PandoraPartyProject

シナリオ詳細

Bubble,Bubble,Bubble!

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●おねがい
 ふわふわ、ぱん!
 ぷかぷか、ふわふわ、ぱん!
 ここは『小麦色の昼下がり』のとある花畑。
 自生した花のなかに、しゃぼん玉を咲かせるものがある。
 不思議かもしれないが、なんたって花に愛された世界なのだ。
 何が起こっても不思議ではないだろう。
 花からしゃぼん玉がふわふわと飛び、そして弾ける。
 そんなしゃぼん玉を見守る声がした。

 やっぱり、弾けるじゃつまらないな。
 もっともっと、面白くならないかな?
 ひっそり隠れた妖精たちはくすくすと話し合う。
「ねえねえ、しゃぼん玉、どうしたらもっと楽しくなるかなぁ?」
「ぼくにはむり!」
「わたしもだめ!」
「うーん……」
 妖精たちは小さな身体で考え込んだ。
 色だって変えてみたし、とっても大きなしゃぼん玉も作った!
 だけれども、だけれども。
 どれもこれも、違うのだ!
 なんだかとっても、足りてない!
「はっ! そうだ、ねぇねぇ!」
「なぁにー?」
「フルールにたのんでみない?」
「はっ! その手があったか!」
「うん! この手があったよ!」
 ルンルンと鼻歌混じりに空を飛び回る妖精たち。
 どうやらとてもご機嫌のようだ。
「ねぇねぇ、フルールならどんなしゃぼん玉、つくってくれるかなぁ」
「きっと、わたしたちじゃわかんないくらい、おーーっきくて、でっかいの!」
「それからすっごくきらきらで、はでなのも!」
「フルールなら、きっとぼくらにはわかんないくらい、とびきり凄いのをつくってくれるよ!」
「そうだね!」
「そのとおりだ!」
「さっそくフルールを頼りにいこう!」

●しゃぼん玉に魔法をかけて
「ご機嫌よう、イレギュラーズ!」
 ポルックスはその手に見たことの無い花を握っていた。
「あぁ、これ?これは、妖精たちがくれたの!」
 嬉しそうにくるくると回りながら、ポルックスはその花を見せた。
 すると、どうだろう。
 ふわふわ、ぷかぷか。
 柱頭からしゃぼん玉が生まれたのだ!
「この花が咲くのは、『ブルーム・ブルースカイ』と呼ばれる世界なの。お花と魔法の世界なのよ!」
 なんだかとってもロマンティックなところよね!とポルックスは嬉しそうな声色で告げた。
「で、この花からしゃぼん玉が生まれるところ。あなたたちも見たでしょう?このしゃぼん玉に、“魔法”をかけて! っていうお願いが、妖精たちから届いたの」
 見て、と指し示したのは妖精たちのお手紙。
 ポルックスが言うには、何やら重要なようで。
「“しゃぼん玉がおもしろくないと、ぼくらもおもしろくなくなっちゃいます”って書いてあるでしょう?妖精たちのご機嫌をキープしないと、花の世界のお花が枯れてしまうの!」
 だから!と、ポルックスは続けた。
「妖精たちを楽しませてあげてくれないかしら!」

NMコメント

シロツメクサの花冠が枯れるのが惜しくて、いつまでも洗面器のなかでキープしていたことがあります。
いつもお世話になっております。染です。

●依頼内容
 魔法世界『ブルーム・ブルーム』に咲く、しゃぼん玉を飛ばす花のしゃぼん玉を面白くする。

 この場合の面白く、とは、魔法(スキル)を使いしゃぼん玉に工夫を凝らしていただく、というものです。
 戦闘スキルでも非戦スキルでも構いません。またはアクセルカレイドでも。
 しゃぼん玉がスキルを吸収して素敵なものに変わります。
 妖精たちが喜びそうなものにしてあげてください。

●世界観
 魔法世界『ブルーム・ブルーム』。
 花と魔法で満ちた世界。魔法で文明が築かれています。
 基本的には物理攻撃よりも神秘攻撃がメインの世界です。
 また、ファンタジーな世界ですので、妖精やドラゴンなど、ありえない生物がいます。

●フルールについて
 フルールとは、花冠師のこと。
 魔法や魔術を使う人々のことを指し、この世界に住まう人々の半分は花冠師です。
 現地の人々はもちろん、異世界から来た人がフルールと呼ばれる場合もあります。
 また、フルールにはギルドがあり、各々所属している団体があるようです。

●妖精たち
 たくさんいます。
 賑やかで楽しいことが大好きです。
 幼い子供のような見た目で、とても小さく手のひらのほどの背丈です。
 また、後ろからきらめく羽が生えています。

 面白いものを見せてくれたらお礼に“あなたの花”と“花冠”をあげる!と言っていますが、ポルックスも何かは知らないようです。

●サンプルプレイング
 可愛い妖精さんたちのおねがい!?
 任せてくださいな!私、こう見えても魔法は得意でしてよ。
 しゃぼん玉は元は液体ですし、どうせなら凍らせてみるのもありかしら。
 ルーン・Hを使って、内側に雹を詰め込んでみましょう!
 「さぁ、いきますわよ!」
 ふふん、上手く行けば外側も少し凍るはずです!
 さぁ、割ってみてくださいな!

 僕がしゃぼん玉を面白く?
 ……うん、やってみるよ。
 僕はそうだな、料理(悪)をいかして食べれるようにしてみようかな。
 お、美味しいか保証は出来ないけど、食べれるしゃぼん玉って面白くないかな?
 これをこうして、こうしたら……うん、できあがり!
 見た目はあんまり変わらないなぁ……よし、ここは男の僕が食べてみるよ。
 い、いただきます……!!

以上となります。
では、ご参加お待ちしております。

  • Bubble,Bubble,Bubble!完了
  • NM名
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年11月23日 23時00分
  • 参加人数4/4人
  • 相談3日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ノリア・ソーリア(p3p000062)
半透明の人魚
ツリー・ロド(p3p000319)
ロストプライド
武器商人(p3p001107)
闇之雲
ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)
私の航海誌

リプレイ

●おねがいをかなえてくれるひと
「フルール……!! わぁい、来てくれたんだ〜〜!」
「へへへうれしいなぁ〜! さっそくおねがいしてもいーい?」
 ぱたぱたと羽を動かして妖精たちは周囲を飛んだ。ここは魔法世界『ブルーム・ブルーム』の花畑。
 なんたって魔法世界なのだ。どんな花が咲いていてもおかしくはない。
 妖精たちは嬉しそうに飛びながら、今回の依頼の原因──しゃぼん玉を生む花の元へ導いた。
「バブルフラウがね、いっぱいしゃぼん玉を出してくれるのはいいんだけどねー?」
「だけどね、しゃぼん玉って全部おんなじで面白くないんだ!」
 ぶーぶーと頬を膨らませて、今も尚生み出され続けるしゃぼん玉をつつく妖精たちは、不満げに飛び回っていた。

●フルールのしゃぼん玉
 そんな妖精たちの願いを叶えんと、まずは『闇之雲』武器商人(p3p001107) がバブルフラウへ近寄る。
「ではこんなのはどうだい?我(アタシ)の可愛い隣人たち」
 ふわりふわりと浮かんだしゃぼん玉のひとつに、武器商人は手を伸ばした。
 旧き夜。其れは小さなしゃぼん玉の中に吸い込まれてゆく。
 空の薄青が透けて見えるようだったそのしゃぼん玉は、だんだんと色を変化させてゆく。
 薄青は青へ。青は碧へ。碧は藍へ。
 そうして、溶けるように、侵食するようにして完成したのは、夜空色のしゃぼん玉。
「朝なのに夜のいろだ!!」
 声をあげて喜ぶ妖精たち。武器商人の作ったしゃぼん玉は、大ウケのようだ。
「プラネタリウムみたいになると思ったんだけど……成功のようだね」
「プラネタリウムー? なにそれー!」
 プラネタリウムという言葉を知らない妖精たちではあったが、それを聞いた途端にプラネタリウム! とはしゃぎながら、しゃぼん玉を取り囲んだ。
 そうしている間に、武器商人はもう1つしゃぼん玉を生み出していた。
 銀の月を用いたしゃぼん玉。其れは優しく煌めいて、宛ら銀月のようだった。
「まんまるおつきさまのときって、踊りたくなっちゃう!!」
「ぼくもぼくも!!」
 腕を振って、お尻を振って、楽しげに飛び回り踊る妖精たち。
 ぱちん!としゃぼん玉を割ってみれば、優しげな光が妖精たちを包み込んだ。
 どちらのしゃぼん玉も割れてしまえば、妖精たちは不満げに飛び回るのだ。
「なんで割れちゃうんだろー!! もっとあそびたい!」
「ぼくもぼくも!」
 そんな妖精たちを見兼ねたのか、武器商人はもう1つしゃぼん玉を作り出した。
 仮初の世界法則をしゃぼん玉に定めて。爪繰る色欲は割れないしゃぼん玉を生み出した。
 そんなしゃぼん玉のなかに、青炎の蝶がするり、その中へ。ゲシュペンスト・アジテーター。そのカンテラから生み出された炎の蝶は、炎の鱗粉を飛ばしながらしゃぼん玉の中を飛び回る。
 青い炎がゆらめく、割れないしゃぼん玉。妖精たちは感嘆の声をあげた。
「すごい……!! さいこーだよ、銀のフルール……!!」
「ありがとう、ありがとう!! これ、たからものにする!!」
 すると妖精たちは武器商人を囲むと、花の祝福をのせて花を生み出した。
 その花は小さいが美しい花だった。銀に紫を混ぜたような、煌めく宵の星の色をした花だ。妖精たちはその花で花冠を作ると、武器商人の頭にのせた。
 にひひ、と嬉しげに笑みを浮かべた妖精たちは満足気に頷いた。
「少しでもキミたちの退屈が紛れたならよかったのだけど。女王様によろしくね」
 武器商人の声にもちろん、と頷いた妖精たちは、ふと疑問の声を上げる。
「銀のフルールは、フルールだけど、フルールにしては、“ぼくら寄り”だね?」

「ぼくらのほうみてるけど、大丈夫ー?」
「鎌のフルール、苦しそう……」
 『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319) は苦しんでいた。
 その通りだろう。
 妖精の血を吸い生き長らえるサイズは、可憐な妖精たちを見て呻いていた。
 血を吸いたいけれど、そんなわけにはいかないのだ、と意志は固く、自身の本体である鎌を包帯とスポンジでぐるぐる巻きにして。
 とても息苦しそうだが、本人も承知の上なので仕方ない。
「ううん、大丈夫だ……」
 そういってサイズが生み出したのは、リリカルスターを閉じ込めた煌めくしゃぼん玉だ。それも沢山。
「おほしさまだ! きらきらー!!」
 つんつんとつついてしまえば、綺麗な星がしゃぼん玉から転げ落ちる。
 妖精たちはしゃぼん玉を嬉しそうに取り囲むと、未だ苦しげなサイズの方を見る。
 サイズは近くの湖で水を組むと、石鹸と筒でしゃぼん玉を作り出した。
 いっそのこと作ってしまおうという魂胆だ。
 妖精たちの分も筒を作ると、ふぅーと息を吹き込んでしゃぼん玉を作り出した。
「えええ!!? そんなのってあり!?」
「でもおもしろいからありだー!!!」
 サイズを苦しめないように遠巻きから見守ると、こちらへと飛んでくるしゃぼん玉。
 ふわふわと不安定だが、それがまた心地よい。
「ぱちん!」
「ふわり!」
 水分の量や石鹸水の濃度で不安定な感触のしゃぼん玉を嬉しそうに取り囲む。
 ふーふーと息をふきかけてみたり、花弁をくっつけてみたり。
 きゃっきゃと声をあげて喜ぶ妖精たちを横目に、サイズは常に自分を抑えていたのだった。
 帰り際に青紫の大きな花を渡されたサイズが、妖精たちと握手をしてぎりぎりになったのはまた別のお話。

 『半透明の人魚』ノリア・ソーリア(p3p000062) は、はじめて見たしゃぼん玉をひと目で好きになった。
 理由の1つ目は、ノリアの半透明のしっぽだ。
 しゃぼん玉も、ノリアのしっぽのようにゆらゆらと揺れる。
 彼女の自慢のしっぽによく似たそれを、愛しく思わずになんと思えば良いのだろうか。
 そして2つ目は、しゃぼん玉が魚の卵に似ているからだ。
(わたしは、卵だった頃のことなんて、憶えていませんけれど、きっとわたしも、こんなふうに、海の中を、ただよっていたんだと思いますの)
 ふわふわと浮かぶしゃぼん玉を見上げながら、ノリアは想いを馳せる。
「ねーねー、海のフルールはどんなのを見せてくれるの?」
 興味津々に近寄った妖精たちの興味に問いかけるように、ノリアは魔法をかけた。
 つるんとしたゼラチン質のしっぽ。
 するとしゃぼん玉から尻尾がはえ、目ができ、まるで魚のようになってしまった!
「……こ、これは」
 妖精たちも思わず困惑してしまうが、しかし。
 自由に動き出すしゃぼん玉を、空を泳ぐしゃぼん玉をみて興味がわかないわけもなく。
「こ、これって、たべてもいいのかな?」
「たぶんだいじょーぶ……だよね?」
 小声でひそひそと話し合う妖精たち。小さく頷けば、後ろから近寄って。
「いっただっきまーーーっす!!」
 がぶり。
 むしゃり。
「!?」
 ノリアは驚きの声をあげた。
 自身も海の中では他の魚や稚魚を食べていたから、仕方ないことではあると思っている。
 だがしかし。ここは陸の上で、しかも空中なのだ。
 こんなところで弱肉強食、自然の摂理を見るとは思っていなかったために、ノリアの半透明のしっぽが驚きで跳ねた。
「で、でも、この稚シャボン玉たちは、いわば、わたしの、子供たちですの…それが食べられてしまうのは、ちょっぴり、悲しいですの…!」
 少し不満げに頬を膨らませたノリアは、また魔法をかけた。
 それも沢山。
「これおいしい! もっとくれるのー!!?」
「海のフルール、しゃぼん玉をたべれるようにしちゃうんだね?!」
「ならぼくらも、たーっくさん食べちゃうぞー!」
「おーー!!」
 勢いよく腕をあげる妖精たちに反し、ノリアは稚しゃぼん玉を作らんとメラメラと心の炎を燃やしていた。
「しゃぼん生態系を、生み出しますの! 成魚になるまでお待ちくださいですの……!」
 ぴちぴち。
 しゃぼん玉魚が生まれた瞬間であった────。

 『虹を齧って歩こう』ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371) は、辺りをただよう、魔法のかけられたしゃぼん玉を見ては頭を悩ませていた。
(妖精からのお願いなんて可愛い依頼じゃないですか! 楽しそうー、って思って参加したのは…いいんですが……)
 使える魔法(スキル)がない。物理で通常攻撃な彼女が使える魔法は、魔法(神秘)にあらず、魔法(攻撃)で。
 しかし、こっそりと封入した魔法(スキル)は成功する。
「よっし……とあっ!!」
 助走をつけて思いっきりジャンプすれば、ふわふわぷにぷにのしゃぼん玉がウィズィを包む。
「うわ、ふわっふわぽにょぽにょするー! 面白い!」
「面白そうー! ぼくのフルール、ぼくにも作って!」
 君の為にと名付けられたその精神を知ってか知らずか、妖精たちは“ぼくの”フルールと呼んで。
 乗ってみて、と促すように生み出された妖精サイズのしゃぼん玉に、嬉しそうに飛び乗るのだ。
「ふふふ。お次はこうだっ!」
 魚のように泳ぐしゃぼん玉を横目に、ウィズィはラカラビを用いて月の色をしたしゃぼん玉を作り出す。
 うずうずした妖精がつんつんとつついてみれば、淡く光輝き、周囲を照らして。
「わ……すごいすごい、綺麗ー!」
 子供っぽい声をあげれば、妖精たちも目を輝かせて頷いた。
「そういえば、あなたの花ってなんだろ……?」
 ウィズィが尋ねれば、ふふん、と胸を張って答える妖精たち。
「そ、れ、は、ねー。ぼくらからの祝福。ぼくらの魔法だよー!」
「だから、ぼくのフルールにも、プレゼント!」
 そういって手渡されたのは、ウィズィの瞳によく似た色の青い花。
 茎が強く、まっすぐと咲き誇っている。
「花言葉はねー、ぼくのヒーロー!」
「とってもとってもたのしかった! ありがとーー!」
 嬉し気に宙を舞う妖精。その軌跡には花の香り。
 
 煌めく夜。
 不器用な優しさ。
 母なる愛。
 ぼくのヒーロー。
 この日生まれた、花言葉だった。

成否

成功

状態異常

なし

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