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シナリオ詳細

底触れた貴様
底触れた貴様

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ぶぅぅぅぅん
 理想郷のけがれは拭われた。異常事態は拭い去ったが、管理者の『脳無し』が自嘲する。果たしてこの世界は本当に『必要』なのだろうか。果たしてこの世界は本当に『不可欠』なのだろうか。果たしてこの世界は本当に『世界』なのだろうか。果たして。この世界は。本当に『私の贖罪』なのだろうか――管理者と設定された『脳無し』の歯車・獣・罪人。そもそも私の罪とは何だったか。ああ。アァ。嗚呼!!!

 壊したい。何もかもを。終わらせたい。もう。疲れ……た。

 がしゃん。水槽を倒す。ぐちゅり。脳髄を潰す。
 がしゃん。水槽を壊す。ぶちゅり。脳髄を舐る。
 がしゃん。水槽を……びちゃり……叩き付ける。
 ――は、は、は。

●歪む幸福
「たいへんよ。理想郷の管理者が狂ってしまったわ」
 イレギュラーズを前にして『境界案内人』こすもが声を出した。理想郷と聞いて冷汗を垂らす者。頷く者。首を傾げる者。様々な反応があるだろう。
「改めて。これで依頼するのは三度目だけれど――理想郷というのは『住人の脳髄が水槽で、幸せな夢を見続けている』世界よ。羅列した水槽は管理者が綺麗にしているわ。ええ。今回の問題は管理者の錯乱。世界の真実に気付いてしまったとも言えるわ」
 溜息を吐くこすも。頭が痛いのか貌をしかめて言葉を紡ぐ。
「管理者の名称は身体的に『脳無し』としましょう。脳の無い唯一の存在が『この世界で真に思考を有して』いるの。それで。どうやらそれは【罰】らしいのよ。罪を償う為に水槽を管理していたのね。そうして『脳無し』は耐え切れなくなった――イレギュラーズの皆さんには【管理者『脳無し』を止めていただきたい】の。方法は問わないわ。撲っても好いし説得しても好いし『脳無し』の記憶を削除しても構わない」
 簡単に纏めると『狂った管理者、脳無しが水槽と脳髄を破壊し始めたので、これを止める』『方法は何でも良い』だ。総ての水槽が壊れたら、世界そのものが意味を失ってしまう。それは終いを意味するのだろう。
「よろしくね。ああ。管理者『脳無し』さんは酷く乱れているわ。複数人での会話などは止めた方が好いわよ。名称以外に【何者】か、わからないのだから」

NMコメント

 にゃあらです。
 理想郷の管理者が狂ったので、止めてきてください。
 説得でも肉体言語でも、何でも構いません。
 誰かの『理想』の為に水槽を守りましょう。

 管理者『脳無し』
 脳味噌が無いので脳無し。不定形な何か。
 どうやら罪を償う為に水槽を管理しているらしい。
 それの真実に気付いた。もう。疲れている。

  • 底触れた貴様完了
  • NM名にゃあら
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年10月27日 22時30分
  • 参加人数 4/4人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

赤羽・大地(p3p004151)
ホンノムシ
仄 火燐(p3p007317)
メインヒロイン
ハルラ・ハルハラ(p3p007319)
春知らず雪の中
ニル=ヴァレンタイン(p3p007509)
夢想の魔王

リプレイ

●驚くべきユートピアは、誰かに魅せられディストピア
 脳味噌の無い不定形が、がしゃんぐちゅりと脳髄を踏み潰す。脚とも言い難い器官が罪を犯し、償う事を辞めたならば真実は何れは理想を失うのだろう――『メインヒロイン』仄 火燐(p3p007317)――の水色が破壊に狂った『脳無し』を覗き込む。お姫様じみた雰囲気と名乗りの効果で『一時的』には注意を逸らす事が出来る筈だ。蠢く肉塊が、翅じみた物質を揺らして火燐を覗き込む。それは果たして罰なのだろうか――君も脳髄になれれば幸せな夢を見続けれるのかもしれないのに。もしかして――脳が『無い』のか。赦されなかったのか。おそらくは【僕】と同じうつろう時計の長針に狂わされた人。否。此れは傲慢かもしれない。無責任かもしれない。彼は文字通りのノウナシで、人間ですら『ない』のかもしれない故に――僕にはこの世界の必要性がわからないのだ。
 それは死体から。脳を取り出すところから始まった。それを繰り返すのは酷く『視難い』地獄で、異常極まりない作業を繰り返す必要は本当に無い。『僕』は理想郷の住人に成りたくはないが、この世界は住人の幸福なのだろう。兎に角。脳無しで在る『君』はそれを守り続けなくてはならない。その理由は彼自身が一番理解している筈だ。この脳だけになった人達は世界から身を守る術を持っていないんだ――だから。【彼らが死ぬまでは世界を守り続けてほしい】――ぶつん。何かが切れる音がした。管理者『脳無し』の芯(こころ)が怒りに震える。叫ぶ声も伝える手段も存在しないが――水槽の脳髄どもは決して【死なない】のだ。だからこその罪滅ぼし。脳無しにとっての贖罪――終わりは訪れない。最後を見届けてほしい。などと囁かれても気が余計に触れそうなだけだ。
 全く。本当に理不尽で無茶苦茶な願いだ。脳無しが笑う。嗤う。自嘲する――そう。叶えられる事は無い。僕には、君本人の幸せはわからない。『脳無し』にはイレギュラーズの存在が解らない。

●どうしようもない狂ったノイズに、人間どもが圧し寄せる
 ここが壊れて、あんたが消えて、理想の世界は如何に成り果てる。『彼岸に根差す』赤羽・大地(p3p004151)が最初に『脳髄』を知った時、底知れためまいに苛まれていた。だが。今現在最も蝕まれているのは『物語』そのものだ。もしかしたら、既に侵略者の魔の手に掛かっているのかもしれない――これを止めたいのは同情したからではない――あんた以上の人でなしに、ここを譲らない為だ。『大地』の心は揺らがない。たとえ揺らいで、吐き散らしたとしても、悪夢に塗り替えられては為らない。成る所以は脳無しの『管理』在っての現実だ。ぶぅぅ……ガシャン。こわれた水槽の破片……マ、正直に言っちまうト、脳無しのあんたに狂う心はあったんだナ、とは思うガ
 もう一人『赤羽』が笑う。少し荒療治に為るだろうが仕方がない。相手は人ではないし、それでも人でなしでは在らぬ。だったら『殴ってでも止める』事は可能だろう。うぞりと這い寄る思考(リーディング)が――畜生、なんだって。この私を如何に止めるのだ。この私を如何に――が――ジィィィ……これ以上は――読み取れない。桜の蕾は何色だろうか。はらはらと舞う魔の弾丸が、脳髄を咀嚼する脳無しを打ち倒す。むくりと起き上がり脳髄を掴む。それを打ち倒す。掴む。倒す。掴む。倒す――咲き誇らない永久の如く。ならば仕方がない。『赤羽』は水槽を庇い始めた。

●飼い主を失った犬のように、なぐる、なぐる
 脳味噌はぷりんのように、甘くて幸せな夢を見る。『春知らず雪の中』ハルラ・ハルハラ(p3p007319)には理解し難い世界だが、少なくとも水槽の中には『幸福』が詰まっていた。それを掴んでぶち壊す管理者『脳無し』の狂気。邪魔される筋合いの無い【住人】の死を、黙ってみている精神は無い。それは純粋に殺人なのだ――たとえ法の無い理想郷でも、それは罪の積み重ねに値する。確かに一人でこんな所で作業してたらおかしくなっちまう気持ちも分かるけど。管理者『脳無し』は此れを半永久的に続けて来たのだろう。今更気が触れるなんてのもおかしい話だ。見ていられない凶行だが、話し合いで解決するとは思えない。幸いにも『赤羽』が水槽を庇っている。イレギュラーズの攻撃で命を落とすとは考え難い。先ずは一撃、転ぶ脳無し。
 奇襲は成功したが、未だ不定形は憤怒の魔物に憑かれている。疲れに吐かれた輪郭は、撒き散らすかの如く触腕を翳した――それを撲る。潰す。退ける。除く――抵抗出来なくなるまで。殺人を止めるまで。獣は理性を『叩き』付ける。しょーがねーだろ。これはもはや『世界』救済の第一歩だ。ぶぅぅん……水槽の中の脳髄が、水泡を孕むように。落ち着いたら話してくれるだろうか。人間との交流はそもそも可能なのか。疑問は尽きないが、今は撲り続ける他にない。脳無しの震えが怒りなのか痛みなのか判断不可能に成った頃、死に爆ぜた脳髄は数えきれない。

●後悔しかない生き方だった
 人間とは業の深い生命体だ。数多の生命を貪り尽くし、最後には『それ』を量産する。悪循環とおぞましさを止める方法。それが脳髄だけの幸福だ――『称えよ!ロリ魔王様!』ニル=ヴァレンタイン(p3p007509)は血に塗れた己を思い出す。目の前で惨劇を繰り広げる脳無しの絶叫。無音でもよく響き渡る、世界への絶望。どうすれば良いのかわからない『最悪』の舞台上だ。感情が無いだって。莫迦な事を言うな。この不定形の奥底に潜んだ、地獄への落下は、誰にも癒せない大罪なのだろう。読み解く事の出来ない物語でも、人は、魔王だとしても【逃れられない】終わらぬ戦だ。止める事など出来やしない。止めたとしても、精神にこびりついた『けがれ』は拭えないのだ。ああ。嗚呼――この。くらくらとするような、理想郷は何なのだ。

●底、しれた、※※よ
 ハルラの拳が下がった。『赤羽』は庇う事を止めた。脳無しに【壊す】気力は残されていなかった――火燐の柔らかな腕が不定形を撫でる。其処には。底には。この場に存在する『総て』に絶望を報せたのだ。知れた事だ。痴れぬ事だ。我々に本当の【発狂】など赦されていない――ニルの貌に影が差した。そう。此れはどうしようもない。何事も生まれず、死なない『理想郷』なのだ。全員で手を合わせよう。壊れて崩れて死に絶えた、犠牲者(脳髄)に安らぎを【誓う】のだ。理解しなくてもいい。何もしなくてもいい。きゅっきゅ。きゅっきゅ。今日も無間地獄(清掃)を為せば。成せば問題はないのだ。管理者『脳無し』は歯車に戻るのだろう。
 灼熱が我等を襲おうとも、どうか君よ、咲き誇って――だが。色は朽ち果てた。僕等はいったい何に『変わった』のか。何も変わらないだろう――美味しいお茶だって飲めやしないのだ。幸せなんて、何処にも落ちていやしない――分かり合えて、たまるものか。総てを呑み込んだ瞬間、我々は管理と称される最悪に捕縛される――さようならだ。別れの挨拶をしよう。此れからも罪を背負って、理想を維持しなければ成らない。
 ぶぅぅぅん――ぶぅぅぅん――ぶぅぅぅん。

 生かされる。活かされる。永遠が停滞する。管理者『脳無し』の肉がけがれなきよう脈動した――また今度。次が在るならば、また今度。これにて【理想郷】は閉じられる。貴様等の手によって。

成否

成功

状態異常

なし

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