シナリオ詳細
<PPP学園>ライブバトル!
オープニング
●嵐は突然やってくる
ここは私立PPP学園……なぞに包まれたマンモス校。広い校舎に個性豊かな生徒、幅広い部活に様々なドラマが起こってる未知の領域。
学園は常にイベントで充ちている。
「オラオラ、たのもーーッ!!」
「うわぁっ!?」
勢いよく教室の扉が開いて、中にいた生徒は飛び上がるほどに驚く。この教室は普段軽音部が部室として使用しているのだが……
「てめぇ等がこの学園の軽音部の面々か? 花がなくてパッとしねぇ奴ばっかりだな! これならすぐにでも潰しちまいそうだぜ!」
「な、何の話をしてるんだい??」
「話のわからねぇやつだなぁ……アレだぜアレ! 他校生である俺等が来たってことはだ、軽音部がやることなんざ一つしかねぇだろ!」
「は、はぁ……」
今にも殴りかかってくると言う相手の男の勢いに、中にいた生徒の一人である山田 翔雅は冷や冷やする。一体アレとはなんだと言うんだ。
「うっすい反応だなぁ〜! 他校生の軽音部の俺等が来ってこたァだ、軽音部のライブバトル勃発ってやつだろ?!」
「い、いやぁ……僕は単なる補欠だからなんとも……」
PPP学園の軽音部は華やかなメンバーが集まることで有名である。……だが補欠と自称する翔雅は華やかとは遠く離れた、厚レンズのメガネに高身長でもダボダボのカーディガンを合わせると言う制服の着こなしをする冴えない見た目である。
「はんっ! 補欠だから逃げられると思ってんじゃねぇぞ!」
「と言われてもねぇ……」
「ヘラヘラ笑ってんじゃねぇ!」
困ったなぁはははとヘラヘラ笑う翔雅に対して、他校生の軽音部は握りこぶしを作り壁をガンッと叩く。
「はぁ……音楽で争うのは苦手なんだけどなぁ……」
翔雅は気だるげにため息を着くと他部員に近づいて
「巻き込んでごめんね……協力してくれるかい?」
彼はそう申し訳なさそうに頭を下げるのであった。
●
「今回は学園PPP世界で他校の軽音部に勝負を仕掛けられたPPP学園軽音部のメンバーに扮してライブバトルをしてもらうよ」
『ホライゾンシーカー』カストル・ジェミニはそう君達に告げる。
「元々軽音部に所属してる部員として入り込む事になるから、何かしらの楽器は出来る事になると思う。ただボーカルは山田 翔雅さんが指名されてるから代わることは出来なさそうかな。他の担当は皆で話し合って決めるといいと思うよ。ライブバトル会場は体育館になりそうだね。さぁ、翔雅さんを助けてあげよう!」
そう一通り説明したカストルは君達をPPP学園へと送り込むのだった。
- <PPP学園>ライブバトル!完了
- NM名月熾
- 種別ライブノベル
- 難易度-
- 冒険終了日時2019年12月07日 21時50分
- 参加人数4/4人
- 相談6日
- 参加費100RC
参加者 : 4 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(4人)
リプレイ
●決戦準備
唐突過ぎる話に、まずはお互い別教室で準備をと言う運びになる。
「全く……困った連中もいたものだ」
そう翔雅は気怠げに大きなため息をついて、改めてイレギュラーズの顔を見た。
「……なるほど、経緯はわかりました。ですが、ライブバトルの勝敗はどのように決するのですか?」
『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)の言葉に翔雅はそう言えばそうだね、とハッとしたが
「では、この勝負私が預かりましょう。曲や演奏、そして観客の盛り上がりを考慮し、私が審査致します」
私は新田寛治、42歳。パンパープレコード所属の敏腕プロデューサー。次代を担うアーティストの卵を発掘すべく各地を回っていた所、偶然PPP学園で行われていたライブバトルを訪れました。そう言う寛治に翔雅は目を見開く。
「……へぇ、生徒に扮して凄い人が居合わせたものだね。流石の僕も驚いた。……じゃああなたが審判に適任かな……よろしくね」
こういうのは慣れてないから助かると、へらっと表情を緩ませて。
「ふふーん、バンドですのね? 構わなくてよ、これでも多少は腕に覚えがありますの」
ゼシュテル人の情熱と底力、とくとご覧下さいまし! そう言ってベースを担当する『祈る暴走特急』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)はそう胸に手を当てやる気に満ちている。
「ぜしゅてる? はよくわからないけれど気合いは充分に伝わってくるよ。ベースは軽視されがちだけど大事な役割だからね……期待してる!」
そんな彼女に翔雅はにこやかにそう答えた。
「俺はエレキギターで参加するのです」
しかし……お、俺30代なんですけど年齢的に違和感なく混じれるのでしょうか。とこっそり声を震わせているのは『白き歌』ラクリマ・イース(p3p004247)。
「うん? あなたは……大人びているんだね……? 僕はその……違和感ないと思うけれど?」
でも違和感ないと言う言葉もフォローになってるのかな? と翔雅はおどけつつ。 基本的に元々軽音部に所属してる部員として入り込む事になる為、翔雅から見ても普通の生徒として見えているようだ。
「ええっと……音楽、なのですね。あまり心得はない…ので山田様に足りない部分を教わりながら皆と合わせられるように仕上げていきたいな、と思うのです」
そう自信なさげに言葉にするのは『忘却機械』ヴィクトール=エルステッド=アラステア(p3p007791)。
「ふむ、じゃあ僕が口を出せる程度で良ければ仕上げていこう」
一番大事なのはリズムだからねと、ヴィクトールの提案に翔雅は彼を安心させるように微笑みを見せてそう承諾する。ヴィクトールも同じく元々軽音部にいた部員として入り込んでる為、翔雅に少し教われば段々と叩けるようになっていくだろう。
「……皆の事は大体わかったよ、気合いも伝わった。……なら、僕も気合いを入れないとね……!」
翔雅は厚レンズのメガネを外し、ダボダボのカーディガンを脱ぎ捨て、前髪をかきあげ……強気の表情を浮かべ気合いを入れ直した。
●
準備を整えた両者は体育館のステージの上で対峙する。……まぁ他校生が一方的に睨んでいるところはあるのだが。
聖職者の格好に寄せたイレギュラーズ率いる翔雅側と、黒で纏められたいかにもV系バンドの風貌を見せる他校生ではなんとも対象的である。
「他校生とライブバトルだってよ!」
「なんだかワクワクするね!」
この対決をどこから聞きつけてきたのか、ステージの下では勝手にパイプ椅子を並べた野次馬なる生徒……加えて教師までもが期待の眼差しを向ける。
「この学園の生徒や教師は妙にノリが良くてね……だから困るのだけど。この調子じゃやっぱり対決しないと、かな」
はははと翔雅は乾いた笑いを零しながら相手の睨みも効いて居なければ、野次馬が集まってることにすら狼狽えている様子もない。
「身なりを整えてきたなぁと思ったが、なぁにブツブツ言ってやがる! 早く始めようぜ!」
そんな翔雅に対してまたも襲いかかりそうな勢いで、他校生はキッと睨みつけている。
「その前にこのライブバトルの審判を紹介するよ」
「審判だと?」
「……君達は何を定義に勝敗を決めようとしていたんだい?」
「……っく、いいだろう」
相手は何も考えずに勝負を挑みに来たようで、そのまま食い下がり。
「……物分りが良くて助かるよ。審判は彼がしてくれる、彼はプロのようだからね」
「よろしくお願い致します」
「プロォ?!」
驚く他校生達に対して、翔雅に紹介され寛治は冷静に一礼し
「では私は観客席の後ろに居ますので、両者良きライブを」
そのままステージを降りて観客席の後ろへ向かう。
「へへ、しゃあっ! じゃあ俺達からやるぜ!! 勝負どころかプロの目も奪ってやんよォ!!」
「え、コイントスで順番決め……」
「こう言うのははえーもん勝ちだ!」
「……強引だなぁ。まぁいいけど」
他校生は先攻後攻を決めるコイントスにも応じずに、荒々しい勢いのままセッティングし始める。
ネジを微調整やキックの程度などでドラムの音を念入りに確かめ、アンプから出る音を聴いて弦をチューニングするギターとベース、そしてマイクのハウリングを起こさない程度に音量やバランスをみて
「……荒々しいわりには音の調整は出来るみたいだね」
あまり油断出来ないかも、と翔雅が零した次の瞬間ドラムスティックのカウントが鳴る。
(……まずは他校生側の演奏を聞きましょう)
寛治がそう視線を向けた瞬間……
──ドカン、と演奏が始まる。
彼らは荒々しい演奏と歌声だけではない。各楽器技術力はそれなりの高さを持ち合わせているようだ。
(……ふむ、パワフルながら勢いだけでなく、確かな演奏技術に支えられた演奏だ。これは『巧い』)
そう冷静に寛治は分析し
「へぇ……ただの音楽不良だと思ってたよ」
翔雅も思わず心に潜めていた言葉が零れるほど驚きを表すように目を見開いた。
それは観客達も同じで、体育館に集まる生徒教師がその勢いに熱く盛り上がっている。
●
「す、凄い演奏でしたわね……いえ! 狼狽えてなどいませんわ! 私達だって練習しましたもの、大役承ってございますわー!」
「ええ、最高の演奏をしてやるのです!」
ヴァレーリャとラクリマは再度気合を入れ、自信が無いことを隠しているヴィクトールは大きく頷いた。
「皆の練習ずっと見てたけど大丈夫。彼らに負けないくらい演奏出来る、僕で保証になるかわからないけれど……でも君達だから歌おうと思ったから、さ」
だから悔いの残らない程に楽しもう! 翔雅もそう目を輝かせ……さぁ、PPP学園のパフォーマンスを始めよう!
ダララララ、とステージに響くドラムロール。細やかなスティックさばきを披露し……勝負のカウントが響く。
──ドカン、と他校生とはややゆったりめのリズムで、しかしパワフルに響かせている。
これを叩いてるのは紛れもなくあの自信がないと言っていたヴィクトールである。
(練習したけど……こんなに叩けるようになってる……!)
PPP学園軽音部として入り込んだ補正力のおかげか、その姿はすっかりドラマーのそれである。
(ドラムのヴィクトールは最初ちょっぴり不慣れな様子ではありましたが、これなら心配はなさそう。……私も負けていられませんわ!)
「みんな付いてきて下さいまし!私もリズムを刻みますわよ!」
ヴァレーリャはそう負けじとその低音でリズムを刻み
「俺もギターで暴れてやるのです!」
ギュイーンってやりますよ! と言ってラクリマはピッキングした瞬間にピッキングハーモニクスで勢いのまま演奏し始める。
彼が好き勝手に演奏出来るのはコードを抑える用にと急遽翔雅もギターを持ったおかげだろうか。
「僕も……負けてられない!」
翔雅はギターでコードを刻みつつもその声はパワフルそのもの。ロングトーンやビブラートも混じえ……誰が彼のことを補欠部員だと思うだろうか。
加えてヴァレーリャのメゾソプラノのコーラスも加わり、より翔雅の歌声に厚みが出ている。
「即席のバンドだ。拙さは隠せない。だが、この熱量は何だ。観客を魅了し、熱狂に導く。これが彼らの演奏(や)りたかった、『音楽』か……!」
寛治の感想は敏腕プロデューサーとしての素直なものであろう。それを保証付るように体育館の観客はおろか、外からも生徒達が教師達がまた集まってくる。
「そろそろギターソロの出番ですね!」
ラクリマはすっかりその気になっていて、曲の間奏に入った瞬間激しくヘッドバンキングをしながら早弾きとピックスクラッチを組み合わせて勢いだけで演奏していく。
「次は私ですわよー!」
ベースのヴァレーリャもヴォーカルのフェイクやカッティングを混じえたりとソロとして充分な演奏を見せる。
(ソロ……!)
ヴィクトールは口には出さないまま流れるようなスティックさばきを披露する。キックも最早足が別の生き物のように動いていて、まるで自分ではない感覚だ。
(皆楽しんでるようでよかった)
翔雅は最初の四人の印象から少しばかり心配していたが、心の底から音楽を楽しんでいる様子に胸が熱くなった。
●
「どうだったよ、プロデューサー様よォ?」
自信に満ち溢れた他校生は寛治を囲む。だが寛治は物怖じなどしない。
「素晴らしい演奏でした。特に技術が高い。明日にでもプロのバックバンドが務まる。が、そこまでだ。魂を揺さぶる『音楽』ではない。君はこの『音楽』で何を表現したかったのか。それが見えてこない」
「な?!」
「一方こちらは演奏は拙くも、魂に揺さぶりかける、熱量のこもった曲と演奏だ。貴方達の『音楽』、確かに見せてもらいました。将来の可能性に、私は心底痺れました」
勝者、PPP学園! 寛治の言葉が響くと共に他校生からは不満げな声、ステージからは歓喜の声が響き渡った。
成否
成功
状態異常
なし
NMコメント
月熾です!
五度目の今回はPPP学園と言う舞台でライブバトルのお仕事です。
普段とは打って変わって青春熱血な雰囲気を書けたらと思います。
よろしくお願いします!
●依頼内容
ライブバトルでPPP学園軽音部を助ける。
成功条件はバトルに勝つことです。
●詳細
ボーカルはオープニングに出てきている山田 翔雅が努めます。
イレギュラーズの皆様には他のギター、ベース、ドラム、キーボード等の楽器を使って彼をサポートしてあげてください。
楽器はこの四つに限らずギター二本でもいいですし
ウケを狙って別の楽器を選んでみるのも可能です。
先行は他校軽音部からになります。
曲の雰囲気はどちらもパワフルなものを想定していますが、こんな風に演奏したいなどありましたら反映出来ればと思います。
他熱い気持ちなどありましたら詰め込んでみてください。
▼山田 翔雅
高校二年生 17歳。普段はのんびりで面倒くさがり屋。
普段は厚レンズの眼鏡にダボダボのカーディガンとダサい見た目だが
ライブではその装いを一変し、荒々しくパワフルな歌声を披露する。
●サンプルプレイング
担当楽器】ギター
普段は楽器なんて弾いたこたァねぇが
パワフルな曲ならギターは欠かさないだろ?
荒々しく弾いて盛り上げていくぜ!
ライブパフォーマンスってーのは全然わからねぇ
そーゆーのは翔雅にアドバイス貰えたらいいよな!
とにかく楽しんでこうぜ!
それではご参加、お待ちしております。
Tweet