、出口を探す。
 周りを観察していると、酔い潰れたAIや電脳体達がバックヤードに連れ込まれているようだ。何か怪しい。ミニウサギをそちらへ向かわせると、そこには巨大なギロチンがあって、AIや電脳体達を切り刻んでいる。情報が回ってこない筈だ。だが、その奥に小さな扉があるのが見えた。出口に違いない!
 だが、甲高い声があがる。
「キャー、ゴキブリよー!」
 その瞬間、ミニウサギからの通信が途絶え、周りの可愛いバニー達が一気にパンプアップしてマッチョバニーへと変化していく。そして、逃げようとするAIや電脳体達を捕らえて潰していく。
 奏多と舞妃蓮も例外ではなかった。二人は出口に向かって駆け抜ける。だが、それを阻むマッチョバニー。奏多は魔力で自らの身体を飛躍的に強化し、魔力を両手の細剣に与えてマッチョバニーを突く。吹き飛ばされ、壁に埋まるマッチョバニー。
 舞妃蓮は仄かに光る左手でパンチを繰り出す。マッチョバニーは錐揉み回転しながら吹き飛ぶ。
 しかし、マッチョバニーも見た目だけが強いわけではない。重いパンチやキックを二人に浴びせかける。それを舞妃蓮が回復していく。
 マッチョバニー達を倒し、隠し扉から逃げた二人の目の前に飛び込んできたのは、3桁の数字とポータルだった。二人は仲間に報告して、ポータルへ進む。

●VIPルームの死闘
 一方、可愛いけどムカつくバニーについてきたジェイク。バニーはドアを開けると、コロッと性格が変わったように甘ったるい声で告げる。
「VIPルームへようこそ!」
 中にはムキムキの筋肉をピクピクさせながら、マッチョバニーが鞭をピシッと鳴らしている。それに震えて怯えるAIや電脳体達。
「こんにちは、そしてさようなら!」
 ジェイクはマッチョバニー達を狙い、二丁拳銃で全弾を撃ち切るように銃弾の雨を降らせていく。マッチョバニー達は為す術なく撃たれていく。
 だが、リロードしようとした瞬間、いきなり後ろからヘッドロックされる。それは可愛いバニーからパンプアップしたマッチョバニーだった。
 息苦しい。限界だ。目が霞む。ジェイクが気を失いそうになったとき、突然ヘッドロックが解除される。
「良い上腕筋だな。けど邪魔はさせねぇ」
 ここまで連れてこられたハルラがマッチョバニーを背中から蹴りつけたのだ。マッチョバニーは体勢をすぐさま立て直し、ハルラへと回し蹴りをいれる。
「ヤダー! て・れ・ちゃう!」
 ハルラはマッチョバニーの腕をとって思いっきり壁に投げつける。マッチョバニーは目を剥いて倒れていった。
 だが、まだ生き残ったマッチョバニー達がいる。それを二人で連携して倒していく。
 完全制圧した後、無力化したマッチョバニーを集めロープで結ぶ。だが、尋問しても口を一切開かない。
 その間も助かった電脳体やAI、ジェイクのハムスターが出口を探すがなかなか見当たらない。ジェイクのハムスターがバーテーブルの下を執拗に叩いている。全員でバーテーブルをずらすと、そこには出口があった。
 出口から出ると、3桁の数字とポータルが。二人も仲間に連絡しポータルへ進む。

●バニークラッカーの罠
 ポータルを通った4人は出た瞬間、鉄骨の山に襲われる。運良く直撃を防いだ4人の目の前には『 ゲームオーバー』と表示されたディスプレイがあるだけだった。
 セキュリティ責任者に全てを報告すると、これでパレードまでに電脳網を修復できると喜ばれた。そして、謎の3桁の数字は出てきたポータルの位置を表していて、今迎えにくるとのことだった。
 謎に包まれたバニークラッカー。だが、まだ彼らとの闘いは始まったばかりだ。

成否

成功

状態異常

なし

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