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シナリオ詳細

真っ暗森の鎮魂歌
真っ暗森の鎮魂歌

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 真っ暗。
 誰もいない。
 暗くて、寂しい。
 誰かいないの?
 寂しい。
 寂しいよ……!
 誰か、いないの……!?


 ぱらぱらと本が捲られる。
「小さな子供の魂が、生まれ変わる前に迷子になってしまったんだって」
 その子は真っ暗な場所に一人。
 どこに行けば良いのかも分からず、寂しくて泣いている。
「君たちには、子供を導いてくれる花を渡して欲しいんだ」
 それは暗い闇の中、行く先を照らす導きの光。
 子供を新しいお母さんの元へと連れて行く道しるべ。
「だけど、今までずっと一人で寂しかったから、人恋しく思っている」
 寂しくて、寂しくて、ずっと泣いていた小さな子供。
「君たちには子供を笑顔にしてあげて欲しいんだ。折角新しい両親のもとに行くのに、泣いてばかりなんて幸せになれないだろう?」
 だから花を渡す前に、一緒に遊んで、子供に笑顔を取り戻してほしい。
 そうすれば、きっとその子は幸せな次の道を歩けるから。
「僕だったら何をするか? そうだね……。絵本を読んであげたり、一緒に歌を歌ったりするかな。一緒に遊べる玩具も良いかもしれない。ポルックスなら一緒にお菓子を食べて楽しい話をしそうだね」

NMコメント

 偶にはしんみり系と思いましたが、やっぱりほのぼの系でした。

●成功条件
 子供と楽しい時間を過ごして笑顔にする。

●場所
 真っ暗な場所。
 灯りがあれば周囲を照らしてくれますが、ただただ広い場所で特に何もありません。

●子供
 7歳ぐらいの子供。
 寂しがり屋で人恋しい泣き虫さん。
 皆さんと出会ったらくっついて離れようとしないので、離れるような遊びは嫌がる可能性も。

●その他
 強く望めば、望んだ物が出てくる不思議な場所です。
 ただし生きているものは出せません。
 何を望むかは皆さんの想像次第。
 自由な発想で子供を笑顔にしてあげて下さい。

  • 真っ暗森の鎮魂歌完了
  • NM名ゆーき
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年11月06日 22時30分
  • 参加人数 4/4人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

リゲル=アークライト(p3p000442)
死力の聖剣
ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)
未知の語り部
アウローラ=エレットローネ(p3p007207)
電子の海の精霊
メリー・フローラ・アベル(p3p007440)
躾のなってないワガママ娘

リプレイ

●暗闇の中の灯
「本当に真っ暗……。こんな所でいつまでも迷子なのはかわいそうだね」
 降り立った場所は光のない暗闇。伸ばした自分の指先が、闇に飲まれたと錯覚するほど真っ暗。『電子の海の精霊』アウローラ=エレットローネ(p3p007207)の呟きも、静かな闇に消えてしまう。
「暗い所に一人きりなんてすごく寂しいだろうな。一刻も早くあの子の元へ辿り着いて光を届けるぞ!」
 だが、そんな暗闇を『死力の聖剣』リゲル=アークライト(p3p000442)の生み出した光が押し開いた。

 暗闇の中、一人で泣いていた子供は遠くから聞こえた声に顔をあげた。
「良かった。こんな所にいた」
 光が眩しくて目を細めると、ふっと光が和らいだ。
「こんな暗い所にひとりぼっちなんて辛かったね。でももう大丈夫だよ。お兄さん達が君の行くべき場所へ連れて行ってあげるよ」
 そう言ってにっこりと笑う『寝湯マイスター』ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)を、子供は涙で濡れたままの目で見上げた。
「誰……?」
「僕はウィリアム。君を行くべき場所に案内するために来たんだ。こっちは」
「アウローラちゃんだよ! 寂しい気持ちなんて忘れちゃうぐらいいっぱい楽しませてあげるよ! 宜しくね!」
「わたしはメリー・フローラ・アベルよ」
 アウローラと『躾のなってないワガママ娘』メリー・フローラ・アベル(p3p007440)が名乗ると、子供はぱちぱちと瞬きを繰り返した。
「俺はリゲル。光のお兄さんだよ」
 自分で言っていて照れくさいのか、リゲルの頬はほんのりと色づいている。
 不意に地面が明るくなり、子供の小さな体はリゲルの腕の中に。
「もう大丈夫だよ。君は一人じゃない。この先に君の両親が待っている」
 ぽんぽんと背中を優しく叩くと、優しく抱きしめるそのぬくもりに、その言葉に、子供がリゲルにしがみつく。
「本当……? もう一人じゃないの……?」
「あぁ。君はここを出て、新しい家族の元に行くんだ」
「でもその前に、せっかくだからちょっと遊んでいこう? 今まで頑張って待っていた分、楽しく過ごそう」
「そうね! 今まで寂しかった分今日はいっぱい楽しもう!」
 にこにこと笑うウィリアムとアウローラに、子供は顔を輝かせた。
「うん!」


●生まれ変わるその前に
 可愛らしいランタンに照らされ明るくなった場所には五人掛けのテーブル。
「まずは空腹を満たそうか」
 そう言ってリゲルが生み出したのは熱々ふわふわのパンケーキ。
「これは俺の大切な人がよく作ってくれるお菓子で、食べると幸せになれるんだよ」
 バターが溶け、メープルシロップがたっぷりかかったパンケーキを一口食べれば、その味に子供は夢中になって残りを口に放り込む。よっぽど気に行ったのか、あっという間になくなってしまった。
「気に入って貰えたみたいで良かった。君も生まれ変わって大きくなったら、お母さんに作って貰うと良い」
 新しいパンケーキを子供の取り皿に乗せると、子供はこくこくと頷く。
「喉詰まらせないようにね?」
 笑いながらウィリアムが牛乳を差し出せば、子供は嬉しそうに笑って牛乳を受け取った。
「有難うお兄ちゃん」
「どういたしまして。食べ終わったらみんなでゲームしようか」
「どんなゲームをするの?」
 ウィリアムが見せたボードゲームに興味を示したのはアウローラだ。
「旅人の友達から聞いたボードゲームなんだけど、サイコロを振って出たマスの指令に従いゴールを目指すんだ!」
 うきうきとした様子のウィリアムだが、あまり運は良くないようだ。何故か体を動かす指令の書かれているマスにばかり止まっている。
「また『筋トレで一回休み』か。僕、魔法使いなんだけどな」
 小さく呟くその横では、メリーがゴールに近づいていた。
 子供は中々良い感じに進んでいるが、『本に夢中で一回休み』のマスで止まってしまう。
「止まっちゃった」
「全部が全部、思い通りに進むわけじゃないからね。でも、見方次第で楽しみはどこにでも転がっているよ。今なら、一回休みな分一緒にお話出来るとかね」
 二人揃ってダイスを転がせないので、その分一緒にお話が出来る。そのことに気付いた子供は笑顔になった。
 ゲームの事を話しながら、ウィリアムは自分の言いたいことを少しずつ混ぜ込んでいく。
(1人では上手くいかなくても仲間いれば突破できる……みたいな事をこっそり伝えられたら良いな)
 生まれ変わったらここでのことは忘れてしまうのかもしれない。だけど、魂のどこかで覚えていてくれたら。
 そう思いながら子供の頭を撫でていると、「私の勝ちよ!」とメリーの勝利を告げる声で上がった。

 ゲームが終わるとテーブルを片付け、代わりにソファーを用意する。二人掛けのソファーに子供と一緒に座っているのはアウローラ。
「次は歌って遊ぼう!」
 元気いっぱいに言うアウローラに、子供は「はーい!」と手をあげた。
「今日は元気が出そうな曲を元気いっぱい歌うよ! アウローラちゃんの歌に聴き惚れてね!」
 始めは一人で歌って見せる。簡単な歌詞にアップテンポな曲調で、子供も楽しく歌いやすい歌だ。
「どう? 歌えそう?」
「うん!」
 歌詞は曖昧だしリズムもずれているところが殆どだけど、子供は楽しそうにアウローラの歌を真似ている。
「上手だな!」
 歌い終えた子供の頭をリゲルが撫でると、子供は恥ずかしそうに身を捩る。
「えぇ、本当にとっても上手! これならみんな一緒に歌って踊って遊べそうね!」
 にこにこと笑いながらアウローラが褒めると、リゲルとウィリアムが顔を見合わせた。
 先ほどアウローラはみんな一緒と言った。つまり、リゲルとウィリアムも歌って踊るのだ。
 恥ずかしくて遠慮したいと思った男性陣だが、にこにこ笑顔の子供とアウローラには敵わない。
「今まで寂しかった分、今日はいっぱい楽しもう!」

 沢山歌って沢山踊ったら、ソファーに身を委ねて一休み。
「どうだった?」
「すっごく楽しい!」
 興奮で頬を紅潮させて目を輝かせる子供に、アウローラは優しく子供の頭を撫でた。
「私も君と一緒に遊べてすっごく楽しいよ!」
「一緒だね!」
 嬉しそうににこにこと笑う子供だったが、メリーが連れてきた二人の男女を見て硬直した。
 男性は人間そっくりのロボット。表情は乏しいが、まだ無表情な人に見える。
 問題は女性のほうだ。
 厚塗りの化粧に腐臭と香水が入り混じった匂い。つぎはぎだらけの体。どうみてもゾンビだ。
「仮の両親を作ってあげようと思ったんだけど、生きているものは出せないみたいだから人間の男の人にそっくりのロボットと、生きている女の人と同じように振舞うゾンビも出してみたの」
 さらりと言うメリーだが、これでもどうにか子供に見せられるように頑張ったのだ。
 お父さんはそのままで良かったが、お母さんは顔色が悪いからとファンデーションや口紅を出して厚く塗りたくって誤魔化し、ちょっと臭うからと、香水もたっぷり振りかけて匂いをどうにか抑える。
 なんとか完成かと思ったら、足が取れかかっているからガムテープで補強。
「お父さんは首を180度後ろに回さないでね。お母さんはそれ以上動いたら体千切れるから動かないで」
 無表情なお父さんが突然首を回すのを見てメリーが指示を出す。お母さんも緩慢に立ったまま動かない。
「ボク? お嬢ちゃん? まあどっちでもいいわ。これがあなたのパパとママよ。気に入ってくれる?」
 子供はアウローラにしがみついたまま硬直している。
「こ、これメリーのお父さんとお母さんなの……?」
 頬を引きつらせるアウローラに、メリーは小さく肩を竦めた。
「まさか。ちなみに、わたしはこんな両親絶対にイヤよ」
 きっぱりとしたメリーの言葉に、沈黙が落ちる。
「も、もっと普通の両親が良い……」
 必至になって絞り出された泣きそうな子供の声に、メリーは唇を尖らせた。だが。
「でも、有難うお姉ちゃん。こんな所まで来て、お姉ちゃんなりの両親を見せてくれて」
 その言葉に、虚を突かれたように目を見開いた。
 結果は受け入れられなかったけど、子供のためにこんな所まで来てくれた。それが、子供にとって何より嬉しかった。
「よーし! 次は僕の家の鉄板である『モヒカンベアのハニーハント』の絵本を読もうか!」
 そう言ってウィリアムが取り出した絵本は、黒頭巾を被った最強少女と、ヒャッハーなモヒカンベアのハートフルで熱い戦いの物語。
「かごに入っているハチミツのビン。まちがいありません。あれこそモヒカンベアがさがしていたでんせつのはちみつ……!」
 絵本は、中々デンジャラスでした。

●さよならの時
「朝が来て、夜が来る。でも暗闇も怖いものじゃない。ほら」
 リゲルが見上げれば望んだ通りに空に満点の星空が浮かび上がる。
「星たちが君を見守り、導いてくれる。そしてお祭りの時期にはこんな花火だって見られるんだ!」
 言葉に合わせて上がる花火に、全員空を見上げる。だけど今度は地面にライトアップされた町、光に照らされた雪、子供たちが作った個性豊かな雪だるまがずらりと並ぶ。
「暗くて寒い冬だって、こんなに綺麗に彩られるんだ。これから沢山の楽しいことが君を待っている。だから、ご両親と仲良くして強く生きるんだよ」
 そっと道標になる花を渡すと一瞬真っ暗な世界に戻る。だけど花が光るとその姿は一変していた。
「森……?」
 そこは深い森の中。何もなければ迷子になるけど、花があるから大丈夫。
「……元気でね。君の道行くに沢山の幸いがありますよう、心から祈っているよ」
「生まれ変わってもし出逢う事があったら、その時はまた一緒に歌おうね!」
「ありがとう! お兄ちゃん! お姉ちゃん!」
 花を大切に抱きかかえて、子供は大きく手を振る。
 もう迷うことはない。
 沢山の素敵な思い出と温もりを胸に、希望を抱いて進むのだから。

成否

成功

状態異常

なし

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