PandoraPartyProject

シナリオ詳細

プリティリズムは雪原へ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 鉄帝国。力こそ全てであるこの国家は侵略を是とする。
 何故か、それは国を富ませる事である。
 そうした理由より鉄帝国北東部に広がる貧しい大森林地帯『ヴィーザル地方』は二の次となるのは致し方がない。強大な鉄帝国からすれば北東部は泡沫戦線に過ぎず、敵国と認識するは幻想王国や天義であるという事だ。
 侵略に寛容たるこの国家の維持発展の手が北東部に及ばんとしたときに与えた影響――そう、それが北東部に影響を与えた。
 小数部族が紆余曲折を経て徒党を組み国を名乗り始めて少しの時間が立った。永久氷樹と共に生きる英知の獣人族シルヴァンスの一人、ロクスンは冴え渡るその頭脳で一つの考えに至った。
「鉄帝は海洋と戦争をしたらしいよ。それで、今は軍人もスチールグラードのスラムにつきっきりらしい!
 これこそ、攻め行く絶好の機会じゃない? 前回はローレットに邪魔されたけど奴らも絶望の青にお出かけ中らしいよ! 聞いてる? ねえ、バルトロメウスったら!」
 兎の耳をぴょこぴょこと揺らしたロクスンに横になった儘のバルトロメウスは「知らない」と地団駄を踏んだ。
「あーあ、ロクスン。バルったらイレギュラーズにコテンパにされて拗ねてるんだよ。どうする?」
「僕たちで何とかしよう。ダーウィットでも誘えば戦線を押し上げられるでしょ!」
 ロクスンの言葉に友人、ドミニクは「鬼畜~!」と囃し立てた。
『巨壁』のダーウィットと呼ばれる彼らの友人はずしんずしんと歩くクマであった。
「それで? どうするの? ロクスン」
「『パルスちゃんのライブ』があるんだ。そこに仕掛けて、ライブをぐちゃぐちゃにして僕らの実力を示そう。チケットは1枚とった! ダーウィットに渡して中で暴れて貰うんだ」
「ええ……? ダーウィット、パルスちゃんのファンじゃないっけ?」
「けど、ノーザンキングスの為だぞ! パルスちゃんを配下に置けば歌も聞き放題だろ!」
「それもそうか! 流石だね、ロクスン!」


「やっほー!」
 さあ、皆さんご一緒に。

\パッルスちゃーん!/

 桃色の髪に快活な笑み。軽装で有り乍らファイターとしての装備を備えた愛らしいコスチュームに身を包んだパルス・パッションその人は本日はラド・バウから出てライブに向かう準備中だ。
 ラド・バウのアイドル闘士であるパルスがイレギュラーズに声をかけたのは理由がある。彼女がライブで向かう事になったのは『情報収集』を兼ねてヴィ―サル地方なのだそうだ。
「ボクのライブに皆が来てくれることはとってもとっても嬉しいんだけれどね、其処に『ノーザンキングス』が混ざってるらしいんだ。
 此の儘じゃライブを中止しなくっちゃいけないし……ボクはみんなの笑顔を護りたいし……それで、お願い! みんな、手伝って!」
 無事にノーザンキングスによる介入と暴動を防いでライブを成功させたいというパルス。
 ……実際、彼女が『ライブをすればノーザンキングスが仕掛けてくる』と踏んでいた裏方は多く、攻めて来たならこっちのものだと撃退して野郎という考えだったようだ。
 当のパルスはと言えばライブを成功させることこそがアイドル闘士に必須技能だという認識からライブを成功させるべく、『歌の力』でなんとかしたいのだそうだ。
 詰まるところは攻め来るチケットを持ってないうさぎさんにはお帰り頂きつつ、チケットを持って居るクマさんには歌の力(物理)で楽しくお帰り頂きたいという事だ。
「ボクと皆の歌声でライブを絶対に成功させようね!」
 衣装も必要なら用意するからとウィンクしたパルス・パッションはぽそりと溢す。
「ノーザンキングスだなんて言わないで、皆で楽しく過ごせたらいいのにね……」

GMコメント

 パッルスちゃ~ん!

●成功条件
 ライブを成功させましょう。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●パルス・パッション
 鉄帝国が誇るラド・バウのB級闘士にしてアイドル。歌って踊ってバトルもしっかりこなせるカワイイアノ子です。
 イレギュラーズには好意的。基本は指示に従いますが本人を自由にさせて置いても支障はありません。

●ライブ会場
 パルスのライブ会場。100名程度が入れる広場です。入口にはチケット係が存在し、パルスを見るためにはチケットが必要です。
 因みにステージはパルスが闘士である事から広めにとられており『模擬戦闘』風に戦う事は可能となります。
 ライブ会場の警備は鉄帝国の皆さんにおまかせOKですが、大規模な戦闘はライブの邪魔になるので禁止です。

 パルスはみんなと共に歌って踊るのもアリだと思ってますのでイレギュラーズが望む場合はライブに出演OKです。
 警備のみでも構いませんし、ライブのレクリエーションとしてダーウィットを利用してもOKです。
 ライブに出演する場合はどんなアイドルになるかをプレイングに明記してくださいね。

●ロクスン&ドミニク
 シルヴァンス。兎の獣種。二足歩行するうさぎさんです。
 狡猾(で短慮)で非常にすばしっこく動きます。装備品は鉄帝から奪ったものばかりです。
 チケットを正規導線で1枚買ってダーウィットに渡したために彼らは突然ライブに乱入してこようとしています。ライブがダメになるとしたら彼らの仕業です。
 因みに彼らは『ノーザンキングスとして鉄帝を乗っ取ってやる』という強い意思があるそうです。対話できるとするならばロクスン。ドミニクは「流石ロクスン!』しか言いません。
(拙作『ホワイトツリーの妖精』で暴れていたバルトロメウスの親友です)

●ダーウィット
 シルヴァンス。『巨壁』の異名を友人達の間で持つクマです。のっぽでとても照れ屋で口下手。
 話すより手がでます。とりあえずどつけば何とかなると思っている節も。
 パルスちゃんのファンです。正直緊張でパルスを前にするとライブどころじゃありません(ぶっこわしてきます)

楽しくライブを盛り上げつつ敵を退けてくださいね。
よろしくお願いします!

  • プリティリズムは雪原へ完了
  • GM名夏あかね
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年02月22日 22時45分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

セララ(p3p000273)
魔法騎士
ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
天穹を翔ける銀狼
すずな(p3p005307)
金星獲り
レイリ―=シュタイン(p3p007270)
ヴァイスドラッヘ
ニコラス・T・ホワイトファング(p3p007358)
天衣無縫
ベルフラウ・ヴァン・ローゼンイスタフ(p3p007867)
戦神凱歌
リュティス・ベルンシュタイン(p3p007926)
黒狼の従者
羽住・利一(p3p007934)
特異運命座標

リプレイ


 輝くライトに桃色のうちわが揺れる。コールは何時でも彼女の名を呼んで――

「パルスちゃん! 勿論手伝いに来たよ!」
 笑顔は百点、気合だって花丸模様。将来の夢はアイドル、ライブのチャンスは見逃せないとウサギの耳を思わせるリボンを揺らして『魔法騎士』セララ(p3p000273)はにんまり笑う。
「セララちゃん! 今日はありがとう!」
 ローレットによる救援に心を躍らせるのはラド・バウのアイドルファイター『パルス・パッション』だ。桃色の髪を結いあげて笑みを浮かべる彼女は戦いでも一流だがアイドルとしても超一流だ。ノーザンキングスを名乗るヴィーザル地方の一部族シルヴァンスによる戦闘行為も『通常』のパルスであればなんてことないのかもしれないが、彼女には守るべきファンと、そのファンが心待ちにしている『ライブ』があるのだ。
「鉄帝の民にとっては数少ない娯楽であろう。パルスのライブを台無しにさせるわけにはいかんな」
 それは歌って踊れる『天穹を翔ける銀狼』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)にとってもよくわかる。邪魔者は追い返して、しっかりとライブを盛り上げなくてはならないと決意を胸に彼は堂々と頷いた。
 そう、ライブに邪魔者が入り込む事が本件では一番の問題なのだとパルスは言うのだが、事実、『特異運命座標』羽住・利一(p3p007934)が気になるのは他の事だ。
 連合王国ノーザンキングス。それは、鉄帝国の『捨て置かれた地』に住まう先住民族が徒党を組んで侵攻を繰り返しているのだ。彼らは自身らの利権と自身らの文化を守るためと正統的な理由を口にするが――「うん、やっぱり、みんなが楽しみにしているライブを滅茶苦茶にするってのはいただけないね。ちょっとお灸を据えてやろうじゃないか」
「そうですね。以前ライブを経験しましたが、やはり良いものでした。
 それを台無しにさせるわけには参りません。救援要請が来たのであれば、しっかり食い止めねば、ですね!」
『妹弟子 』すずな(p3p005307)の言葉に『展開式増加装甲』レイリ―=シュタイン(p3p007270)は「ライブ」と口にする。ライブとはどんなものであるか――すずなやセララ、ゲオルグが『素敵なもの』というのだから、きっとそうなのだろう。
(任務優先だけど雰囲気だけでも味わえたらいいな……聞いただけで楽しみと思えるライブを壊されないように招かれざる客を倒すとしよう)
 さて、ライブの準備をしようかと『無縫の咎人』ニコラス・T・ホワイトファング(p3p007358)は悩まし気だ。警備はある程度の手数は揃っているという前情報を聞けばイレギュラーズはライブにパルスと一緒に参加するという選択肢が浮上した。
「俺みてェな汗臭いのがステージに上がんのも違うと思ったんだよな」
「ふむ。ライブバトルを目撃する『観客』というのも捨て置くわけにはいかぬ重要なミッションだ。
 ライブ感、という言葉がある。練達の映像技術や蓄音技術は素晴らしい。だが、現地で嗜むと格が違うのはやはり『目の当たりにする』と言う特別感から来るのかもしれないな」
 ライブとは娯楽であり、そして衝撃を体現するものであるのだろ『金獅子』ベルフラウ・ヴァン・ローゼンイスタフ(p3p007867)は頷いた。観客に紛れ、警備をするのも重要な仕事ではある。
「えっ、舞台に上がる子ももちろんいるよね!?」
「はい。しかし、大まかなスケジュールや注意事項を教えていただいて、ライブでのご迷惑にならないようにしなくては……ライブを成功させなくてはいけませんから」
 穏やかに笑みを浮かべたリュティス・ベルンシュタイン(p3p007926) 。成功させるために、と言うならばパルスはその言葉にも瞳を輝かせて「マネージャー!」と本日の付き人を呼んだ。


 パルス・パッションスペシャルライブの看板へ向けてチケットを手に心を高揚させた子供たちが受付を通り抜ける。看板には『シークレットゲスト有! 今日限りの特別なパルスちゃん!』と楽し気な文字がが躍っている。
「ロ、ロクスン! どうする!?」
「ドミニク。ダーウィットはどうなってる!?」
「や、やばいよ! テンションあがってるよ!?」
 特別なパルスちゃんと言う言葉にノーザンキングスのシルヴァンすが一人、パルスの大ファンであるダーウィットのテンションもうなぎのぼりだ。
 ……特別なシークレットゲストというのがイレギュラーズであることを彼らはまだ知らないようだ。
「みんなー! 今日は来てくれてありがとー!」
 コールは勿論『パルスちゃーん!』なのである。桃色の髪を揺らしてステージの上で微笑むパルスは手招き一つ。
「今日は素敵なアイドルが来てくれてるよ! セララちゃーん!」
「はーい! えへへ、魔法歌姫セララ参上! 今日はみんなに素敵な歌を届けるよー!」
 金の髪を揺らしてウィンク一つ。司会進行も務める愛らしいアイドルの登場にオーディエンスは大盛り上がりだ。
 彼女の持ち歌、ドキドキの魔法はパルスと一緒にまずは一曲。魔法歌姫セララのあこがれは勿論、パルスなのである。
 ウィンク一つ、セララフィールド展開! 保護結界を広げてスカート揺らしたセララは「今日は素敵なゲストも盛りだくさん! 楽しんでいってね!」と微笑んで見せる。
 白を基調とした軍服風の衣装に身を包んだゲオルグはハードボイルドでダンディーなアイドル路線で観客を魅了する。
 ライブのスケジュールは勿論しっかり組み立て済み。ライブ演出としてバッチリ戦闘を組み込むのも織り込み済みだ。
 舞台袖から周囲を見回して、ダーウィットは『のっぽで大きな熊』だという前情報から彼を探す。
(ふむ……どうやらアイドルが好きと言うのは本当のようだな。パルスに見惚れている)
 もしもここにダーウィットの友人のロクスン達がいたならば地団太踏んだことだろう。こんなことなら自分が行けばよかった、と。
 ゲオルグが見下ろした先には警備を行っているレイリーと利一が見える。怪しい素振りを見せたりする相手はいないかとダーウィット以外にも警戒は怠らない。
(特にロクスン達が面倒のようだ……)
 利一が溜息を混じらせたその傍らで、ベルフラウは『ターゲット』に気づいて頷いた。彼らが事を起こす前に『バトルイベント』にすればいいのだ。
「此度はバトルライブ、更にはローレットアイドルも参戦と言う初の試みである。
 成功するかは此処に居る諸君らに掛かっている!! 伝説の目撃者となれ!!」
 アイドルファンたちもそういわれれば黙ってはいられない。扇動の言葉は観客たちを盛り立て、アイドルたちがステージへと集結していく。
 ベルフラウの言葉にローレットのアイドルと注目が集まる中、受付は大騒ぎだ。
「すいません、大丈夫ですか? チケットはお持ちですか?」
「チケットを持っていらっしゃらない方は入ることができません……」
 レイリーとすずなは受付で押し掛ける客たちの対応を続けていく。ふと、視線をそらしたウサギが二羽。レイリーが頷けばすずなは「兎のお方もチケットを拝見させていただいてもよろしいでしょうか?」と首を傾いだ。
「ロ、ロクスン……」
「大丈夫だ、ドミニク。『当日券』とやらをいただこうか!」
 堂々とそう言った彼らがノーザンキングスであることは明らかだ。すずなが振り返り、レイリーは大きく頷いた。
「なるほど、おまえら二人はこの私を倒すことができずに虚勢を張ったのか?」
「は、はん! お前くらいコテンパだ! どうせ中にはダーウィットが……」
 かちんとしたドミニクにレイリーはにい、と笑う。これで彼らがノーザンキングスであることが明らかなのだから、とる行動は一つ――
「貴方達はノーザンキングですね! ステージへは行かせませんよ、ライブがダメになっちゃいますからね!」
 すずなはライブステージを指さし、彼らを先導するのだった。

 歌って踊れるメイドアイドル。クールさがウリだというリュティスはスカートを持ち上げ淑女の礼を一つ。
 たまに見せる笑顔はクールから離れた愛らしさで観客たちを魅了する。新鋭アイドルの登場に観客がどよめき、パルスが「今日はイチオシのみんなを呼んだからね!」と告げればどよめきと共に新たなアイドル達に視線が向かう。
「歌も踊りもメイドの嗜み。お任せください」
 ざわざわとする観客たちは「リュティスちゃーん!」「ゲオルグさん……しゅき……」「セララちゃんだろ! 王道! 魔法少女! 歌姫!」と大騒ぎだ。
 コールと共にパルスの持ち歌が一曲。その間にドミニクとロクスンはステージ方向へ移動中である。
 ベルフラウと利一から離れるように少し動いて、端より暴れださんとしたダーウィットの方をがしりと掴んだのはニコラスであった。
「ちょーっと待ったァ。てめえの暴れる場所はここじゃあねえぜ?」
 にいと笑った彼はハンドサイン一つ。それに気づいた舞台上のセララは「あー!」と声を上げ大げさに指をさす。
「パルスちゃーん! あの人がバトルしたがってるみたいだよー! さあさあ! 強い人はバトルライブにご招待だよー!」
 セララとパルス、そしてリュティスに誘われて ダーウィットがステージに上がった時、「あれ!?」と驚いたような声が響いた。
「ダーウィットどうして!?」
「―――さあ! これがライブバトル! ローレットアイドルの実力をとくと見よ!}
 ベルフラウの言葉に会場のボルテージはマックスだ。さて、もう彼らは逃れられないと呆然としたシルヴァンスはやけになってアイドルたちへと掴みかかった。


 ダーウィットがどうしたものかと慌てている中、ロクスンとドミニクはゲオルグへととびかかる。
 ひらりとダンスに合わせて回避した彼のウィンク一つ、セララたちが「これがアイドルのパフォーマンスだよ!」とはやし立てるそれにダーウィットの思考回路は帰結した。
 成程、ならば、アイドルたちを盛り上げるためのパフォーマンスを見せればいいのだ。
 歌って踊って華麗なるライブパフォーマンスを見せるセララ。ダーウィットはアイドルたちとの夢の舞台に戦闘にも身が入らない。
「くそ! ダーウィットのバカ! ここでやらなきゃやられんだよぉ!」
「わーん、ロクスン!」
 大騒ぎのドミニクにゲオルグは小さく笑う。ノーザンキングスも精いっぱい頑張っているのだろう。
 大げさな動きと共にドミニクの横面へと飛び込んだすずなにパルスが「さあ、衝撃のダンスを見て!」と楽し気にパフォーマンスを交える。その言葉に合わせ、魅せるように刀を返し、ステージよりはねたすずなの背後よりレイリーは姿を見せ、ロクスンとドミニクを引き付ける。
「さて、チケット代わりに特等席で見ていくがいい」
「なるほどなァ、特等席で『痛ェパフォーマンス』を楽しんでけ」
 ダーウィットの背を押してニコラスがにいと笑う。騒ぎにならないようにと警備員たちがステージを見ながら、パフォーマンスとして楽しめるというのは見せ方として非常に良いのだとベルフラウは後方で頷き、堂々と声を張り上げた。
「殴り合った後でなくば分かり合えぬ事もある、来い!」
 ファン同士、思うことだってある。ローレットのアイドルではないパルス推しであったダーウィットにローレットのアイドルたちの良さを伝えるべくベルフラウは拳を固めた。
 優雅にエプロンドレスを揺らしながら、リュティスはにんまり笑みを浮かべる。足払いも全ては軽やかに。アイドルはダンスするように黒蝶を刻み付け、そっとその耳元に声を落とす。
「ライブを台無しにしたいわけではありませんよね?」
 ダーウィットは頷いた。
「ならば――楽しめるうちに終わらせましょう……? 深呼吸をひとつ、落ち着いてください」
 リュティスの声かけにダーウィットが途惑い、視線をうろつかせる。利一は「ライブを中断させるわけにはいかない!」とロクスン達の足を止めさせ、魅せるアイドルたちの前へと飛び込ませる。
「これで、終わりだァー! セララ―――――!」
 技名を叫ぶ前、セララが歌姫パルスを振り返る。
「OK。任せて、皆、力を貸して! いっくよーーー!」
 アイドルアタック(ヴィーザル地方Ver.)!

 ちなみにこのアイドルライブバトルはしっかりと漫画化決定なのである。
「皆仲良く遊んでめでたしめでたし! いつでも大歓迎だからまた遊びに来てね! ――魔法歌姫セララをよろしくね!」


「さあ! ―――ライブの始まりだー!」
 パルスのコールと共にアイドルたちの歌声が会場に響き渡る。
「ダーウィット……卿に頼みがある」
 卿にしか頼めないのだとベルフラウは神妙な顔をする。そう、その頼めないものと言うのも広い会場の中でアイドルをよく見るために肩に乗せて欲しいということだ。
「さあ、次はこの曲―――!」
「『恋は戦いラド・バウ)愛は情熱(パッション)恋愛波動(パルス)』!?
 馬鹿な、いつもは終盤に歌う曲を序盤に……パルス卿も本気と言う事か……!」
 驚愕のベルフラウにパルスファンのダーウィットは大きく頷く。「パルスちゃん……しゅき……」
「卿よ……泣くのはまだ早いぞ
 セララは……ライブアレンジか! 普段の練習の密度が良く分かる、な」
 後方彼氏面のベルフラウにダーウィットはプロのファンだと感激を漏らし続ける。この時ばかりはアイドルに心を奮い立たせられるのだと彼女は呟き、マネージャーのようにため息を吐いた。
「この先のライブスケジュールを抑えるのにも骨が折れる、な」
 大盛り上がりのライブ会場でニコラスは『アイドルファンっぽい服装』を事前に準備したのだとそれを纏う。
「おっ、ゲオルグか。大人の色気とそのクールさがウリだそうだぜ」
「リュティスさんもクールなアイドルですからコラボが楽しみだそうですね」
 ニコラスとすずなは『パルスが会場で言ってほしい』と打ち合わせ告げていた言葉でアイドルたちへの興味を擽る。
 ふわふわとした羊の相棒と共にクールとキュートのコラボレーションを見せるゲオルグと、静かな歌声をのびのびと響かせるクールビューティーリュティスに観客たちも釘付けだ。
「力こそ全てっていう鉄帝のルールは分かるけど、腕っぷしだけが力じゃないよ。
 パルスちゃんは強さだけでなく、歌や踊りといった別の力も認められているんだ。
 君達も強いことは十分証明できたんだ、今度は別の方向からアピールしてはどうだい?」
 利一の言葉に、ロクスンははっとしたように顔を上げ、彼をまじまじと見つめた。
「もしかして、俺が――アイドル……?」
 その言葉を聞きながらレイリーは次に会ったときにロクスンがアイドルになっていたらどうしたものだろうかと考えた。
 さて、まだまだライブは続く。

「次は―――! ドキドキの情熱(パッション)!」

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 おつかれさまでした、イレギュラーズ!
 とっても楽しくライブを楽しんでいただけたと思います。

 ダーウィットも無理、、尊い、、と泣いておりました。
 また素敵なアイドルとしての一幕を見せてくださいね。

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