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シナリオ詳細

《狐の嫁入り 第三幕》希望の光を育てよう

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

■月日は経って
「おーい、カイー。早くこいよー!」
「もう、ギルったら。ちょっと待ってよー!」
 森の中に存在するフォレスト邸。大きな屋敷の中庭を元気に走り回る男女の子供達。そんな二人を優しく見守るのは4人の男女。
「ふふ、あの子ったら。久しぶりにカイに会えたからあんなにはしゃいじゃって」
「怪我しないか心配だけどね」
 逞しい肉体と綺麗な顔立ちを残す次期当主、コルスと。フォレスト家長女のシルヴィアが我が息子の事を期待と少しばかりの不安で見つめる。
 『あの父親』にしては珍しく、息子のカイの事を甘やかしてばかりなせいで少々わんぱくに育ってしまったのが不安材料だ。しかし、その分体力はついてきた、と父親のコルスは感じている。
「それよりお姉様?お父様のお加減は大丈夫ですの?」
「ああ、それだよ。俺も手紙で初めて知ったから、慌てて親父に仕事を押し付けて来たんだ」
 のんびりしている姉夫婦に対し、詰め寄るは妹夫婦。メルティとイグニスだ。娘のカイの事は、甥であるギルに任せれば大丈夫だろうと割と放任主義である。そのせいかカイはしっかりものになってきたが。
 さておき。妹夫妻が娘を連れて実家にやってきた理由は、父でありフォレスト家当主のアングラーが体調を崩した事を手紙で知らされたからである。そのために準備もそこそこにして急いでやってきたのだ。
「お父様も大げさなのよ。…ただの風邪よ、風邪」
「…はぁ?風邪ぇ?」
「孫娘にどうしても会いたいってきかなくてね。済まないことをしたと思ってるよ義兄弟」
「…慌てて損したぞ義兄弟」
 苦笑を浮かべる姉夫婦と、肩を落とす妹夫婦。わざわざ孫娘に会いたいが為に大げさに病状を書いて寄越したというのだから、相当な孫馬鹿であると言えよう。
「…まあ折角来たのですし、少しゆっくりしていきましょうか」
「そうだな。俺も久々にギルに特訓つけてやりたいし」
「あら、いいわね。私もカイにお勉強を見てあげる約束してたのだわ」
「…やりすぎないようにね、皆?」

■三度あの森へ
「皆ようこそ。いつもの世界だけど…狐人達の物語、覚えているかしら?」
 境界案内人のポルックスが、見慣れた本を手にイレギュラーズを出迎える。悲恋となるはずの駆け落ちから幸せな結婚式へと物語を変えた世界の事だ。
 また何かあったのか?とイレギュラーズの一人が問う。
「ううん、今は何も。ただお屋敷にね、2組の夫婦と、その子供達が揃ってるみたいだから会いに行ってみたら?ってお誘い」
 にっこりと微笑んで、危険はないわよ。と付け加える。
「友人の家に遊びに行く感覚でいってらっしゃい」

NMコメント

 いつもお世話になっております以下略です。狐の嫁入りシリーズ第三幕です以下略です。
 今回の目的は「フォレスト宅へ遊びにいったついでに、子供達に戦いをふっかけられるので戦い方を教える」です。なお、NPC、PC共に全攻撃スキル、通常攻撃に【不殺】が付与されます。
 以下登場人物詳細
■シルヴィア・フォレスト
 フォレスト家長女。若干のんびりした性格になった。最近身体の調子が良くないのが悩みだが、今回のシナリオ中では元気な模様。
■コルス・フォレスト
 シルヴィアの夫。フォレスト家次期当主。がっしりした体つきになったが性格は変わらず。皆さんを素敵な笑顔と美味しい紅茶で出迎えてくれます。
■メルティ・ルークス
 フォレスト家次女。ルークス家に嫁ぎ更に強い性格に。娘には最近料理を教えている模様。わざわざ手紙で呼び寄せてきた父親には呆れた様子。
■イグニス・ルークス
 ルークス家次期当主。今回は父親に仕事を押し付け無理やり非番にして出てきた模様。帰りがちょっと怖いのを、甥を鍛える事で忘れたい。
■ギル・フォレスト
 コルスとシルヴィアの息子。やんちゃ坊主。本人は武術を高めたいと思っているが、内包している魔力は凄く高い。母親はそちらを高めたいが言うことを聞かないのが悩みの種。
■カイ・ルークス
 イグニスとメルティの娘。しっかりもの。真面目に魔術の勉強もしているが行き詰まっている。父親は彼女の小さな身体に秘められた力に期待しているが、今はまだ言ってない。

 話の全体の流れはとしましては
・子供達と模擬戦
 ↓
・子供達に戦い方やスキルを教える
 というものになります。今回の皆様の行動次第で次回以降の子供達の所有スキルが変わります。
 混沌世界に元から存在するスキルのみでなく、皆様が作り出したアクセルカレイドを教えるのも面白いでしょう。

 以上となります。よろしくお願いいたします

  • 《狐の嫁入り 第三幕》希望の光を育てよう完了
  • NM名以下略
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年02月19日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ノリア・ソーリア(p3p000062)
半透明の人魚
タマモ(p3p007012)
荒ぶる燐火
カイト・C・ロストレイン(p3p007200)
天空の騎士
リュティス・ベルンシュタイン(p3p007926)
黒狼の従者

リプレイ

■やんちゃ坊主としっかり娘
「よーっしやるぞぉ!」
「ご、ごめんなさい皆様……」
 木剣を手にやる気いっぱいなギルと、彼の少し後ろに立ちおずおずと頭を下げるカイ。対称的な二人だが、従兄妹というだけあってか少しだけ雰囲気が似ているような…。
 屋敷にやってきていきなり喧嘩をふっかけられた形のイレギュラーズ達だが、親からも請われて模擬戦という形を取る。それぞれやりすぎないように、と。木製の武器を手に。
「では……小童共、これからやるは死合と同義よ…妾等は主等を死なせるつもりはないが…主等は殺す気でかかって来い……でなければ、死ぬより辛い目に遭うぞ?後、妾らの事は師匠と呼ぶように!なに、主等を「最強」の一角に育ててやろう」
 容姿的にはだが実年齢は…おっと失礼。な『荒ぶる燐火』タマモ(p3p007012)が木杖をびしっと子供達に突きつけそう宣言する。しかしギルには逆効果だったようで。
「うるせー!俺達に勝ってから偉そうにしてみろよー!!」
 と跳ねっ返りである。後ろでカイが必死に頭を下げているのが微笑ましいを通り越して少し可哀想になってくるほどに。
「あはは、なんだかこういうのは懐かしいな!」
 元気いっぱいなギルを前に、木剣を肩に置いた『六枚羽の騎士』カイト・C・ロストレイン(p3p007200) は昔を懐かしむ。少し遠くを見る目をして。
 あの厳しい団長や、苦楽を共にした皆は元気だろうか、と。森から見る青空に思いを馳せて…我に帰った。こんなことしている時ではなかったな、と。
「カイト・クロード・ロストレインだ、宜しく頼む!」
 騎士らしく正々堂々と名乗りを上げ、木剣を構え直しギルと対峙する。

「さあ…かかってくると、いいですの!」
 あえて何も持たず。素手で子供達に応じたのは『半透明の人魚』ノリア・ソーリア(p3p000062)だ。一見か弱そうな彼女だが、その実彼女の一番の武器は、その細い身体なのだ。
「あなた達がわたしを倒すのが先か……それとも……」
 ちらり、と。後方に立つリュティス・ベルンシュタイン(p3p007926) を見やる。彼女もいつもの弓ではなく、ゴム製の柔らかい弓矢を渡されている。殺し合いではないのだから当然だ。
「戦い方を教えると言うのは初めてですね。上手くできるかわかりませんが、誠心誠意努めさせて頂きましょう」
 カイに一礼をし、魔力をいつでも使えるように集中する。最近スランプ気味だというカイに、後方支援の戦い方を教えれるように、と。
 そして、イレギュラーズ対子供達という異色の勝負が、今、幕を開けた!

■そりゃこうなるよね
 ……とはいったものの。カイはともかくギルは実力が伴ってない格好だけの戦い方しかできていなかった。それはもう、イレギュラーズが圧勝とかそういう問題ではなかった。
 最初にカイトに木剣で斬りかかろうとしたまでは良かったものの、全力で飛び上がりすぎたせいで隙だらけになりあっさり避けられ、木剣によるみねうちを喰らい。
 ならば隙だらけのノリアを狙って!と再び斬りかかったのだが、彼女お得意のカウンターであっさり沈められていた。
 カイにしても。真面目に勉強はしていたのだが近頃起きている謎のスランプのおかげで魔力の行使がうまくいかず。タマモの魔術に抵抗できず、リュティスのように治癒魔法を自在に操る事もできずと散々であった。

■戦うのに大切な事
「戦闘において、そこでは力の有無関係なく命のやり取りが発生する。君たちも例外なく、脅威に晒されるであろう」
 コルスが用意してくれた紅茶とクッキーを間にはさみつつ。反省会及びお勉強タイム。まずはカイトが騎士としての心構えを子供達に説く。騎士とは子供達からは羨望の眼差しを受けやすい、カッコいい職業だと思われやすいが。実態はそれだけではない。血生臭い命のやり取りをする立場なのだと。
「頼りになる仲間や、先輩と背中を、守り合い、信じる心が何よりも重要だ。君たちにも守りたいものがあるだろうし、これからそれが生まれていくかもしれない。その時に守れる力と、立ち向かう勇気を育むために1日1日を、大事に生きて欲しいんだ」
 輝く笑顔で、そう締めくくったカイトは一度座り。コルスから受け取った紅茶を飲み教師役を他のイレギュラーズへ譲る。
 次に教えるのはノリアだ。彼女が教えるのは力押しだけでは駄目だということ。先程のギルがまさにそうだ。
「世の中にはどうしようもないくらい強い相手だっていますの。そんな時は、逃げるべきですの。でも、どうしても戦わなきゃいけない時もありますの」
 普段が臆病な彼女の、感情の籠もった言葉だ。カイも、ギルも。今度は真面目に聞き入っている。何せ目の前の彼女にも全く歯が立たなかったのに、それより強い相手なんて想像がつかないのだ。それが、親に護られている子の、知らない現実。
「そういう時は、相手の嫌がる事をすると良いのですの。例えば私になら、毒を使うとか……」
 と、様々な戦い方を子供達に説明する。毒や炎を使うべき相手。幻惑を用いて惑わすべき相手など。
 そしてもちろん、相手もそれを使う可能性があること、を。

■イレギュラーズ達が授ける物
「ギル様、カイ様。私からは魔力と武器をあわせて用いる戦い方をお教え致します」
 と、丁寧な口調で始めたのはリュティス。子供達二人共に、結構な魔力を秘めている事を見抜いての提案だ。これには二人共乗り気になった。
「ギル様は剣技を伸ばしたいご様子。ならば、その刃に魔力を乗せて破壊力を増すと良いでしょう」
 まずは拳に魔力を纏わせるところからです。と説明し。ギルは素直に素手で拳を突き出し、魔力を乗せる練習をし始めた。
「カイ様には…私の技をお教えしましょう。この、弓矢を使って」
 弓の構え方から、どのようなイメージを持って魔力を矢として形作るか。そして、どこを狙うべきかを。
「……ふっ……はっ……! お、お!? 今の俺、できてたんじゃね!?」
「……あ、私も……少し、できたかも……」
 そうやって素振りしているうちにコツを掴んだらしい子供達は、笑顔になる。小さな、しかし確かな一歩を踏み出したのだ。
 と、そこへ最後の教師。タマモが割って入ってくる。
「さあ、妾からも術を授けてやろう!ギルには、相手の抵抗力を強引に崩す術じゃ!」
 タマモも、その可愛らしい体躯から格闘の構えを取り。ギルの目の前で術の格好を披露してみせる。最初は跳ねっ返りな態度をとっていたギルも、見方を変えたようだ。目を輝かせている。すぐに真似して素振りを始めた。
「カイには妾の奥義を十八番を授けようぞ。咲き狂え……結界『彼岸花』」
 と、辺りに現れる紅い彼岸花。カイは注意深くそれらを見つめ、タマモの続く言葉を胸に刻む。魔術に必要なのは、想像力と、自分の心の想いだ、と。

■リベンジマッチ!
 説法と特訓。そして休憩を挟んだ後。子供達は再びイレギュラーズに対峙していた。
「やぁぁ!!」
 先程とは打って変わって。ギルが木剣を手にカイトに直進。基本に忠実に、上段構えから振り下ろす!
「……むっ!」
 それを、同じく木剣の刃部分で受け止めたカイトだが。先程とは重みが全く違う。幾らか腕がしびれる感覚があった。
「へっ、どうだ!」
「やるな……もう物にしたのか!」
 リュティスの治療を受けながらカイトは笑う。子供の成長は早いというが、ここまでとは。これが、彼の本来の才能か!と。
「だが、まだ甘いよ!」
 と、カイトが反撃と。肩からギルに当たり体勢を崩させて吹き飛ばす!
「……くぅぅっ!!」
「ギル!!」
 すると、先程まで全く行使できていなかった魔力を扱い。カイがギルの傷を癒やす!
「ほほぅ、もうすっかり大丈夫そうじゃな。だがしかし……まだ甘い!」
 咄嗟にギルの近くに駆け寄ったカイ。つまり二人が接近しているのを見たタマモが、幻惑の花々を作り出し二人を包み込んでしまい。
「えぇーいっ!!」
 ノリアが手から放つ水鉄砲が、幻惑の花々ごと二人を押し流していった。

「おーおー、皆容赦ないねぇ」
 彼らの模擬戦の様子を、少し離れたところから観戦していた親達が。優雅にお茶会を始めていた。
「でもさっきとは違って、ギルもカイも、動きはよくなっているよ」
「そうね。カイも…緊張というか。そういうのがなくなったみたい」
「それに、皆も今度は本気になってるみたいだし……」
 案外、本当に。この子供達は大きな光になるのではないか?
 そういう予感がする四人の親であった。

成否

成功

状態異常

なし

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