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シナリオ詳細

一日体験! 深緑ミルク工房!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●説明しよう! 深緑ミルク工房とは!
 深緑の一角、少しだけ開けた土地にある工房の事である。
 そこでは良質な牛のミルクが取れる地であり、同盟をしているラサを経由して世界各地に輸出される事もある――そこそこ程度に有名な工房だ。ここのミルクを使った乳製品の数々は美味であるとも評判で。
「しかし……困った事が起こったのです……!」
 語るは工房長。深刻そうな表情と共に、その口から紡がれるは。
「ザントマン事件以降、色々と物流にも影響がありましてな……今まで通り作ったらハイ出荷……とはいかない状況が長く続きまして。しかし乳製品の命は、そう長くないのです……!」
 つい先日解決を見せたザントマン事件、その影響の話だ。
 かの事件の深い所の事情はともあれ――深緑の民は外敵の存在に排他の意思を示す者もいた。その影響から一部、外への『流れ』が淀んだ事もあって……ここもその煽りを受けたという事だろう。
 外への出荷の為に作られた量は、となれば内だけで掃かす事叶わず。
「色々な食材に加工したりとあの手この手で保たせたモノもありますが、やはり期限短く。
 ――そこで皆様にお願いしたいのです!!」
 机を思いっきり手の平で叩く工房長。そして。
「私共、深緑ミルク工房は在庫掃かせ……もとい、再び友好なるお付き合いを取り戻すべく、外よりお客様を呼び寄せる企画を用意しました!! 皆様にはその企画のお手伝いをして頂きたいのです――ここにいるリリファ・ローレンツ氏と共に!!」
「なん、なんで、なんでじゃああああ!」
 直後。猛抗議するのはなぜか牛のコスチュームに身を包んでいるリリファ・ローレンツ(p3n000042)だ。非常に薄着でこの時期には辛そうである。せめて夏だったら……
「夏とか冬とかそういうのはどうでもいいんですよ!! なんで私がわざわざこの衣装を着るのかという理由と、この企画自体がどういう事なのかって言ってるんですよぉおお!!」
「なんと!? それは工房の伝統的な宣伝衣装ですし。後は我が工房の乳製品を購入してその場で食べてもらうのと、牛の乳絞り体験コーナーがあるだけではございませんか!! ――なんの問題が!!?」
 個人的な問題が物凄くあるのである。はい。
 ……とはいえそういう『些細』な問題を捨て置けば依頼としてはごく普通な類である。要は接客をすれば良いと言うだけで、依頼をこなせば後々美味なる乳製品を楽しむ暇もあろう。
 あと、ある問題と言えばその衣装、他のメンバーも着る必要があるのかという所であるが。
「あ、いや別に? 衣装の在庫はありますので着て頂いても構いませんが別に無理にとは……それにこんな薄着モードではなくて、牛をイメージした全身纏う冬服モードもあるというか……」
「じゃあなんで私にはこれを着せたんですかあああああ!!?
 おかしいでしょ私の服返してくださいよ!! 返せこらあああああ!!」
 わああああ依頼主に暴力はいけない!!
 それにもうすぐ開店の時間である。準備するなら急がなければならない。
 深緑ミルク工房――そこで作られた乳製品の未来は、貴方達にかかっているのだ!

GMコメント

■依頼達成条件
 深緑ミルク工房のイベントをこなそう!!

■深緑ミルク工房
 そこそこ有名な程度のミルク生産工房。飲んでも美味しい。加工しても美味しい。
 工房内には大量の牛が存在しているが、食肉ではなくいわゆる乳牛がメイン。
 今回、諸々の理由から工房を解放。
 以下のイベントで牛乳の在庫を掃くべく活動中である。
 参加する際は全部でなくて1つだけでも、1つ以上でもOK。

A:乳製品試食イベント
 ケーキ、プリンなど様々な乳製品を上手い事売り付ける為……
 もとい楽しんでもらう為の試食コーナー。接客がメイン。
 つまみ食いしてもいいよ!

B:乳牛乳絞りイベント
 乳牛のお乳を搾るイベント。よくあるヤツ。
 こういう貴重な体験が販売にも結果として繋がるのである……!
 身体を動かした後の牛乳は美味しいよ!

C:自由枠
 上記二つ以外、何か思いついたらでもOKだよ!
 俺はイベント側ではない。客側だ! でもOKだよ!
 たのしもうね!!

■深緑ミルク工房衣装
 牛柄コスチュームの深緑ミルク工房の伝統的宣伝衣装だよ!
 薄着のタイプと冬用の露出が少ない長そで牛風コスチュームもあるよ。
 着てもいいし、着なくてもいいよ!

■リリファ・ローレンツ
 薄着牛柄コスチュームで頑張ります。

  • 一日体験! 深緑ミルク工房!完了
  • GM名茶零四
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2019年11月29日 23時30分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)
白銀の戦乙女
ラクタ(p3p000501)
外なる
主人=公(p3p000578)
ハム子
シエラ・バレスティ(p3p000604)
バレスティ流剣士
ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
優穏の聲
リディア・ヴァイス・フォーマルハウト(p3p003581)
深緑魔法少女
新田 寛治(p3p005073)
ファンドマネージャ
ジェーン・ドゥ・サーティン(p3p007476)
一肌脱いだ

リプレイ


 深緑の伝統深き工房。その存在と『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)は既に繋がっていた。彼が一体いつ工房と握手を交わしたかは定かではない、が。
「深緑ミルクのCMにリリファさんを起用し、あの衣装をプロデュースしたのは私です。
 ――本イベントもプロモーションの超上流から組み立てさせていただきます」
「つまり色んな意味で貴方が下手人って事ですよねええええ!?」
 抗議せしリリファをガン無視。下手人とは酷い言い様である……シュガー&ソルト画家の力と言って頂きたい。画家の詳細は個人情報保護の観点から秘密だが!
「ともあれ勝負は当日のイベント運営だけに限りません。牛乳を消費してくれるだけの人数を集める事がそもそも肝要……全体の母数が増える程イベントの成功に繋がりますから」
 故に寛治は己が繋がりをフル活用――特に活動歴の長い幻想の豪商を中心に既に宣伝を行っていたのだ。多くの者らを寄せるポイントは幾つかあったが……一点目は高品質な深緑ミルクが格安で楽しめるという事。そして二点目が――
「おお、あれが噂の……!」
 その時。来場者の一人が気付く、気付けばざわめきは広がって。
 騒ぎの源は衣装である。
 リリファの着ている牛柄の薄着衣装――それが複数名に着用されていて、つまり。
「つまり――そうです皆さん!
 あの『深緑ミルク☆ガールズ』に生で触れ合える貴重な機会なのです!!
 さぁ席をお立ちになってください。彼女らの英姿をどうか間近でご覧ください!」
 何言ってんだこのジャーマネぇえええええ――ッ!!
 繰り出される顎への跳び蹴り。しかしもう遅い。いや『遅い』などという表現は誤りか。
 なぜならば彼女達は無理に着せられた訳ではなくッ!
「はーい! こちら外の方ではお乳搾り体験コーナーになりまーす! 可愛い牛さんですよー!」
「わぁ! 皆素敵な着こなしだねすっごく似合ってるよ!!
 ――これはジェーンちゃんも負けてられないよね♪」
 そう更衣室で堂々と自ら着替えた結果なのだからッ! 『白い稲妻』シエラ・バレスティ(p3p000604)と『へっちなアイドル目指します!』ジェーン・ドゥ・サーティン(p3p007476)が場へと姿を現す。明らかに肌の露出部分が多い。際立つ部分が際立つ……!
 特にジェーンはやる気全開であった。深緑は彼女にとっての故郷――かは十三歳以前の記憶が無くて不明なのだが――幻想種となればここが『そう』である可能性は高く。
「暫定故郷★ 盛り上げる為に頑張るよ♪ いざ、もっとBIGに!」
 心を躍らせ胸を躍らせ顧客達を誘導すれば。
「あ――リリファさん初めまして! この前リリファさんに似た人に会いましたよ!」
「え、似た人? なんですかそれ他人の空似!?」
 まぁそれはリリファルゴンとかいう敵だったのだけど、とはシエラは口には出さず。あはははは! と笑い声で誤魔化して。
「とにかく今日はよろしくお願いします! M仲間として一緒に頑張りましょう――あ、大丈夫! 特異運命座標は運命を覆す存在ですから。諦めたら膨らみはそこで終了だよ。成長を夢見て、夢に向かって邁進しよう……グッド・ディスティニー☆」
 シエラはリリファの両肩を掴んで力説する。
 どれだけ絶望的な運命でもまだ膨らみの試合は終わっていない。諦めたらそこで終了だと――ちょっと待って。どこが? どこに視線をやってどこの部分の話をしているのかな?
「ふむ……多くの視線を感じる。やはり工房の者の言う通り、この衣装は客の確保に役立つし、その上で――わたしにより深く信仰が集まるのだろうな。中々侮れんという事か」
 ともあれ『宇宙からの声』ラクタ(p3p000501)もまた伝統工房衣装。誰だ混沌肯定の影響とは言え、元々の世では邪神たるラクタにこの衣装を進めた者は! グッジョブ!
「深緑ミルク工房と言えば私もよく知っています……! でもまさかこういう日が来るだなんて。折角開放していただいた以上、力を尽くしましょう――ね、リリファさん!」
 同時。言うは『朝を呼ぶ剱』シフォリィ・シリア・アルテロンド(p3p000174)だ。これまた際立つ所が際立つお人で。『揺れ』が発生するレベルの持ち主なのだが、それがリリファの逆鱗に触れようとしている。衣装同一で並んでしまうと、おおもう……
「ふぅ。それにしてもこれ露出激しいですね……私ぐらいの大きさがあると『下の部分』が見えちゃいますし、リリファさんぐらいがちょうどいいかもしれません! 流石ですね、リリファさん!!」
「ぁッ?」
 それ以上はいけない。この依頼が戦闘シナリオになってしまうよシフォリィさん!
 もぐか――伸ばされる右手。果実の収穫かの様に接近させて。
「貴女が噂のリリファさん……ジェーンちゃんだよ、よろしくね♪」
 瞬間。偶々遮る様にリリファの顔面を胸の柔らかさで包んだのはジェーンだ。
 急な衝撃に窒息に陥りかける――ものの。
「ぷ、は!? なに、なんですかこれ殺意殺意!?」
「だって……おっぱいを怖がってるって聞いたから……☆」
 それは怖くないものだとジェーンは親睦を深めるのだ。深まってるのは溝な気もするが。
 薄着牛柄の重なり合い。それだけでなぜか顧客共が沸き立ち、場が熱狂する。くそこいつら! 売り上げが上がるだけに文句も言い辛い!!
「わっしょーい!!」
 と、ジェーンに包まれていた感覚がその時不意に外れて。
 リリファの前にいたのは『ハム子』主人=公(p3p000578)だ。
「ほら、お祭りみたいなものだしネガティブな想いは引っ込めて笑顔で行こうよ!
 ハイ一緒に――わっしょーい!」
「わわわわっしょーい!」
 主人=公は内に渦巻く乳への怨念に素早く気付いたのだろう。
 邪気を払うかのように大声と共に。イベントとは盛り上がってなんぼなのだから……!
「あの……リリファさん寒くないですか?
 よかったら今回の仕事中くらいは衣装を温めておけますけど要りますか?」
「いります、いりましゅ! 衣装も心も温かくなりたいです!」
 そして『木漏れ日の妖精』リディア・ヴァイス・フォーマルハウト(p3p003581)の申し出をリリファは受ける。彼女のギフトは『ひだまり』が如くの暖かさを衣類に与える事が出来るのだ。
 当然冬の場にはうってつけの能力。とはいえ――非常に包んでいる箇所の少ないこの衣装では中々万全に温めるという事は難しい所ではある。本当になんなんだこの衣装!!
「何、大丈夫だリリファ防寒上の観点では些か頼りない衣装だが、とてもよく似合っている」
 そんな疑問を抱いていたリリファの肩に手を置くは『天穹を翔ける銀狼』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)だ。頼りになるその声色に、ゲオルグさん……! とリリファは背の方を振り向けば。
「なにより――ほぅら私の格好の方がよほど目立つし恥ずかしい。
 他者と比べてどうこうなどと、あまり気にしない事だ」
 そこには皆と同様に薄着衣装に身を包んだ、逞しい肉体の保持者・ゲオルグがいた――ッ!
 どうして……どうしてゲオルグ君までその薄着衣装なんだ! 長袖もあったのに! 牛柄ブーメランパンツに大きなベル首輪とかどういう絵なんだ!!
「何。雰囲気と言うのは大事だろう。伝統衣装と言う事なら尚更、着ない理由が無い。分かるだろう?」
 分かんないです! ともあれ彼はギフトにて羊のジーク君を呼び出して、向かうは乳製品コーナーだ。ふわふわモコモコなジーク君に牛柄アクセサリーを身に着けさせ、一日牛体験。客の目に付く、宣伝の一つになればと目的は真面目である。目的はね!

 さてしかし寛治のプロデュースに加え、シフォリィやリディア。ゲオルグ達のインパクトは強烈であった。客の中には只ミルクを楽しみに来ただけの者もいたのだが――やはり積極的な宣伝というモノには効果があるのだろう。

「いらっしゃいませ! この度は深緑ミルク工房へようこそ――こちら、ここのミルクを使って作ったプリンにケーキでございます。お一つ如何ですか? とても美味しいですよ!」
 リディアが試食用に小分けした一品を差し出せば自然と足も立ち止まる。
 満面の笑顔であれば尚更に。それは衣装だけの効果に非ず、彼女自身の魅力も合わさり。
 ゲオルグもまた、己が肉体は優秀たる深緑ミルクの栄養の賜物であると言葉を紡いで。
「さぁどうでしょうか。牛乳一本で握手、三本でサイン、五本でチェキ――次にメンバーが揃うのはいつとしれません。絞りはNGですが見るだけなら幾らでもOKですよ!」
 更にミルクに付加価値を付ける寛治の一声が客を殺到させる。
 売り上げが正義である。許可? 取ってますよ勿論ね、ね! とにかくお触りだけはNGなので紳士の皆さんなら分かってるとは思いますがよろしくお願いします。ね!

「んっ……あッ」

 で、事前によろしくお願いした所でシフォリィさんの場面を映しますが。
「この大きいの、が、すっごく濃く、て……」
 口を開け、ケーキを運ぶ。
 フォークの先、入りきらぬ端が頬に零れて。
 ベタ付いた白きソレを――細い指先で拭う様に口の中へ。
「とってもっ……ッ、あ……」
 舌で絡める爪。深緑ミルク、その自慢の一品を。
 他者を誘惑するかの如き言の葉の抑揚を紡ぎながら――
「ん、ッ……美味しいです……!」
 感想を顧客達へと。上目遣いで、まるで相手の顔を覗く様に。

 ――紳士の皆さん。お触りはNGです。
 よろしくお願いします。ねっ!


 白濁の液が空を舞う――それは外での話。
 そちらで主に乳牛の相手をしていたのはラクタである。新鮮なる乳を搾るイベント、それの手伝いとばかりにラクタは指で(乳牛の)乳を揉んでいたのだ、が。
「ふむ……やはり、指先に集中する細かな動きはむずかしいな」
 手から肩へと。飛び散ってしまったミルクを彼女は見据えていた。この世界に訪れる前の姿が巨大生命体であった身としては小さき者達の、更に小さき作業はどうしても慣れぬモノ。
 特に力加減が難しい。勢いあまった結果、服を汚してしまって。
「まぁよい。これも貴重な一つの体験と言えるだろう。中々に無い機会であるしな」
「搾乳は成れないと難しいですよね……でもコツがあるんですよ!」
 と。ラクタに向かってシエラは言を紡ぎながら乳牛の乳頭へと手を伸ばす。
 ここからはテクニックだ。親指と人差し指で締め付け、それから使うは手と指全体。乳頭を圧迫しミルクを絞り出して……人指し、中、薬、小指と上から順に力を入れれば――なだらかな指運びが、まるでピアノの演奏の如く。
 さすれば勢いよくミルクが飛び出る一筋。
「ほう中々の指捌きだ。なれば、さて。
 供物は新鮮な方がよく、またそれは乳牛の摂理に対しても同様だろう」
 設置していた桶に取れたてのミルクが溜まる。であればラクタは即時に飲むが良し、と……
「……と、かつての私ならばそう考えただろうが。小さき者が備えし料理という文化――あれには一考の価値がある。ここから更に一手間を加えれば、より楽しめるのではないか」
 視て覚えた『料理』なる概念。小さき者達が好む、小さき事に複雑さを加える作業。
 それをここで実施するもまた体験と言う意味では良い形になるだろうと思案して。
 その表情に色は無いが、しかしうむうむと頷き。身振り手振りの様子を見れば、感情が無と言う訳ではなさそうだ。そのジェスチャーの数々はラクタにとっての感情表現の様なモノなのだろう。
「今日はお乳搾り体験コーナーに参加してくれてありがとー♪ シエラお姉さんとラクタお姉さん、リリファお姉さんと一緒に楽しく乳搾りしましょうね☆ 今日は乳牛さんがモテモテだー!」
 さすればそんな場へジェーンが客達を誘導してくる。信仰を集めし程の笑顔が溢れていて。
 ナイスタイミングだ。乳を搾り、その成果が振舞われるとなれば良き相乗効果が狙えよう。
「んん? やぁん~お客さん、私のお乳はご主人様専用だよ? 私の首輪に所有者の名前が書いてありますから! お・さ・わ・り・は・厳・禁♪」
 と、紛れて邪なる気配を感じたシエラが伸びた手を弾いて。首輪を指差し名を示す。
 そこには――吸血鬼の血を引くある魔女の名前が載っていて。『所有者』が違うのだと横目で流す。されどそのまま指に掛かっていたミルクを、先を加えて舌で舐めとり……わざと緩慢とした動作で扇情の意も――
「キャンペーンガールにオイタは駄目だぞ★ オイタをする子はこっち行きだぞ★」
 ……駄目だよそれでもお触りはNGです! めっ!
 ジェーンが連れて行く先は牛舎裏である。
 そこで、ふふふ乳絞り指導(意味深)をしているのだ……!
 妖しい行動の方が悪いのではないかって? いやいやこれらは全て販促であり、他意はない。
 それに何か別の意味を感じる方がいけないのであって――
「さぁ皆さんこちらもどうぞ! 私のしぼりたてのお乳――皆さん飲んでくださいね!」
 ――紳士の皆さん、発言に他意は一切ありません。
 こっちにも手伝いに来たシフォリィさんを信じろ!

 さて卑猥の権化共はともかく。売り上げはかなり順調であった。
 内で既に作ってあった乳製品を捌いて。外では乳を搾るインパクトで心を掴む。
 イレギュラーズ達の熱烈な販促も相まってミルクの在庫はみるみる減り――
「と、ならばそろそろだな」
 ゲオルグは呟く。羊のジークと共にケーキやプリンをつまみ食い、もとい消費、もとい美味しそうに食べる姿の宣伝を客達に見せながら視界は外へと向けて。

「さぁ始まるよ! 今日この場限りの『新緑ミルク祭り』!!
 飛び込み参加歓迎の、豪華賞品が待つ一大イベント! 皆さん如何かな――!!」

 その時、主人=公だ。声を張り上げ牧場へと視線を向けさせ、紡ぐ言葉は魅力の数々。
「優勝者にはキャンペーンガールの祝福と、自社製品の詰め合わせセットが豪華進呈! 更になんと! エントリーされた中から抽選で、キャンペーンガールからのハグもあるかも!?」
「ちょっとぉおおお!? 主人=公さぁああん!?」
 リリファを強引に引っ張り込む為に名前を挙げた。案の定駆けて来てくれて、分かりやすくて何よりだ。
 ともあれ彼――いや彼女が用意したのは障害物競争である。
 水飲み場を利用した泥たまりを一本橋渡りに見立て。樽を転がして坂登り、牛乳1リットルを一気飲みなど……身体を動かしアドレナリンを放出させ、水分補給させつつ同時に在庫の消費も促す策。
 客を文字通りに『熱』に浮かせ、勢いを利用するのだ。
 ……何? リリファが抗議してる祝福はどうするのかって?
「ほう祝福か。成程、この身に合わせて権能もまた縮小したものだが……欲するのならば与えるのもまた催しの一興か。現世的な加護は与えられないが――『わたし』の祝福を受けるのだから、大いに誇りとし喜ぶとよい」
 ラクタの加護。邪神、大災厄の祝福――
 さて。邪神と言えど常全てに悪を振り撒くでも無し。善きも悪きも気分次第なりかな。
 混沌肯定の範囲内において彼女の権能は振るわれる事だろう。祝福に嘘偽りはなし、だ。
「ジェーンちゃんからもご褒美はあるんだよー!」
 と、只でさえ巨大なジェーンの『ソレ』を寄せて上げて。ぱふぱふ。
 ……物理的な祝福の意思を感じる! これはいけません!
「さぁ行くよ! 位置について、よーい――」
 ともあれ新緑ミルク祭りが始まる。
 主人=公の掛け声に合わせて。さぁ優勝者は一体誰になる事か……
 しかしこの工房における一連の企画、一見ほのぼのとしているだけに見えるが。
「――国交が再び回復しつつある深緑でいち早くビジネスチャンスを掴む。これはその第一歩であると感じませんか? 今からでもまだ間に合います。人数さら揃えば……」
 工房責任者との商談の場を私がセッティングします、と寛治は陰でビジネスを紡ぎ上げる。他国の者にとってラサを経由せぬ深緑との繋がりは貴重。それを彼は敏感に察知している訳だ。流石侮れぬ男である……
 そして深緑ミルク工房の祭りが、仮に今日で終わったとしても。工房自体はこれからも続いていくのだ。そうと思えば、彼の言は未来の売上にも大きく影響する訳で。工房への借りは更に大きく……!
「ふぅ、ふぅ……たくさん声をかけたので喉が渇いてしまいました。
 ミルクを一つ、ふぅ、いいですか?」
 と、盛り上がりは最高点に。しかしそこまで至った努力故かリディアは喉が渇いていた。
 それも仕方なし当然だろう――が。ミルクを求めた実際の理由は、これを飲んだらいつかは、例えばラーシアの様に胸が成長するのではないかと――期待を少し込めていて。
 直後。ミルクを飲むその横を、競争に参加していたシフォリィがダッシュで通り過ぎた。
 揺れる。何がとは言わないが。
 揺れない。発展途上だからとは言うが。
 1粒300mなミルクキャラメルのおかげですね! と宣伝するから。
 3000mlのミルクを飲んでいたリリファとリディアの思考は一致したのだ。
 目が合う時、言葉は要らなかった。
 もぐ――もいでやる――容赦はいるまい――あれは敵だ――!
 駆ける数多。始まる乱闘。コップのミルクが零れて宙を舞い、降りかかりしは白濁の嵐。

 あぁ――深緑ミルク工房・万歳!

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 お待たせしました、深緑ミルク工房でした……!

 いかがわしい施設とかそういうのじゃないんですよ。乳牛の施設というか牛乳の工房というか、そう、つまり真っ当な企業なんです。信じて!!

 工房は今後『深緑ミルク☆ガールズ』を前面に押し出し、キャンペーンガールによる公告にこれからも力を入れていくみたいです。滅茶苦茶在庫が掃けたんでしょうね……! え? いや、いかがわしいあれそれじゃないんですよ。信じて。信じて!!!
 ご参加どうもありがとうございました!!

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