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シナリオ詳細

<Despair Blue>アザラシ海大艦隊VSアシカ亡霊大船団

完了

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●貫けアームストロングアザラシ号、暁の先をゆけ
「とーーーーーちゃーーーーーーん!」
「むすこよーーーーーーーーーーー!」
 うおーって言いながら二人のアザラシがきりもみ回転して頭から激突しあい激しい火花を散らした後抱き合って『イカー!』て叫んだ。
 何が起こってるのかわかんないと思うし場にいる大体の人もぽかーんとしていたが、アシカ副官はあたりめ喰いながら『長年わだかまっていた親子が再び仲を取り戻したんですねえ』とか解説してくれた。そう長きにわたるすれ違いと素直になれない心から親子アザラシは距離をとり続けていたがやっと再びわかり合うことができたのだって言っておいたらこれ感動的な話になりませんかね。
「息子よ、とーちゃんが悪かった。イカを勝手に食べてしまったせいで……」
「え、なんのこと?」
「え?」
「え?」
「ん?」
「んー」
 ていうガチでなんでもない解決(と問題)であったことはこの際伏せておきませんか。
 そんな彼らがいざ目指すのは『絶望の青』。
 二十二年ぶりの海洋王国大号令によって官民問わず船を出し、未知なる海を手に入れるべく漕ぎ出したのだ。
「とーちゃん、二十二年ぶりってことは、前もあったんだよな?」
「いかにも」
 ゼニガタ・D・デルモンテ大佐。
 かつては伝説のアームストロングアザラシとして名をとどろかせた海兵である。
「当時俺はまだ若く、お前が生まれたばかりということもあって外洋遠征には参加していなかったが……」
 目をつぶり過去をふりかえるゼニガタ。
 おくるみに包まれておぎゃーおぎゃーいってるちっちゃいアザラシとそれを抱えるアザラシ。なんか浮いてる巨大な鯛。それを小突いてる少女。あと肩んとこに髪を束ねた女。
 すごく余計なもんがうつってる回想だが、内容はシリアスであった。
「必ず帰ると約束した戦友たちは、誰も帰ってこなかった。彼らだけではない。皆……一人も、この海から帰ってはこなかったのだ。だから俺は決めた。次の大号令の際には必ずこの海を踏破し、戦友たちの無念を晴らすのだと……」
「とーちゃん……」
「オヤジ……」
 目をうるませるワモン。
 目を潤ませる少女。なんか浮いてる巨大な鯛。
 二度見するダブルアザラシ。
「!? タテゴト!? なぜここに!?」
「ねーちゃん!?」
 紹介が遅れてしまって申し訳ない。彼女こそワモンの姉。タテゴト・E・デルモンテである。

●こう見えて油断したら死ぬ系の仕事なんだぞ
 すごくわちゃわちゃしたので整理しよう。
 海洋王国は地図の外側であるところの『絶望の青』を目指してついに船をこぎだした。
 といっても、絶望の青は近づくだけでも危険な海である。
 途中の海域にて展開しているという膨大な『幽霊船団』の情報をうけ、これの撃滅による橋頭堡の確保を命じられ、アザラシ大艦隊は編制した沢山の船とともにやってきた。
 これにはかつてのグレイス・ヌレ海戦でたぐいまれなる功績を残したエイヴァン名誉大佐やマリナ船長にも直接の勧誘があり、それぞれ所有する船をフラッグシップとしてこの大艦隊に加わっていた。
 船の数にしておよそ数十隻。
 それぞれイレギュラーズの船をフラッグシップとした小規模艦隊をとりまとめてのアザラシ大艦隊だ。
 そして――。

 目の前に広がる海。そして船。
 ぼろぼろの軍艦が、こちらとほど同数だけ並んでいた。
「あれが亡霊船団」
 双眼鏡を使って見つめるゼニガタ。
 そして、ぐわっと目を見開いた。
「ばかな。あいつは……あいつは……!」
 同じく双眼鏡を覗くイレギュラーズたち。
 ボロボロの船に立ち、軍帽を被ったアシカ軍人の亡霊がそこにはいた。
 声こそは聞こえぬが、口の動きでわかる。
 『なぜお前だけが生きている、ゼニガタ』
「タイゾウ……!」
 帰らなかったもの。
 そして帰りを待っていたもの。
 彼らは今、生者と死者として再会し、そして殺し合うさだめにあった。

GMコメント

■オーダー
・アシカ亡霊大船団の壊滅

■艦隊指揮
 皆さんはひとりひとりが『艦隊長』となって自分の小規模艦隊を率います。
 フラッグシップにはPCが乗り、そこに4隻前後の随伴艦がつく形です。
 『こんな感じの隊員だったらいいなあ』というのがあったらプレイングに書いてください。(特に強くなったり増えたりはしませんが)

■大艦隊戦闘
 皆さんは一人で一艦隊という扱いなので、大量の船と船による連携戦闘が行われます。
 主に『〇〇艦隊と協力して攻撃』や『〇〇艦隊を守りながら進む』といった具合に連携するとよいでしょう。
 また指揮能力や士気をあげるプレイングがあると味方がやる気を出して判定が有利になります。ぜひめっちゃ盛り込んでください。

 個人戦闘の場面も当然ありますが、『隊長ぽい行動半分、個人戦闘半分』くらいに考えてください。いっそ隊長ぽさ全開でもOKです。

・船には主砲がついていますが、使えるのは一隻につき一人まで。PC自身で使ってもいいですし部下にどかどか撃たせてもOKです。
 攻撃力が高いが命中の低いレンジ4範囲攻撃だと思ってください。

■味方NPC艦隊
●ゼニガタ艦隊
 伝説の海兵ゼニガタ大佐率いる艦隊。
 今回鍛え上げた新米兵士たちの艦もあるが、そこにしれっとタテゴトちゃんが混じっています。
・ゼニガタ大佐
 アームストロングアザラシです。
 指揮能力が抜群に高くいるだけで味方の士気があがります。
・タテゴト
 姉御肌な姉。銛を使った近~中距離戦闘が得意。
 さっきからずっといる浮いてる鯛は親友のタイ・コーボー。飛行能力のあるディープシーで空からの鯛焼き爆撃を得意としています。

■敵艦隊
 亡霊兵と幽霊船による大艦隊です。
 生きている者や夢をもつものに対して強い嫉妬と憎しみを抱いています。
 トータルの数はこちらと同数ですが、内容はちょっぴり分かれています。

・アシカ艦隊
 ゼニガタの戦友であるタイゾウ隊長率いる亡霊艦隊です。
 アシカ機関砲などによる砲撃が得意なようです。

・大和艦隊
 亡霊鎧武者で構成されています。猛スピードで船をぶつけ、乗り込んでの白兵戦が主。

・シロクマ艦隊
 屈強な熊獣種亡霊をリーダーとする艦隊。憎しみによる士気が非常に高く、BS系の攻撃が強力。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <Despair Blue>アザラシ海大艦隊VSアシカ亡霊大船団完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別EX
  • 難易度HARD
  • 冒険終了日時2020年02月09日 21時40分
  • 参加人数10/10人
  • 相談7日
  • 参加費150RC

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(10人)

エイヴァン=フルブス=グラキオール(p3p000072)
波濤の盾
ベーク・シー・ドリーム(p3p000209)
防戦巧者
イーリン・ジョーンズ(p3p000854)
流星の少女
シルフォイデア・エリスタリス(p3p000886)
花に集う
黎明院・ゼフィラ(p3p002101)
夜明け前の風
マリナ(p3p003552)
マリンエクスプローラー
フラン・ヴィラネル(p3p006816)
ノームの愛娘
茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)
音呂木の蛇巫女
アンジュ・サルディーネ(p3p006960)
世界の合言葉はいわし
ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)
生イカが好き

リプレイ

●進め大艦隊
「うひー! とーちゃん、幽霊船だー!」
 海洋海軍に提供された民間改造船『ガトリングアザラシ号』の手すりから身を乗り出し、『海のヒーロー』ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)は両手のヒレをべしべしと叩きまくった。
「オイラ初めて見たぜ!」
「そうかそうか。私は月一で見ているし沈めているぞ」
 横に並ぶのはアームストロングアザラシ号。こちらはガチの海軍艦である。
 ワモンの父ゼニガタはハッハッハと低く威厳ある声で笑うと、シリアスな顔で敵艦隊の中央。幽霊船アハトアハトアシカ号をにらんだ。
 ぼろぼろに朽ちた軍艦にそびえる高射砲。アンデッドと化したアシカ将校がこちらを恨めしそうににらんでいる。
「あれがとーちゃんの知り合いなのか?」
「ああ。彼だけではない。当時海軍に所属し、外洋遠征に出た仲間たちが、あんなにも……」
 どう言葉にして良いかわからない。そんな目をするゼニガタに、ワモンはあえて明るい声でキュウと吠えた。
「まかせとけ! とーちゃんが残してきたモンはオイラが救ってやるからな! だから一緒に戦おうぜ!」
「息子よ……!」

 ひとしきり盛り上がるワモンたち。
 一方の『二代野心』エイヴァン=フルブス=グラキオール(p3p000072)は『あんな亡霊は知らん』と吐き捨てたが、前回の大号令当時27歳であったということは、少なくとも当時の同僚があのなかに混じっていることになる。
「この船が俺の家族だ」
「良いこと言いますね名誉大佐」
「今日はサボらないんですか名誉大佐」
「船の指揮とるなんて珍しいですね名誉大佐ぁー」
「ほどほどにしとけよお前ら?」
 パンダやヒグマや黄色い熊の海兵隊たちがヘッヘッヘと悪い笑いを浮かべていた。
「でもねえ名誉大佐。あれが前外洋遠征時のシロクマ艦隊だっていうんなら、俺のオヤジさんもいるかもしれねえんです」
「……分かってる」
 まったく。とエイヴァンは息をついて、盾と斧をそれぞれ握り混んだ。
「行くぞお前ら。いかなる障害があろうが突き進む。それが砕氷戦艦『はくよう』だ」

 外洋遠征を記念してデザインされた名誉記念艦『TAIYAKI』。
 どうみても巨大な鯛焼きに見える軍艦のデッキに、『砂竜すら魅了するモノ』ベーク・シー・ドリーム(p3p000209)はずっと遠くを見つめたまま建っていた。
「艦隊長、今日はよろしくおねがいします(美味しそう)」
「どんな敵が来ても戦ってみせます(甘い匂いがする)」
「この命、絶望の青に投げ捨ててやりますよ(誰か玉露いれてくれないかな)」
「みなさん……」
 ベークはシリアスな顔で振り返った。
「ここは死に場所じゃあ、ありませんよ。僕らは今年こそこの海を越えて、まだ見ぬ海と大陸を目指すんです。層でしょう?」
「「たいやき!(たいちょう!)」」
「本音ェェェェエ!」
 ベークは軽ギレしてから、再び敵艦隊へと向き直った。
「嫌な感じがするんです。僕に『刻みつけられた』何かが、じくじくと僕をむしばんでいくような……絶望の青に近づくたび、それが深まるような……」
「艦隊長……それは……まさか……」
「わかりません、もしかしたr――」
「賞味期限では?(賞味期限では?)」
「本音と建て前ェェェエエエエ!!」

「これが白夜壱号……! 沈まぬ太陽の船!」
 ヒュウやったぜとかいってはしゃぎ散らす船乗りたち。
 軍人と漁師が半々くらいのメンツで構成されたマリナ艦隊の旗艦『白夜壱号』。
 表彰式の前からそれなりに有名だった彼女だが、あれ以降外洋遠征を目指す人間たちの間でアツく人気が沸騰していた。
 『マリンエクスプローラー』マリナ(p3p003552)は両手を腰に当てると、ムンと口をヘの字にして身体ごと振り返った。
「いいですか。私のことは船長って呼ぶんですよ。お嬢ちゃんなんて呼んだらタダじゃおかねーです」
「「はい! お嬢ちゃん船長!」」
「ふんぬ」
 近くに置いといたアンカー(投擲用)をぶん投げるマリナ。
「なんの!」
 真剣白アンカー取りをするナマズ海種の漁師。
「く、外洋遠征に選抜されるだけのことはありますね」
「せやろお嬢ちゃ――」
 フリントロック銃で撃つマリナ。
 はうあといってナマズさんがぶっ倒れた。
「警告はしたのです」
「したかなあ」
 あたまをかいて起き上がるナマズさん。流石のタフネスであった。

「アンジュ、アシカ嫌いなんだよね。いわし食べるから。アザラシくんはいわしの味方だからゆるす!」
 船の側面にめっちゃエンジェルいわしがペイントされた『エンジェルいわし号(元軍用船向郷丸)』の先頭で、『エンジェルいわし』アンジュ・サルディーネ(p3p006960)はビッと水平線の先を指さした。
 船の左右では引くほど大量のイワシがびっちびっちジャンプしたり泳いだりしている。
「そんなアンジュだから、艦隊はイワシで揃えるように言ったんだけど……できてるよね? エンジェルいわし艦隊」
「もちろんです艦隊長。特に俺!」
 首から上だけがイワシのおっさんが目をカッを見開いて上を向いた。
「鰯頭・信心之助が副官を務めますからねェ!」
「引く」
「まってまって、私イワシのディープシーなの。アンジュちゃんとおそろ!」
 この彼〇島みたいなやつは見なかったことにして! て言いながら銀髪の女性がぱたぱた手を振った。
「そしてオイラはイワシ星雲のイワシ帝国から召喚されたイワシナイトなんだぜ」
 光るイワシ剣をヴォンヴォンいわす巨大イワシが尾びれをぷるぷるさせながら立っていた。
「引く」
「まってまってこれもナシ! イワシ系かイワシ好きだけを集めたから、ねっ!?」
「然様! 我輩はイワシ料理人。好物はイワシ」
「いわしをたべるな゛っ!」
 アンジュパンチがイワシ料理人の頬を直撃。『DHAッ』て言いながら吹っ飛んでいった。

「適当に私にちなんだ船にしていいよって、あたし言ったと思うけど……」
 腕組みした『繋ぐ命』フラン・ヴィラネル(p3p006816)がカッと目を見開いた。
 カメラさん引いて。
 フラン艦隊旗艦『フランゴリラノジャロリバ号』を写して。
「なんでこんな偏ったイメージだけ反映させたのかなあ!?」
「だ、だってこいつがゴリラになってシャケネンナハトをとってたっていうから」
「ウホホウホウホホ! コイツもロリババアが好物だって!」
 水兵制服を着たロバ獣種とゴリラ獣種がお互いをはたきながら責任をなすりつけ合っていた。
「なんだいアンタ、だいぶトンチキな船に乗ってるんだねえ」
 甲板に設置したビーチチェアに腰掛けて、タテゴト・E・デルモンテが船を横付けしてきた。頭上でなんか浮いてる巨大な鯛。
「コー……ホー……」
 船には大漁旗が掲げられ、乗組員もなんかみんな漁師っぽかった。けど軍人のバッジがついているので多分海洋海軍の兵隊なんだと思う。
「こいつらは頼れるアタシの同僚さ。そんでもってこいつはタイ」
「コー……ホー……」
 斜め上をどろーんと見つめたまま宙を舞い続ける巨大な鯛。
 急に目がぎょろっと動いてフランを見た。
「ヒッ」
「アタシらは今回遊撃のつもりだったけど、あの鎧武者みたいな連中を相手にすればいいんだね?」
「う、うん。お願いね」
「あいよ!」
 タテゴトは船を移動させようとして、ふとフランへと振り返りなおした。
「なあアンタ」
「うん? なあにタテゴトおねーさん」
「艦隊戦で旗艦と艦隊長が死ぬ事態になったらもうそれは全滅した時だ。そこまでのコトにゃあならないと信じてるけど……『そうでないヤツは充分死ぬ』ってコトだからね。そいつを、忘れるんじゃあないよ」

「なーに? 船と部隊に名前付けていいの? こまったにゃー」
 『戦神』茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)は船の手すりに腰掛けて足をぶらぶらやっていた。
「そ、そ。秋奈艦隊旗艦ってだけじゃ味気ないでしょ。名前ほしいジャン?」
「カワイイのヨロシクね」
 セーラー服にニットセーターの女子とブレザーにリボンをつけた女子がそんなコトをいった。
「……第17強襲部隊」
「うん?」
「あーいや。うーん」
 いまのなしと言おうとしたところで、ブレザー女子のほうが手を合わせてぴょんぴょん跳ね出した。
「カワイイ!!」
「本気で?」
「マジ卍!」
 秋奈は調子狂うわねこの子と思ったが、なんだかかつて戦った世界の戦後を見ているような気分になって心の中にぬるい風がふいた。
 自分勝手でひねくれたやつばっかりだったなあ、なんて思いながら。
「まいっか。頑張らなきゃね。カッパに引きずり込まれたらこわいもの」
「ねー」
「ねー」
「ねー……っているの!? カッパ!?」
「むしろなんでいないって思ったの?」
「マジ卍!?」
「マジ卍!!」

 黄色と黒でカラーリングされた艦隊旗艦『エリスタリス号』のデッキで、『花に集う』シルフォイデア・エリスタリス(p3p000886)が数人の年上女性にもみくちゃにされていた。
「かーわーいーいー!」
「髪ふわふわー!」
「目がくりくりしてるー!」
 エリスタリス的には『攻防バランス整った前衛にでれるタイプの船員を』ってリクエストしたつもりだが、結果として年上の飛行種女性が山ほどきた。
 茶色いダッフルコートを着た女性と緑のロングコート女性が両サイドから抱きついたまま語る。
「こんなところに出てきて大丈夫? おねーさんのコートのなか入る?」
「おなかすいてない? 蜂蜜舐める?」
「なぜこんなことに……」
 エリスタリスはぐいぐい押しのけようとするがめっちゃくちゃ非力な彼女のこと。かなりされるがままであった。
 とりあえずやる気は高そうなのでよしとしようか……と、咳払い。
「敵は前回の先達の亡霊、という事でしょうか」
「そうね。あのアシカ艦隊には私のママもいたの」
「……」
 突然のカミングアウトにエリスタリスは沈黙したが、すぐに緑コートは続けた。
「ママの口癖はこうよ。『成功のためなら相手が恋人でも喰え』。
 外洋遠征は私たち全員の悲願なの。たとえ相手が親兄弟でも、退いたりしないわ」
「そうですね……避けては通れないのは、確かなのです」

 はためく『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)の戦旗。
 紫とブルーに微発光する鎧を纏い、それ以上に光を放つ髪と目が広い敵艦隊をにらみつけた。
 彼女の乗り込んだ司書艦隊の旗艦は『ギャンビット号』と名付けられた。
 イーリンの攻撃的ながら計算高い戦いぶりからつけられた名前である。
 彼女の力をうけてか、船はうっすらとパープルに微発光している。
「『神がそれを望まれる』……」
 お決まりの言葉を述べてから、胸いっぱいに潮風を吸い込んで振り返る。
「準備はいいわね」
「無論」
「いつでも」
「総員、常在戦場であります」
 顔に十字傷のついた屈強な男が、黒い鎧をがしゃりと鳴らしながら立ち上がった。
 腰には黄金装飾のついた剣。
 彼の風貌と空気から、豊富な実戦経験がうかがえる。
「あなた、名前は」
「グランディスと」
「ありがとうグランディス。まずはあなたの意見を聞かせて頂戴。私は終盤敵船に乗り込んで、全力の砲撃で敵船を一撃の下に沈める……つもりなんだけど」
「ふむ……」
 グランディスはイーリンのステータス情報が書き込まれた手帳を開き、三秒ほどでパタンと閉じた。
「お言葉ですが、ファンブルの可能性が非常に不安であります。よしんばそれを乗り越えたとしても、この威力では、どうでしょうか……」
「かなりの威力だと思うけれど」
「いかにも、司書殿が能力を最大限に維持している時点での発動威力は災厄そのもの。
 雑兵程度であれば一撃のもとに塵にしうるでしょうが……」
「それでも壊れない?」
「その威力でも司書殿を一撃で葬れない時点で、船を葬るのは不自然かと考えまする」
「なる、ほ、ど……そういう考え方なのね」
 たとえばイーリン一人でしのぎきれるレベルの砲撃でイーリンの船が沈むと考えると、なかなか不自然な話である。
「仮に船が沈んだとて、敵兵が無傷であればなんら支障なく戦闘に参加するものかと」
「相手が相手ですものね。わかったわ。できない無駄撃ちをする意味はないし……」
 イーリンはそこまでの情報からインスピレーションを働かせると、新たな戦闘方法を脳内で組み立てた。
「こっちの方法でいきましょ。やれる気がしてきたわ」
「お役に立てて光栄」

 海を切り裂き進む改造サルベージ船。いつだか注文していた大砲ががっつりと装備された船の名を『夜明けの決戦号』をという。
 船長および艦隊長、『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)は機械の腕を風に晒してがつんと杖をついた。
「幽霊船の大艦隊。大冒険の試練としては申し分ないね。生憎と君たちに因縁も何も無いが……」
「ハッハッハ、因縁が欲しかったので?」
 白くたくましい髭をつけた老人がゼフィラの後ろで笑った。
 100歳は下らないというが、背筋はピンと伸び目にはしっかりとした光がある。
「どうかな。因縁の対決というやつに憧れないと言えば嘘になる」
「いずれあなたにもできましょう、艦隊長」
 がっつりと船に固定された大砲を見上げる老人。
 真っ白な方針にグリーンのエネルギーラインが走り、口部分でぐるぐると螺旋を描き続けている。
 その世数はゼフィラの両腕に装着された機械腕によく似ていた。
「この船は廃棄寸前だったのですが、大号令の折に大改修をうけまして。このように戦闘艦と相成りました。それまで海を進むことすらかなわなかったというのに」
「ほう……」
 ゼフィラは生身の目をつぶり、まぶたの裏に遠い記憶を描いた。
「他人とは思えないな。私も、かつては諦めた広い世界に今はこうして出ることができる」
「お互い、与えられたセカンドチャンスでございますな。ここは、『失敗した』彼らのためにも」
「ああ……絶望の青は私たちが攻略してみせよう。これは、そのための戦いだ」

 突き進む大艦隊。
 迎え撃つは幽霊大艦隊。
 過去から浮き上がった亡霊と、未来へ突き進む人間たち。
 二つが『今』という海の上、衝突する。

●過去よりの亡霊
 幽霊船大艦隊は大和艦隊を中心として右舷左舷にシロクマ、アシカ両艦隊を展開。大和艦隊の衝突と同時に集中砲火を浴びせる構えだ。
 だが――。
「そうはさせん。総員衝撃に備えろ」
 エイヴァンの『はくよう』が右舷シロクマ艦隊めがけて突撃。
「砲撃開始」
 斧を突き出したウェイヴァンの動きにあわせ、『はくよう』に設置された大砲が発射される。
 同時にシロクマ艦隊からも呪術砲が発射され、悪意と憎しみによる呪いがエイヴァン艦隊の船へ次々と浴びせられた。
 エイヴァンの旗艦はくようは彼の指揮及びバフ効果によってある程度払えたが、味方の船までそうはいかない。
「敵の砲と遠距離攻撃手を潰すんだ。
 耐久や耐性に自信のないやつは前に出すぎるな。
 集中攻撃されている艦への援護も忘れるな。接舷したらシロクマ頂上決戦だぞ。ついてきたいやつは?」
「いきますいきます! 名誉大佐ー」
「フン」
 盾を構え、降り注ぐ悪意の雨にこらえるエイヴァン。
 部下の一部は毒に犯されたり発狂して味方に斬りかかったりと大変なことになってはいるが、壊滅するほどではない。
「名誉大佐、戦闘不能者はどうします」
 エイヴァンの脳裏に、甲羅戯艦隊の記憶がよぎる。
「一隻の船に集めて撤退。一隻護衛につけろ」
「切り込むのは任せて!」
 フランの『ロリババアゴリバナナ号』(さっきと名前が違う)が先導するように前に出ると、血気盛んな野郎共がサーベルを手にフリントロック銃を乱射した。
 どうやら彼ら私掠船海賊らしく、死なば諸共戦法がだいぶ得意だった。
 フランもノリノリで海賊船長風ハットを被ってサーベルを振りかざすと、『ブレイクフィアー』の竜巻を引き起こした。
 降り注ぐ悪意の雨を振り払いながら、味方を治癒して突き進む。
「無事に帰ったら打ち上げするぞー!」
「「酒盛りじゃー!」」
「あたし未成年だから!」
「「ならドリンクバーじゃー!」」
 ウオーと言いながら船を加速させ、砲撃をたたき込みまくる『鉄砲玉フラン号』(名前が安定しない)。
 シロクマ艦隊旗艦へと船体を思い切り叩きつけると、同じく船をぶつけたエイヴァンと共に船へと乗り込んだ。
 迎え撃つは両手に巨大な剣を持った身長3mほどのシロクマ獣種。
「お前たちも思い知る。いまに海に沈むのだ」
「沈むのはアンタだけだ」
「同じシロクマさんでも超格好いいエイヴァン先輩とは大違いだねー!」
 繰り出される剣をエイヴァンが受け、フランが回復光線を送り込む。

 集中砲火を免れた部隊中央の秋奈艦隊、司書艦隊、ゼフィラ艦隊。
「グランディス、牽制砲撃。接舷される前に可能な限り打ち払うのよ」
「イエス、マム」
 魔術砲台に念を込め、マジックガトリングを乱射するグランディス。
 他の船員たちも一斉にマジックライフルを構え砲撃を開始した。
 イーリンは旗をたて、大きく吠える。
「我らは何の為に絶望へと来たのか。
 敵と日が暮れるまでにらみ合う為か! 味方の背中を見て安心する為か!
 否! 我らこそ艦隊の先駆け! 後に続く者達が、我らの背に安堵する為!」
 攻撃は最大の防御。
 力を高め、飛び込むのみ。
「全艦突撃用意!」
 総員がライフルを投げ捨て、腰の剣を抜く。
 大和艦隊の船と激突したと同時に、彼らは助走をつけて敵船へと飛び込んだ。
 空中で鎧武者と衝突し、海へ転落する仲間。
 こちらの船へ飛び込もうとする兵士を剣で押さえ敵船甲板に叩きつける仲間。
 猛烈なぶつかり合いが起こる中、イーリンはロープを掴んで高所へと飛び上がる。
 俯瞰視点から敵味方の位置をきわめて正確に把握。
 からの。
「総員、フォーメーション『グラディウス』!」
「「応!!」」
 敵兵を複数人でサンド。
 味方を壁にした一直線の陣形にはさみこみ、その端へとイーリンが着地。
 振り向きざまに赤紫の瞳を紫苑色へと変貌させると、恐ろしいまでの破壊力を直接発射した。
 一方。
「白兵戦なら負けないわ。これでも星を守る軍団を率いてたのよ」
 秋奈は偽神ストライカー(リペア)からジェット噴射をかけると、敵陣めがけて思い切り飛び出した。
「仮装第17強襲部隊、突貫ー!」
「トッカーン!」
「あとアキナチャンカワイイって言って!」
「「アキナチャンカワイー!」」
 全員、船をまるごと敵船に叩きつけ一切迷うことなくジェットパックを用いて敵船デッキへ特攻。相手の攻撃を一切かわすことなく必殺の一撃をたたき込むという捨て身の戦法を繰り出していく。
「戦神が一騎、茶屋ヶ坂アキナ!有象無象が赦しても、私の緋剣は赦しはしないわ! ――歌え!!!!」
「「でーあーふたーでー、しーんぐあーろーりのー」」
 一斉に歌いながら、斬って斬られて死んで殺して血まみれのカーニバルを開催した。
 司書艦隊及び秋奈艦隊のきわめてアグレッシブな戦法は、捨て身の特攻戦法を仕掛けてくる大和艦隊と相殺。
 互いを地獄のように潰し合う壮絶な殺し合いが勃発した。
 そこに加わるのがゼフィラ艦隊。
「さあ、冒険譚の第一幕だ!
 かつての英雄たちに思う所ある者は、彼らに証明しようじゃないか。
 我々にはこの海を制するだけの覚悟と力があると!
 共に未知の海に挑む者たちよ。君たちの勇姿を私は謳い上げよう!」
 腕を広げ、叫ぶ。
「一斉砲撃!!」
 グリーンの光線が大和艦隊めがけてたたき込まれ。加速した船が敵船へとぶつかっていく。
 衝突と同時に飛び込んだゼフィラは、オーラを放って彼女をかばう老人と共に味方を支援。回復と強化を繰り返しながら大和艦隊の残存兵力を頑丈にすりつぶしていく。
「この先に希望などない。絶望の中に溶けて消えるのだ。夢など、無意味!」
 血まみれの刀を抜いて突撃してくる鎧武者。
 ゼフィラはジャケットの内側からリボルバー拳銃を抜くと、相手の額めがけて発砲。仕込まれた式神弾から毒蛇が現れ、鎧武者へと食らいついた。
「勘違いしているな。夢自体に意味などない。夢に向かう行動にこそ、意味があるのだ」
「お待たせ!」
「コーホー!」
 そこへタテゴト艦隊が到着。
 タイにまたがったタテゴトが猛烈な速度で飛来し、フリーフォールチャージアタックを敵甲板中央へとたたき込んだ。
 放射状にはしる衝撃。
 タイがまき散らす鯛焼き爆弾が敵艦を焼いていった。

「僕は指揮能力はありませんから、やることは士気を挙げる事、そして敵の攻撃を止める事、あとはできるだけ気を引くことですかね。
 こう見えて僕も海洋事業貢献値は上位、見ての通り勲章も持っています。
 防御や継続戦闘はプロですからね、僕が一番前にいる限り他の兵隊は守ってみせましょう」
 ベークは堂々と船の先頭に立つと、かかってきなさいとばかりにアシカ艦隊へと船を進めた。
 高射砲による鉛の雨が降り注ぐも、ベークの頑丈なボディと再生能力の前にはほぼ無意味。
「さぁ、行きますよ!僕がいる限り、あなた達は守ってみせますから、お願いします!」
 殺伐とした戦場に甘い香りを解き放ち、ベークが叫んだ。
「「いただきます!!(おいしそう!!)」」
「だから本音エエエエ!!」
 そこへ、ドラムバッグ程度のサイズの爆弾が回転しながら飛んできた。
 船にガッと突き刺さり、パッケージを自動展開して爆発する。
 船上で次々と巻き起こる爆発の中で、ベークは堂々と立ち続けた。

 先頭を突き進んだベーク艦隊はアシカ艦隊からの激しい砲撃を受けて消耗したが、それによって結果的にエンジェルいわし艦隊、ガトリングアザラシ艦隊、アームストロングアザラシ艦隊、エリスタリス艦隊、マリナ艦隊はそれぞれ消耗が少ないままぶつかることができた。
「いわしはね、一匹だととっても弱い生き物だよ。いじめられて、追い詰められて、食べられて。でも仲間が居れば居るほど、いわしは輝くの。いつまでも反撃されないなんて思ったら大間違いだって、思い知らせてやるんだ。今度はこっちが捕食者──いわしリベリオンだよ!」
 アンジェのエンジェルいわし号はイカ漁に用いるための激しい照明器具にカラフルなフィルタをかけて全力発光。アシカ艦隊の注意をひくべく走り出した。
「──砲撃用意っ! みんなの思いをひとつにっ!! 発射ー!!」
 ビッと突き出したアンジェの指先。
「大鰯砲――発射ァーア!」
 巨大な銀色の筒からイワシナイトが発射された。
「くらえヤー! 魚類ニシン目ニシン亜目カタクチイワシ属の底力みせたるわー!」
「鰯は英語でラウンドヘリング!」
 鰯頭が両手にガトリングガンを担ぎ、アシカ艦隊の船めがけて砲撃していく。
 と同時に船の周囲でぴんぴんはねていた鰯の群れが巨大な蛇のごとく密集し、敵船へと突撃していく。
「海はパパの群れの独壇場だよ! いっけー、いわしミサイル!」
「ヘヘェ、美味そうな群れだぜ!」
「いわしをたべるNA!」
「エイコサペンタエン酸ッ!」
 アンジェに投げ飛ばされたイワシ料理人が巨大な包丁で敵船の兵士へと斬りかかる。
「とーちゃん!」
「息子よ、勝機だ!」
 ワモンとゼニガタの艦隊がそれぞれV字の陣形を組みアシカ艦隊へと突撃。
 衝突する船たちの中で、ワモンの船は巨大ガトリング砲を振り回してアシカ船と渡り合った。
 そこへゼニガタの船から巨大アームストロング砲が発射され、敵船へとたたき込まれる。鉄球がズゴンと甲板を割り、謎の爆発をおこしてアシカたちを吹き飛ばした。
「ゼニガタ……貴様だけ、なぜ生きている」
「何故だと、みてわからんか!」
 キッとワモンを振り返るゼニガタ。
 ワモンは頷き、ジェット噴射をかけて飛び上がった。
「親がいて!」
「子がいる!」
「一族の連なりが!」
「歴史になるんだぜ!」
「その歴史が!」
「未来を作る!」
「受けよ――歴史の重み!」
 ゼニガタとワモンは同時に空中できりもみ回転をかけると。
「「親子海豹牙斗燐具武放猛怒!!」」
「おおおおおお!!」
 迎え撃つアシカ艦長。
「アシカトルネード!」
 同じくきりもみ回転をかけ、突撃するアシカ。
 空中でぶつかり合ったふたつのアザラシとひとつのアシカ。
 ゼニガタとタイゾウの力は互角。
 しかし長い歴史の中で受け継がれた力はワモンという形をとり、いまタイゾウの力を打ち破った。
「う、ぐ、ぐおおおおおおおおお!」
 空中で爆発四散するアシカ艦長。
「帰ったらイカパーティーだぜとーちゃん! 友達が良い店開いたんだ!」
 空中をターンして甲板へと戻ったワモンは、笑顔で叫んだ。

 アシカ艦隊が壊滅しつつある。
 エリスタリス艦隊はこれを勝機ととらえ、甲板で助走をつけて跳躍した。
「皆様の命を預からせていただきます。
 彼らを相手にするのに抵抗を覚える方もいるでしょう。
 ですが、皆様はそれでも立ち向かえる方だと信じています。
 ここまで来る事ができたのですから」
「そうよ。あなたと一緒なら、過去だって乗り越えられるわ」
 エリスタリスを中心とした飛行部隊がアシカ第三艦隊へと突撃。
 船や船員から機関砲による砲撃をうけるが、エリスタリスがかざした両手から放たれる甘い香りのカウンターヒールフィールドが弾をはじいていく。
 飛行種の特性をいかし一つの船に一斉に飛び込んで激しい近接攻撃でたこ殴りにしていくというえげつない戦法をしかけるエリスタリス艦隊。
 特に激しかったのがエリスタリス本人の特攻であった。
 タンクヒーラーであるエリスタリスはその防御能力に加えて高い治癒能力を両立させ、かつ敵船に飛び込んでからは周囲に群がる大量の味方に対して治癒とバフを連発。猛威を振るった。
「そろそろ、トドメをさせる頃合いですね」
 マリナは白夜壱号の舵をとると猛烈な勢いで加速。
 アシカ艦隊の砲撃を乱数機動をかけた蛇行で回避すると、彼らの後方へと抜けた。
 残る艦隊も白夜壱号に続いて艦隊を抜け、そして一斉にターン。
 激しいドリフトで船体が激しく傾くが、手すりにつかまり船員たちは一斉に銃を構えた。
 こちらに対応して船をターンさせようとするアシカ第三艦隊めがけ――。
「一斉砲撃」
「イエス嬢ちゃん船長!」
 ギラリと笑った船員たちが船とそれぞれが装備したライフルや大砲を使って砲撃。
 大漁の鉛玉がアシカ艦隊へと降り注ぐ。ついでにナマズ海種が船から蹴り落とされた。
 船体をアシカ第三艦隊へこすりつけ、船的至近距離から射撃を続行。
 蹴り落とされたナマズ海種や自らダイブした海種兵士たちが今度は反対側に回り込み、船体をよじ登って挟み撃ちにした。
 激しい銃声がへこだまする。





 戦いは大漁の流血と銃声と、そして沈みゆく船によって荒れた。
 そんな戦場に残ったのは、過去から這い出た亡霊艦隊ではない。
 未来へと突き進む。ローレット&アザラシ大艦隊のほうであった。
 多くの負傷者と死者を出しつつも、彼らはさらなる海へと突き進む。
 勝利の声を、天に吠え。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

エイヴァン=フルブス=グラキオール(p3p000072)[重傷]
波濤の盾
茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)[重傷]
音呂木の蛇巫女

あとがき

 ――ミッション完了!
 ――亡霊船団の突破に成功しました!

 『絶望の青』はすぐそこまで迫っています

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