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シナリオ詳細

樅松戦争を鎮めろ!

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

・なにこのせんそう?
 遠く遠く離れた世界に、植物人間達が暮らしておりました。
 彼らは基本的に温厚で穏やかなのですが、他者に感化されやすいという欠点もありました。
 そんな彼らのある日。樅の木はこう言いました。
「門松なんてだっせーよなー」
 それを聞いた松は怒り心頭。負けじと言い返します。
「なにをー!?クリスマスツリーなんてゴテゴテで派手すぎて目に毒だろうがー!?」
 売り言葉に買い言葉。どんどんどんどん怒りは感染し。
「はぁ?これだから地味なヤツはやっかみがひでぇんだよ」
 どこからか現れた別の樅の木がこう言えば
「地味っつーな!一年中押入れにしまわれてるようなヤツ!」
 また別の松の木が煽り返します。
「バッ!?それを言ったら門松だって正月しか出ねぇし終わったら燃やされるんだろうがよ!」
 どんどん……
「ばーか!門松が燃やされるのは祈りを込められてるから意味があるんでーす!埃をかぶって待ってるだけのお前らとは違うんでーす」
 どんどん怒りは増幅し。
「んだとぉー!?」
「やんのかオラァー!?」
 戦争が起きて、世界は滅びましたとさ。
 
・ほんとうなにこのせんそう?
「……うん、本当、私達からしたら意味わかんない理由なんだけどね。戦争が起きて滅ぶ世界があるみたいなの」
 と切り出したのは境界案内人のポルックス。いつもは明るい彼女だが、今回は困惑が表情に出てしまっている。というか、この先の話を知ればカストルも似たような表情になるだろう、双子なだけに。
「植物達が意思を持った小さな箱庭世界なんだけど、その中で松と樅が門松派とクリスマスツリー派に分かれて戦争を始めちゃって…で、皆がそれに釣られちゃって全面戦争。世界は崩壊ってなっちゃうみたい」
 戦争の起こる理由は些細なものというらしいが。……本当、どうでもいい理由だな、というのがイレギュラーズ達の一般的感想だった。
 勿論当の本人達からすれば、意地と誇りのぶつかり合いなのだが。戦争って悲しいよね。
「方法は皆に任せるから、この戦争に介入して争いを鎮めてきてちょうだい。武力行使でおさめるのも、怪我した人を癒して回る聖人になるのも、演説でカリスマを発揮するのも、どれでもいいわ。」
 「皆が皆らしく『戦えば』、向こうの人たち…植物だけど…は、すぐに感化されて言う事を聞いてくれるからね!」

NMコメント

 なんでこんなシナリオを思いついたのか自分でもわからない以下略です
 今回は方法は問いません。とある世界で起きた戦争に介入して、とにかく『戦って』ください。OP中でポルックスが言っていた通り、武力行使でも聖人としてふるまってもカリスマを発揮してもはたまた他の方法でも構いません。
 皆様のキャラクター性を存分に発揮してください。

■一応エネミー詳細
・樅兵士×???
 クリスマスツリーの姿をしたちっちゃな生物…植物?です。イレギュラーズ達とは比べるほどもない位に弱いです。
 攻撃方法は
 飾りを飛ばす:中距離単体攻撃
 飾りを光らす:遠距離AP回復 

■松兵士×???
 門松の姿をしたちっちゃな生物…植物?です。同じくイレギュラーズ達とは比べ物にならない位弱いです。
 蜜柑を食べさせる:中距離HP回復
 餅で殴る:至近単体攻撃 【窒息】

プレイング例
その1:ひたすら暴れて力の凄さを見せつけてやるぜ!そうすれば恐怖で言う事を聞くだろう!
その2:戦争で傷ついた人達を癒して回ります。そうして傷つけ合う事の悲しさを説いていきます
その3:対話の場を設けて第三者として仲介し、講話させる。何事も知性がなければな

 なお連携行動もありとします。その場合はどなたと組むか名前とIDをプレイングで指定してください
 一人の植物兵士を従えたら、周囲にいる植物兵士10人がそのイレギュラーズに従います。
 そうしてイレギュラーズ4人で合計300人の植物人間を従えてください。そうすれば争いは鎮まります。

以上となります。再びとなりますが、大切なのは皆様が皆様らしく『戦う』事です。よろしくおねがいします

  • 樅松戦争を鎮めろ!完了
  • NM名以下略
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年12月25日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

クリスティアン=リクセト=エードルンド(p3p005082)
煌めきの王子
アウローラ=エレットローネ(p3p007207)
電子の海の精霊
アルヴィ=ド=ラフス(p3p007360)
航空指揮
ウルリカ(p3p007777)
高速機動の戦乙女

リプレイ

■戦争って悲しいよね
「うぉぉぉー!!」
「どらぁぁぁー!!」
 もはや戦争は始まってしまっている植物達の箱庭世界。そこへ世界の救援者となるは4人のイレギュラーズ。植物しかいないこの世界では少々目立つが、彼ら彼女らはそこのとこは気にしない性質だ。
「無意味な争いを確認しました。武力介入を開始します」
 十字架の剣柄を目の前に構え、オーラを纏い光の刃を構えるはウルリカ(p3p007777) 。声に抑揚はないが、既にやる気満々である。
 が、そんな彼女をちょっと待ってと遮る『パンツ泥棒』アルヴァ=ラドスラフ(p3p007360)。人が多いところは苦手だけど、この世界にいる彼らは人に見えないからか、冷静に話を続ける
「どうしてこうなったのかは問い詰めたいけど、すぐ殴るのは愚策だと思うのです。話し合いで戦争を終わらせるのです」
 それは確かに一理ある、と頷きウルリカは足を止める。更にアルヴァに同調する『煌めきの王子』クリスティアン=リクセト=エードルンド(p3p005082)は、フサァ、と前髪をかきあげてこう語る。
「うむ、僕もアルヴァ君と同意見だよ。戦争は悲しみを生むだけ…」
 人を導く王族の立場だった彼らしく戦争に思う所はあるのか一瞬目を伏せる。が、次の瞬間には。
「クリスマスツリーと僕…輝くという点においては完全に一致!
 ならば樅兵士たちと僕は分かり合えるはず。だから僕は樅兵士たちを説得するよ!」
 無駄にきらきらと光り輝きながら、彼は樅兵士の集まる場所へと走っていった。え、あれに仲間意識芽生えるのあのひと?
 一瞬クリスティアンの言動に呆気に取られてしまっていたが、『電子の海の精霊』アウローラ=エレットローネ(p3p007207)は我に返りやるべきことを思い出す。
「世界を滅ぼすほどの諍いなら、武力行使しかできないアウローラちゃんだけど頑張ってみるよ!とりあえず、えーいっ!」
 上空に向けて手を翳し満ち溢れる魔力を束ねる。それはどんどん肥大化し、黒い小さな太陽を思わせる球体へと姿を変え、一直線に黒い光を放つ!
 威嚇射撃。とはいえアウローラの実力は本物で。戦場といえど相当目立ったその一撃に周囲の植物兵士達は動きを止め、発射地点にいるアウローラと、近くにいたアルヴァとウルリカに視線を集める。
「なんだ、あれ?ニンゲンか?」
「ニンゲンが何故俺達の国に?」
 ざわめく植物兵士達に届くようにと、アウローラは声を張り上げる。戦いを止める為にと意思を込めて。
「これ以上争いを続けるのならアウローラちゃんは貴方達を
攻撃しなきゃならないんだけどそれでも続けるのかな?」
 先程の魔砲の一撃を間近で見てしまった一部の植物兵士達は、あんな一撃に巻き込まれるのはゴメンだと我先にアウローラの足元で膝(?)をついた。我々はあなたに従います、と。
「うん、いい感じですね。ほら、皆さんも武器を置きましょう?どっちが優れてるとかではなく、どっちも違ってどっちもいいのです」
 ここで説得すれば引いてくれると感じたアルヴァが声を上げる。どちらが優れているかを争って決めるのではなく、どちらも世界には必要だから、どっちもいいのだと理解してほしいと。
 その言葉にふらーっと数人の植物兵士がアルヴァにつく。元々戦争への参加意欲は低かったようだ。「へへ…実は俺もそう思ってたんです」とか調子のいい事を言っている。
 この調子で、と次に声を出そうとしたアルヴァ。だが、彼の口に突如餅が飛んでくる。門松兵士だ。その中の一人がアルヴァに飛びかかってきたのだ。偶然口に入ったけど。
「うるせー!俺達の誇りがかかった戦争をバカにすんなー!」
「こ、こら。まだ話の途中…攻撃するならお仕置きですよ」
「皆、かかれー!」
 結局こうなってしまうのか、と仲間たちの動向を見守っていたウルリカが刃を構え直す。向かってくるなら仕留めるまで、と。
 彼女が刃を無造作に振るう。空気が軋み空間が歪み、樅兵士の認識外の場所で斬撃が襲いかかる!
「ぐぎゃっ!?」
 突如腕(?)を押さえて苦しみ始める同胞を見て、周囲の樅兵士が怯えを見せる。自分たちのわからない力を、このニンゲンは持っている、ヤバイ、と。
 恐怖はすぐに伝搬する。彼ら彼女らは武器を捨て前にいる仲間すら追い抜いてウルリカの下へ。
「うん、あなた達はいい人ですね。…他の皆さんはどうします?続けるならキャンプファイヤーの木材ですよ?」
「だから、攻撃してくるのはボクが弱そうに見えるからですか? 温厚なボクもそろそろ怒りますよ!」
 この間ずっと門松兵士に集られ餅で殴られていたアルヴァが遂に怒った。身体に纏わりつく門松兵士を引き剥がしてぶん投げて。ふんっと鼻息鳴らして気合を入れて。
「口答えするやつからぼこぼこにしてやるです!」
ぶん投げた門松兵士に向けて、ロベリアの花を放つアルヴァであった。
 やっぱり戦争って憎しみしか生まないのよね。

■一方その頃。きらきらキラキラ
「僕は敵ではないよ。この煌めきを見ればわかるだろう!」
 警戒する樅兵士の前で、再び前髪をふぁさぁ…とさせながら友好をアピールするクリスティアン。ギフトの力も本領発揮だ。イルミネーションもかくやというほどに光り輝いている。
「おお…確かにあんたは俺達に似ている…」
「そうだ…俺達を導いてくれる英雄に違いない…」
 王子の輝きとカリスマにあてられた樅兵士達がははーと頭を下げる。そして更に輝くクリスティアン。その後ろでは歌声とか斬撃音とかガラスの割れる音とか響いているのは素敵な秘密だ。
「君達樅と、松は同じ木という存在でありながら、実際は全く違うものなんだ。」
 頭を下げた樅兵士達に、クリスティアンは優しく、されど王子として堂々と語りかける。この戦争を終わらせる為に。無益な殺生をせずに。
「クリスマスもお正月も、それぞれ大切な行事として飾り続けてきた人たちがいる。
だからどちらが良い、劣っているという事はなく、どちらも必要で、大切な物なんだ」
 ざわざわと樅兵士達が彼の話に聞き惚れながらもざわめき立つ。それでも、あいつらとは…と唸っているものもいた、が。
「クリスマスにクリスマスツリーがなければ、サンタさんはプレゼントは一体どこに置けばいいのか?
お正月に門松がなければ、神様は何を目印にすればいいのか?
…そういう事なんだ。わかってくれるだろう?だから互いを傷つけ合う争いはもうやめよう!」
 クリスティアン、一世一代の演説。拳を握り、声を大にして門松と、それだけでなく樅の大切さも語った彼に、樅兵士達は涙という名の花粉を流す。
「そうだ…俺達だって正月は祝いたい…きっとあいつらだって、クリスマスは祝いたいはずだ…」
「そのとおりだとも!さあ、僕と一緒にその思いを彼らに届けに行こうじゃないか!」
「お、おぉーっ!!」
 クリスティアンを先頭とした軍団、ここに誕生。士気も高く、しかし武器は持たず。門松兵士達へと突撃をしていった。

■そして終戦へ…
「アウローラちゃんの唄に聞き惚れて!」
 終戦を願う思いを歌声に乗せて、アウローラが旋律を唄う。彼女の周りには彼女のファンクラブができあがりつつあった。アウローラちゃん最高ー!という歓声まで上がっている。
「で、僕のお話理解していただけました?」
 一方アルヴァは力ずくで抑え込んだ兵士達を正座させ、お説教という名の説得を続けていた。ぷるぷると兵士達が震えていたのは彼に対する畏怖か、それとも足の痺れか。
 ともあれ、アルヴァも一仕事終えて満足げである。
「文化とはラブの積み重ね、んぐ、です。互いのラブは尊重し、否定する、もぐ、ことなきよう、お願いします」
 ウルリカも力を示して手なづけた兵士達に最後の演説を行っていた。彼女の傍らでは少し焦げた門松が、恐怖に震えながらも喋るウルリカに蜜柑を供え続けていた。
「ふぅむ、あらかた終わった感じかな?」
 多数の植物兵士を味方につけたクリスティアンが、戦争で怪我をした者へ手当をして回りながら様子を確かめる。
 そこにはもう、最初の喧騒はなく。お互いに「悪かったな」とか「これ食って元気出せ」と支え合う植物兵士達の姿しかない。戦争は終わったのだ。
「これでもうこの世界は大丈夫ね。」
 アウローラが素敵な笑みを浮かべて兵士たちを見渡す。彼らの中には「いかないでアウローラちゃーん」と泣き出す者まで現れる始末だ。
 アルヴァの兵士も、ウルリカの兵士も主導者への恐怖はあれど。それでも真意は理解して固い握手を行い、これからは仲良くする事を誓いあう。
「やっぱり平和が一番なのです」
「…アルヴァ様…思いっきり戦っていたのですが?」
 ウルリカの小さなツッコミは、満足そうにしているアルヴァには届かないのであった。
「ははは、これにて一件落着だね。皆、これからは平和に仲良く、盛大にイベントを祝ってくれたまえ!」
 最後の最後までキラキラ煌めくクリスティアンの顔であった。
 余談として、この後この世界では。世界を導いた英雄として4人の像が作られる。
 鬼神の如き形相の少年と。
 蜜柑を食べ続ける剣士と。
 アイドルとして歌い続ける少女と。
 輝きすぎて顔の見えない王子様と。

成否

成功

状態異常

なし

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