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シナリオ詳細

《狐の嫁入り 異聞録》ゴリラの謎を追え!

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

■不穏な気配……?
「何……? フォレスト家の護る森に侵入者?」
「ハッ! まだ被害は出ておりませぬが、アングラー殿より協力要請が出ております!」
 獣人達が住まう異世界。その中の一城塞都市を治めるのは騎士団長スーラク・ルークスその人。プライバシーではノリのいいおじさんだが、仕事をする時はきっちり騎士団長としての面を見せる。
「ふむ。被害がないなら捨て置け……と言いたいところだが。義兄弟の頼みともなれば断れんか」
「では調査隊を派遣するか、親父殿?」
 父親の書類仕事を手伝っていた、息子のイグニス・ルークスが提案する。確かにそれが道理だろう。何にせよ情報はほしい。
 だがしかし、そうはいかない理由が今この都市にはあった。
「そうしたいのは山々だが、お前も知っているだろう?近頃一部のオーク達が不穏な動きを見せていることを。この都市の守りを割く訳にはいかん」
「確かに、な。この書類仕事だってやけに増えた被害届けや苦情届けの整理なんだしよ」
 一枚書類を手にとって目を通す。そこにはオークが無銭飲食で逃げたとの陳情が書き連ねられていた。他にも強盗だとか破壊活動だとか。おかげで少しばかり睡眠不足である。
 かといって、フォレスト家はイグニスの嫁の生家だ。見捨てる訳にはいかないというのも人の情。どうしたものか、と考えていると、ふと良い考えがイグニスの頭に浮かぶ。
「そうだ親父。俺一人抜ける程度なら大丈夫だな?」
「ん? ああ……まあそのくらいは、な。ダメ息子」
「うるせぇよ。いや、ちょうど俺の友人達が今旅の途中で寄ってくれてるだろ?彼らに頼んでみるぜ」

■異常事態発生なのか?
「……ということで。皆も知っている狐人達の住まう世界に、何か変な事が起きているらしいんだ」
 境界案内人のカストルが、一つの本のページを捲りながら集まったイレギュラーズ達にそう伝える。なかったはずのページが増えている、とも加えて。
「ゴリラによく似た獣人なんだけどね。あの森に侵入して住まいを作り出している。今の所は諍いもないみたいだけど、ありえない事だからって調査依頼だよ
 君たちの知っているイグニスという騎士と共に、森へ向かって理由を探ってほしいんだ」
 よろしくね、と締めくくり。カストルがイレギュラーズ達を異世界へと送り出した。

NMコメント

 唐突にシナリオが思い浮かんだので異聞録です、以下略です。
 半戦闘半調査シナリオです。皆様の行動次第でこの物語はもう一話続き、更に本編の狐の嫁入りシリーズにも影響を与える……かもしれません。
 以下登場人物詳細
■イグニス・ルークス
 ロイヤルナイト相当の強さ。イレギュラーズ達と同じかちょっと上くらいの実力です。片手槍と盾を装備し頑強で、テクニシャン。また統率に優れます。【不殺】攻撃を一種類持っています。
 何か荒事が起きれば彼に任せても良いでしょう。
■ゴリラ型の獣人
 現在では名前も不明なゴリラ。積極的に戦おうという意志はありませんが、当然自衛はします。元々温厚な種族で他者の領域を侵す事もなかったはずですが……。
 皆様の前には一人だけ出現します。
 武器防具は身につけていませんが、類まれなる豪腕と体力を武器に戦います。またその気になれば木を引っこ抜きぶん投げるという大技も使います。

 戦闘を主軸にするか、対話を主軸にするかは皆様次第です。そこはしっかり擦り合わせた方が良いかもしれません。
 以上となります。よろしくお願いいたします。

  • 《狐の嫁入り 異聞録》ゴリラの謎を追え!完了
  • NM名以下略
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年02月24日 22時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ユーリエ・シュトラール(p3p001160)
優愛の吸血種
津久見・弥恵(p3p005208)
薔薇の舞踏
リュティス・ベルンシュタイン(p3p007926)
黒狼の従者
ルリム・スカリー・キルナイト(p3p008142)
勇気のチャロアイト

リプレイ

■イグニス君、帰った時の身の安全が心配になるの巻
「…えっと、疑う訳ではないのだが。お嬢さん方、荒事とか大丈夫なのか?」
 『頼りになる友人達』に声をかけて、名乗りあげてくれた面々を引き連れ森にやってきたのは、騎士団の副頭にして頭の息子。イグニス・ルークス。戦場では怖いもの知らずの彼も、嫁が怒るのは怖い。
 そんな話が最近部下の間で広まっているので、どうしたものかとも考えていたのだが…。まさかの今回の調査メンバーが全員女性。しかも年若い顔ぶればかりだとは思わなかった。
「ええ、大丈夫ですよ。任せてください!」
 むん、と気合を入れるポーズをする『慈愛の英雄』ユーリエ・シュトラール(p3p001160) 。彼女はつわもの揃いのイレギュラーズでもトップクラスに位置する実力者だが…イグニスには知る由もない。彼から見れば、ただの美少女である。
 ちらり、と他の面々を見ても。メイド姿のリュティス・ベルンシュタイン(p3p007926) が時折草木と意思疎通を試みていたり、本当に戦えるのか不安になるほど薄手の格好の『魅惑のダンサー』津久見・弥恵(p3p005208)。そして……。
「オーホッホッホ!困っている者が居るなら例え異世界の民であろうと助ける…それが正義の騎士というもの! このルリム・スカリー・キルナイト、騎士見習いとして今回の案件全力を尽くします!
 イグニスという騎士様!ふぉぉぉ!さ、サインをお願いしても!」
 高笑いをしたかと思えば目を輝かせて色紙を突き出してくる『「姫騎士」を目指す者』ルリム・スカリー・キルナイト(p3p008142) だ。この中では最年少で、また騎士を目指しているという立場からサインを強請ってくるのがイグニスを困らせていた。
 サインなどやったことがないと言いながら断っていたのだが、遂に根負けしてサインしたのが20分程前である。
「…浮気じゃねーからなー…」
 油断はしてはいけない。そうは思いつつも足を止め、誰にも聞こえないように空を見上げ、そう呟くイグニスであった。
 中々に賑やかな、一見すればピクニックにも見える程に長閑な一団であったが。それは突然の終わりを告げる。

■未知との遭遇。君はどうする?
「ウゴォォォォ!!」
 森に響き渡る、怒号ともとれる雄叫び。声の主の姿は見えぬが皆一斉に警戒体勢に入る。更にイグニスが友人達に怪我をさせる訳にはいかない、と一歩前に出て盾を眼前に構え……。
 ガンッ!!
「ぐぅっ!?」
 その頑強な盾に向けて飛来する、大きな石……いや、岩だ。直撃は防いだのは流石の騎士だが、反動が全身に響く。思わずたたらを踏むイグニス。
「イグニス様!」
 即座にリュティスがハイ・ヒールを発動させてイグニスを支援する。他の3人は岩が飛んできた方向に目を凝らし……その、投擲手を見つけた。木々の影からのし、のしと。大きな身体を揺らしてゴリラのような獣人が姿を見せたのだ。
「……なんだ、お前達は?」
「ご挨拶だな……。俺はイグニス・ルークス!この森の守護者にして管理者、フォレスト家よりの要請を受けやってきた調査の騎士だ!」
 距離を開けて歩みを止めた獣人に対し、声を張り上げるイグニス。左手に構えた槍に知らずに力が込められていく。
 一触即発の緊張感。そこへ口を挟むはルリムだった。
「オーホッホッホ!私はルリム・スカリー・キルナイトですわ!よろしければ貴方様のお名前を教えて欲しいですわ!」
 いつもの高笑いに、いつもの調子。そんな彼女に一瞬渋い顔をするイグニスであったが……不思議と獣人の方は素直にその問いに答えだした。
「……ギルダス。一族の長をしている、ギルダスだ」
 見た目と同じく重々しい口調でそう答える獣人……いや、ギルダス。話が通じる、と理解した面々が次々に口を開く。
「ギルダスさん、ですね。良かったらお話を聞かせて頂けませんか?」
「そうです。私達は争いに来たのではありません。どうして、この森に入ったのですか?」
 ギルダスの目がイレギュラーズの顔を見比べていき……最後にイグニスに注がれる。幾分か力を抜いたようで、筋肉が隆起していた腕はほんの少し萎んでいた。
「……騎士というのは。このような女子供も駆り出すのか?」
「……それは偶然だ。この子達は見た目こそ若いが……強いぞ」
 再びイレギュラーズを守ろうと前に出るイグニス。しかし、そんな彼をイレギュラーズ達は宥める。喧嘩腰では駄目だ、と。
「話が通じるのですから、ひとまずは武装解除いたしましょう?」
 と。リュティスが弓を地面におけば。ユーリエも、弥恵も、ルリムも。彼女に倣ってそれぞれの武器を地面に置いて敵意がないことをギルダスに示す。
 そんな彼女達を見つめるギルダスは、どっかと腰を降ろし。手で目の前の地面を示す。まるで座って話をしようとでもいうように。
 その意図を汲んだイレギュラーズ達はギルダスに近づき腰を下ろす。最後に、やれやれ、と。イグニスも槍と盾を地面に置いてから、座った。これで話し合いの形はできた。そして……。

■繋がる2つの事件
「改めまして。私はユーリエ・シュトラール。ユーリエとお呼び下さい」
「津久見・弥恵です。よろしくお願いしますね、ギルダスさん」
「リュティス・ベルンシュタインです。お見知り置きを」
 まだ名乗っていなかった3名が丁寧に自己紹介をする。そんな彼女達に、うむ、と。大きく頷いて返すギルダス。確かに長をやっているというのは嘘ではないと思わせる風格と威厳が漂っていた。気を抜くと気圧されそうである。
 しかしこちらも騎士団の副頭がいる。彼は気圧される事なく、本題に入った。
「それで、だ。どういうことだ?あんた達は何故この森にやってきた?」
「……我らは別の森にいたのは知っているようだな。……追われたのだ」
 追われた?と首を傾げる一行。目の前のギルダスを見て想像できる、きっと一族皆が屈強な肉体をしているのだろう、と。しかしそんな彼らが追われるとは、一体どのような化け物が現れたというのだろうか。
「そんなに強い相手なのですか?」
「どうか何かおありなら私達を頼ってください。無辜の民を救うのが騎士の役目!貴方達の事は私達が守りますわ!」
 ユーリエの疑問に追従するかのように、ルリムが少し震え声でだが、しっかりと胸を張ってそう宣言する。これにはイグニスもギルダスも、彼女の事を見直したようで。ただの、騒がしい少女ではなく。しっかりと騎士の自覚を持った、一人の戦士だ、と。
「わかった。……恥ずかしい話だが、オークに負けたのだ」
「オークだと?そんな馬鹿な。あいつらは俺一人でも30人は余裕で相手できるくらい弱いはずだ」
「え。そんなに弱いのですかオークって」
 想像していたオークと違うのかぁ……と、弥恵が呟く。彼女のイメージしているオークはきっと、目の前のギルダスのように筋骨隆々で女騎士を捕まえてイケナイ事をしているイメージなのだろう。
 しかし、この世界のオークは。二人の男性からの説明によると。体格は良いが心根が臆病な者が多く、あまり戦には向いていない。本来ならばギルダスの一族ならば歯牙にもかけない程度の存在だという。
 だが、ギルダス達が住まう森に突然大挙して攻め込んできて。当然防衛を試みたのだがあまりの数の多さに住処を捨てるしかなかったのだ、とギルダスは語る。
「となりますと……彼らの後ろに何かがついている、のでしょうか?」
 リュティスの、何気ない質問に腕組みをして考え込むイグニス。確かに本来のオークであれば……とそこまで考えたところではた、と思い出す。
 そういえば、今。自分が護る都市を脅かしているのは、どこのどいつだった?と。
 オークだ。本来ならば揉め事など起こさない程に臆病な、オーク達だ。
「まさか……」
「……イグニスさん。もしかして……この2つの事件、繋がっているのでは?」
 出発前にイグニスから、都市に起きている問題を聞いていたユーリエはそこへ考えが至った。イグニス達が護る都市と、ギルダス達の住まう森を襲撃しているのは同じ一族ではないのか、と。
 その考えを否定するも同意するもできないイグニスが返答に詰まる。これは、自分一人の考えではどうにもできない、と。
「ではこうしませんか?イグニスさんは、フォレスト家にお手紙を出して暫くギルダスさん達の保護をお願いする」
 弥恵がいいことを思いついたと説明していく。彼女がいうには、一時フォレスト家にギルダス達の事を容認してもらい、その間に都市の問題を解決に向かう。この時にギルダスが協力すれば後の事も寛大に見てもらえるのではないか、と。
「……皆から離れるのは少し心配だが……」
「そこはイグニス様の部下の方達にお願いすれば良いのですわ!」
 渋るギルダスに、これまた名案とルリムが声をあげる。確かにそれならば、一族の警護はできるし、ギルダスに手柄をあげさせるチャンスもできる。
 ならばそれでいこう、とイグニスが手を差し出し。
「手を取り合えるのではあれば、取り合った方が良いと思います。その方が、より良い未来を築けるでしょう」
 リュティスの後押しの一声があり、ギルダスも暫しの示唆の後、がっしりと手を掴んだ。

 事態は、急展開を迎えていく。

成否

成功

状態異常

なし

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