シナリオ詳細
囚われの女騎士 ~非道のオーク軍団~
オープニング
●女騎士に迫る危機
「ブフフフフ、大漁大漁!」
下卑た笑いをするのは、オークどもであった。
何が大漁かというと、その獲物が牢の中に転がされている。
甲冑姿の女騎士である。それが数名いた。
ここは、放棄された砦をオークたちが占拠した場所だ。
「……くっ! 殺せ!」
虜囚の屈辱を受けるくらいならば、命を立つ。
彼女には、高潔な覚悟があった。
それにふさわしく、凛とした美しい容貌である。
しかし……。
いや、だからこそ、オークたちにとって絶好の獲物だといえよう。
彼らは禽獣同然の連中なのだ。やることはやる、非道の軍団である。
彼女たちは、近隣の村がオークの軍勢に襲われたとの報を受け、救援に赴いた騎士たちであった。
しかし、村人たちはその騎士たちを裏切っていた。
オークに与し、あろうことか罠にはめたのである。
それも仕方がなかった。
卑劣にも、子供たちを人質に取り、無理強いしたのである。
女騎士たちもこのような形となったが、村人たちを恨んではいない。
むしろ、オークたちへの怒りをたぎらせている。
だが、囚われの身となった今は為す術もない。
「ブフフフ、その蔑んだ目がたまらん! その強気な態度がどこまで持つのかも含めて! ブフフフ……」
「さっそく拷問! 拷問だブ! 生意気な女騎士は、拷問するに限るのだブ」
品定めをするかのように集まったオークたちは、いまだ反抗的な態度の女騎士たちを拷問にかける気でいる。
彼女たちの運命やいかに――。
●女騎士たちを救え!
「大変、また大変なのですよ!」
ギルド・ローレットでは、『新米情報屋』ユーリカ・ユリカ(p3n000003)がまた慌てふためいていた。
新しい依頼が舞い込んだらしい。
「オークに襲われた村に救援に向かった騎士様たちとの連絡が取れないってことらしいんです!」
オーク――。
ゴブリンに並んで、ファンタジーにはよく登場する種族である。豚鬼などと言われ、旺盛な繁殖力で人々に脅威を与える存在だ。
知性はそれなりだが、腕力は強い。
「最近、駆け出しも増えているっていうし、この依頼で腕試しってのはどうだだい? ベテランは、新米の面倒を見てやってくれ。レベルキャップってやつだな。もっとも、討伐に向かった騎士様が捕まってる。結構な悪知恵も働くし、油断していい相手じゃないな」
ベテラン情報屋の『黒猫の』ショウ(p3n000005)が、注意点を述べた。
女騎士がオークたちに捕まっているという事前情報もあり、彼女たちのためにも救出を急いだほうがいい。
彼からもたらされる情報は、以下の通りである。
「オークたちの根城は、放棄された砦だ。正面には見張りの櫓があって、正門には門番が立っている。裏から回る道があるが、侵入するには壁をよじ登らなくちゃならない。高さでいうと3メートル弱ってとこかな? 登れるかどうかは、やってみないとわからないだろう」
ショウは簡単な図を書いて説明した。
続いて、オークたちの戦力である。
「オークは結構な数がいるらしい。20匹ほどだ。武装はまちまちだが、飛び道具は見張り櫓にクロスボウがあるっていうな。他は槍や棍棒辺りだろ。群れのボスは、モールを使うそうだ」
砦にいるのはそのくらいらしい。
ボスが持つ得物のモールというのは、いわゆる戦鎚だ。
棒の先に、金属の塊をつけた打撃武器である。これを腕力に任せて振るうと、鎧も打ち砕く威力がある。
「それと、捕まった女騎士についてだ。従者を合わせて五人程度だそうだ。彼女たちは女性なんで、無事助けてやってほしい。近隣の村の子供たちもさらっているらしいぞ」
オークたちが捕らえた人々は人質にされるかもしれない。
彼ら彼女らの救出も依頼に含まれているのだ。
- 囚われの女騎士 ~非道のオーク軍団~完了
- GM名解谷アキラ
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2020年02月09日 22時00分
- 参加人数8/8人
- 相談5日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●囚われのふたり ~オークプリズンハード~
「おら、野郎どもォ! 聞けえ、新しい得物が入ったブフ!!」
ここはオークの根城となった砦。
オークたちの前に新しい捧げものが召し出された。
美しいふたりの乙女である。
その目に宿る悔しさ、これより自分たちに降りかかるひどい目を予感しての怯え。
そしてくっきりした体つきと、スラリとした手足。
どれも旺盛な欲望と滾った目をしたオークたちからすると、最高のごちそうである。
逃げ出さないように、首輪なんかもされて引っ立てられる。非道だ、あまりにも非道であった。
「くっ、私はあなたたちのような卑怯な輩には絶対に屈したりしない……っ!」
まずは、『Righteous Blade』アルテミア・フィルティス(p3p001981)が恐れを耐えながら、抗った。
武装は解除され、鎧も奪われ、純情可憐な顔立ちとは別と相反するような豊かな胸元は、オークたちからすると、いろいろなものを期待させてくれる。
「ブフフフフ、女騎士とか女戦士はみんなそう言う。だが、しっかり可愛がってやるブフ!」
「生意気な女が屈服するのは面白いんだブフ!」
容赦のいらない連中だと、改めてアルテミアは思った。
捕まった女騎士たちの末路を思うと、ぞっとする。なにより、人質に囚われた子供たちのことが心配だ。
彼女は、オークに捕らえられた女騎士や子供たちを救い出すべく、『嫣然の舞姫』津久見・弥恵(p3p005208)とともにオークたちの砦に乗り込み、内部に潜入するために、こうしてあえて囚われの身となったのである。
「私たちを、どうするというつもりですか」
一方の、弥恵が言った。
長身に、すらりとした手足と長い髪は、オークたちの目を惹いた。獲物としては極上の部類である。
「どうってお前……そりゃあいろいろ可愛がってお嫁さんにしちゃうに決まってるブフ!!」
「そんな……」
鼻息荒く、オークが言う。
“お嫁さんにする”――なんとおぞましい言葉であろうか。
いろいろオブラートに包んでいるが、つまりはそういうことだ。花も恥じらう乙女に対して、投げかけるべき言葉ではない。
「乱暴に扱われるかそれとも優しーく可愛がってもらえるか、それはお前たちの心がけ次第ブフ!」
「……わかりました。では、私が従いますから、アルテミア様にひどいことはしないでください」
「弥恵さんっ!」
弥恵が、アルテミアに目で合図する。
ここは私に任せてほしい、そういうアイコンタクトだ。
「ほお、じゃあ俺たちをたっぷり楽しませてもらうブフフ?」
「それで満足してもらえるなら、ご存分に……」
「ほほう、面白い! じゃあ、さっそくやってもらうブフ!」
●魅惑の舞 ~月下のポールダンス~
――というわけで。
その夜、砦の広場には急遽弥恵が踊るためのステージが用意され、宴会の準備も整う。
オークたちが車座になって座り、生贄となった弥恵の踊りを鑑賞しようというのである。
上座のひときわ大きいオークが群れのボスであろう。
中央には、旗を掲げるためのポールが立っていた。
「では、ご覧くださいませ」
オークたちの手拍子ととともに、ポールに身体を預けた弥恵が、その白磁のような美脚を掲げる。
途端に、興奮の息遣いと嬌声が上がった。
手拍子に合わせて、なるべく注目を集めようと弥恵はみずからの肢体を惜しみなく披露する。
貪るような視線が、いくつも突き刺さる。
脚を伸ばし、身体を反らせ、ポールに絡みついて回る。
やんやの喝采が上がる。
「いいぞぉ、弥恵ちゃん♪ うひょお、すけすけの下着が見えちゃいそうだブフゥ!」
「こ、これは、見せてもいい下着ですから……」
「むっふぅぅぅっ! 見せてもいい下着をつけてくるなんて、弥恵ちゃんは見せたがりのえっちな娘ブフ!」
「くっ……」
好き放題言って盛り上がるオークたちである。
しかし、こうして視線を釘付けにするのが作戦だ。
(くやしい……でも、視線を感じちゃう……)
わかっていても、ぎらぎらした好奇と欲望の視線が突き刺さると恥ずかしさを感じてしまう。あくまでも演技だが、自分の踊りに魅了されるオークたちの期待にも答えてしまいたくなる。
雲間からの月光がさながらスポットライトのように彼女のラインを際立たせる。
息を呑むほどに美しく、オークたちも目が離せない。
あと、見えそで見えない加護の輝きを発し、いやらしい視線から守ってくれる。
こうして踊っている間にアルテミアが女騎士と人質の子供たちを救出してくれるはずだ。
(弥恵さんが惹きつけている今のうちに……)
おとなしく牢に入れたれたアルテミアだったが、これも作戦のうちである。牢から通路までの配置をバッチリ頭に叩き込み、女騎士たちと子供たちの救出に取り掛かった。
彼女には、物質透過の能力がある。
牢など、するりと抜けられてしまうのだ。
「あなたは……?」
「静かに、助けに参りました」
まずは、投獄されている女騎士たちと接触する。
どうやら、いろいろされるまで彼女たちは無事だ。
「私たちは大丈夫だ。それより子供たちを」
「はい、心得ています。今のうちに、逃げる準備を」
女騎士たちに脱出を促し、今度は子供たちの救出に向かう。
鍵を持っているオークは、監獄の持ち場を離れ、ポールに絡めて悩ましくくねらせる弥恵の踊りに釘付けである。
「えいっ!」
「ぎゃっ!?」
背後からの奇襲であっという間に片付けると、子供たちの牢へと向かう。
「安心して、お姉ちゃんたちが助けに来たからもう大丈夫よ」
「あ、ありがとう! 怖かった……」
いたいけな子供たちを人質にするオークたちに怒りを募らせながら、仲間たちの突入を待つ。
●突入! オーク殲滅作戦
さて、夜空に月が昇る頃。
砦の外で待つ者たちにも、オークたちの嬌声が聞こえてきた。盛大に盛り上がっている。
まず、砦の正面である。見張り櫓があり、クロスボウをもったオークがいるということだったが。
どうやら、櫓のオークは中央のポールに視線が釘付激されている。チャンスだ。
「おのれ非道なオーク! 村を襲うだけじゃ飽き足らずに村人を人質にして女騎士を捕らえる、だなんて……。まるで〇〇同人みたいね! 許せないわ、天誅を加えてやりましょう!」
などと、途中の前にいろいろ想像して憤っていた『新たな知識を』ノコリット・グラス(p3p007899)である。
櫓のオークに対し、ノコリットは指先を向けた。
すると、その指先からするすると魔法の茨が伸びていく。
茨は、そのまま櫓を伝ってオークを絡め取った。
「お、おろ……!?」
完全に油断していたオークは、雁字搦めになって櫓から落ちる。
叫び声もしないということは、完全に気を失ったようだ。
「キヒヒ、大成功よ!」
さすがは天才魔女ノコリットである。
まだ自称に過ぎず、褒めてくれる相手を募集中だ。
「面白いものを闇市で見つけたんだぁ。花火かなぁ?」
正面突破組のひとり、『賢者の石』フェルシア・ヴァーミリオン(p3p007908)が皆に見せたのは、星夜ボンバーという特殊な装備品だ。
見張りが排除されたので、正面からこれを投げ入れれば、大混乱を引き起こせるはずだ。
そして、フェルシアはゆっくりと近づき、門越しに星夜ボンバーを投げ入れる。
「たぁまやぁ~」
いささか、気の抜けた掛け声であったが効果は十分だった。
爆発! 閃光! 叫び声!
オークたちが突然のことに右往左往しているのが、砦の外からもわかる。
いよいよ、突入である。
「騎士さんたちが捕まってるんだ! 大変だね、早く助けに行こうよ!」
「おうよ、オークどもはたまったもんじゃねぇはずだ! ククク!」
先陣を切って正面突破を図ったのは、『優しいカナ姉ちゃん』カナメ(p3p007960)と『とりあえず殴らせろ!』雪乃蔵・柘榴(p3p007365)であったあ。
気配を遮断していた柘榴が、騒ぎに乗じて突っ込んだ。
「な、何事だブフ!? て、敵っ!?」
「当たりだ、オラァッ!!」
出てきたオークを、思いっきりぶん殴った。
「見つけ次第、片っ端からぶっ飛ばす! シンプル・イズ・ベストだよなぁ!」
殴ってしまえば大抵のものが解決するのである。
格闘技の素晴らしいところだ。
「子供をさらうなんてオークも酷いことするし……ヒトデナシってやつだね♪」
だから、カナメも容赦しない。
むしろ、容赦しなくていい理由を見つけて喜んでいるようだ。
「あ、そっかー! 豚さんだから正々堂々戦うとか、鈍臭くてムリだよねー、ごめーん☆ かっこわるー!」
煽った。こうして煽りに煽り、オークたちを惹きつける。
カナメの挑発に、オークたちもブチ切れた。
「おめえ、オークをバカにすんじゃねえ! 〇〇同人界じゃ、俺たちちょっとしたもんなんだブフ。お前にもひどいことしてやるでフブッ!! 〇〇同人みたいに! 〇〇同人みたいに!」
ふんがふんがと鼻息を荒くして、カナメたちに向かってくる。
やはり、単純でいい。
「オークが薄汚いのはどこの世界も同じなんだねぇ」
「ですね♪ オークは消毒だ~☆」
「そうよ、徹底的に懲らしめてあげましょう!」
殺到してくるオークに、ノコリットが指先を向けてゾーンバインドで絡め取る。そこに、フェルシアのファイアフライとカナメのフレイムバスターが炸裂する。
「むぎゃあああああああおおおおおおっ!?」
オークたちは大炎上である。
●一気呵成にオーク退治!
オークたちは大混乱であった。
いい気分で獲物にポールダンスを踊らせ、酒盛りを始めていたというのに予期せぬ襲撃を受けたのである。
(始まったようですね……)
仲間が奇襲を開始したことを知り、弥恵もステージから飛び降りた。弥恵が髪に仕込んだ銀の髪飾りは暗器となっている。これを構えて反撃に転じる。
「弥恵さん、うまくいったんですのね」
城壁の隙間から、『半透明の人魚』ノリア・ソーリア(p3p000062)がにゅるんと顔を出した。
物質中親和の能力によって、なんとノリアは壁の中を泳いできたのである。最後に、レプトケファルスの半透明の尻尾も、壁の間からつるんと抜けた。
「はい、アルテミアさんが捕まった人たちを助けにいっています」
「よかったですの」
「くそ、だまし討だったのかブフ!」
「そうですの! オークは……カッコよくて、紳士的じゃないと、いけませんの!!」
ノリアが叫んだ。
彼女には、どうしてもこのオークたちを許せない事情があるのだ。
こういう乱暴でいかがわしいことをするオークを放置しておくと、異世界からきた恋人のオークが、勘違いされ白眼視されるかもしれない。
そのことだけは阻止しなくてはならない。
「何言ってんだ、おめえ……?」
まあ、オークたちの反応は当然そうなる。
ノリアの事情など、彼らは知ったことではない。
「ブフフフ、だがこっちには人質がいるんだブフ。おとなしくしねえと、ガキからぶっ殺す! ――って、あれ?」
「人質は、救出させてもらいました。もう得意の悪知恵も使えませんよ!」
アルテミアが、すでに女騎士も子供たちも救出していた。
これで、存分に心おきなく戦える。
「ブッハァ! てめえら何やってやがる!」
「お、親ビン……!?」
ひときわ巨体を誇るオークの頭が、モール片手にやって来る。
でっぷりと肥え太ったその腹は、筋肉の飢えに脂肪が乗っているという体型だ。
片手には、重たそうな鉄塊がついたモールを携えていた。
「こ、こいつらが、俺たちを騙して奇襲なんぞ仕掛け……へぶぅっ!?」
言い訳をするオークの頭を、ぶんと降ったモールでふっとばす。
そいつの頭は、まるでスイカのように砕けた。
「誰が言い訳していいって言った? え? 俺ぁそういうのが大嫌いなんだブフ」
この群れのボスは、部下であろうと容赦しない。
その巨体と怪力に、弥恵もアルテミアも、背筋に冷たいものを感じた。
「あー、もしもし? “くっころ”に興じてるところ悪いなお二人さん」
『深き森の冒険者』クロバ=ザ=ホロウメア(p3p000145)の登場であった。
「クロバさん! もう、遅いですよ」
「だ、誰も“くっころ”なんかに興じてはいません! あれは、目を引きつけるために仕方なく……」
「はは、そりゃ悪かった」
悪態をつきながらやってきたクロバは、さっそくオークのボスの間に割って入る。
「ハッ! カッコつけての登場ブフな。だが、こっちにどれだけの数がいると思っている?」
「ああ、さっき一匹あんたが減らしただろ? あと四、五匹眠らしたから……何匹だ?」
「な、なに!?」
悠然と構えるクロバは、正面突破組と別行動を仕掛け、混乱に乗じて何匹か仕留めていたのだ。
「そんなわけで、相手をしてもらうぜ?」
「ぐふ、おのれ……!」
モールを構えたオークリーダーとクロバの一騎打ちの方となった。
その間、ノリアが中を泳いで他のオークたちを惹きつけ、弥恵とアルテミアは正面突破組と合流して殲滅に入る。
「ブフフフ、手下をのしたくらいでいい気になってもらっちゃ困るぜ。かっこつけの兄ちゃん」
「別に、いい気になっちゃないさ。高レベルなんで、新米たちのためにちょっと手加減してるだけだぜ」
「言いやがったな! うおおおお、喰らええい! 魔猪粉砕撃(マッチョクラッシャー)!!」
モールをぶん回し、あらん限りの力で振り下ろす。
「遅い、クロスエッジ・フルバースト――」
魔力を込めたガンブレードが、モールが振り下ろされるより疾く斬撃を結び、一気に爆炎と剣戟を見舞った。
単純に力任せに振り下ろすオークの技など、かなうはずもない。
「さあ、こっちですの!」
ボスが倒れた一方、手下どもは逃げ回るノリアを必死で追っていた。半透明の尻尾を泳がせ、ノリアは巧みにオークたちをひとところに誘導していたのである。
「くそう、ちょこまかと! ……う!?」
必死にノリアを追うあまり、正面突破組と内部潜入組に囲まれていたのに気がつかなったのだ。
「チェンジ、ですの!」
「おっしゃ! 任せとけ!」
ぱーん! と勢いよく拳を掌に叩きつける柘榴である。
これからオークを殴るにいく勢いだ。
「あ、あの……」
「集まったら全力攻撃よね☆」
「きひひ、天才の魔法を受けるがいいわ」
「今度はどうましょうねぇ」
カナメ、ノコリット、フェルシアが、オークたちを取り囲む。
「これまでのお礼はさせてもらいます」
「そうですね、二度とこんなことをしないように」
弥恵がすっと美脚を蹴りに構え、アルテミアが青き炎を剣にまとわせる。
「ブフゥゥゥゥゥッ!?」
その夜、オークたちは砦から一掃された。
●戦い終えて
こうして、非道のオーク軍団は壊滅した。
人質たちも無事解放され、ローレットの冒険者たちは引き上げていく。
「ったく。人質なんかに取られてんじゃねーぜ。……ほら、ジャケット羽織っとけよ」
「あ、ありがとう……」
柘榴が、女騎士の方にジャケットを羽織らせる。
トゥンク、何かがときめき高感度が上がる音が鳴った。
まあ、よくあることである。
武装解除したオークたちは縛り上げられ、後は官憲の手に渡るだろう。
ボスを破ったクロバが一瞥したので、ずっとおとなしくしているはずだ。
「はーい、こっちこっち」
ノコリットが折った紙人形が、捕らえられた子供たちの退避を誘導している。これなら、おとなしく付いてきて村に変えはずだ。
「おわったー! つかれたー☆ みんな無事でよかったね♪」
「ええ、おかげさまで」
「うまくいってよかったです」
満足げなカナメに潜入側であったアルテミアと弥恵が答える。
オーク相手に、危険な役を引き受けたのは確かだ。
「カナもオークの困った顔たくさん見れて大満足ー!今日はいい夢見れそうだねー☆」
清々しくそんなことをいうカナメに、フェリシアもふと笑顔を浮かべた。
「でも、弥恵さんの踊りはステキだったんですの。こんなふうに、きれいに足を上げて」
「あ、そ、それは、その忘れていただけると……」
ぷるんと、ノリアがゼラチン質の尻尾で真似にしてみる。なかなかうまくいかないが、これはこれで微笑ましい。
演技とはいえノリノリになってしまった弥恵はそのことを思い出し、少し照れた。
こうして、オーク退治の依頼は無事終わったのである。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
お疲れさまでした、オーク退治無事依頼達成です。
いろいろ期待が高かったようで、予約もいっぱいありました。レベルキャップ推奨のおかげで、初心者の方や初依頼の方もおいでのようで頑張らねばと筆を執った次第です。
今回、MVPは趣旨を深く理解していただき、みずから囚われの身となるプレイングを送っていただいた『嫣然の舞姫』津久見・弥恵(p3p005208)さんに贈呈します。踊りについてはアドリブを踏まえて判定し、結果を演出しております。
他の皆様も、いかがだったでしょうか? せっかくですので皆様にはオークスレイヤーの称号を、弥恵さんには魅惑のダンサーの称号を贈らせてていただきます。
続編も考えていますので、そのときはよろしく。
では、またお会いしましょう。
GMコメント
■このシナリオについて
皆様こんちは、解谷アキラと申します。
ゴブリン退治、オーク退治というファンタジーの基本を歩んでステップアップを図りたい初心者GMです。
オークの砦に乗り込んで、女騎士を救う依頼です。
・砦について
人里離れたところにある山城で、長らく使われてないのをいいことにオークが棲み着いています。
見張り櫓が建っており、正面を見渡せるようになっています。
砦は、杭打ちした木材の壁で囲ってあり、正門が出入り口になります。
・オークについて
20匹の群れです。ほとんどが白兵武器を装備していますが、見張り櫓にいるオークがクロスボウを装備しているという事前情報があります。
群れのボスが持つのは、モールという打撃武器です。
・女騎士
従者や部下と一緒に捕らえられた模様です。
5人の一団で、全員女性です。
また、近隣の村人たちのいうことを聞かせるために人質をとっているという情報があります。
・その他
初心者も歓迎しております。
レベルの上限は設けていませんが、高レベルの方には初心者PCのサポートを推奨しております。もちろん、戦闘で率先しての活躍も期待しております。
レベルキャップについてはなにかの制限があるわけではなく、GMからお願い程度だと思ってプレイングを送ってください。高レベルだからといって不利なことはありません。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
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