シナリオ詳細
<青海のバッカニア>ジャッカルの帰還
オープニング
●悪しき海賊の伝説
「『死体あさり』『卑野犴』『デッドエンド』『嘘つき海賊』……中でも最も有名な通り名が『ジャッカル』だ」
大衆酒場『アルパアノル・フロンティア』の一角にて、海洋貴族ベンジャミン氏はそのように語った。
もしあなたが海賊の伝説に詳しいなら、ジャッカルの噂話を聞いたこともあるだろう。
そして彼が、すでにローレットによって討伐されているということも。
ベンジャミン氏は息をついて、『いかにも』と頷いた。
「奴は死んだ。死体が陸に上がることすら許さないという私のオーダー通り、海の底に沈んだはずだ。
だが今、奴らと全く同じ海賊旗を掲げた船が周辺海域で目撃されるようになった。これを見てくれ」
示した資料には、たしかに犬のようなドクロ旗が描かれている。
船にはサーベルとマスケット銃を装備しトリコーンハットを被った赤髪の海賊が、ギザギザの歯をみせて『こちら』を見上げている様子があった。
海鳥を使役しファミリアー偵察を行った際のスケッチであるという。
「ジャッカルは死んだ。蘇りなどしない。
そして『奴が何者かさぐれ』などというナイーブなオーダーはしない。
サーチ・アンド・デストロイ。許可なき海賊行為を我々海洋貴族は容認しない。
ましてあの悪名高きジャッカルを模倣した海賊など、同じ海風を呼吸することすらおぞましい」
ベンジャミン氏はコインの入った麻袋をぽんとテーブルに投げて言った。
「オーダーはシンプルだ。奴らを襲撃し、水底へ鎮めよ。一人だって生かして陸に返すな」
●大号令のもとで
さて、ここまではローレットでも珍しくない海洋における海賊退治だが、今回は少しだけ事情が違う。
というのも。
先日イザベラ女王陛下より『絶望の青』攻略にむけた大号令が約22年ぶりに発令。
国全体が世紀の大事業にむけ動き出したのだ。
ネオフロンティア海洋王国とは広大な土地面積を有する国家だが、その殆どは海である。
諸島からなるこの国家は幻想や天義といった外圧に悩まされ、群を抜いた航海技術や海軍力で国家としての独立を保ってきたものの民も為政者も現状に対する不満は大きい。
そんな彼らにおける希望とも言うべき存在が外洋遠征。つまり新天地(ネオフロンティア)開拓なのだ。
いまだ攻略できていない『絶望の青』ではあるが、今回こそはと国民たちは熱い期待をよせている。
なぜならば……。
「ボクたちがいるから、なのです!!」
『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)は一通りの資料をばーんと机に叩きつけ、見えをきった。
ところ変わらず大衆酒場『アルパアノル・フロンティア』。
貴族ベンジャミン氏の依頼を受けたローレット・イレギュラーズはまず情報屋ユリーカの集めてきた情報をもとに、今回の依頼達成にむけた相談を始めていた。
「今回の標的は『ジャッカル海賊団』と名乗っていて、かの海賊ジャッカルの類縁にあたる人物が新興した海賊団のようです。
後ろ盾はないはずなのですが、妙に装備が整ってるのが特徴なのです。
所有する船は二隻。
青い旗の『卑野犴号』と、赤い旗の『デッドエンド号』。
この二隻を用いた挟み撃ちで商船を襲い、物資の強奪をはかるのが主な手口なのです」
こちらもベンジャミン氏の手配によって小型船を一隻レンタルできるが、所詮は借り物。自前の船があったほうがずっと有利だろう。
「戦いは主に船の上で行うことになるはずです。けどもう皆さん、船の戦いは慣れたもの……ですよね!」
- <青海のバッカニア>ジャッカルの帰還完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2019年11月25日 22時20分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●ジャッカルの悪しき伝説
海鳥の声もはるか遠い大海原のどこか。見回しても陸らしき陸もなく、望遠鏡で見えるのは二つの船。
青い旗の『卑野犴号』と赤い旗の『デッドエンド号』。
今から約二年前に沈んだはずの海賊『ジャッカル』を名乗る海賊団の船が、見える。
「カイゾク退治か。いいね! 冒険ってカンジがするよね!
更に強敵が相手となったらもうワクワクだよね!」
突風が吹き抜ける。
なびく帯を抑えて、『無影拳』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)は海の先に見えるちいさな点を睨んだ。
あちらもこちらに気づいているのだろう。
船首を互いにまっすぐ突きつけ合い、まるで勝負に出た騎士の突撃槍の如く海の上を爆走していく。
トン、と手すりの上へ器用に立つ『ラド・バウD級闘士』シラス(p3p004421)。
両手をポケットに入れたまま、ラフな格好で海風に身体を晒す。
加速した船はさらなる風を生み、この先の激突を予感させた。
「やれやれ、海賊って儲かるんだろうなあ。……強ければ、だけれど」
顎を上げ、目をわずかに見開き歯を見せて笑うシラス。
一方。手すりの下に立って顔をわずかにうつむける『黒陽炎』アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)。
口をきゅっと結び、しかし目は鋭く相手の船を睨んでいた。
「確かにいい船を使ってるみたいね。名を挙げるにはかぶる名前が汚れすぎてるし、素人のマネごとにしては装備が良さそうだわ。
とはいえ……新天地への冒険を前に、『たかが海賊』相手に負けるわけにはいかないわね」
フウ、とタバコの煙を吐く『黄昏き蒼の底』十夜 縁(p3p000099)。
寄りかかるように舵を取り、船の様子を確かめた。
(一人残らず水底へ、か。確かに、シンプルな注文だ。
海は大食らいだからなぁ、何でもかんでも呑み込んじまう。嘘も、罪も――隠しておきたい秘密も。
こんな依頼が回ってくるとは、皮肉なモンだ。……今更、一人も二人も変わらねぇってことか)
彼の後ろに立ち、もはや暴風と化した海風に前髪を抑える『白狼剣士』天之空・ティーザ(p3p007693)。
「海賊退治とは……本当に気が滅入る」
「嫌かい?」
「いや、その、仕事が嫌なのではなく」
ティーザは目をそらし、『泳げないのでな』と小声でつぶやいた。ごまかすように白い狼のしっぽが揺れる。
風を受け止めるように翼を広げ、魔力を循環させ始める『猫さんと宝探し』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)。
「海賊なんてネームバリューが大きいし名前のあやかりはあるだろうけど、二世、三世が出てくるのはねー」
「弱きを虐げ海賊行為で私腹を肥やすたぁ見逃せねぇ!! 知らんけど! 君達が何悪事したのか知らんけど!
私達が成敗してやるぜてやんでぇ!! 知らんけど! 君達の事良く知らんけど!!」
アクセルの下で謎の威嚇っぽいポーズをとる『爆音クイックシルバー』ハッピー・クラッカー(p3p006706)。
二人がこんな姿勢をとるのも無理はない。
もうじきお互いの船は戦闘可能な距離へと近づきつつあるのだ。
目測でおよそ100メートル。
『雷精』ソア(p3p007025)も本能的に爪を出し、身体からばちばちと雷を周囲に展開させ始める。
「なんだかドキドキするね。お互いに船が進むのに任せるしかなくて立ちんぼなのが焦れったい感じ……!」
互いの距離はみるみる近づいていく。
90、80、70、60、50――。
●砲雷撃戦
「もう少し、もう少し待て……今だ!」
戦闘可能範囲に入ったその瞬間から、すでに複数の魔術砲撃が行われていた。
誰よりも早かったのはジャッカルが放ったであろう射撃である。
ティーザは死骸盾を展開。魔方陣をゲートにして現れた何体かのディープシースケルトンが砲撃に対して防御姿勢をとった。
同じく防御姿勢をとり、砲撃を打ち返そうと構えるイグナート。
十夜は舵を切り、船をジグザグに動かしていく。
(店の船にうっかり穴でも開けられようモンなら後が怖ぇ、主に俺の命が)
無数の砲撃を交わすようにして動く船。相手の船もまた、こちらの砲撃を警戒して器用な蛇行を開始……しつつ、おおきく膨らんでこちらを挟み込もうと進路をとった。
「予想通りか。精々囮になってやるさね……ま、こっちに乗ってるのは品物じゃなく、強者揃い(俺以外)の特異運命座標なんだが」
「反撃、いくよ!」
アクセルが飛び上がった姿勢からマギシュートを乱射。
近づく距離に対応すべく神気閃光へのシフトを開始する。
一方で、シラスはポケットから出した手の中に魔力拳銃を出現させ、水平に構えて発砲した。
狙いはジャッカル。互いに動き続ける船の上でありながら正確に相手へと弾丸が進んだ……が、ジャッカルはすぐそばにいた部下にかばわせて直撃を免れていた。
「へえ、賢いな。『弾は当たるもの』って考えてるのか」
もしかしたら、だいぶ苦戦するかもしれないな。そんな風に考えているシラスの横で、アクセルが神気閃光を打ち込んだ。
互いに船ごと動き続けるとはいえ距離が近づけばそのブレも小さくなるものである。
「よっし、そろそろいくか!」
「お先に!」
ハッピーとソアは仲間に手を振ると、それぞれ助走をつけて飛び上がった。
飛び上がったところでハッピーちゃんロケット二号機に点火。激しいジェット噴射によって青い旗の『卑野犴号』めがけてミサイルのごとく飛んでいく。
一方のソアは虎形態に変化。雷の翼を広げると、まるで天空を翔るかのごとく敵船めがけて突っ込んでいく。虎に翼のたとえを持ち出すまでもなく、船での戦闘において飛行能力は便利だ。跳躍ではとても飛び移れないような距離でも素早く飛び移ることができる。
「おまたせ! 海賊さんは覚悟してね、ボクの爪は痛っいよ~っ!」
自らを巨大な雷そのものに変え、敵船にたたきつけるソア。
爆発のごとき雷撃が船を覆い、十夜たちの船にラムアタックを仕掛けようとしていた『卑野犴号』は進路を切り替え、飛び込んできたソアやハッピーたちを囲んで迎撃する作戦へとシフトした。
「かかってこい!」
幽霊めいたにょろにょろの足を『卑野犴号』の甲板に突き刺し、びょいんとバネ仕掛けのおもちゃのように動きながらファイティングポーズととってみせるハッピー。
一応は突撃してきた二人を無視してサンドアタックを続行する手もあるといえばあるが、ハッピーとソアによる相性のいいコンビを前によそにさく余裕があるとは、彼らは考えなかったようである。
「あっちは二人に任せるしかなさそうね。なら……」
アンナはイモータルクロスを広げ、相手を幻惑するように舞い始める。
不吉な黒いオーラが螺旋状に舞い上がり、ジャッカルの乗るデッドエンド号へと打ち込まれていく。
「あの船の乗員はできるだけ引きつけるわ。乗り込んできた敵はお願い」
「そんじゃ、そっちは頼んだぜ。おっさんの出番なんて来ねぇように全力で暴れてきてくれや」
いつものように薄く笑う十夜。その直後、デッドエンド号と十夜の船が激突した。
●白兵戦
船と船が互いの側面を削り合い、船底から迫るようなごりごりという音が響く。足から伝わる地獄のような振動に竦むことなく、アンナはイモータルクロスを広げて跳躍くるくると回転をかけながら、自らを狙う獣のような視線にあえて身をさらした。
アンナの術中にはまらなかった部下たちは次々に十夜の船へ飛び移り、至近距離での戦闘を仕掛けてくる。
乗り込んでくる兵士の数が少ないのは、アンナの【怒り】付与がそれなりの数に効果を及ぼしていたことと、一緒に乗り込むはずだった『卑野犴号』の兵士がソアたちに集中したせいで彼らの兵員分配がうまくいかなかったためである。
この時点から、状況はイレギュラーズによって大きく動かされていた。
「それじゃあ行こうか! オレの後ろについてきて!」
イグナートは甲板を殴りつけるようにして勢いをつけると、握力で固めた拳を振り上げデッドエンド号へとジャンプ。ジェットパックで勢いをつけ、兵士の一人を着地とともに殴り倒した。
「ティーザ!」
「ああ、もう乗り込んでる!」
備え付けのワイヤーフックでなんとかデッドエンド号に乗り込んだティーザが、船全体に向けて名乗り口上を発した。
「ジャッカル。お前がこの海賊団の長か。さて、一つ勝負といこうではないか!」
「オイオイ。貴族の決闘じゃねえんだ。乗ってやる義理はないぜ」
ギザギザの歯を見せて笑い、ジャッカルは数歩後退。
かわりにその部下一名がティーザへむけてサーベルを抜いた。
「なるほど汚名を着るだけはある」
強力な敵であるところのジャッカルを直接引きつけるには命中能力が足りなかったのかもしれない、とティーザ本人は分析した。少なくとも、周りの兵士をある程度倒さない限りジャッカルは己の身をさらしてはくれないだろうとも。
ティーザもまた剣を抜き、兵士へと突きつける。
すれ違い、離れていく船と船。
十夜の船は側面にだいぶえげつない傷(このあと依頼人もちで修復されるらしい)がついていたが、航行に支障が出るようなダメージはない。
問題は……。
「招かれざる乗客、か」
ターンしようと舵を切る十夜を狙い、サーベルを振り上げ雄叫びをあげながら突撃してくるジャッカル海賊団の兵士。
「近づいてくるなーっ!」
アクセルは間に割り込んで翼を羽ばたくセルと、幻惑術と蹴りのラッシュによって兵士を派手に蹴り飛ばした。
そんな彼の横を抜けて迫る兵士を、十夜は柳風崩しによって相手を投げ飛ばし、手すりから先に突き落とす形で海へと転落させた。
「アクセルとシラスが引きつけてくれるなら、おっさんは楽できるかね」
「おいおい、まだ楽はさせねえよ」
一方のシラスは魔力銃を発砲。反転し発砲。その場でくるくるとシステマチックに回る機械のように動きながら連続で発砲し、敵兵だけを的確に打ち抜いていく。
「身を守るには向いてねえんだ。そういうのはアクセルに頼んでくれ」
「えっオイラ? じゃ、じゃあ……回復くらいなら!」
アクセルは翼を羽ばたかせ、メガ・ヒールの詠唱を開始した。
「もきゃー!?」
船の中をピンボールのごとく飛び回るハッピー。
「本日も良いお天気で皆様いかがお過ごしでしょうかうらめしや~おらぁー!!!!ミ☆」
殴られて吹き飛んでいるのももちろんあるが、しかし八割くらいは自主的に飛び回ってはその辺の木箱や手すりに跳ね返りながら注意を引くのがお仕事である。
できれば『Quicksilver』で広範囲に向けて【怒り】を付与したいが、ソアを巻き込むと【怒り】はともかく【混乱】【呪縛】がかかってしまいかねない。ケースバイケースで『Check it out!!』と使い分けて敵兵たちを相手どっていた。
が、そうするまでもなく敵兵たちはハッピーへの集中攻撃の手を緩めない。というより全集中であった。
というのも。
「フンッ!」
「あ痛ったあ!? ソアっちやばいやばいこいつ必殺もちー!」
「やばいやばい!」
ソアはびゅーんと飛んでくるハッピーを背にかばい、飛びかかってくるひげだらけの男の攻撃を虎ハンドで受け止めた。
展開した雷のフィールドがサーベルを受け止める。
EXF100の長所はなんといっても死なないことだが、それを打ち崩せる【必殺】のコストがとても低いというのが短所である。『誰でも殺せないが誰でも殺せる』という能力なのである。
そのため、必ず何らかのカバーリングが必要になってくる。今回はそれがソアの役目であった。
「船ごと沈んじゃえ!」
ソアは拳にバチバチと電流を流し、高められた熱量によって青い炎を発生。ひげずらの男にたたきつける。
操縦を担当する者までハッピーに殴りかかっている有様なためか、船はどんどんデッドエンド号や味方の船から離れてしまっている。
飛んでいくのは無理じゃあない気がするが、ここまで離れていると移動中に打ち落とされそうな気がしてくる。
「なにより、この船から逃げ出すって選択肢はないよね。離れないでね幽霊さん!」
「捕まってろよタイガーさん!」
場面はうつってデッドエンド号。
ティーザは敵の兵士が繰り出すサーベルを呼び出したディープシースケルトンに受け止めさせると、相手の側面を駆け抜けるように剣を振り抜いた。
吹き上がる血。崩れ落ちる敵兵。
ティーザは振り返り、ジャッカルへと剣を向ける。
「これで相手をする気になったか」
「お見事。さすがは親父を倒した組織ってところだな」
「ジャッカルの息子か。そんなところだと思ったよ」
イグナートもまた敵兵の喉をつかんで甲板に頭をたたきつけたところで、ジャッカルへと振り返った。
「行くぞジャッカル、海のモクズに変えてやる! 降魔烈火拳ッ!!」
イグナートの拳がギラリと輝き、全身から爆発した気がこぶしから猛烈な破壊力となって打ち出される。
「ぐお……!」
直撃を受けて吹き飛ばされるジャッカル。
その隙を突いてティーザの剣がジャッカルへと打ち込まれる。
対するジャッカルは腰から抜いたマスケット銃を発砲。
空中をおかしな軌道で走り回った弾丸がティーザやイグナートたちを撃ち抜いていった。
「この船もオシマイかもな。さっさとづらかったほうが……」
「そうはさせないわ」
黒い布をばさりと払い、アンナがジャッカルの退路へ立ち塞がる。
彼女の足下には、彼女を倒そうと群がったが傷一つつけることもかなわなかった兵士たちが転がっている。
厳密な補足をすると、デッドエンド号に乗り移ってからも黒花舞踏による敵兵の引きつけを行いたかったアンナではあるが、【怒り】はともかく【暗闇】【乱れ】がイグナートやティーザについてしまうことを避けるため、しばらく瞬獄炎華を使いながら手すりギリギリのところを駆け回っては兵士たちを迎撃していたのである。
そこまでの状況にありながらも敵兵たちがアンナを傷つけられなかったのは、彼女の実力ゆえというべきであろう。
夢煌の水晶剣を突きつけるアンナ。
ジャッカルもまた剣を突きつけ、一騎打ちの姿勢へと入る。
と、その瞬間。
ターンして戻ってきた十夜の船からシラスによるナイトメアバレットが打ち込まれた。
とっさに回避を試みるジャッカルだが……。
「悪いな。この術は掠っただけでもかなり効くぜ」
ジャッカルの体がよろめき、技の冴えが消えた。
その瞬間、アンナの剣が炎をまとい、ジャッカルの体を切り抜いていった。
●弔い
シラスが海に向けて銃撃を何発か打ち込んでいく。
その横で、ハッピーが海に向けて花束を投げた。
「まあ、幽霊生活も悪いもんじゃないって事は保証したげるよ!!
君達の冥福を祈ってくれる人が居るのか知らないけど。死ねばみんな仏さんってね」
ほかの仲間たちは十夜の船に乗り込み、負った傷を治療している。
さて、次の仕事はなんだろう。
海の底へ沈んでいった『ジャッカルを名乗るものたち』のことを記憶に箱にしまいこんで、イレギュラーズは港へを帰る。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
――mission complete!
GMコメント
●重要な備考
<青海のバッカニア>ではイレギュラーズ個人毎に特別な『海洋王国事業貢献値』をカウントします。
この貢献値は参加関連シナリオの結果、キャラクターの活躍等により変動し、高い数字を持つキャラクターは外洋進出時に役割を受ける場合がある、優先シナリオが設定される可能性がある等、特別な結果を受ける可能性があります。『海洋王国事業貢献値』の状況は特設ページで公開されます。
■依頼内容と交戦までの流れ
『ジャッカル海賊団』の全滅が最終目的となります。
リプレイでは【前半戦】【後半戦】にパートがにわかれ、それぞれ気をつけるべき内容がちょっとずつ違います。
■【前半戦】
ジャッカル海賊団の船を発見。たがいに視認し接近し合うところから始まります。
(よって広い海のなかで船を探したり偵察したりといったパートは省略されます)
相手の船とこちらの船はともにぐんぐん接近し、まずは超~中距離による砲撃戦が始まります。
1ターンだけそれを行ったらすぐさま接触。
すれ違うような形で数秒接触し、互いの船に乗り込んだり乗り込んできた敵を阻んだりする必要があるでしょう。
このとき跳躍やフックつきロープなどを用いて船間を飛んだりします。
■【後半戦】
互いの船に敵味方が入り乱れ、船上の限られたスペースで戦闘を行います。
このときスペースの問題から中~至近距離の攻撃に限定されることになるでしょう。
うまいことすると別の船と距離をあけて並走しながら射撃だけできたりしますが、飛行や水泳などで割と普通に乗り込まれたりもするので、一方的に攻撃だけするのは難しいでしょう。
『砲撃と乗り込みの前半戦』『各船に分散した後半戦』という具合に覚えてください
■ジャッカル海賊団
船長の『ジャッカル』率いる約16人規模の海賊団です。
青い旗の『卑野犴号』と赤い旗の『デッドエンド号』の二隻で活動しており、ジャッカルが乗っているのはデッドエンド号の方です。
団員の個体戦闘力はそう高くないらしいですが、ジャッカルが群を抜いて強く、それゆえに統率がとれていると言われています。
ジャッカルと戦う際はできるだけ2人組でとりかかりたいところです。
■オマケ
今回の相談は大衆酒場『アルパアノル・フロンティア』で行われております。
イタリアンレストランにありそうなメニューはだいたいあるので適当に注文しつつ食べつつ相談すると、ちょっと楽しいはずです。
■■■アドリブ度■■■
ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用ください。
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