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シナリオ詳細

拳大でヒットポイントが1万近くあってありとあらゆるバットステータスが効かなくて命が12個あるあいつ

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 剣と魔法が支配するとある世界に『静寂の賢者』と呼ばれる存在が居ました。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!?」
 静寂の賢者は数多の学問、特に魔法と魔法薬学の権威でした。
「ぎゃぁあああ! いやぁぁぁぁぁ!?」
 静寂の賢者はその名の通り静かで理知的、声を聞いたことある人物はごく一部だと言われています。
「ほぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ! げふぉっぐぶふぉ」
 しかし、口を開けばその言葉は全て金言。値千金の価値があると言われるほどインテリジェンスに溢れる人物である。この世界を引率していく存在なのは間違いないと言われています。
「い、いいいいいいいい。幾万幾千の世界の果てに座す勇者達、我が敵、我が壁、全てを打ち払うべく語りかける。我名は静寂の賢者、ハーキン=チンモーク!」
 因みに今の詠唱は彼女が編み出した勇者を召喚する魔法の詠唱です。

 時はほんの少し遡る。ハーキンはいつも通り誰にもすれ違わず自分の研究室に入り、いつも通り誰とも会話せず研究に没頭……
「ち、ちがうもん、私はいざとなれば話せるし。だ、誰だ沈黙の賢者なんてつけたの……口開きにくくなったじゃん!」
 寂しくはない。寂しくはないけれど、声の出し方を忘れる前に誰か話し相手が欲しい。故に独り言をぶつぶつと言いながらの研究である。今日はどんな薬を作ろうか……なんて独り言を言いながら様々な薬が収められた薬品棚を開ける。
 するとどこからかがさがさっと嫌な音が聞こえてくる。ハーキンが恐る恐る音がした方へ振り返ると黒いあんちきしょうがいた。しかも何故かハーキンの方へ絶賛移動中である。ハーキンはパニックになり取り敢えず、目の前にあった攻撃力の一番高そうなものを手に取り投げつける。投げたのは……巨大化薬と書かれた瓶。あっと思った時にはもう遅く、あれが拳大の大きさになって更にハーキンに迫る。もちろんパニックは加速して……あらゆる瓶を投げつけまくっていたのである。


「……と、言うわけで拳大でヒットポイントが1万近くあって、ありとあらゆるバットステータスが効かなくて、命が12個もあって、死んだら自分の知ってる場所にランダムリスポーンするGを退治してほしいのよ」
 集められたイレギュラーズにかつてない強敵の討伐依頼である。自分ひとりきりの時にそんなのが部屋に出てきたら速やかに気絶を選びたい。
「あ、あと飛ぶわ」
 更に知りたくなかった情報が追加される。ヒルダの目が死んでいるのはちらりともその悪夢を妄想しないようにする為だろう。というかなんだヒットポイント1万って。
「そうそう。研究室は本当に貴重なものばかりだから破壊活動はだめなのよ。それにあんまり広さもないからあなたたちが武器を振り回すだけでもあぶないわ」
 そうなると残りは素手だけとなるのだが、素手でそれと相対するのは絶対に避けたい。
「大丈夫! 召喚された時あなたたちにはチートが付与されるわ! A4~A5サイズもしくはそのサイズに折りたたんだの紙を20枚ほどで束ねた紙束を握りしめてGを攻撃した場合一撃で倒せるチートよ!」
 ものすごく具体的なチートが示された。あとはもう戦うだけである。
「Gを12回殺しきったら帰ってこれるわ! あとハーキンは残念なことに自主的に気を失っているからお話は無理だと思うわ。それじゃあ……世界をすくって! イレギュラーズ」
 世界……ハーキンの研究室の治安はイレギュラーズに託された。

NMコメント

 いやあぁああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 どうも、あなたのパンツと鼠蹊部です。

 以下補足です。

 ・リスポーンする間は死骸は残りませんが、最後の命であった場合その限りではございません。そのあたりの処理はハーキンがしてくれるでしょう。
 ・弱点に不運があるイレギュラーズ様……背中もしくは顔面がリスポーン地点に選ばれます。己の不運を呪え。尚、もっとここがいいとかあればプレイングに記載をお願いします。
 ・そうでない方もプレイングに記載してくだされば、そこにリスポーンするかもしれません。
 ・研究室の広さは大体10畳程度で、大きな机を中心に壁一面の本棚と床に散乱する本や実験器具、からっぽの薬棚があります。拳大のGが隠れられる十分なスペースだらけです。

 プレイング例
 俺はGに対する決戦兵器『しんぶんし』で戦うぜ!
 こういうの片付けながらのほうが隠れられる所も減るし見つけやすいだろう。
 ん? いやぁぁぁぁぁぁ! いたぁぁぁ! 目があったぁぁ!
 見つけた場合といったぐあいでしんぶんしを狂気に満ちた感じでふりまわすぞ。
 顔面リスポーンばっちこい。ただ、うん、最後の命は俺の顔の上で散らしてほしくはねぇな

 以上。皆様のプレイングお待ちしております。

  • 拳大でヒットポイントが1万近くあってありとあらゆるバットステータスが効かなくて命が12個あるあいつ完了
  • NM名パンツと鼠蹊部
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年11月14日 22時30分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

リカ・サキュバス(p3p001254)
瘴気の王
ダークネス クイーン(p3p002874)
悪の秘密結社『XXX』総統
クーア・M・サキュバス(p3p003529)
雨宿りのこげねこメイド
綺羅々 殺(p3p007786)
あくきつね

リプレイ


「さてと、先ずやらなければならぬ事であるが……解っておろう? そう! お掃除である! 最初にこの部屋をお片付けをし、KBF(決戦のバトルフィールド)を整えるのだ!」
 研究室に響く声。『悪の秘密結社『XXX』総統』ダークネス クイーン(p3p002874) の声である。いつもの露出度の高い服ではなく、今は世を忍ぶ仮の姿としてのダークネスは童貞をまとめて数人ぐらい倒せそうなセーターとエプロン更に三角巾を身に着けて、転がっているハーキンを別の場所に設置し、お掃除準備完了である。
「位置を把握しやすくする為に部屋の整理か、心得た」
「はっ!? と、とにかく何かやればいいんですね、わかってますよええ、考えたくないワードが聞こえた気がしましたが1万とか飛ぶとか! 黒いのは好きですがアレは勘弁ですよ!」
「……アレの退治は、確かに慣れているのですが。いちおうメイドですし。ねこですし。でも限度ってものがあるのです!?」
 今回の戦いにおいて、それぞれがそれぞれの準備をしっかりと行っていた。
 『九尾の狐』綺羅々 殺(p3p007786)は紙で作られた武防具をありったけ装備し戦いに備えた。
 『雨宿りの』雨宮 利香(p3p001254)はテープなどで補強したロングソードを作り持参している。手についたインクがロングソードが手塗であることを如実に物語っている。
 『こげねこ』クーア・ミューゼル(p3p003529)はシンプルに新聞紙を丸めたそいつと相対するにあたりオーソドックスな武器を選んだ。そう! 
この部屋には奴がいる! 戦いはすでに始まっていた。


「いひ、いひひ」
「……あんまり気は進みませんが、お姉様はあの調子ですし、私がなんとかするしかなさそうなのです」
 無事に掃除は終わったのだが、その最中も地獄であった。瓶などを慎重に動かすたびに『がさががっ』と音がするのだ。カサカサなんていうかわいいものじゃない。でかくなった分、存在感や気配というのも大きくなっている。KBFが整う頃には利香の正気度はごっそりと持っていかれていた。正気を失いつつある利香を気遣うように寄り添いながら、奴の気配を探っていく。
 皆の力を合わせてごみ溜めのようだった研究室がきれいになっている。それだけではなく奴をおびき寄せるための利香特性のチーズや玉ねぎを設置し、その周りに粘着面を上にしたガムテープトラップを大量にまくことで奴の動きを止める完ぺきなKBFである。
「……ふっ、ら、楽勝ですね今回は! 皆さんも恐れるに足りませんよ! いひひ! リカちゃんに任せてください! 私だってイレギュラーズの端くれなんですから背中に這い寄られでもしない限りは決して――」
 がさささっ! 利香の頭上でとても嫌な音がする。ややへっぴり腰でロングソードを構えていた利香の背中にどしっと重みがのしかかる。
「お姉様!」
 素早さを重視して持っていた新聞紙で奴を払うとチートが働き撫でるような強さでもコロリと倒せてしまった。倒れた奴はすぅっと薄くなると消えてしまう。どうやら他の所へリスポーンしたようである。
「あ、あああ、ありがとう、クーアさん。正直今回に限っては建物ごとクーアさんに焼き払ってもらいたい所だったんだけど……」
「私もここにいるあれは下手したら普通に危険生物ですし、是非そうしたいのですが」
 気を許せる人がそばにいるというだけで利香の心は落ち着きを取り戻していく。
「いいですか、お姉様。アレは本来ヒトに積極的に寄ってくるような奴ではないはずなのですし、恐れずに仕留めるのです」
「うん、うん……」
「曲者が、死ぬが良い」
 少し遠くで紙製メリケンを装備した殺が正拳突きで奴を屠った。
「心配なんていらないのです、まかり間違ってリスポーン先が顔面とかになったりしない限りは……」
 ぼぶんとクーアの顔面にやつがリスポーンする。この世界でもマーフィーの法則は健在らしい。
「ぴぎゃあああ!?」
 せっかく正気に戻りつつあった利香であったがこの光景には半狂乱である。構えも何もなくとにもかくにもロングソード(自作:そろそろつなぎ目が限界)を振りまくり、奴にかすったところでコロリと奴が消えるように死んでいき、事なきを得るのであった。


 2回倒したところで再び少しの間静寂が訪れている。がさささとこちらを伺うように周りを動いていることから魅力的な餌をあきらめきれていないようである。
 その時、どこからかばちちちちちっとけたたましい音が響く。どこから来てもいいように隙間という隙間にダークネスがガムテープトラップを仕掛けていた甲斐があったようである。奴がガムテープトラップに引っかかりびちびちともがいている。それでもある程度の速度があるのは大きさゆえの馬力なのだろう。
「今回の戦いの肝はチートである! 紙を握りしめて攻撃した場合一撃で倒せる……つまり丸める必要はないということである!」
 団扇のように紙が拡がった状態で奴に紙を振り下ろす。ふわりと紙が奴に触れた瞬間に手品のように消えてしまう。倒されリスポーンしたようだ。
「決められたサイズでGを殴り殺せば良い、非常にシンプルなミッションじゃの」
 同じように紙を握りしめた状態で攻撃ができればよいと考えた殺は紙ヌンチャクや紙の盾などを準備していた。
 これで3回目の撃破であり、まだまだ先は長いが最初にしっかりと掃除していたのが功を奏している。見通しが効き、奴を発見しやすくなっている。しかも、今リスポーンしたのは利香の目の前だったらしい。
「ぶちのめす!!」
 ぱしぃぃんっときれいな音と共に奴がふっと消える。とても順調である。掃除を終えた部屋は遮蔽物が少ない。ランダムリスポーンならば遮蔽物のある所にリスポーンする確率のほうが低いのである。
「さすが、我。かんぺきなさくせんである!」
 ふんすと鼻を鳴らしていると目の前がほんの少し暗くなる。なんだと思った瞬間に元々重い胸が更に重くなったように感じる。ダークネスが胸元を見下げると胸に乗った奴と目が合う。こんな時こそ落ち着かねばならんと声をあげそうになるのを我慢してゆっくりゆっくりと手に持っていた武器をあげて一気に振り下ろす。しかし、それに感づいたのか奴は胸を押しのけ豊満な谷間にもぐっていってしまった。
「どうしたのじゃ」
「じ、Gである!!」
 異変に気が付いた殺がダークネスの方を向いてみると……何やらとてもセクシーなポーズをとっていた。具体的に言えばGを逃がすまいと南半球側から出ていかないようにと下を抑えてやや持ち上げる。前の部分から出ないように己の胸を抱きしめるかのような状態で、それでもやはり気持ち悪いのか腰が引けてしまっている……まるで胸を強調しているかのような状況。
「G……なのじゃな?」
「FであるがGである!!!」
 何かアンジャッシュな気配を察知してダークネスが念のため軌道を修正する。その軌道修正は余計だったのか、それとも功をなしたのかはわからないがとりあえず殺はうなずいて紙のメリケンをはめた手を動かす。
「まかせておけ、出してくれればなんとかするのじゃ」
「出すといっても」
 試しに手を放してみると……奴は縦横無尽にセーターの中をかさかさと動き回る。痛いような気持ち悪いようなくすぐったいような……よくわからない感覚に全身に鳥肌を立てながら悶えるダークネス。一方、殺は冷静にセーターの盛り上がりを観察していた。
「是非もなし」
 ぴっと拳をふるい裏拳で奴を仕留める。空中ですぅっと奴が消えた。そして、ダークネスはそっと泣いた。


 ダークネスの広範囲攻撃が、利香の色んなものを乗せた一撃が、クーアの迷いのなき攻撃が、殺のバリエーション豊かな攻撃が奴の命を散らしていく。そして、今。
「これで11度目じゃな」
 全員が協力して数えてきたから間違いない。今、殺が倒したので11度目。つまり、次で終わり。最初の説明通りなら次からがむしろ本番といえる。そう、次に倒したときは本当に奴の死。死骸が残るのだ。全員に……否、比較的不幸な目に合いやすいダークネスとクーアに緊張が走る。
 もう終わってしまう。終わってしまうからこそ言っておかねばならないことがクーアにはあった。
「ところでお姉様。アレが苦手なのは経緯含めて知ってますし、今回は相手が相手ですし早く終わらせたいのはよくわかるのですが」
 リスポーンの時間は遅かったり早かったりとランダムだ。ひょっとしたら見えないところにすでにリスポーンしている可能性もある。
「……でもだからといって勢い余って私諸共ひっぱたくのは止めてくださ」
「わかってる、だいじょう……ぴにゃああああああ!?」
 クーアの顔面に再び奴がリスポーンした。しかも今度は不運なことにちょうど口と鼻を覆ってしまう場所。しかも利香の方へ顔を向けてじっと見ていたかと思うと羽をばさっと広げて今にも飛び立とうとしているようだ。どこに向かってか? それはもちろん顔の向きが進行方向である。つまり利香の方へ。フラッシュバックする思い出、石鹸水の香りやら全身に走るちくちくとした痛み。それが叫びとなって下段に構えていたロングソード(自作:破れてバラバラ)をアッパー気味に無意識に振るう。ロングソードはハリセンのような形に進化してすぱぁぁぁんと小気味よい音と共にクーアと奴を吹き飛ばす。
 世界がスローモーションに見えてくる。吹き飛ぶクーア、クーアより軽い奴はもっともっと高く打ち上げられ天井にぶち当たりようやくその命を終える。
「一件落着であるな!!!」
 ふんすと満足げに笑うダークネス。そのちょうど真上に奴のあれやそれがぶちまけられており、垂れてあわや接触事故となる瞬間、異世界から召喚された勇者たちは尊い犠牲(気絶)を乗り越え元の世界に戻ることに成功したのであった。

成否

成功

状態異常

なし

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