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シナリオ詳細

魔王子とハロウィンと勇者とお菓子の城
魔王子とハロウィンと勇者とお菓子の城

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 いかに小さく貧しい村でもこの時期は忙しい。子どもの息抜きの時であり、ある種の収穫祭。収穫したものを日持ちする食べ物に加工したり、お菓子にしたりと大忙しである。
 とある人のおかげで今年は年貢もかなり少なくなって余裕をもって冬を越せるのも村にとってはありがたかった。時はもうすぐハロウィンであった。

「おやめください、魔王子様!」
「いいんだ! やる! 人間は近頃ハロウィンとかいって色んな家とかを回る祭りをするのだろう! 当然我が魔王城にも挨拶に来るはずなのだ!」
 山の中にある古城。近隣の村からはお化け屋敷だとか魔物の住処と言われてる誰も近寄らない、誰もいないはずの城から元気で大きな声が響いてくる。
 人間の勉強として最近ここにお忍びで済み始めたのがこの魔王子ことドランである。しかし、このドランお忍びだという事も忘れて村の子どもブドウ畑で遊んだり、果ては年貢が厳しすぎるという村の人の話を聞いて貴族にガチンコ勝負を挑みにいってみたりと見た目10歳ほどなのだがパワフルに暴れている。
「魔王子様! あなたいずれ人間を滅ぼす存在なのですぞ! なのに人間の文化に染まるなど言語道断! このじい絶対に許しませんぞ!」
「断る! こんな種族統一も出来ていない生物はいつか勝手に自分で滅ぶと父上も言っていたぞ。 だから僕は遊ぶのだ!」
「そ、それにですな、我が城にはお菓子なぞないですぞ! どうするおつもりですか」
「その辺りは抜かりないぞ。じい」
 じいと呼ばれるガイコツの怪物に笑って見せるドラン。その瞬間、城に魔法陣が現れて淡く光りはじめる。瞬きも間に合わないうちに城そのものから甘い香りが漂ってきている。床もなんだかふかふかふわふわの何かに変わってしまっている。
「どうだ。人間の子どもが言っていたのだ。お菓子の城に住んでみたいとな! その脱帽してしまいそうな発想力を借りたのだ。このお菓子の城に触れている生物以外は全てお菓子に変わる呪術を組み込んだ! いずれベッドから机、食器に至るまですべてがお菓子にかわるぞ!」
 自慢げに話すドランはとても満足げに笑った後、柱の1つを鷲掴みにして食べてみる。どうやらスポンジケーキに変わっているらしく簡単にちぎれるし、とてもおいしく仕上がっている。
「……あの、魔王子様……ちなみに範囲はいかほどでしょう」
「ん? あぁ、狭いぞ。でもな! 連鎖するようにしたんだ。すごいだろうじい。褒めてよいぞ」
 じいの頭の中でかちかちと計算がなされていく。目の前の机がどんどんお菓子に変わっていく速度から求められる結果。
「はい、確かに素晴らしいと思います……あと数日で世界がお菓子により滅びることになります」
「は?」
 世界のすべてがお菓子になってしまうまで残り数日。


 図書館の一角にてどこから調達したのか様々なお菓子をチョコレートで組み合わせてお菓子の家を作っているヒルダの姿があった。
「あら、ごめんなさいね。来るのが思ったより早かったものだからまだチョコレートが固まってないのよ。まぁ、いいわ。どうも男と女の境界っっっっ案内人のヒルダよ」
 作りかけのお菓子の家をとりあえず脇に置いて本を手に取り説明を始める。
「今回あなたたちは魔王子に勇者として召喚されるわ……あ、別に世界を滅ぼして来いって言ってるわけじゃないわよ。ただお菓子を食べてきて欲しいのよ」
 そんな語りだしから今回の顛末を掻い摘んでイレギュラーズに伝えていく。
 ざっと27LDKぐらいの大きさの城まるまるひとつがお菓子の城になってしまったこと。
 それが連鎖反応で周りの物をお菓子にしてしまい数時間のうちにお菓子になったものをひとかけら残さず食べなければ世界があぶないということ。
 お菓子のお城はたいへん美味であること。
「あとは……あぁ、そう大事なことを忘れていたわ。あなたたちにはチートがあるわよ! 女子の夢ね……どれだけ食べてもぜっっっったい太ることはないわ! ぜったいにね!」
 くわっと目を見開き高らかに宣言するヒルダ。大事なことなので2回も絶対を付けたので保証付きである。
「というわけでお菓子の食べ放題だと思って楽しんできてね。世界を救ってイレギュラーズ!」

NMコメント

 城壁とか剣とか盾とかを毟って食べるイレギュラーズが見たい。

 どうもあなたのパンツと鼠蹊部です。

 目的
 お菓子をひとかけ残さず食べつくすこと。

 NPC
 魔王子ドラン
 将来有望な魔王の息子。人間は滅ぼすよりも滅ぶのを見ていたい派。外見年齢は10ほどだがもう少し長い時間を生きているらしい。
 やばいと思い勇者召喚術式でイレギュラーズを呼び出した。今回の事で住む場所が無くなってしまうことにまだ気が付いていない。

 じい
 ガイコツが執事服きている。ドランの教育係で世話係でもある。
 今回、コーヒーや紅茶等の飲み物をイレギュラーズに無料で提供し続けてくれる存在である。

 遊び方
 城にありそうなものはだいたいあって、だいたいお菓子になっています。どんなお菓子になっているかなどはプレイングに記載していただければそのようなお菓子になっているので安心して壁を喰おうな。
 NPCは一応おります。話しかけてくださればもちろん対応してくれます。

 Q&A
 Q.燃やせよ
 A.食べ物を粗末にしない素敵なイレギュラーズが見たい

 サンプルプレイング
 お菓子の家! いいですね! 夢がある!
 とりあえず、扉をぶちっと引き抜いて一口食べ見よう。うん? ばりばり? せんべいだこれ。日本のお菓子がなぜ まぁいいか。
 コーヒーじゃなくて緑茶とか欲しくなるけれど、あるかな。え、ある。そう。じゃ、持ってきてくれると嬉しいかな!

 チートについて
 ここで食べたものはカロリーとして摂取されません。やったね。もちろんオフにすることもできます。する意味があるかと聞かれると困る。

  • 魔王子とハロウィンと勇者とお菓子の城完了
  • NM名パンツと鼠蹊部
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年11月04日 22時30分
  • 参加人数 4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ノリア・ソーリア(p3p000062)
半透明の人魚
清水 洸汰(p3p000845)
雲水不住
メイメイ・ルー(p3p004460)
さまようこひつじ
シェルマ・ラインアーク(p3p007734)
金獅子

リプレイ


「召喚に応じよく来てくれた。勇者達、僕の配下が立っている場所までお菓子化が進んでいるから確認してくれ」
 ドランの説明通り、城壁の切れ目から城をぐるっと囲むようにガイコツが立っている。
「待て、皆! 周りをよく見てみろ。城の外壁にまで、とんでもねー罠が用意されてやがる……」
 驚きに目を見開きながら、元気な声を上げるのは『雲水不住』清水 洸汰(p3p000845) である。洸汰の言葉にドランはわかるかと言いたげな笑顔になっている。
「この質感、このビジュアル、この香り! オレ達、ふわっとろな炙りマシュマロウォールに囲まれてんぞ!」
 甘い匂い。もともと白かったのであろう日焼けした壁達はその見た目から連想されたのかマシュマロをあぶったマシュマロウォールに姿を変えていたのだ!!
「あ、あの、勇者メイメイ、いま、ここに魔王子ドランさまの、野望を打ち砕かんと……えと、そ……その牙城を、いただき、ます」
 今回、勇者として召喚された人物のもう1人である『さまようこひつじ』メイメイ・ルー(p3p004460) はぺこりとドランやじいにお辞儀する。先ほどまでお菓子の城を見てぴょんぴょんと跳ねてはしゃいでいたのだが、ほんの少し落ち着きを取り戻したようである。
 メイメイが件のマシュマロウォールに手を伸ばしてみると、トロふわなマシュマロだが不思議と熱くはなく指が簡単にずぶずぶと沈んでいく。何か固いものに手が当たりそれをつまんでみるとたっぷりと炙りマシュマロが乗ったチョコレートクッキーであった。恐る恐るそれを口にしてみるとふわふわのマシュマロとざくざくとしたクッキーの食感のハーモニーが口の中で奏でられる。少し苦めに作られたチョコレートクッキーのほろ苦さ、それを包むようなマシュマロの甘さがちょうどいい。ほ、本物のお菓子……です……! と食べてお菓子の城を目にした感動を今一度かみしめる。
 メイメイのおいしそうな顔を見て、あ、ずりぃだとか声をあげながらイレギュラーズ達がお城の中へ入っていく。しかし、唯一お城の中へ入らなかった者がいた。
 獅子の耳に獅子の尻尾。冷ややかな美貌を称え、怠惰という王者の風格を漂わせた貴族。『金獅子』シェルマ・ラインアーク(p3p007734) はドランを一瞥する。
「そこに直れ」
「それは僕にいっているのか?」
「良いからそこに直れ」
 ドランはむすっとしながらも有無を言わさぬ迫力に圧されて、少し居直る。それを確認するとシェルマが口を開き始める。
「上に立つものが外からの手に頼るなど情けない。何をするのも自由だが、それは自分の始末を自分でつけるだけの知識と実力と責任があってこそだろう」
 隣に控えていた教育係のじいが大きくうなずいている。
「先の読めない先導者などただの愚者だ。これに懲りたらしっかりと先頭に立って手腕を発揮しろ。まずは、城の再建からだ」
「わ、わかった、わかった。た、確かに僕の住む場所もないからな。これが終わったらすぐにでも着手しよう」
 ぽろんぽろんと聞きなれない音が聞こえてくる。じいがおもいっきり拍手をする音であった。目もあれば涙も流していただろう。
「お客様、こちらでございます」
「うむ」
 シェルマの案内をじい自ら行う。取り残されたドランはしばらくむっすりとしていた。


 初めて地上の甘いものを食べた時の感動と感覚を思い出したい。
 召喚されて初めて食べたお菓子のおいしさと喜び。今ではお菓子があるのが当たり前のような環境に身を置いてしまいそれを忘れてしまった。
 あの感動を、もう一度味わうべく『半透明の人魚』ノリア・ソーリア(p3p000062)は大広間の天井を見上げていた。
「目指すは……やっぱり、甘いものの代表、飴ですの」
 大広間にはそれに見合った大きなシャンデリアがぶら下がっている。これだけたくさんのお菓子があればあの時の感動を思い出せるはずだと気合を入れて空中を泳いでいく。
 金色のシャンデリアはノリアの想像通り、べっこう飴の飴細工でできている。その周りを飛び回り、時にはシャンデリアの隙間を縫うように体を翻す姿はさながらサンゴの周りで遊ぶ人魚である。透明な体に金色が映り、絵画のようだ。
 簡単に折れそうな部分を見つけてかじってみるとノリアの口の中に優しい甘さが拡がってくる。見てみると蝋燭の火までお菓子に変わっているようで、火の部分は苺飴になっていた。
 シャンデリアは大きく1人で食べられるようなものでは決してない。それにノリアはここでおなか一杯になるわけにはいかなかった。ノリアの最大の目的はもう少し上にある。
 日の光に照らされて色とりどりの光を放っているステンドグラス。そこに向けて泳ぐ。
「やっぱり、ステンドグラスならぬ、ステンド琥珀糖ですの!」
 近づいて、触れて確信する。ノリアと同じ『透明な』ゼリーが砂糖でコーティングされたお菓子。
「砂糖で、外はカリカリ、中がつるつるのお菓子になっているさまは、とっても、うれしいですの……!」
 今すぐにでも取り外して食べてしまいたいところだが、外側に落としてしまっては収拾がつかなくなってしまうかもしれない。それを避けるために物質中親和でお菓子の壁の中を泳いで外に出る。ステンドグラスがはめられているのはバウムクーヘンの枠である、やわらかくしっとりとした卵の味が色濃く出ているバウムクーヘンをもぐもぐとおいしくいただいていく。
 しっかりと考えてバウムクーヘンを食べていきステンド琥珀糖をうまく内側に落とす。
「割れて、いい大きさになると、食べやすいですの……」
 割れるところまでしっかり計算に入れてから、自分に似たお菓子を取りに戻るのであった。

 ノリアがもくもくとバウムクーヘン枠をちぎっては食べ、ちぎっては食べをしている同時刻、大広間に現れたのはメイメイであった。
 何から食べていいのか、いざこれだけのお菓子を目にすると目移りしてしまってなかなか決められず、とりあえず鎧が持っていた槍チュロスをもっもっと食べながら大広間にたどり着く。
 それを食べ終わると同時にプレッツェルでできた椅子を見つけて、直接かじりついてもぐもぐ。塩味のきいたプレッツェルは甘いお菓子だらけのお城では清涼剤のような役割を果たしてくれる。あっという間に食べきると今度は上に飾られたタペストリークレープを取り外しくるくると巻いてそのもっちり食感とジャムとチョコレートの味を楽しむ。
「ふふ……なんて、美味しいのでしょう……」
 ふにゃあととろけたような笑みを浮かべるメイメイ。今度はお上品にナイフとフォークで柱のロールケーキを切り崩したっぷりの生クリームとフルーツの甘酸っぱさを楽しんでいく。途中でばりぼりとナイフとフォークまで食べてしまってなくなってから気が付いたりお菓子の城を満喫していく。
 次はあのシャンデリアが食べたいなと上を見上げているとその少し上でステンドグラスがぐらりと揺れて地面に落ちてばぁーんと大きな音を立てて割れてしまう。
「ひゃあ!?」
 無口な少女もこれには驚いて大きな声をあげて驚いてしまう。その声に急いで飛んできたのはノリアである。
「……ごめんなさいですの」
「う、ううん……だ、だ、大丈夫です」
 どきんどきんと高鳴る心臓を深呼吸で抑え込むメイメイ。2人で散らばったステンド琥珀糖を拾った後、2人で休憩がてらお茶を楽しんだようだ。


 バームクーヘンの柱を桂剥きしながら食べてみたり、綺麗な景色がプリントされた薄い板チョコを齧って太陽だけにしてみたり、お菓子食べ放題という環境とお城探検を同時に楽しむ淘汰。
「留守番してる生パカおや生ぴょんた達の分も、しっかり楽しまなきゃな! あ! とぅ!!」
 次に扉を開けて入った場所はどうやらお客様に宿泊してもらう部屋だったのだろう。綿菓子ベッドを見つけた瞬間ノータイムでそこにダイブする。体中で甘い砂糖の匂いを楽しみながらもぐもぐと口だけ動かして穴をあけてからがばっと顔をあげる。
「甘いのばっか食ってたらしょっぱいのも欲しくなってきたな……って、こっちの欄干はプレッツェルでできてんじゃん」
 たくさんのプレッツェルをたたき折り、口の中にいったい何本入るのかという実験と己の武勇伝を増やしていく淘汰。少年の無敵感をたたえながらこの部屋もあっという間に攻略していった。

 食堂に漂う空気は他とは少し違っていた。
「ふん、なるほどな。菓子の味も悪くない」
 絶対に壊れないようにと補強されたプレッツェルの椅子に座り、ナイフとフォークを使って皿いや、ティラミスのテーブルごと一口サイズに両断して口に運ぶシェルマ。
 お菓子のお伴はじいの入れたブラックコーヒー。シェルマは豪華な応接室に通されてから一歩の動いていなかった。しかし、食べている量は他のイレギュラーズに勝るとも劣らない量を食べている。その理由は簡単。
「飴細工のカーテン、アマレッティのドアノブと人魚のシャンデリア飴を添えてでございます」
「うむ」
「マカロンのクッションのサワークリーム、ピーターパンお気に入りのベッドを添えでございます」
「うむ」
「羊のタペストリーで巻いたクリームたっぷりのビスケットのソファでございます」
「食べていれば良くて、更にカロリーを気にする必要もないなら遠慮はいらないな」
 なぜか持ってきてもらえているのである。優雅で静か……それでいて確実にシェルマの周りは殺風景に変わっていった。


 食べたりないと思っている者、早く帰りたいと思っている者、何度お茶を飲んでも体の中から甘くなってしまった感覚のする者感想は多種多様であるが、きれいさっぱり食べ終わったのならこれを言わなければならないだろう。
「ごちそーさまでしたぁ!」
 淘汰の大きな声が周りの村周辺に響き渡る。見事城を食べきり勇者たちは元の世界へ帰還を果たしたのだった。

成否

成功

状態異常

なし

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