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シナリオ詳細

正月飾り大脱兎!?

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●14日辺りの風物詩
 境界図書館に現れたイレギュラー達を出迎えたのは、
 懐中時計と手にした、まるで執事のような男の姿であった。
「あけましておめでとう……と言ってもだいぶ過ぎちゃったね。
 というわけで初めまして。僕は『クロノ』と言うよ。以後宜しく頼むね」

「というわけで、皆には少し変わったお正月明けの風習を楽しんできて貰おうかな、と思うよ」
 そうしてクロノが説明用に取り出した絵は――
 どう見てもでかすぎる巨大な焚き火、いやキャンプファイアーのような物だった。
「場所にもよるんだけれどね、左義長とか、どんど焼きとかいろんな呼ばれ方をするんだ。
 正月で使ったいろんなお飾りを火に焚べたりして、大きな焚き火を作る――と言えば君達にも通じるかな」

「ところで、今回行って貰う世界では『どんど焼き』と呼ばれてるんだけど――
 一筋縄じゃいかなくてね。何せ正月飾りや書き初めが焼かれないように逃げようとするんだ。それを抑えつけたりして、火の中に叩き込んであげてくれないかな」
 ……クロノの言うには、どうもその世界では焼かれたくない一心で飾りなどが逃亡するらしい。
 毎年住民達も手を焼いているようで、イレギュラー達の手伝いさえあれば滞りなく進むだろう。
「あ、君達の実力なら心配することは無いよ。なにせ運がよければ普通の小さい子供でも倒せるって聞くからさ。遠慮なく叩き込んであげてね」

「そうそう、どんど焼きと言えば、その火で焼いたお餅が美味しいんだよね。
 よかったら皆で食べてくると良いんじゃないかな?」

NMコメント

 あたまのゆるいシナリオが、書きたかったんだ。
 三度目まして。逢坂灰斗です。
 最近は中々見かけなくなりましたが、やったこと有る方はいらっしゃいますか?

●今回の目的
 重要:逃亡する正月飾りを『どんど焼き』の火の中に叩き込む
 サブ:焼き立てのお餅を食べる

・『どんど焼き』の火
 動きません。うっかり消火しない限りは燃え続けています。
 広場の中央に存在しているので、此処に正月飾り達を
 戦闘不能にするか、【飛】の付いた攻撃を使って叩き込んで下さい。
 もしこのエンゲージに突入した場合
 【火炎】【豪炎】【炎獄】が強制付与されますので、耐性の無い方はご遠慮下さい。

・正月飾り
 門松、注連縄、だるまなどなど――が何故か燃やされたくない一心で逃げています。
 『どんど焼き』の火から半径10m程の周辺にいっぱい居ます。
 とにかく動き回って抑えつけて下さい。
 下手なイレギュラーの通常攻撃でも簡単に倒せますがとにかく逃げます。
 (具体的には高CT超高FBぐらいのステを持つ逃げるだけの雑魚です)
 共通して、弱点は火属性の攻撃ですが、
 『どんど焼き』の火に叩き込む前に着火するのはオススメしません。
 『どんど焼き』の火に叩き込まれるとBSのダメージで自動的に戦闘不能になります。

・お餅
 『どんど焼き』の火で焼くお餅です。
 砂糖醤油やきなこなど、いろんな調味料が用意されています。

 それでは、お目に止まりましたら、宜しくお願いします。

  • 正月飾り大脱兎!?完了
  • NM名逢坂灰斗
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年01月26日 22時15分
  • 参加人数4/4人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

天之空・ミーナ(p3p005003)
貴女達の為に
雪村 沙月(p3p007273)
月下美人
紅楼夢・紫月(p3p007611)
呪刀持ちの唄歌い
刺草・竜胆(p3p007906)
巫女吸血鬼

リプレイ

●既視感のある人達
 イレギュラー達の招かれた広場は、巨大な火柱にすら見える火が立っていた。
 そんな光景に既視感を覚える者達も数知れず。
「ほぅ? 儂の元居た世界にも似たような風習があったのじゃ」
 『巫女吸血鬼』刺草・竜胆(p3p007906)の思い出すその光景は、『鬼火』とか『道祖神祭り』とか言われていたもので。なんでも正月飾りに迎えた道祖神を、飾りを焼くことで見送る――とか。
「炎と共に見送る意味がある祭事じゃからやらんとその年は全体的にケチがつく……それはまっこと「悪」の所業じゃのォ」
 そうしみじみと昔を思い浮かべるように呟いた彼女の視線に入ったのは――

「アツイノヤダヨウ!!」
「ツカマッテタマルカァ!!」
 ……なんというか珍妙な悲鳴を上げながら逃げ惑う正月飾りの数々。

「ちょっと前に巨大鏡餅の依頼に行ったばっかりなんやけど、境界でも少し似た様な依頼があるんやねぇ」
 そんな光景に 『呪刀持ちの唄歌い』紅楼夢・紫月(p3p007611) が思い出すのは、混沌での依頼光景。雪深い山村の中に現れた突然の鏡餅――きっと関係性は無い。
「お正月の飾りが動くというのは奇妙な……」
「物が魂を持つ付喪神みたいなもんなんかねぇ?」
 隣に居た『百錬成鋼之華』雪村 沙月(p3p007273)も困惑する始末なのだが、付喪神という表現はあながち間違っていないようにも思えた。

 ただ、よく見るとすっ転んでじたばたしている隙に、地元住民が捕まえているのを見ると、どうもいつものことのようで。
 ある意味では手慣れた様子ではあるが、時々何故か暴れだして脱出に成功する飾りもある。
「逃げ惑う正月飾り……まっこと奇奇怪怪なことこの上ない歳神共よ」
「そういやぁ昔立ち寄った世界にもこんなのあったっけか。懐かしいもんだな……」
 『ディザスター』天之空・ミーナ(p3p005003)も、けして良い思い出ばかりとは言えない中にも、そんな見覚えがあったな、という顔をしながら眺めていて。どうやらこの世界以外にも、似たような風習は存在しているのかも知れない。

 そんな彼女らに気付いた住民達は、新たな人手を求めるように声を掛ける。
「おーい、あんたらも手伝ってくれないか、このままだと飾りを全部燃やせなくなっちまうんだ」
 その言葉を聞いて、彼女たちはそれぞれに思い思いの得物を取り出してゆく。
「――さておき仕事は仕事だ。しっかりやるかね」
「ええ、どっちにしろ、依頼やししっかりこなさんとねぇ」
 二人が口火を切るように構えると、皆も追従するように『目標』を見定める。
「こちらの風習ということですし、僭越ながらお手伝いさせて頂きましょう」
「そうじゃのう、歳神と言えども……この世界の者達の為にも焼かれてくれたもう」
 彼女らと視線(?)の合った飾り達は――一様に怯えていたように、見えた。

●飾りを焔にシューッ!!
「ほれほれ、儂の術からは逃れられんぞ?」
 イレギュラーズは、正月飾りを仕留めるのにも本気を出していた。竜胆の攻撃がかすりでもした飾りはぱたりと倒れ伏してただの飾りになってしまっている。
「どうも本当に、残ってる運だけで逃げ回っているみたいやねぇ……」
 紫月の流麗なる魔性の剣筋が飾りを薙いでいくも、全てが打ち取れるわけではなく、ごく一部のみが残り滓のような幸運で逃げ回っているようだ。住民達でも捕まえられるのはこういった理由からだろうか?
「でも……私の舞からは逃げられませんえ? ほら、もっと、綺麗に咲かせてあげましょ……」
 それだからといって、紫月が手を抜くことなど一切無く。彼女の艶やかなる舞と唄は、住民達の視線を集めつつあった。

 無論、イレギュラーズが参戦してから、格段に飾りが捕縛されたりする速度は早まっていた。
 勿論――直接飾りを叩き込む者もいて。
「久々に使うからな…変な方向へ飛ばなきゃいいんだ――がっ!」
 ミーナの使う衝術は綺麗に注連縄に直撃し、鮮やかに空を舞った注連縄がそのまま焔に叩き込まれ――
 一瞬にして大炎上していく。何故だか、触りたくもなくなりそうな勢いで。
「ふうっ、まぁ吹っ飛べば此方の勝ちってもんだな。まだまだ沢山居るみてぇだが」
「それだけ飛ばし甲斐が有るってことじゃな! 超、エキサイティン!!」

 吹き飛ばす術を持つもの達は嬉々として飾りを直接ふっとばし続けているが、本気を出している仲間達を見て、沙月も自らの美しき『武』を以て飾りを仕留めてゆく。
 動けなくなった飾りはある程度纏めながら、纏めて持っていこう、と思い立った所だったのだが、試しに1つ飾りを焚べてみた所、ぶわっと燃え上がり、そのまま気流に乗って空高く紙飾りであった部分が天高く登っていく。それはまるで、歳神が空に帰っていくかのようにも見えて。
「ああ、こうして『飾り』達は帰っていく、という風習なんですね……」
 舞い上がる焔と燃え上がる飾りは、何故だか神秘的とも取れる風情を見せていて――

 だが、そんな事もお構いなしに、残り少しとなっても尚飾り達は逃亡を続けていく。だが――死神は、まだ余裕をたっぷり残しているし、まだ本領を見せてすら居なかった。
「おっと、ただでは逃してやらねぇな――」
 わらわらと逃げ惑う近場の飾り達を『呑み込む』ように、その凶兆の場は拡がる。
「――さあ、ここは私の領域だ。私が望むがままに動き、そして自滅することだ!」
 その言葉と同時、凶兆は飾りに残された幸運を絞り滓以下にまで締め上げていく。こうもなれば飾り達に残された末路は高まりすぎた不幸に依って自滅するか、文字通り掌の上で踊らされて――
 ……ミーナによって見事に嵌められた残りの飾り達は、自分から炎へと突撃するように誘導され、哀れにもそのまま焼かれていくのだった。

●どんど焼きのお楽しみ
 飾りは逃走ばかりを繰り返していたせいか、全く被害は起きておらず、むしろイレギュラーズの戦いの光景によって住民達の一部が盛り上がりを見せていたようであった。
 捕まえ終えた飾りを次々に焚べていく中、住民達が傍らで何かを焼いているようにも見える。どうやら、それが境界案内人の言っていた『どんど焼きの後』の物らしく――

「そういや餅食うのも久しぶりだなぁ…ない世界の方が多いくらいだったし」
「やはりお正月と言えばお餅ですよね……」
 ミーナが久々に食べる事になる餅を見て、過去の様々な世界を思い返す中、沙月は少しばかり恥じらうように『この時期ですからやはり』と、いった顔で、焼き立てで供されていくそれを見て笑顔を綻ばせる。

 住民達が用意していた様々な調味料などが、焼き立てのお餅の食べ比べに丁度いい程に揃っていて。
「焼き立てをきな粉まぶして食べるのも良いもんやねぇ……餡子も甘すぎなくてええ感じやわぁ」
「私は大根おろしに醤油ですかね……ほら、おろしと合わせてあっさりとした風味で頂けますし」
 紫月と共に様々な食べ方を試しながら、ひと仕事を終えた沙月は少しばかり懐かしい気持ちにも浸る。
 その隣では、ミーナがのんびりした世界の雰囲気の中で自らの鉄板である食べ方を示していく。
「砂糖醤油が鉄板だと思うんだよ私。きな粉派とか色々いると思うけど、私はこれが一番好きだ」
「そうそう。途中で砂糖醤油に変えて頂くのも良いんですよ……幼い頃は此方の食べ方の方が好きでしたが」
「せやねぇ……色々揃ってるみたいやし、食べ方色々させて貰いましょ? きっと楽しく食べれますえ……」

 そんな最中だが、とある一角では住民達が異様に盛り上がっていた。中心に居たのは竜胆。よく見ると酒瓶も幾らか開けられているようにも見える。
「クカカカ!一仕事した後の餅は最高じゃのォ!」
 まるで転生前、『ただの巫女』だった頃を思い出すように呑んで、食べて盛り上がっているようだが、一体どんな巫女生活を送っていたのか――最早、この場では彼女以外に知る由も無いのでは有るが。
「ほれ! 誰か儂と一緒に酒を飲まぬか! 儂は今最高に気分がいいのじゃ!」
 そんな巫女の声に応えていくのは主に成人済みの住人(主に男性陣)であるのだが、何故こんな都合よく酒も用意されていたのか、誰も知ることは無いだろう。とかく、この世界の住人は何やら行事事には必ず何らかの席の設けているのかも知れないが。
「よし来た! 儂とちょいと呑み競いあってみるかの? 今の儂は負ける気がしないのじゃ!!」

 ――それぞれの賑やかさの下に、どんど焼きの焔は天高く、歳神達を天へと送っていく。
 住民達にも、イレギュラーズにも、それぞれの多幸を見守るようにして、登りゆく焔は、不思議と最後まで神々しくも見える彩りを見せ続けていた――とか。

成否

成功

状態異常

なし

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