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シナリオ詳細

<物語の娘>おかしな貴様等

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●アリスでお茶会
 やあ。いらっしゃいアリス。僕等はアリスが来てくれるのを、今か今かと待っていたんだ。ほら。手を取って一緒にお茶会をしよう。帽子屋は居ないけど、今は僕等が狂ったものさ。くるくると回るカップに落ちて、楽しいケーキに変わってしまおう。もしやアリスはチョコレートが好きなのかい。だったらミルクチョコレートが好いな。勿論ビターも大歓迎さ。僕等にはそれぞれ好みが在るんだ。おっと。顔を逸らさないで? アリスは此処では絶対に無くならないからさ! 美味しい美味しい。
 もしかして僕等を食べたくなったのかい。だったらアリス、食べ合いっこしようよ。僕等が腕をあげるから、アリスは足をちょうだいな。大丈夫。其処は全部、ぜぇんぶ、クッキーだからね。ホイップクリームの詰め込まれたソーセージも踊っているよ。
 おかしいね、アリス!

●おかしなイレギュラーズ
「みんな。『黄金色の昼下がり』と呼ばれる小世界は知っているかい。通称『ワンダーランド』。アリスとなって不思議で楽しい想い出を造る場所らしいわ」
 楽しそうな表情で『境界案内人』こすもがイレギュラーズに声を掛ける。
「今回、皆には『ワンダーランド』で行われる、毎日の『お茶会』に参加してほしいの。其処では愉快なお菓子たちとお茶を飲んだり出来るわ――ただし。お菓子は『参加者』よ。この意味が解るかしら? そう。アリスと呼ばれる皆も、おかしに変わるのよ」
 驚いた数名が声を掛けるだろうか。
「大丈夫よ。痛くも無いし、なくなることもないし、お腹が膨れる事もないわ。ただ、一区切りするまで『おかし』を食べたり食べられたりするだけよ。一緒の食べ放題とも言えるわね。兎に角。【楽しむ】事が大切。いってらっしゃいね」

NMコメント

 にゃあらです。
 物語の娘、始めました。

 お菓子になったイレギュラーズ。
 愉快なお菓子と食べあいっこするのだ。

 プレイング例
 おかしな話をしながら食べられたり食べたりします。
 ケーキが好きなのでケーキになりたいです。
 いちごは最後まで残しておきます。
 フォークとかは使わずに手掴みで。
 いただきます!!!

  • <物語の娘>おかしな貴様等完了
  • NM名にゃあら
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年11月16日 22時25分
  • 参加人数4/4人
  • 相談2日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ブーケ ガルニ(p3p002361)
兎身創痍
アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯
ソア(p3p007025)
無尽虎爪
ベンジャミン・ナカガワ(p3p007108)
 

リプレイ

●おかしなお菓子の歓迎
 いらっしゃいアリス。
 兎さんはこっち。
 お姉さんはあっち。
 トラさんは向こうね!
 なんか面白そうなあなたはそこ!!!

●どろどろと融けるようなアリス
 『兎身創痍』ブーケ ガルニ(p3p002361) の顔がやんわりくにゃりと傾いた。群がるおかしなお菓子たちが忙しなく紅茶を淹れたり出したり飲んだり頭から突っ込んだり。おかしパーチー楽しもうね。くるりんと跳ねれば変身するのは容易いだろう。果たして、俺らの身体がほんまにおかしに変わっとんのか、それとも俺らの認識が狂っとんのか。判断に困る状況で、正気や狂気などマッシュして砂糖の海に叩き付ければ問題ない。見た目そのまま喰らうよりはお菓子に成った方がかわいらしい。幸せを感じる事も不幸せを嚥下する事も、傍観者が居なければ不可能だろう。だから――俺らは幸福や。そうだと認識しなければ気が触れてしまうようで。ねえ。アリス。早くおかしく成ってよ!!!
 味の選択も輪郭の選択もアリス自身の脳髄だ。どうせなら自分の好きなおやつの味でありたいよね。確かにおかしい感覚で、兎が望むのはゆらゆら揺れる弾力加減だ。カーニバルな全部で在っても、お菓子はおかしく食べるべきで――もっちりと煙に包まれれば、輪郭が融けて世界がくるう。くにゃくにゃと萎れ、爛れ、甘くてめまいのする馥郁が漂った。酒醸っちゅうのはもち米に麹を付けて発酵させた甘酒じゃけんね。隣のおさけずきが歓喜した。未知なる年齢は自己申告で食べてもらおう。大トラさんの牙は食欲に相応しいに違いない。アリス! アリス! ほら、アリスを視てよ。
 美味しそうでしょう――こんなにも真っ赤な苺は見た事が無い。ベンさんはいちごのケーキ。ふんわりスポンジの身体がフォークに抵抗するかのようで、ぱくりと為せば一瞬で消える生クリーム。蜜が染み出て甘酸っぱいのは、もしや二段の頭部(いちご)だろうか。隣の飴細工な髪の毛は、お酒の色に触れている。ふわりと香る匂いが彼女らしい。唇でふさいだら――なんとも、少女のようなくちどけだ。綺麗な瞳が妖艶で、少し面はゆい……おや。ソアちゃんは俺も大好きな大福。吸い付くようなむにっと感。歯をあてればグニョンと伸びて、ぶちっとちぎれるころころ餡子。引き裂けそうな虎の腕は、とても柔らかな俺のおやつ。そうして掬われた、兎のめだま。

●まわらないティーカップ
 染まる。何が染まる。髪の毛だ。お酒を飲まなくても甘さに変わる。『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)が酔わなくても、くってりとした表情なのは、食べられたからに違いない。あらあらぁ、私が「アリス」なの――おねえちゃんがアリスだよ――おかしなお菓子がはしゃぎだす。懐かしいわねぇ。昔なにかの絵本で読んだ事がある。自分がお菓子になって、食べて食べられて、最後も最初もわからなくなる。あの子(妹)の視る夢だろうか。もしくは自分が知った現実だろうか。ともあれ、折角の不思議な世界だ。お菓子でおかしなお茶会を、全力で楽しむとしよう。隣のおかしなお菓子が紅茶を差し出した。さあ、飲んでよ、アリス。アリスの為にブランデーを垂らしたよ! 煙のような一瞬の朦朧、そしたらそしたらあらあら。
 ふっかふかな生地(身体)に染み込んだおさけ。たっぷり含まれたあるこーるが、飲んでもいないのに世界を回す。そう。一口自分を齧ったからさ――自分で自分に酔うなんて、なんておかしな感覚なのかしらぁ。しかも酩酊は無くならない。ふわふわへらへらあっちこっちへお菓子が飛んでいる。一人のお茶会とは違うような。でも。でも。たのしいからいいのよ。いいのさ。きっと!
 そうだ。他のアリスも食べてしまおう。近くに居たのはいちごのケーキ。本当は最後までとっておきたい真っ赤だけれど、真っ赤な私は我慢が出来ない。ふわふわ生地と濃密な甘さ。酸っぱいのは丁度いい粒々で、酔った胃袋(生地)に喜ばしい。食べ慣れない和菓子はゆらゆらもっちりな耳からぷちり。むにむにとほっぺを落とすようで、たまらない。おっと。これは違うおさけの気配だ。ぐらりとゆれたのはきっと焼き菓子だから! かわいい虎ちゃんは何になるのかしらぁ? きっと美味しい触感で、狩りに使えない爪をぷっちり。むにむにとほっぺが落ちそうだ。ほろりとほぐれる餡子が素晴らしい。勿論、おねーさんのことも美味しく食べてねぇ。
 ちょっぴり大人なお味だけれど、今のみんななら大丈夫。おすすめはとっておき。柔らかくてぐるぐるするような部分。何処かって。ふふ。食べてからのお楽しみよぉ。

●銀色だってわすれてしまいそう
 食べても食べてもなくならないお菓子なんて。夢みたいな話だ。お伽噺の中で、現実を食べるようだ。甘い香りに誘われた登場人物が、何事もなく帰るかのようだ。『雷精』ソア(p3p007025) の模様がおかしなお菓子をふらふらさせた。なんだかとっても美味しそうな気配がするよ、アリス――何だか怖いけれど不思議な気持ちだ。いつかすっかり変わる前に、今はさっぱりおかしな予感だ。ぼわわんと煙が思考を覆ったならば、瞬間で身体が伸び縮み。何が変わったのだろうか。輪郭を探ってもそのままで……アリスアリス! びよーん。びよーん……びよーん。ぶち。肌が千切れた。もっちりなほっぺだ。肉まで触れたら餡子だろう。よくよく見たならもつが果物だ。きらきらとした宝石箱を彷彿とさせ、おかしなお菓子が手を叩く。さあ。みんなと一緒にお茶会だ。アリス! さあ。誰から食べようかな。楽しみで嬉しくて仕方がない。何せ、気が遠く成る事もないから。
 兎の耳がぴくりと融けた。舌を垂らしてもっちりをぺろり。行儀の話は要らなくて、口内を満たすのは優しい甘さだ。食べた事のない舌触りが上品に脳味噌を撫でていく。幾等でも食べられそうだ。ついつい食べ過ぎてしまう。でも。無くならない。こぼれないならいいでしょう。どきどきと脈打つ心臓が、果物が、その首を――大きなお口でぱっくん。おいしい兎さんを狩っちゃった。唇を舐めて次の獲物は……わあ! すごくきれい。本当に食べていいのかな。勿体ない気がして仕方がない。小さなお手々を握って寄せて、芳醇な焼き菓子を一口。じゅわあ……広がるのはおさけの戯れ。ふふ、アーリアさんらしい味がして美味しいな――膨れないけど酔ってしまいそうだ。倒れないように、指先からゆっくりと齧っていこう。爪から肩まで、肩から首へ。そうしたらほっぺをいただくのだ。ふと、横を視たならば大きな大きないちごのケーキ。今日はなんでもなくて欲張りも赦される日なんだ。腕を千切ってばくん。足をもぎればごくん。ぜいたくでたのしいおかしな真っ赤は――遠慮なくぱくんちょしてみよう。この甘酸っぱい中身は、とろけるいちご。

●そやつの首を刎ねろ、それは真っ赤なのだから
 わぁい。おかしなお菓子。『正気度0の冒涜的なサイボーグ』ベンジャミン・ナカガワ(p3p007108) はお菓子大好きだ。ですぞと叫べばおかしなお菓子がですぞと返す。アリスは楽しそうだね。たのしいですぞ!!! お菓子食べ放題と聞いておかしな世界に潜り込むのは当たり前だ……むむ? 自分もお菓子に成る煙だって。で、あれば。在るべきは。やるべき事はただひとつ――俺の神よ。お菓子になった俺を。甘く、魅力的になった俺を。

 ご 賞 味 あ れ で す ぞ。

 ぼふん。肉がスポンジ頭部がいちご。そうなればチョコソースを散らしながら生クリームを吐き散らす。奇怪な魔法陣の中央で横たわれば、びったんびったん活きの好いケーキ……それは何故か五分間続いた。よし――周りのおかしなお菓子が首を傾げていたが、そのような事は如何でも良い。俺の神には捧げたのだ。俺の神は味わったのだ。俺の神は俺そのものを食べてくださったのだ! 愛してくださるのだ!!! それで『よし』だ。うぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーー!!! 突撃するケーキがお茶会のど真ん中。腕を差し出す。足を曝け出す。頭を傾けて果汁が垂れる。否。いっそそれをもぎとってプレゼントだ。投擲するいちごの味は甘酸っぱい。おかしなお菓子の大騒ぎだ。皆の笑顔が神からの愛に。真なる笑みに。素晴らしい『もの』に――折角だから他のお菓子も咀嚼ですぞ!!! このもっちりにあるこーるな焼き菓子とあんこ!!! しかしそろそろ飽きてきましたかな。そんな時こそ。そんな世界こそ。俺の出番ですぞ!!!

 ヒャッハー! チェーンジ!
 ベンジャミンドーナツロボォォォーーー! ですぞ!!!

 残った生地を混ぜてこねて揚げてしまえば、立派なドーナツロボの完成だ。皆の夢と希望を乗せた混沌が、おかしな世界の注目を奪う。そう! 余ったケーキはこうして食せば好いのだ。ドーナツにすれば美味しいのですぞ! あ。ドナーツじゃありませんな。皆で貪り喰らうのですぞ!!!

●おかしな貴様等
 ドナーツな巨大を囲んだならば、おかしなお菓子が狂ったように口を開けた。四人のアリスが美味しきいただきいただかれ、世界がスイーツなお皿に成ったなら――あらあらぁ。このおかしなお菓子ちゃん美味しいわぁ。む。このおかしなお菓子はお団子、ほんまに美味い……ああ。俺の神が。俺の神が喜んでいる!!! びよよんと掴まれるの、クセに成って来た――アリス。アリス。まだ、お腹は空いているでしょう――ドーナツの足から餡子が生えた。餡子の淵から苺の欠片。苺の欠片から焼き菓子の香り。香りの底からどろりともちごめ。ぐるぐるぐるぐるぐるぐる……おかしなお菓子も取り込んで、何処が誰なのかわからない。時間だけが過ぎていく。それでもぐぅぐぅ鳴いている。

 そうして出来上がったのは――おかしな貴様等、まぜこぜな。

 みんなで一緒に、いっせのーで。
「おかしいね、アリス!!!」

成否

成功

状態異常

なし

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