PandoraPartyProject

シナリオ詳細

思いを込めたチョコレート

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●恋する乙女が勇気を出す日
「と、とうとうこの日が来た……!」
 恋する乙女であるエリカは、カレンダーを見て硬く手を握り締めた。
 その視線の先は「バレンタインデー」と書かれた文字。
 去年の冬、学校帰りによくない人達にちょっかいをかけられていた所を助けてくれたパティシエ。
「イケメンマッチョはポイント高いけど、中身女子力高すぎて辛くない?」
 なんて友達に言われたけど、彼が作るお菓子はとても可愛くて美味しくて、勇気を出して話しかけたら気さくで可愛らしい人で、エリカが心惹かれるのに時間はかからなかった。
 クリスマスイベントでは参加者がいない。なんて嘆いていたけど、今回はどうだろう。
 手にしたチラシは、パティスリーブランのお菓子教室のチラシ。
 今回は、バレンタイン向けの生チョコ作り。
(参加して、終わったら、こ、告白するんだ……!)
 前回は改めてお礼を言うだけになってしまった。だけどその後ちょこちょことパティスリーにケーキを買いに行くようになって、少しずつパティシエとも交流を深めていった。その度に想いは重なって行ったけど、エリカには告白する勇気が持てなかった。
 だけどもうすぐ年に一度の恋する乙女を応援する日。
 彼が作るお菓子には敵わないけど、エリカなりに練習を重ねてそれなりの焼き菓子が作れるようになった。
「……参加者、いるよね……?」
 もう必要事項が記入された紙。明日これを持ってパティスリーに行くけれど、他に誰もいなかったらどうしようと心配になる。
 残念なことに、今回もまた、パティシエの高すぎる女子力のせいで参加者は今の所0だった。

●恋する乙女を応援しよう
 前はクリスマス。美味しいブッシュドノエルを作った。
 今回はバレンタイン。蕩ける生チョコ作り。
「なんだけどね。今回はもう一人の参加者の背中を押してあげて欲しいの」
 告白しようと意気込んでいるエリカだが、直前になって「私なんかじゃやっぱり無理」とあきらめる可能性が高い。
 なので、楽しく生チョコを作って、試食しながらエリカの背中を押して欲しいという。
「自分だったらこんな告白に憧れる。とかで良いの。告白する勇気を持てるように応援してあげてくれない?」
 パティシエは、慕ってくれるエリカに好意を抱いているし、アルバイトも「はよくっつけ」と思っているらしい。
 後は告白する勇気が持てるか否か。
 恋する乙女の恋はどうなるのだろう。

NMコメント

 バレンタインです!
 エリカとマッチョイケメンオネェ再びです!!
 あ、前回はこちら。
 https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/2400

●目的
・生チョコを作る。
 ミルク、ビター、ホワイトの三種類が作れます。
 型に入れて固めてから切るも良し。丸く丸めてパウダーをまぶすも良し。
 作業自体は簡単なので、お気軽にどうぞ!
 自分で作った物は包装して持ち帰り。パティシエ作を食べながら、みんなでわいわいおしゃべりしましょう。
・エリカの背中を押す
 告白する気だけど、中々踏ん切りのつかないエリカの背中を教えてあげてください。
 自分の体験談でもよし。
 女性なら「自分だったらこんな言葉で告白する」男性なら「こんな告白されたら嬉しい」でも良しです。

●登場人物
・エリカ
 パティシエに恋する乙女。
 告白したいけど中々勇気を持てない。

・パティシエ
 イケメンマッチョオネェ。
 無駄に高い女子力のせいで女性とは縁がない。
 慕ってくれるエリカには好意を抱いている。

・アルバイト
 パティシエの妹。
 二人に「はよくっつけ」と応援している。

●その他
・参加申し込みはフェリーチェがしておきますので、当日はエプロンだけ持参してね!

 それでは、皆さまのプレイングお待ちしてます!

  • 思いを込めたチョコレート完了
  • NM名ゆーき
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年02月26日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)
華蓮の大好きな人
ユーリエ・シュトラール(p3p001160)
優愛の吸血種
紅楼夢・紫月(p3p007611)
呪刀持ちの唄歌い
奏多 リーフェ 星宮(p3p008061)
お嬢様の恋人

リプレイ

●幸せチョコ作り
 本日、パティスリーブランでは生チョコ作り教室が行われている。
「それじゃぁ、みんなどんな味の生チョコにするか決まったかしら?」
 見た目は爽やかな細マッチョイケメンなパティシエが、可愛く首を傾げて聞いてくる。
「はい! 私はミルクの生チョコを作ります!」
 元気良く手をあげた『慈愛の英雄』ユーリエ・シュトラール(p3p001160)の動きに合わせて、エプロンに付けられた苺のアップリケが揺れる。
「僕もミルク。甘いのにしたいんだ」
 『虚空』奏多 リーフェ 星宮(p3p008061)は穏やかに微笑みながら小さく手をあげる。
「私はミルクとビターで作りたいわぁ。二種類作っても大丈夫かしらねぇ?」
 おっとりと首を傾げる『呪刀持ちの唄歌い』紅楼夢・紫月(p3p007611)にパティシエはもちろんと快諾。
「お嬢さんは決まったかしら?」
「はい。わたしはビターで作ります。味はちょっと濃いめが好きです。味に若干の苦みを加えるために少しだけ珈琲混ぜても良いですか?」
「しっかり考えてあるのね。勿論大丈夫よ」
 可愛いイルカがプリントされたエプロンを付けた『蒼海守護』ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)は、珈琲風味のビターと決めていたようだ。
「エリカさんは何味にします?」
 隣に居たユーリエに声をかけられ、まだ悩んでいたエリカは咄嗟に答える。
「え、わ、私はホワイトチョコでお願いします……!」
「エリカちゃんはホワイトチョコね」
 パティシエに名前を呼ばれたエリカが赤くなったが、それぞれ希望したチョコを渡され早速調理開始。

 生チョコの作り方は至って簡単。
 細かく刻んだチョコレートに温めた生クリームを入れて溶かし、冷やし固めて好きな形にし、パウダーをまぶすだけ。
「お菓子作りも久しぶりやからねぇ。甘いのと少し苦いのを作ろうかねぇ」
 ゆるりとした微笑みを浮かべ、紫月がお鍋で生クリームを温め始める。
「紫月さんはお料理上手なんですか?」
 同じように生クリームを火にかけながらユーリエが話しかける。
「上手、言うほどやないけど、人並みには出来ると思うわぁ」
「じゃぁ、隣で見させて貰っても良いですか? 私、実はお料理そこまで得意じゃなくって。でも気合いは十分ですよ!」
 気合を込めて拳を握るユーリエに、紫月はふわりと微笑む。
「それぐらいなら問題ないねぇ」
「本当ですか!? 有難うございます!」
 その様子を見てココロもそっと手を挙げる。
「わたしも、一緒に作って良いですか?」
「かまへんよ」
「私も大歓迎です!」
 賑やかに騒ぎながら材料を持ち寄る女性陣を見ながら、奏多はミルクチョコレートを一欠けら口に放り込む。
 口の中でゆっくりと溶ける甘いチョコレート。だけど甘い生チョコにしたいから、追加する砂糖を貰ってくる。
「それにしても、またお菓子作りの依頼なんだね。またゆっくりできそうかな」
 前はお菓子の世界でクッキー作り。甘くてビターで、美味しい一時だった。今回はどんな時間になるだろう。

 生クリームを温める間に各自チョコレートを刻んでいく。
「あんまり細かくないけど大丈夫かな……」
「大きくなったって、不格好になったって、愛情込めて溶かしていくから大丈夫よぉ! 食べてくれる人の笑顔を思いながら頑張りましょう!」
 不安そうなユーリエも、パティシエの手助けとアドバイスに
 生クリームが温まったら、刻んだチョコレートに生クリームを加えて混ぜていく。
「ココロちゃんはコーヒーを足すの!?」
「はい。少し苦みのある、ちょっと大人な味にしたいのです」
 濃い目に淹れられたコーヒーを足すココロに、ユーリエは驚きを隠せないし紫月は興味津々だ。
「珈琲風味は私も気になるねぇ。後で少し分けて貰っても?」
「はい。試食の時に分けっこしましょう」
 お喋りを楽しみながらも、愛情込めてチョコレートを混ぜる。全部溶けたらクッキングシートを敷いたバットに流し込んで、冷やし固まるのを待つ。
 使った道具を洗った後は、どんな形にするか型抜きを見ながら相談だ。
「わたしはおやくそくのハート型です! 大事な人にあげるチョコってイメージが大事です」
 こくりと頷くココロに、ユーリエも大小のハートの型に手を伸ばす。
「そうですよね! プレゼントする分は、ハートが良いですよね!」
「はい! わたしも思わず心をプレゼントしたくなる素敵な男性と出会いたいな……。あ、女性でもいいです。いや、女性ならプレゼントしたくなる人いるなぁ……」
 考え込むココロはホタテの海種。ホタテは生まれた時は単一の性で、成長と共に変化する。つまり、ココロにとって性別は些細な問題なのだ。
「僕は色んな型にしてみようかな。ハートに星に、後は何が良いかなぁ……」
 奏多はハート以外にどんな型があるか見て、ハート、星、花に丸を選んだ。
「私はどうしようかねぇ……」
 紫月は型とにらめっこした結果、シンプルだけど綺麗なスクエア型に。
 エリカは少し悩んで、ハート型に手を伸ばした。

 思い思いに型で抜いて、余ったチョコレートは手で丸めてパウダーをかければ出来上がり。
 用意してあったカップに入れて箱に詰めてラッピングすれば、お店で売っているような生チョコの完成だ。
「出来た!」
「完成です! やっぱり腕の良いパティシエさんは教え方もお上手ですね! 私でも手際よく作れて、すっごく楽しいですよ!」
 可愛らしくラッピングした生チョコを見て、ココロとユーリエが歓声を上げる。
「難しい工程がなくて良かったわぁ」
 スクエア型を選んだ紫月はカップではなく、箱にはまるトレーに詰めて上品な仕上がりに。
「簡単で美味しいって、凄いよねぇ」
 いろんな形で沢山作った奏多の箱の中は賑やかだ。
「さ、完成したら片付けして試食にしましょ!」
 和やかな空気を壊さないようにパティシエが声をかけると、全員完成した生チョコを冷蔵庫にしまい、片付けと試食の準備に取り掛かった。

●思いを伝えたくて
「なるほど、エリカさんはあの人を……」
 丸めた生チョコや箱に入らなかったあまりを食べながら、ココロはアルバイトであり、パティシエの妹と小声で話す。
「兄貴も好意抱いてるのは確実なんだけど、自分がオネェ系だからって一歩引いてるの」
「オネエ系? そこを気にしたらダメ。女性の気持ちがわかりやすいなら話しやすい面も大いにあるでしょうしね。プラスプラスで考えましょう!」

 前向きに考えるココロたちとは違うテーブルで、パティシエと奏多が二人で生チョコを摘まんでいる。
「女の子が頑張るって素敵よねぇ……」
「思いが籠った手作りチョコを貰える人は幸せだね」
 生チョコを口に放り込めば口の中でとろりと蕩ける。
「それにしても恋愛かぁ。僕にそんな経験はないから何だか羨ましいな」
「あら、貴方こんなに優しくて素敵なんだもの。想い寄せてくれている女の子いるんじゃないの?」
「残念だけど、心当たりはないなぁ。それより、パティシエさんは?」
「残念だけど、アタシはこんなだから縁遠いの」
 男二人、揃ってため息を吐くのだった。

 女性陣が集まった席では、エリカがみんなから応援されていた。
「告白するのは勇気がいりますよね! 誰かに想いを告げるというのは、本当に難しいことで。でも、言わない後悔より言う後悔と言いますし!」
 ぐっと拳を握るユーリエだが、すぐに恋する乙女の表情になる。その心を占めているのは愛しい恋人。
「エリカさん。実は私……吸血鬼の女の子が恋人なんです。
 その子は普段は血が主食で。お料理とかお菓子とかは食べないんですね。でも、私が四苦八苦しながら作ってみたお料理やお菓子を食べてもらったら、凄く喜んで食べてくれて」
 友達の作ったジェラートを食べた時は暑さもあってけだるげだったが、ユーリエの作った料理やお菓子を食べた時は嬉しそうに微笑みながら食べてくれる。それがユーリエにはとても嬉しい。
「だから一生懸命作ったという思いは相手に絶対伝わると思うんです。当たって砕けてみるのが一番ですよ! あっ、渡すチョコは砕けちゃだめですよねっ!」
 恋人がいるユーリエの言葉に、エリカはそっと自分の鞄を見る。鞄の中にはエリカが家で作って来たチョコレートが入っている。
「でも、なんて言って渡せばいいのか……」
「言葉を選べばそこに迷いが生まれます。迷ったら負け! 攻めましょう!! プレゼントするチョコと気持ちだけで突撃です!」
 力強いココロの言葉に、紫月が小さく笑ってやんわり止める。
「チョコと気持ちも大事やけど、気持ちを伝える言葉を口にせんと、想いは伝わらんからねぇ」
「……じゃあ……。
『伝えなければ始まらない! だから伝えます。私の気持ち、受け取ってください!』
 とかどうでしょう?」
 真っ直ぐで力強いココロの考える告白に、エリカは真っ赤になってふるふると首を振っている。
「そ、それは流石に無理です……!」
「元気の良い子向きの告白やねぇ。エリカさんにはちょっと不向きかもしれへんわぁ。でも……告白するんに勇気は要るよねぇ。
 自分の想いを正直に真っ直ぐ伝えるんが私はええと思うわぁ。遠回しやと伝わらん場合もあるからねぇ。想いが実るように応援しとるわぁ」
 優しく微笑みながら肩を叩いてエリカに伝える。
 手作りチョコを持って立ち上がったエリカを見て、奏多も優しく微笑みかける。
「相手の目をしっかり見て素直な気持ちを伝えたら良いんじゃないかな? 僕はそういう子好感持てると思うし。その恋がしっかりと実るように祈っておくよ」
「はい……。どうなるかわかりませんが、私なりに頑張ってきます」
 チョコを抱きしめたエリカは、パティシエに声をかける。
「パティシエさん。私……パティシエさんの事が好きです! 付き合ってください!」
 真っ赤になったエリカの告白に、パティシエは驚き慌てるのだった。

成否

成功

状態異常

なし

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