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シナリオ詳細

鏡の国は万華鏡
鏡の国は万華鏡

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 やあ、私。

 さようなら、私。


 いやあ―――こまったことになりましてね、呪いの鏡があるんですけれども。
 これがあまりよくないもので。鏡に映した人を飲み込んでしまう訳で。
 普通に壊したことは何度もある。
 でも、またどこかで元通りになって出現する困った鏡でさ。
 どうやら『中身』を倒さないといけないらしく。
 さっき言った通り、人の精神を飲み込んでしまうので、何人かが入ってしまったのですけれど、皆精神を壊してしまったようで。
 会話できる唯一の被害者が、中で自分と戦って言うんですよ。
 それでね、この世界じゃあ、どうにもならないから。
 そこでイレギュラーズが狩りだされたという事。すみませんね。

 案内人は、詩を読むように話を始めた。

 其処は真っ暗な世界。誰もいないし、誰にも認知されない。
 独りぼっちには良い世界かもしれません。

 でも気を付けて下さい。

 今から行く鏡の中は、貴方には絶対優しくない世界。
 貴方を否定する、貴方の影がひとつ。
 それはドッペルゲンガーと呼ぶべきものだと思いますが。
 その影を、倒して欲しいのです。

 貴方を否定する、貴方を倒す、貴方の精神の世界―――。

 この世界はなんでも映しだす。
 名前があるとしたら『鏡の国』としましょうか。
 貴方の望む場所、望まない場所が映し出され、そこには貴方と貴方がいる。
 どうぞ自分に立ち向かってください。
 貴方を殺す貴方を倒す、貴方の世界で。

NMコメント

 5度目まして桜です、もう一人の自分を倒します!

●成功条件:自分の討伐(結果鏡の破壊)

 討伐、と言えど殺すことだけが全てではありません。

●世界観
 どこかの剣と魔法の世界。特にこの世界の世界観はほっといて大丈夫です。

 そこで呪われた鏡があるので、この鏡が重要です。

●敵『自分』
 自分と瓜二つ、ステータスも全く同じ。違うのはメタなところだと、プレイングがかけるか書けないか。

 全てが同じだけど考え方が違う自分を討伐します。
 自分は必ず今の自分を否定します。

 どう否定されたいかは、どう否定されるのかは、NMがプレイングの気色を見て判断したり、過去とか最近のリプレイとか色々漁ったりします。
 何か吹っ切りたい事、自分の赦せない事、そういう負のものとかを、プレイングに書いていただくと桜は嬉しいです。
 最終的にそれを乗り越えるプレイングも踏まえてあると嬉しいです!!

 完全個人プレーなので、相談日数は少なめです。

●フィールド『鏡の中の精神世界』
 最初は何もありませんが、徐々に知っている場所へ変わります。

 詳細は以上です
 ドッペルゲンガーを倒すぜ、イェイイェイ!

  • 鏡の国は万華鏡完了
  • NM名
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年10月30日 22時55分
  • 参加人数 4/4人
  • 相談3日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

清水 洸汰(p3p000845)
雲水不住
アウローラ=エレットローネ(p3p007207)
電子の海の精霊
回言 世界(p3p007315)
付与の魔術師
ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)
虹を齧って歩こう

リプレイ

●『雲水不住』清水 洸汰(p3p000845)
 洸太は気が付けば、河原の河川敷に来ていた。振り向けば、そこには整備されているんだか、されていないんだか、泥臭い草野球場がひとつ。
 その中央に、洸太と背丈も、顔の表情も、もしかしたら髪の毛の本数までも一緒の存在が立っている。律儀に、その手にはグローブとボールがあって。影の洸太は、洸太に使い古されたグローブをひとつ投げた。敵にしては、フレンドリーだと、我が所業に苦笑しながら受け取ったグローブを洸太ははめた。
 嗚呼、なんか――懐かしい気がする。
 懐かしいと思えるほど、故郷は遠くなってしまったのだろうか。
 哀愁に漂いながら、影の洸太は憎らしい程に無邪気に笑っていた。それはなんとなく、甘い誘惑のようにも感じるのだ。
「世界の危機なんてどーでもいいじゃん? ずっとずっと、遊んで暮らそーぜ? だってオレはまだまだ、子供なんだしー!」
 影はボールを投げてきて、ゆったりと弧を描いて飛んできたボール。それは、すんなりと洸太のグローブに収まった。
「だってオレが何してたって、皆、気にしねーじゃん? 誰もオレの事なんか見ないし、オレの友達、皆居なくなっちゃったし?」
 影の洸太の表情が、帽子のツバの影に隠れて好く見えない。一体、今の彼がどんな表情であんな事を言っているのか――それは自身の影なのだから、洸太がよく理解している。
 そうだ、あの洸太は詰まる所、自分の本音なのだろう。まだまだ子供で居たい、出来る事ならずっと楽しい事をしていたい。そう思える自分が、目の前に居た。
「そうだなー、確かにオレ、チキュー人だかんなー。混沌とは、縁もゆかりも無かった筈なんだけどー」
「だろ? アブナイことなんか、大人に任せておけばいいっての」
 洸太が投げ返したボールが、再びぽぉんと飛んで帰ってきた。うっかりグローブで掴み損ねたボールを取りに行く為にそそくさと走りだし。でも、止まった。
「おーいどうしたー?」
「……でも」
 洸太は、振り返る。見えないけど、きっと、泣きそうな顔をした、もう一人のオレに。
「でも、こっちがすっげー楽しくって面白いとこだっての、オレならやっぱ分かるだろ? この世界が、好きになっちゃったんだよなー。だから、放っておけねぇんだよ」
「何、大人ぶっちゃってんだよ」
 苦笑する影の手前、覚悟を決めたように洸太は拳を握った。
「……うん、オレももっと、オレに正直になる! 誰も見てなくっても関係ない!
 オレは、皆を守るヒーローになりたい! てかなる!
 だって、そーゆーのってカッコいいし、楽しいじゃん?」
 ボールを拾った洸太は、影へと近寄ってから直接ボールを渡した。
「オレの好きなよーに生きようぜ、な?」
「……チェ」
 影の洸太はつまらなそうにしていたが、鏡を割る為のバッドを差し出し、そして笑い合う。

「「元気でな」」

●『電子の海の精霊』アウローラ=エレットローネ(p3p007207)
 ぽつん、と独り、泉のほとりに立っていた。
 アウローラの呼吸が早くなり、その場にうずくまる――また、またなの、また、此処なの?
 それはいつしか、泉の畔でみた悪夢。
 だから、此処に居たらきっと――彼女がやってくるのだ。
 糸や絹のように真っ白で、これでいて、紅玉の瞳を持った女性――反転した、もうひとりの私。
「憎い、死に憎いわ……いつまでもこの感情を引きずる私にさえ反吐が出るくらいね」
 いつも太陽のような笑顔をしているアウローラだが、白髪の彼女にはその一切がない。炎のように燃える瞳の色を持っていたとしても、心は氷のように冷たいのだ。
「貴女がアウローラちゃんを憎んでいる気持ちはどうしてか、まだ分からないけど……、貴女はあの時のアウローラちゃんじゃない」
 そう、目の前の彼女は鏡の影であり、泉の中から出てきた亡霊ではない。
 だから怖くないと言ったら、嘘にはなってしまうけれど。それでも精一杯の笑顔で、貴方を受け止めてみたいとも思えてしまう。
 少女はいつまでも、少女ではない。いつしか大人への階段をのぼって女性へなる。
 その過程で、沢山の苦いものや、沢山の辛いものを見てしまうだろうが。それでも笑顔で前へ突き進む。
 雷撃が鳴った。
 四色の鎖が交差した。
「いつまで馬鹿なの!!」
「うるさーーいっ!馬鹿って言う方が馬鹿なんだよ!」
 紅玉の瞳は怒りに満ちていた。アウローラが少しでもステップを間違えれば、あの鎖に四肢が捕まるだろう。
「アウローラちゃんの答えはまだ出てないけど!!」
 鎖がアウローラの体を傷つけた、しかし同時に相手にも同じ傷が生まれる。同じ攻撃、同じ痛みを分かち合いながら、それでも互いに溶け合わないのはスタンスが反転してしまったからであろう。
 でも、それでも。
「それでも、アウローラちゃんにはやりたい事いっぱいあるの!」
 それでもアウローラは笑った。皮肉とか、哀愁とか、そう言う意味の笑みではなく。心の底から両手を伸ばして彼女を受け止めようとするような。
「こんな所で止まってられない!」
 アウローラを取り巻く鎖が、ひび割れて消えた。その刹那、紅玉の彼女はひび割れていく。あなた、どうしたいの。どうなりたいの、その答えは返って来なかったが、アウローラの指先は壊れゆく彼女の頬に届いていた。

●『付与の魔術師』回言 世界(p3p007315)
 まるで此の鏡の内部は、世界を敵に回したいように思えた。
 それがこの鏡の真骨頂なのだろう――入るなり、罵詈雑言にも似たハラスメントが飛んできたが、その言葉は全て、世界の仮面の上を滑っていく。だから何を聞いたか覚えてない、よくない言葉ではあったのだが。
 影は自分ではない。
 自分の姿に似せた、自分とは全く違う存在だ。
 だが憎たらしいくらいに、正解はあててきて。たまに耳に入ってくる単語は、既に世界の頭の中で何度も知らしめられた言葉だった。
 そうさ、自分が今までいた世界にとってどんな影響を与えたというのだ。
 広い世界、広すぎて多層過ぎる世界に、己の存在なんて蟻や虫以下の影響に過ぎないだろうって。
「うるせえな、俺にしては」
 しかし、そんな世界でも、たったひとつ誇らしい出会いがあった。
 僅か数日間を過ごしただけの少女に、懐かれて。貰ったペンダントが世界の首に揺れている。
 ふれあいは瞬く間であったが、それだけでも世界が誰かに必要とされていて、驚くくらいに自分の感情が揺れ動いたのを感じていた。それが、生きていると感じさせてくれる程に。
 故に、世界がどうとか、スケールの大きい話なんてどうでもいい。
 たったひとつ、目の前の命が両手に掬えるのなら。その小さな世界を大事にできるのなら、それでいいのではないだろうか。
 だから、影がいくら何を言おうがもう関係はない。
 いくらでだって、その負の言葉の羅列を吸収して飲みほして溶かしてやろう。
「いくぞ、もうお前の話は飽きた」
 例えどれほど自身に否定されようとも、言葉は一切、世界の心を砕くことはできない。もう一人の自分が笑っていても、もはや世界にとってただの敵であり、それ以上でも以下でもない。
 無意味に、無価値なりに、足掻くことを知った世界と、その影は同じ構えで攻撃を開始する。
 例えその一撃が何度と玉砕しようが、世界は恐れる事なく次の一手を繰り出した。粉砕され、粉砕する。気の遠くなるような時間を重ねた先まで付き合おう、それが、帰るために、己に課された鎖であるのなら。何度だって鎖を引きちぎる。

●『虹を齧って歩こう』ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)
 自分自身と戦う事になるとはね。
 面白くも無いのに、不敵な笑みが零れた。
 客観的に見ても自分のプロポーションにはほれぼれするようだ。
 いつもならデートに誘って、そのまま朝チュンまで持っていきたい所ではあるが、相手が先に臨戦態勢に入ったのだからそうもいかないだろう。
「やるっきゃないか」
『すぐ倒れるのに』
「うお、しゃべるんだ、びっくりした。どうかな、前の私と一緒にしないでよね」
 影なる相手は不機嫌そうに唇を尖らせた。嗚呼、その唇さえ今すぐ奪いたいのだが。
「私は変わった!」
 そう、以前のすぐに倒れてしまうが瞬間火力にものを言わせていた時とは違う。
 変わったのだ、変えたのだ。何より、自分じゃない人の為に。彼女の冒険についていく為なら、短期で死ぬのはいただけない。長く、少しでも命を伸ばして、彼女と一分一秒を共にする為に。
「そういうのが、愛っていうんでしょ」
『随分くだらない存在になったのね』
「わかった」
 お前は私じゃない。
 同時に二人は前へと出た。同じ速さ、同じモーションで、同じ攻撃を選択する。
 幾重にも重なった打撃、火花が散り、刃が擦れ、そして――影は一度間合いを解くように、後退をした。
 しかし、ウィズィは前へと出る。きっと何をやっても同じ行動と不毛な互角が続く。だから、譲れないのは前へと出て、未来(さき)をもぎ取る事。
「――ららあああ!!」
「っ」
 言語にならぬ雄たけびと共に、影を押して押して、推し尽くして――やがて、ウィズィは自身の影の得物を吹き飛ばした。
 両腕に何もなくなったのを影は驚きながら見ていたが、少しして、影は両腕を天高く仰いだ。まるでそれは、受け止めるように。
 その上空には、ウィズィが大上段で得物を構えている。
 燃え盛るような感情によって、一歩も二歩も強くなったら己を誇示するように。
「これが私の! 本質!! 貫け‪──‬私の!! ハーロヴィット!!!」
 恋する乙女はいつだって無敵だ。
 人の恋路を邪魔する奴は、馬の骨に蹴られてーー死んでしまえ。

「ふう」

 ウィズィは、灰が風にさらわれていくように消えていく影を惜しんで見つめていた。
 できれば、スカートの中身をチェックしてから倒すべきだったかと、後悔を挟みながら。

成否

成功

状態異常

なし

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