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シナリオ詳細

<サイバー陰陽京>イナマイトチェイス

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●序
 光の当たる場所があれば、おのずと影ができるように。
 ここにも暗い影ひとつ。
「立太子記念パレードなんざ俺の時限爆弾のデモンストレーションにしてやる!そうすりゃあ、そのまま軍事組織に売り込んで大儲けよ!!」
 それは誰に知られることなく、密やかに遂行されるべき水面下の夢。
 否。密やかに遂行される”べきだった”という方が正しいか。
 成功を疑うことすらなく高笑いする爆弾魔(ボマー)は知らない。
 物語の命運を握る特異運命座標の存在を。
 希望へと舵を切る可能性の面舵を。
 ーー時は体仁(なりひと)親王の立太子記念パレード当日。
 静かに時計の針は動き出す。
 さぁ、タイムリミットは如何ほどか。

●ダイナマイトチェイス
 ひらりーー境界案内人オハナのもとに集まった蝶々が、ふわりと電子の粒へと霧散する。
 艶やかにこちらへ視線を向けた彼女が口を開いた。
「あんさんらは、八紘の為によう力を尽くしてくれはる。今回もそれを見込んで、どうか手助けを頼みたいのやけど……」
 すい、と視線を滑らしたオハナはためらうように目を閉じる。
「おめでたい時に限って、けったいな輩もいてなあ。パレード吹き飛ばすような時限爆弾が仕掛けられてるゆう情報が入りましたのや。しかもダミーも大量にあるときとる」
 万が一解除に失敗すれば被害は甚大。けれど解除に危険が伴うこともまた事実で。
 危険な頼みになることは重々承知。
 それでも、とオハナは目を開け特異運命座標をとっくりと見つめた。
「警備にも人手が必要で手が足りまへん。なんとかできるんはあんさんらだけなんや。どうか頼まれてくれへんか?」

 時計の針が時を刻み切るその前に。
 どうか時限爆弾を見つけ出し、爆発を阻止して欲しいのです。

NMコメント

 こんにちは、凍雨と申します。
 今回は〈サイバー陰陽京〉連動企画に参加させていただいています。
 雰囲気サイバーかもしれない。頑張ります。
 どうぞよろしくお願いいたします。

●クリア条件
 時限爆弾の発見・解除。
 パレード沿道のあらゆるところに爆弾が設置されました。けれどほとんどはダミーであり、爆発するホンモノは一つだけ。すべて似たような電波を発している為、電波による発見は難しいでしょう。
 爆発のタイミングは設置ポイントを皇太子が通り過ぎる瞬間に設定されていますので、それがタイムリミットとなります。
 解除方法はお任せいたしますが、赤・青・緑の三本のコードの内、正解のコードを切れば止まる設計でもあります。

●敵
 爆弾魔(ボマー)の男。
 自ら製作した爆弾の威力を見せつけ、軍事組織に売り込む足掛かりにしようとしています。ホンモノの爆弾の在り処が示されたデータを所持しており、奪えれば爆弾の発見に繋がるでしょう。
 彼は現在パレード沿道から距離を置く廃ビルの屋上で爆発の様子を見守っています。事前に爆弾の情報を掴んだ警備隊がすでに発見しており、マークしている状態です。
 爆弾魔(ボマー)の戦闘能力:蹴り技での近接格闘戦を仕掛けてくるほか、遠距離相手には小爆発を起こす無数の爆弾を投げつけてきます。
 耐熱ベストを着用している為、炎系の攻撃は効きにくいかもしれません。

●サンプルプレイング
 なるほど、ボマーをぼこぼこにしてデータを奪えばいいんだな。任せとけ!俺の魔法でぼこぼこにしてやるぜ。

 私の捜索力で本物の爆弾を探します!
 爆弾、爆弾……!あれですかね!?高い場所にあっても私の翼の前では関係ありませんっ

 以上となります。どうか計画を阻止してくださいませ。
 皆様の参加をお待ちしています!

  • <サイバー陰陽京>イナマイトチェイス完了
  • NM名凍雨
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年03月10日 22時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ユーリエ・シュトラール(p3p001160)
優愛の吸血種
クーア・M・サキュバス(p3p003529)
雨宿りのこげねこメイド
道頓堀・繰子(p3p006175)
化猫
奏多 リーフェ 星宮(p3p008061)
お嬢様の恋人

リプレイ

●爆弾魔、会敵。
「んー爆弾でなんもかんも吹っ飛ばすっちゅうんは、うちとしてはセンスあらへんと思うんよなあ」
 一般人を巻き込んでの大騒動に発展させるなど、暗殺者としては仕事の流儀がなっていないと思うのだ。
「こう、ターゲットだけをビシッと殺るのが、ええ仕事っちゅうもんやろ?」
 うんうんと頷く『探索上手』道頓堀・繰子(p3p006175)は、ほなさっさと爆弾解除しよか、とにゃははと笑った。
「そうだね、目的の為でも人を巻き込んで怪我をさせたりするのは赦されないね」
「そうです。なんとしても見つけ出し、犯人を懲らしめなければ!」
 『虚空』奏多 リーフェ 星宮(p3p008061)と『慈愛の英雄』ユーリエ・シュトラール(p3p001160)も同意を示す。
「……とはいえ、爆弾はたくさんあるので、一個ずつ見分していくのも効率が悪すぎるのですし、
結局は犯人にカチコミしに行くのが面倒がないのです」
 『めいど・あ・ふぁいあ』クーア・ミューゼル(p3p003529)の提案に反するところもなく、特異運命座標たちは爆弾魔がいるという廃ビルへと向かっていた。

「あそこの屋上ですね?お先にさっさと飛んでいくのです」
 事態は一刻を争うのであるし、カチコミするなら早い方がいいだろう。クーアが飛行し、一足先に屋上へと向かう。
 とん、と屋上に降り立つと、そこには黒いコートを着込んだひとりの男。彼が爆弾魔だろう。
 彼は怪訝そうな目つきで鋭くクーアを睨みつけた。
「なんだお前?サツにはみえねぇな。わりぃが俺は今忙しいんだ」
 その手が素早く懐から爆弾を取り出そうと動く。否、クーアの方が早かった。
「爆弾だの焼夷弾だのもう古いのです、時代は電気火災なのですよ?」
 瞬間。一条の稲妻が空を裂き爆弾魔を貫き轟く。
 まぁ、こげねこジョークなのですが……とクーアが呟く間に、男は地面に転がって呻き声をあげた。
 そこにちょうど到着したのは繰子、ユーリエ、奏多の三人だ。
「ほんでコイツ殺ってしもてええの?つるしあげるんやったら半殺しにしとくけど」
「爆弾の在り処も聞きださないとだしね、死なせない程度がいいんじゃないかな」
「それもそうやんな」
 繰子と奏多が話す隙を見て爆弾魔は起き上がり、じりじりと特異運命座標たちから距離を取る。
 それにいち早く気づいたのはユーリエだった。
「貴方がこのパレードに爆弾を仕掛けた爆弾魔ですね! 爆弾をもう金輪際使わないと……いや。
悪さをしようとするその考えがなくなるまで、こらしめるのでそのつもりで!」
 皆が笑顔で溢れる世界になるように。そう願うユーリエから黒い鎖が伸びる。捉えて逃さぬ闇は空いた距離を一気に詰め、次いで赤黒い血色の鎖が舞った。的確に、適切に弱点を攻撃していく。
「くっ、まだまだ…っ!」
「そんならこっちも見てもらえるやろか?」
 背後から繰子の蹴りが強襲し、爆弾魔の男が昏倒する。
 殺すというならほかの手を使ったのだが、生け捕りが目標なれば仕方なし。
「くっ……なんなんだよお前ら!! いきなり出てきやがって!」
 諦め悪く懐から小爆弾を取り出そうとする爆弾魔に、背後から魔力を纏う細身の剣が鋭く突き出された。
 爆弾魔の額から冷汗がたらりと流れる。
「もう懲りただろう? 爆弾のありかを教えてくれるよね?」
 嘘を言ったら容赦しないからね、と柔和な笑みで告げる奏多に、彼はがっくりと項垂れるのだった。

●それはきっと、至極正常な
「なんやあの爆弾魔、地図書くんヘタやなぁ」
「それでも大体の位置はわかりましたよ!私の相棒の蝙蝠もいますし、きっと見つかります」
 爆弾魔から入手した”ホンモノ”の爆弾の在り処を示す地図を眺め、捜索を開始する。
 どれほど隠したところで、おのずと爆弾を隠す場所というのは限定されるだろう。
 なぜならーー。
「奴さん自分の腕を売り込みたいみたいやからなあ。最高のタイミングでさぞかし派手な花火を咲かせられる所に置いてるはずやで」
 そうなのだ。彼にも目的があったわけであり、そうなるとパレードで最も注目が集まるところにある可能性が高い。
「高いところに仕掛けて障害物を落とすのもありそうですね。私は高所から確認してきます!」
「では、私も飛べるですので、高いところを探すのです」
「じゃあ、僕と繰子君で地上の方を探そうか」
 クーアとユーリエが高所の捜索へと散る中、奏多と繰子は地上での捜索をしていく。

「うーん、このあたりではあると思うのですが……これも違いますね」
 ユーリエは周りより熱を発しているところを見ることができる。けれど、人がごった返すパレード内では熱を発する場所が多すぎるのだ。
 それに、見つけたところで解除できる保証もないのは不安材料で。
「そうなってしまえば、多くの被害が出てしまいますよね……」
「まあ、いざとなったら私が人の居ない地点まで全力で持ち逃げすればなんとかなるのです」
「それだとクーアさんが危ないです!」
 だめですよ!とユーリエが言う横で、クーアが捜索していたビルの屋上から地上を見下ろす。
 見渡す限りの人。
 ここにいる全ての人がパレードを見る為に集まっているのだ。
 それはきっと、とても平和な時間に違いなく。
「何が爆弾魔ですかこちとら放火魔なのです!!! ……とか往来で言うと私が逮捕されかねないですよね」
 爆弾の存在を誰も知らぬまま、このままパレードが成功すればいい。
 こげねこジョークも言えぬこんな世の中は実に正常で、世知辛いのだ。
 さて、爆弾探しの続きをしようと顔を上げた、その時。
 ユーリエの蝙蝠が、何か見つけたというように鳴き声を上げた。

●カウントダウン
 爆弾が隠されていたのは皇太子の車が接近するビルの上。
 多くの人が入れるようにと表の道幅は広く取られていて、パレードを眺める人々が一際多くいる地点にあるビルだった。
「クーア君、爆弾見つかったって本当?確かにここなら被害が大きいだろうね」
「はい。解析もしたですし、これで間違いないのです」
「蝙蝠のお手柄ですね!」
 えらいです、と喜ぶユーリエの隣で、繰子が床に鎮座する爆弾をまじまじと眺める。
 小さな箱型をしている爆弾の上には、被せ蓋がしてあって。
「これ、蓋開けた瞬間どかんとかじゃあらへんよな?開けるでー」
 まずは中を見なければ始まらない。そうっと蓋を外した、そこにはーー。
 色の違うコードが三本。そして、時を刻むデジタル時計と。
「……もしかしてやばいんちゃう?」
 残り五分のカウントダウン。

「うーん、どれかを切ればいいんだよね?」
「失敗したら、やっぱり爆発してしまうんでしょうか……?」
 奏多とユーリエが焦る横で、クーアが正解のコードを探るべく爆弾の解析を進める。
 ユーリエが三本のコードの温度を見るならば、赤がわずかに熱いようにも見えるのだが……。
 確定するには時間はなく、カウントダウンは止まらない。
「赤が怪しいんやろ?ならいっそ運試しと行こか。悪運は強い方やさかい、なんとかなるやろ」
 ほな、と思い切りよく刃物を赤のコードに当てる繰子の手。それを見つめる特異運命座標たち。
 ピッ、ピッ、ピッ……。静かなデジタル時計の音だけが聴こえていた。
 時計の針が時を刻み切る、その前に。
「にゃははー、ほな行くでー」
 ぱちん。
 赤のコードが切れる。
 時計の画面が激しく点滅して。
 無機質な画面には、ただ一言。
 「停止」
 そう並んでいた。

●凪ぐ日々に祝福を
「周辺への被害がなくてよかったよ」
「あの爆弾魔さんも警察の方に引き渡せましたし、一件落着ですね!」
 奏多とユーリエの視線の先には、件の王太子記念パレード。
 その周りには多くの人々がいた。
 爆弾があったことなど人々は知る由もなく、今日が穏やかだったと信じている。
 それは平和が平和である最たる意味に思えて。

 こうして、王太子の暗殺をめぐるダイナマイトチェイスは終幕を告げたのだった。

成否

成功

状態異常

なし

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