シナリオ詳細
砂漠のハゲタカ
オープニング
●剥ぎ取り
商人らしき人物が戦地痕にて、オラクル派かそうでないかに関わらず傭兵達の死体を漁っていた。
まだ売り物になりそうな武器を拾い上げて、でっぷりと太った商人と「わはは、笑いが止まらんわ」と愉快そうにする。
「いいんですかいのぅ。ワシらこんな商売したらオラクルやディルク関係なく傭兵に恨まれるんじゃ……」
痩せ細った下っ端商人は怯えた様に言った。しかしリーダーの太った商人は一笑に付す。
「俺達はどっちにも加担してねぇんだ。単なる武器のリサイクル。今流行りの『かんきょーほご』ってヤツよ」
ヤケに切れ味の良さそうな武器を見つけて、うっとりとしながら商人はそう言った。
部下達は何処か後ろめたさを感じながらも、背に腹は変えられないと死体から剥ぎ取り行為を続ける。
そのうち、太った商人を含めた何人かが武器を見つめたまま動かない。変に思えて下っ端の商人が彼らに声を掛けた。
「どーしたんですか。そんなに値打ちものなんですかいな?」
「……りたい……」
何を言ったか問い返す前に、有り得ない姿勢で振り返りザマに、下っ端の商人を斬り付けた。
「斬り、たい」
武器を振り回す商人は、虚ろ目のまま仲間に襲い掛かる。
驚き慌てふためいた商人達は、正気を失った商人達を取り残してその場から急いで逃げ出したのであった……。
●エゴ
「自我を持つ武器というのは、名のある鍛冶屋が創り出したものだったり、迷宮からの出土品だったり、異世界から流入したりと色々ある」
その場に居合わせたイレギュラーズと痩せ細った商人への説明も兼ねて、今回の敵について講釈をしている『黒猫の』ショウ(p3n000005)
「その中で、使い手の無念が武器に宿って呪いの武器に成り果てる事例があるんだ。今回ラサの商人さんが乗っ取られたヤツがまさにそれだね」
ショウはそのまま痩せ細った商人に状況説明を促した。乗っ取られたのは商人が四人。いずれも戦闘経験は薄い者だが、荷物運びで腕力や体力に自信のあるヤツが多かった。
剣捌きも普段からは考えられないもので、とてもじゃないが自分には止められそうにはなかったからこうやってローレットに助けを求めに来たという。
ショウはそれを聞いて、改めてイレギュラーズに言葉を向ける。
「商人達は自業自得かもしれないけれど、放置しておけば一般人まで危害が及ぶかもしれない」
静かにそう言うショウと、泣き出しそうな顔をする商人であった。
- 砂漠のハゲタカ完了
- GM名稗田 ケロ子
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2019年11月06日 22時30分
- 参加人数8/8人
- 相談4日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●
「き、緊張してきた……」
街の外へ行軍しているさなか、イレギュラーズの一人、『軍人っぽい残念なお姉さん』Adelheid・Klarwein(p3p001610)――アーデルハイドが少し震えた声でそう呟いた。
仲間の表情を不思議そうに伺う『月光』ロゼット=テイ(p3p004150)。
何故このように緊張しているかというと、原因は出発前にある。命からがら助けを求めに来た商人達だが、彼女の勇ましい容姿や服装を見るやたちまちに「幻想の軍人様か?!」と期待に目を色めかせた。あれは歴戦の猛者に違いない、と。
無論、彼女もイレギュラーズの一人であり、並の一般人より遙かに頼れる存在である事は確かだ。ただ……。
「今回が初めての依頼……落ち着け……落ち着くんだ……」
彼女にとってはこれが初めての仕事だった。アーデルハイドの頭の中には「失敗しないか」とか「足を引っ張らないか」とかいう嫌な考えが駆け巡っている。
そんな風にこわばっている彼女へ、「誰であっても始まりはある」と軽く宥めるブルーブラッドのイレギュラーズ。『静謐なる射手』ラダ・ジグリ(p3p000271)。
「しかし……」
アーデルハイドは口を噤んだ。
言いたい事は分かる。ただモンスターを倒すだけとなればいくらか気が楽だが、今回は人間相手で、しかも殺さずに無力化する方針だ。
もし手元が狂って相手を殺してしまえば依頼人へなんと申し開きしたものかと、武器となる腕輪に目をやってアーデルハイドは悩ましげに考えた。
そんな彼女へラダ・ジグリは静かに首を振る。
「私も皆もその心得はあるから、その点については心配はいらないだろう。彼らも命で贖うほどの罪ではない」
死体から追い剥ぎという商人達の行為は褒められた事でない。されど商家出自のラダにとって、いくぶんか理解は出来る。
傍で聞いていた『鈍き鋼拳』橘花 芽衣(p3p007119)も、同調するように言った。
「ま、いくら火事場泥棒してるからって、本人達はただの人間なんだから、命までは取らないように注意しないと」
他のイレギュラーズも似た様な判断だったようで、生かしたまま無力化する準備は万全といっていい。
「それにラダちゃん達なら安心よ。なんたって、色々な依頼を一緒にこなしてきたんだから――」
仲間と共に成し遂げた成果を明るい口調で語る芽衣。彼女達の言う事を少し考えてから、アーデルハイドは納得したように大きく頷いた。
「うむ! まずはみなの足を引っ張らないように与えられた仕事をしっかりとこなすのだ!」
そのように意気揚々としていると、遠くにいる四人の商人が視界に入った。それぞれうずくまるように座り込んでいたり、獲物を探すような目で周囲を見回していたり。
体格の良さや人相からして、おそらくアレが討伐対象だ。ファミリアを使って偵察した仲間曰く、彼らの手元にあるのは剣や槍の類らしい。
「……先手を打てるか?」
仲間達が隊列を組み始めると同時に、商人の一人に狙いをつけるラダ。この間合いなら彼女のような銃持ちの得意分野だ。
直後に商人達がこちらの存在に気付いた。彼らは一様に屈み込むような姿勢を取る。かと思えば肉体を省みない無茶苦茶な走り方でラダ達目掛けて間合いを詰めてきた。
「うーわ、本当に操られてるっぽいな? 人の迷惑も考えてよねまったく……」
「あ、あわわ」
商人達の一種気味(気持ち)が悪い動作に多少の困惑をする芽衣とアーデルハイド。イヤ、そもそもまだ隊列を完全に組みきっていないのだ。
そんな速さ比べで意外にも打ち勝ったアーデルハイドは、今の状況を考えて何をなすべきか決意して、表情をぐっと固めて前線に歩み出た。
「我が名はアーデルハイド・クラーワイン! 守護騎士の誇りとして、お前達誰一人死なせん!!」
●
「遺留品を収奪するとこうなるのですね。まー、あんまり気持ちのいい根性じゃないですけど……」
商人達や仲間の一合目を眺めながら、訝しげにする『虹を齧って歩こう』ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)。難しい顔をしている彼女へ、『背を護りたい者』レイリ―=シュタイン(p3p007270) が言葉を返した。
「ウィズィ殿の言いたい事は分かる。けれど、傭兵の死体漁り自体はそこまで悪ではないと思う。少なくとも命を代償とするほどでは」
それはそうですけれども。ウィズィはそう言いたげに少しむっつりとした表情をする。レイリーはそれを見てから、少し笑う。
「前と同じように、攻撃の方は任せたよ。危ないときは護ってあげるから。それと、どうか“穏便”に」
レイリーはそう言ってから、商人に向かって駆け出した。大剣の腹で殴りつけるように、ガタいの良い商人を殴りつける。
攻撃を受け止めた商人は「ちょこざいな……」と呻くように呟いて、先程のようにレイリーの顔を薙ぎ払おうとした。
しかし、商人の武器の柄目掛けてナイフが突き刺さる。
「Call of Love.乙女の顔を傷つけるような真似はせず、どうぞ穏便に」
魔力で構築されたナイフは、弾けると同時にバッと燃え上がる。武器の柄が燃え盛ると持ち手の商人は獣のような悲鳴をあげて、大きく怯んだ。
盛大に隙が生まれたのを見て、ウィズィはニッと笑う。
「さあ、Step on it!! 速攻でキメますよ!!」
戦場に響く号令。それに合わせて動いた『学級委員の方』藤野 蛍(p3p003861)。アーデルハイドと共に仲間達を庇うように前線へ動き、また商人――もとい、彼らが持つ呪いの武器に対して一喝した。
「戦いで死んじゃって無念なのは分かるけれど……その怨念の刃で皆を傷付けるのは、ボクが絶対許さない!」
邪魔をするなとばかりに商人は蛍へ攻撃を仕掛ける。
蛍は咄嗟にライオットシールド状の盾を前面に突き出して、それらを防いだ。重たい一撃に、腕が軋みをあげる。
「たしかに一介の商人とは思えないね。正直結構キツいかもしれない、けど……!」
決して耐えきれない攻撃ではない。
「……こちらは十全にいけます。頼みましたよ」
彼女の後ろで天使の歌、回復魔法を歌う『吐血の方』桜咲 珠緒(p3p004426)。この援護がある今の状況、蛍は耐え続けられる絶対的な自信があった。
こんな少女達に易々と攻撃をいなされる事に、商人の一人が憤慨したように大声をあげた。盾に防がれるのも構わず、何度も何度も攻撃を加え続ける。
持ち主だった傭兵の怨念(プライド)的なものだろう。しかしこうなれば、もはや格好の的だ。
「……魂を持つならば、主の郷里に帰ってやれば良かったものを」
ラダが不殺傷のゴム弾に取り替えて、その商人の胸へ撃ち込んだ。弾丸が胸にめり込み、その衝撃で振り上げていた剣が手元から離れて宙を舞う。
商人は武器を手から放した瞬間、糸が切れたようにばたりと力なく倒れた……。
●
「まずは一人! さぁ、お次は!」
商人の一人を無力化したのを見て、意気揚々と構える芽衣。
商人達は何事か虚ろな顔をしながらひそり、ひそりと囁き合った。何事かは分からぬが、少なくとも蛍を集中的に狙わないらしい。
「来ないならこっちから!」
ガントレットを構えて、バッと飛びかかる芽衣。彼女に対して、一番を負った商人がわざわざ前に出て挑んできた。
「!?」
芽衣は振りかざしたガントレットを、咄嗟に狙いを切り替えた。互いの武器がギャリギャリと音を立てて火花を散らす。
「……“人質”取るなんて、良い趣味してるね」
商人は言葉を返さない。しかし、殺さないようにしているイレギュラーズ達の方針を気取られたらしい。こうなると、不殺傷の攻撃で倒すか武器を直接狙うかしないといけないのが難儀だ。
次に襲われたのは回復途中の仲間だ。すぐ傍に居たアーデルハイドは予見しきっていたように、易々とそれを防ぎ切る。
「言っただろう。一人も死なせないと! ……あ、かなり腕が痺――」
間髪入れず、三人目がアーデルハイドに狙いをつけた。槍で防御ごと叩き伏せるように打ち下ろした。
「ッッ!!!」
防御を貫いた衝撃が頭蓋に響き、アーデルハイドの頭が眩む。脳髄が揺れて、視界がピカっと光ったかと思うと唐突に暗くなる。
常人ならこのまま倒れ伏すほかないだろうが、アーデルハイドは歴としたイレギュラーズだ。
「まだだ……ローレットの訓練はもっと厳しかったぞ……!」
歯を食いしばって、足に力を入れる。血を垂らしながら、相手を睨み付けた。仕留めた手応えのあったはずの相手がまだ倒れない事に、商人はぎょっとしながら槍を構え直した。
攻撃が止んだ隙を突いて、レイリーが距離を詰める。片手の大剣で地面を抉るようにフルスイングして、その勢いのまま相手の槍を打ち上げた。
「ウィズィ殿」
「OK。私達が揃えば怖いものはない、ってね。女の子に傷つけた責任は取ってもらうわよ」
Call of Love. ウィズィは先程のようにナイフを投げつけ、商人の手元が燃え盛った。
自分の体が攻撃された時以上に、商人はぎゃあぎゃあと大袈裟な悲鳴をあげる。
「あぁ、やはり。そちらが本体のようですね。ともなれば、商人様の傷よりもさぞお辛いでしょう」
冷静にそう分析する珠緒。その話から負傷具合を鑑みて、仕留め切れると踏んだ芽衣が即座に騒ぎ立てている商人へと拳闘戦を仕掛けた。
「操られてたとはいえ、攻撃してきたんだからね。ちょっと痛いけど大目に見てよ!」
商人の腕を掴み、相手が咄嗟に振り払った瞬間にみぞおちを狙う。重たいガントレットが急所に突き刺さり、蛙が鳴くような音を吐き出して商人の昏倒した。倒れても未だぐっと握りしめた槍を、商人の手元から蹴り飛ばす芽衣。
そうして再び意気揚々。残り二人。蛍が戦況有利とみて相手に説得を試みた。
「さぁ、八対二。どうみても私達が有利よ! 出来れば商人さんも傷つけたくないし、物の本にもこう書いてあるわ。仏さんは敬って扱い――」
そのような言葉を理路整然と並べ立てた。端的に言えば、人質を解放すれば貴方達の死体を弔う最善の努力はする。本に書いてある事を参考に大真面目に語りかけた。
客観的にみれば、それは平和的で慈悲深い言い分である。その倫理自体は特別おかしい事ではない。
しかし戦いのさなかに相手がそんな事を言い出して、戦士に対する侮辱だと相手は受け取ったのであろう。商人達は低く唸ったかと思えば雄叫びをあげて、負傷の度合いが高い仲間やアーデルハイドには目もくれず、蛍に対して一斉に斬り掛かった。
「え、で、でじゃう゛!?」
「いえ、戦術的には好都合ですよ」
蛍も珠緒もつい先日似たような流れを見た覚えがあるが、それはともかく。蛍は仲間の回復を背に必死で盾を構え、それを防ぎ切ろうとする。
二撃や三撃、それ以上に立て続けに商人からの攻撃が行われる。腕が痺れ、疲弊したところに最悪な攻撃を食らえばもらえばそのまま気絶する可能性もある。
少しまずい。無力化した商人を戦線から引き離しながら様子を窺っていたラダは、集中的に仲間が狙われているサマを見てゴム弾を片方の商人に撃ち放った。
右胸に命中。露出された肌が紫色にじくじくと変色していく。肺辺りの部分で、常人なら息をするのも酷く苦しいはずだ。しかし蛍へ攻撃を中断する様子は一切ない。
狂気だろうか。いや、傭兵とはそういう生き物だ。契約や名誉を踏みにじられる事を嫌う。
そもそもの発端はラサの傭兵同士で戦わされた事だ。その挙げ句、死体から大事な武器を剥ぎ取られて、戦いのさなかに慈悲を向けられれば。彼らの恨みは何処にぶつけられるべきというのか。
「……だから手を出すべきではないと思っているんだ」
ラダは何処かやりきれない思いで呟いた。
砂漠に大きな銃声が鳴り響く。後ろから聞こえて来た轟音に、蛍の背中がびくりと震えた。
――排莢が終わってから、ラダは異様な速さで狙いをつけてトリガーを引いていた。
次弾が放たれたのは、ゴム弾が撃たれてから何秒と立たない内だろう。少なくとも、商人が剣を振り下ろす前だった。
振り下されたはずの剣は空を切り、それどころか刀身が粉々に砕け散っていた。
武器が破壊された商人は、白目を剥いてばたりと倒れる。気を失ったらしい。
残るは一人。負傷の度合いが激しく、脇腹からたらたらと流血を垂らしている。
彼は、せめて一人仕留めようとした。傭兵であったソレは、ローレットの傭兵相手に完敗する事はソレ自身が許さなかった。商人と傭兵両方とも哀れに思い、「もういい、もう眠れ」とレイリーが言う。
相手にその言葉が届かない。破れかぶれな商人の攻撃に、レイリーが防ぎに入って弾き返す。
レイリーはそのまま、「トドメを刺してやってくれ」といわんばかりにウィズィの方に視線をやった。
「うっぉおああああッ!!」
ウィズィは大きな声をあげながら、相手の武器目掛けてハーロヴィットの放出するナイフ状のオーラを投げつけた。
先と同じ攻撃方法とみて、相手はそれを切り払おうとした。先と全く同じなら切り払えるはずだった。
真芯を捉えて切り払えたはずが、一連の動作が遅れて――いやウィズィの動作が加速して、刃の横腹に力強く突き貫いて、叩き折った。
「――はい、終わり」
それで倒れ伏した商人が呼吸する度に胸が膨らむのを見届けて、ウィズィは自慢げに胸を張ってみせた。
●
「いや、まぁ、傭兵達の名誉を穢したのは悪いと思ってるよ。怪我をした事も文句はいわねぇし、助けてくれた事も感謝もしてる。だがな……」
正気を取り戻した商人達は、起き上がってからずっと恨めしそうにイレギュラーズを見ていた。その理由は、ひとえにロープで簀巻きの如くグルグル巻きにされていたからにほかならない。
「仕方ないでしょう。逃げ出さないようにしておかないとね」
呪いの武器を打ち砕きながら、商人達を軽く睨みつける芽衣。剥ぎ取り行為が一応は悪事である手前、とんずらされて行方を眩まされたら貰えるモノも貰えない。
「逃げないから! もうこんな商売しねぇって約束もするよ! 傷に縄が食い込んでいてぇったらありゃしねぇッ!!」
「あぁ、全く。それだけ騒げれば大丈夫というものだろう。……うむ、よし、上手くいった!!」
傷の具合を確認して、致命傷ではない事を確かめてグッとガッツポーズのアーデルハイド。
とりあえず依頼の完了を得て、皆一様に安堵する。
「さて……つっかれたー! レイリーさん、ちょっとお風呂でも入りに行きません?」
「そうだな、帰ってゆっくりしようか。お疲れ様、ウィズィ殿」
一方、仲間から外れて周辺から何か探すように歩き回っているラダ・ジグリ。
「何か、お探しですか」
「ま、まって。魔物がいるかもしれないから、集団行動……鉄則……」
珠緒がちょこちょことその後ろをいつの間にかついてきていた。蛍も――先の戦いで酷く疲弊した様子だが。
ラダは二人を見て少し思い悩んでから心中を打ち明けた。
「弔ってやるべきかと思った」
要は、傭兵の遺体を見つけ出してやるべきかと思った。同郷者が荒野で朽ち果てるのは忍びない。しかし相も変わらず目印もない砂漠である。既に砂塵に埋もれているやもしれぬ。
珠緒もそれについては同じ考えだったのであろう、ラダの考えを聞いてからこくりと頷いた。
「一人では大変であっても、複数人ならば見つかるかもしれません。珠緒も手伝いましょう」
そういって珠緒は機械人形のすずきさん、こじまさんを呼び寄せた。そののち、若干心配するように蛍の方を伺った。
「え……い、いや。大丈夫!! 私のファミリアに任せて!!!」
委員長藤野蛍、声が上擦った。現代人的に死体はどうしても慣れないが……死者を弔う事は悪い事ではないし、友がやる手前、拒絶するのはどうにも躊躇する。
泣き出しそうな顔をしながらも、蛍は砂漠に鳥を飛ばすのであった。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
あとがき
依頼お疲れ様でした。
称号:
ラダ・ジグリ⇒『剣砕きの』
GMコメント
GMの稗田ケロ子です。宜しくお願いします。
●成功条件
『商人と武器の無力化』
商人については生死問わず。
●地形
街からほんの少し離れた砂漠地帯。目立った遮蔽物はなく、視界は良くも悪くも良好。
目標が近くの街へ辿り着く前に終わらせる為にも、準備にはあまり時間を掛けられないでしょう。
●敵の情報
呪われた武器を持った、でっぷりと太った商人やガタいの良い商人が四人。
仲間の商人が言うように、本体は比較的タフで腕力がある。
トドメに武器を狙う場合、一定の命中率低減の代わりに殺さずに済むかもしれない。
同じく乗っ取られた者以外、無差別に襲いかかる。この性質からイレギュラーズが倒されない限り相手の逃走については気にしなくても良いだろう。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
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