PandoraPartyProject

シナリオ詳細

君の瞳は☆クリスタル
君の瞳は☆クリスタル

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


「君の瞳はクリスタルだね!」
「......は?」

 秋の冷たい風が寂しく男の頬を撫でる。神無月の乾いた空気は愛を叫び続ける男の喉をすっかり枯らしてしまった。
 村に一人の若者がいた。名はパーシー。彼は女を口説き落とすための言葉選びがとてもとても下手くそだった。

「君はまるで芳香剤の様に素敵な香りだね」
「え......?」

 愛を燃え上がらせるあの真夏の照り付ける太陽は一体どこへいってしまったのだろうか。パーシーは手を合わせて澄んだ秋の空に祈った。「どうか、彼女が出来ますように」と。だがそんな祈りは一層太陽の輝きを曇らせていくばかりなのであった。

「どうして俺の想いは女の子に届かないのであろうか......」

 振られ続けても尚、パーシーは女との愛を求めた。そしていつしか女達のことを追いかけ回す毎日を繰り返していたのであった。

ーーーー

 辺りはしんと静まり返った深夜。悲劇は起きた。何者かの手によって若い娘が攫われたのだ。通報者は母親。朝になっても一向に仕事から帰ってこない娘の事が不安になり探した。すると、道端に落ちていた娘の着替えを見つけたのだ。娘の仕事場は酒屋。酒屋の主人は夜の十一時を回る頃には帰っていたと証言している。現場は村の花屋前。まず疑われたのは普段から娘を追いかけ回しているパーシーであった。

「被告人は前へ」
「だから俺はやってないんだ!」

 パーシーの部屋にあった赤い薔薇の花束が証拠として突きつけられた。娘を誘拐する為に花屋から薔薇を奪ったのだろうと検察官は言った。 彼は何度も弁明を繰り返した。だが、彼の言葉に耳を傾けるものなど誰一人としていなかった。

「俺は昨夜はずっと自室に引き籠って女の子への愛の言葉を考えていたんだ!! それに、俺が女の子に危害を加えるわけないだろう!?」
「嘘だ! 毎日女共を追いかけ回しては振らえていたじゃないか!」
「そうよそうよ! 私も気味の悪い言葉を言われたわ」
「こいつが犯人だ。そうに違いねぇ!」
「ち、違う......俺じゃない、俺じゃないんだよぉぉおお!!!!」
「嘘ついてんじゃねぇよ!」
 傍聴者達の中には暴れるパーシーに石を投げつける者、周りもそれを使嗾するかのように歓声を上げたり、石を投げる者を英雄と笑った。


「このままじゃこの物語はハッピーエンドじゃなくなってしまうんだ」
 一冊の本を両手に開いたまま、境界案内人カルトル・ジェミ二は悲しそうに言った。カルトルは続けて説明を始める。
「元々この物語は口下手な若者が最後には一番初めに告白した女性と結ばれるという最後なんだ。でも見てよここ」
 小刻みに震えた指でカルトルはある一文を指差した。そこには赤い文字で文章が書き加えられていた。そう、花屋で娘が攫われた部分だ。書きなぐられたような乱雑な文字で書かれた文章は物語をまるで真反対な最後へ進路を変えてしまった。
「だから頼むよ。この物語を元通りハッピーエンドにしてほしいんだ」
 カルトルは意を決して今まで俯いていた顔を真っ直ぐ上げた。その眼差しは美しいルビーの輝きを放って特異運命座標(イレギュラーズ)を見詰めた。


 物語のハッピーエンドを信じて......

NMコメント

 こんにちは! 初めまして! 佐茂助と申します! 今回は初めてのライブノベルでドッキドキのワックワクです。お気に召していただければ幸いです!!

【内容】
 男(以下パーシー)の冤罪を晴らし、物語を元のハッピーエンドにすることです。

 深夜に花屋前で村娘が攫われた。そこで普段から女性を追いかけ回していて、部屋から薔薇の花束が見つかったパーシーを無理矢理犯人に仕立て上げた。パーシーの無罪を認めさせるか、真犯人を捕まえてください。無罪を認めさせる場合は、裁判で裁判長を納得させるか、事件の担当になった警察官を納得させるかしてください。

 舞台は中世ヨーロッパにありそうな田舎の村です。【村人達は全員知り合い】で、結束が硬いです。イレギュラーズは一人の村人として事件を解決に導いてください。


【法廷での関係者の証言】
パーシー「俺はやってないんだ! 信じてくれよぉ。昨夜はずっと自室に引き籠って女の子への愛の言葉を考えていたんだ!! 本当だ!」

娘の母親「私は覚えてるわ! 彼は最初に我が子に気色悪い言葉を囁いたのよ! その日から娘は段々おかしくなっていったわ。毎日溜息ばかりで、食べる量も減ったのよ。きっとあの男のせいなのよ!娘を返しなさいよ!!! あぁ、こんなことになるなら仕事へやらなきゃよかったわ!!」

酒屋の主人「夜の十一時を回る頃には帰っていたよ。いやぁ、よく働く良い子でな......、無事でいてほしいよ」

花屋「昨夜ですか? 店を閉めた後にご飯を作って、それを食べて、お風呂に入ってから寝ました。......えぇ? アリバイですか? すみません、一人ですので証明してくれる人はいませんね。あ、花屋を調べるんですか?それはちょっと.....花が傷んでしまうといけないので」

ーーーー

 皆さんのご参加、プレイングをお待ちしております!!!

  • 君の瞳は☆クリスタル完了
  • NM名佐茂助
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年10月26日 22時25分
  • 参加人数 4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

リナリナ(p3p006258)
海賊には眼帯!
回言 世界(p3p007315)
付与の魔術師
メリー・フローラ・アベル(p3p007440)
躾のなってないワガママ娘
ジュルナット・ウィウスト(p3p007518)
風吹かす狩人

リプレイ

●現場

「まずは通報者の母親に聞き込みをしてみようかしら」
 愛らしいモグラのぬいぐるみモグタンをしっかりと両腕に抱えて『躾のなってないワガママ娘』メリー・フローラ・アベル(p3p00744)はとある民家に爪先を向けた。するとそこには次の目的であった酒場の店主が母親とドアの前で話し込んでいた。
「ちょうどいいわね。……ねぇあなた達に質問があるのだけれども、いいかしら?」
 太陽の光で輝いた金色の髪を靡かせながらメリーは微笑んだ。
「あ、あぁ、」
 突然現れた少女に店主は少し不思議がりつつも頷いた。母親も同様に首を縦に振った。
「ねぇ、今回の事件で何か隠している事は無い?」
 二人は顔を見合わせて暫く考え込んでいたが、全て証言した通りだと声を揃えて答えた。メリーはリーディングを使用しその言葉に偽りはないことを確認する。
「あなた達のどちらかが犯人? それとも共犯?」
 幼い少女とは思えない冷たい眼差しを向けてメリーは質問を続けた。彼女の前では嘘を吐くことも質問から逃げることも許されない。
「そんなわけないじゃない! 私は、私は早くあの子に会いたいのよ! 勝手な事言わないでちょうだいよ」
 一瞬怯えた表情を見せた母親だったが、大粒の涙を流しながらその場に崩れ落ちた。店主は彼女の背中をさすりながら静かに首を横に振った。リーディングを発動させることもなくメリーは二人に背を向け次の目的地である花屋に向かった……


金髪の少女がふらりと出かけてから時計の長針が僅かに傾いたころ、一通りの状況を把握し終えた『風吹かす狩人』ジュルナット・ウィウスト(p3p007518)がゆっくりと椅子から腰を上げた。
「いやァ、実に不思議な事件だネ。おじいちゃんに出来ることは少ないけど、より確実な手がかりを聴きに行くとするかナ」
ジュルナットは街に生えている草木や雑草に話しかけながら情報を集める。だが、残念なことに重要で確実な手がかりは得られなかった。どれもこれも街を行きかう人々の根も葉もない噂話ばかりであった。
時計の長針が大体一周した頃、大分歩き回っていたせいかジュルナットは吐息を漏らした。そうして、僅かでもいい、確実な手がかりを求める為に例の花屋へ足を進めた。
かなり大規模な事件直後の筈だが不思議と人影は少なかった。店の前では花屋が大事そうに花達の世話をしている。
「大いなる大地の隣人、どうか我が問に答えて欲しイ。麗しき村娘は何処に失せてしまったのかイ?」
花屋がいる手前あまり大きな声は出せないとジュルナットは声を潜めて店先に並べられた花達に質問する。
その時、聞き覚えのある幼い少女の声がそれに重なった……


「まあなんというか……普段の行動が災いを成したってとこか。結果的に皆から誘拐犯として疑われるハメになってる訳だが、碌な証拠も無しに裁かれるってのはどうもねぇ。それが無実の罪なら尚更だ……できる限りだが、俺たちでなんとかしてやるか。」
白衣の襟を整えながら『付与の魔術師』回言 世界(p3p007315)は哀れな男を鼓舞するように呟いた。朴念仁の彼であっても困っている人を見過ごすことはできなかった。いや、もしかすると彼は無意識的に手を差し伸べているであろうか。どちらにせよ彼の言葉に偽りはなかった。
「俺は誘拐された娘を探すとしよう。まあ怪しい場所は花屋だよな……例えそこに居なくても彼女の居場所に関して何らかのヒントは得られるだろうし、捜索させてもらおう。」
 一度現状を整理し自分の役割を確認する。ある程度思考がまとまると例の花屋に向かった。
 世界が迷うことなく花屋の前に到着すると、そこには先程顔を合わせた幻想種の青年と金髪の少女が事件の解決を推し進めていた……

「ねぇあなた、何か隠している事は無い?」
 単刀直入なメリーの質問に一瞬不自然に口角が上がった花屋は一呼吸置きにっこりと微笑んだ。
「いいえ」
そう一言、正直者の様に花屋はさっぱりと答えた。だがそれは嘘であることをミリーは見透かしていた。花屋の言葉に隠れている本当の答えは「はい」である。
「まぁいいわ。それじゃあ、あなたが犯人?」
 秋も終わりを告げようとしているのに花屋の頬には一筋の汗が伝っていた。先程のリーディングの効果で嘘を見抜かれていると知った花屋は言葉を詰まらせた。
「怪しいな。店内を探索させてもらおうか」
 挙動不審になった花屋を犯人だと確信した世界は店の入り口を覗いた。メリーも同様に世界の陰から店の様子を窺う。すると花屋は両手を広げて叫んだ。
「勝手に入られるとすごい困るんだ! ほら、何の知識もない君達が花を触ったりしたら花が痛んじゃうかもしれないじゃないか。この花達は全て売り物なんだよ!」
 必死に二人を止めようとする花屋に、世界はふんと鼻を鳴らして言った。
「花が痛むからやめて欲しいって?ならば扱いに注意が必要な花を教えてくれ。幸い、そういうのには詳しいんでな。先に言って貰えれば俺が対処しよう。まあそもそも、さっと入って中を見渡すだけだし、さして気にする必要も無いと思うがな。」
その時店先の花達と会話を終えたジュルナットが口を開いた。
「彼らがね、麗しき村娘はここで攫われたと言っていたヨ。花屋の中には地下室に続く秘密の階段があるらしいネ……?」
「ち、違う! 僕じゃない、僕は善良な一般人さ!」
「見苦しいな……」
「煩ぁあいっ!!」
 花屋は絶叫し、その場から逃げだした。それは人の声とは程遠く、耳を劈く様な奇声に近い叫びであった。
「そうはさせないヨ!」
 ジュルナットは素早く花屋の腕を掴み何とか抑え込んだ。それから二人に娘を救うよう伝える。
 世界とミリーは花屋が拘束されたのを確認し急いで店内に入った。
部屋をぐるりと見渡すと、沢山の花達の他に机や椅子、本棚があった。
「この本棚、少しおかしいわね……ねぇ、ちょっといいかしら」
 ミリーは不自然に壁から離れている本棚を指摘し、世界に退かしてもらうよう頼んだ。
 世界が本棚を動かすと、そこには地下室に繋がるだろう階段が下に伸びていた。
「これだな」
 世界が先導に立ち一段一段慎重に階段を下りていくと、そこには腕と脚が縄で固く縛られていた娘が横たえていた。口もテープで塞がれ叫ぶこともできなかったのだろう。娘の頬には赤く腫れ上がった涙の跡がくっきりと浮かんでいた。
 メリーは持っていたスローイングナイフで手早く縄を切ると娘の安否を確認した。二つ三つ程声をかけると娘は意識を取り戻した。
「あなた達は誰……?」
「もう大丈夫よ」
 メリーは小刻みに震える娘の手を取って優しく微笑みかけた。すると、安心したように娘もメリーの顔を見て微笑んだ。その光景を見て、世界も自然と頬が緩んだのであった。



●裁判

「異議あり!!」
彼らが無事娘を救出している間に法廷では『やせいばくだん』リナリナ(p3p006258)の声が響いていた。
パーシーは有罪なのか無罪なのか。この裁判で全てが終わる。パーシーの運命や如何に……
「おー、パーシー、ホントに犯人か?」
「絶対違う!」
「ほら、パーシーはこう言ってるぞ! 決めつけて、何か見落してないか!」
「何を言ってるんだ! こいつは暇さえあれば女を追いかけてる厄介者なんだぞ!」
検察官や傍聴者はリナリナの話しを聞こうともせずにただパーシーの有罪を叫んだ。
「全員、深呼吸して、一度冷静になる!!」
 それでもリナリナは諦めることなく法廷に集まる人々に語り続ける。人々がようやく落ち着くと、リナリナは天を指差し名探偵の様に推理を始めた。
「おー、実はパーシーが犯人だと矛盾する事ある! リナリナ気づいた!」
 リナリナの言葉に再び法廷がどよめき始めると彼女は一層声を張り上げた。
「パーシー、恋愛センス壊滅的! それが原因で、ナンパかなり挙動不審! 犯人にされて納得のキモさ!
でも問題は証拠の花束! パーシー、犯人っぽいほど恋愛センス壊滅的! だから女の子を口説くのに花束、それも薔薇だなんてむしろ絶対に選べない! ここ重要! 花束、パーシーが犯人の証拠にならないゾッ、コレ、恋愛センスが正常な真犯人がパーシーに罪を押し付けてる証拠! そう考えた方が辻褄合う!!」
「た、確かにそうかもな」
 心に深い傷を負ったパーシーをよそに、リナリナは自分の言葉に頷き始める傍聴者を見て得意気に続けた。
「誘拐事件、夜中発生、その時間に花束使ってパーシー貶められる人物ただ一人! 真犯人、花屋! 間違いないぞ!」
「花屋?」
「花屋だって?」
「いや、でもなぁ」
 リナリナの最期の一声に法廷は困惑の色に包まれた。誰もあの人当たりの良い温厚な青年を犯人だとは思わなかったからだ。だが力ある彼女の言葉に人々は動揺が隠せなかった。

「なら、本人から聞いてみたらどうかしら?」
 バンという音と共に、娘の救出に当たっていた三人が法廷に現れた。その横にはパーシーの無事を祈る娘の姿があった。
「パーシーさんは何もしていません。花屋が私の事を攫ったのです。信じてください!」
 今にも倒れそうにふらつきながら前に出た娘が一生懸命にパーシーの無実を主張する。
「この村娘が嘘を言っていると思うかイ。……パーシークンの手枷を取ってやってくれないかイ?」
ダンダンと木槌を鳴らして裁判長を始め法廷にいた者はパーシーの無実を認めた。

「やった、これで俺は自由の身だぁあ!」
 そう言ってパーシーは涙を流した。そして自分の冤罪を晴らしてくれた四人に何度も礼を伝える。
「まぁ、これに懲りたら女性を追いかけるのはやめるんだな」
「大丈夫さ。俺の心はルビーの様に赤く、固いのだからな! ……というのは冗談でもうしません」
 パーシーはこれまでの自分の行いに相当反省しているらしく深く頭を下げた。
「これでハッピーエンドに戻るな!」
 リナリナは、満足そうに声高らかに笑った。

成否

成功

状態異常

なし

PAGETOP