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シナリオ詳細

BL電波を発信せよ

完了

参加者 : 3 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●腐女子・腐男子の生まれ方を知っているか
 どこかの星から8億1光年に位置する『ク・サレ星』の住人は皆等しく、ボーイズラブ(BL)を愛している。ここでいう、ボーイズラブとは、男と男が愛し合う物語である。バベルは崩壊してないから、みんな早く帰っておいで。
 ク・サレ星の住人達の愛は、絶望の青より広く、影の領域より深い。その余りに余った愛がク・サレ星の住人を進化させ、愛を宇宙の電波に載せることができるようになったのだ。その名もBL電波! BL電波と同調できる脳波の生物にボーイズラブが伝わり、腐女子・腐男子が生まれるのだ! そして、生まれた腐女子・腐男子からも電波が発生するようになり、ク・サレ人は繁殖していくのだ。知らなかったみんなは赤線引いて覚えておこう! 明日テストに出るからね。
 そんなク・サレ星では、今、一大事が起きていた。なんとボーイズラブのシチュエーションが思いつかないのだ! これまで、ク・サレ人は、男同士に飽き足らず、人と動物を掛け算してみたり、無機物と無機物を掛け算してみたり、原子と電子を掛け算してきた。性がなくとも森羅万象全てを男と見做し、掛け算をしてきたというのに、今に至って、歴戦のク・サレ人達の妄想力が枯渇し始めたのだ。このままでは、妄想力で育つク・サレ星の生物が消滅し、ク・サレ星自体も爆発してしまう滅亡の危機! ク・サレ星が滅亡すれば、ボーイズラブという一つの愛の形も滅亡してしまうのだ。

●生きよ、ク・サレ人!
 いつもは明るいジェミニが境界図書館でうな垂れ、落ち込んでいる。貴方達が声をかけると、ジェミニは泣きそうな顔で貴方達に訴えるのだ。
「ボーイズラブの聖地『ク・サレ星』が滅亡の危機にあるの! どうか、助けて! じゃないと、ボーイズラブという一大ジャンルが消えてしまうわ!」
 ここまで一気にまくし立てたジェミニだが、ハッとした顔で赤面して、モジモジしながら、言い訳をする。
「いや、わたしは、ボーイズラブは、司書として! あくまで司書として、読んでるだけであって、凄く好きってわけではないんだけどね!? だけど、この世界からボーイズラブっていう一大ジャンルが消えてしまったら、あなた達が悲しむんじゃないかなーと思って声をかけただけなんだからね! わたしが悲しむわけじゃないんだからね!」
 ジェミニは悲しくなるんだね。それじゃ助けないといけないね。でも、どうしたらいいのかな。
「ク・サレ星に行ってク・サレ人にあなたのボーイズラブの妄想を思いっきり吐き出して! きっと、またク・サレ人は妄想力を取り戻して、BL電波を流してくれるわ。そうすれば、腐女子・腐男子がそれを受信して、新たにBL電波を発信するようになるのよ。……わ、わたしは困らないけど、困る人もいるかもしれないから、お願いしていいかしら」

NMコメント

はじめましての方もそうでない方もどうぞご贔屓に。BL枯渇中のク・サレ人の綴(つづり)です。よろしくお願いします。

●目標『ク・サレ星のク・サレ人に会ってボーイズラブな妄想を思いっきり語ること』
 貴方の妄想力を駆使して、色んなシチュエーションを書いて下さい。 どんな妄想が来ても受け止める度量はあるつもりです。

●世界観
どこかの星から8億1光年に位置する『ク・サレ星』。そのク・サレ星に住むク・サレ人は等しくボーイズラブを愛しております。ですが、今は妄想枯渇状態なので、貴方の妄想を注いであげましょう。

●結果『参加者の妄想したシチュエーションを組み込んだ一つ以上のボーイズラブSSを組み込んだリプレイ』
 受け取ったシチュエーションから、なるべく多くのシチュエーションを組み込んでク・サレ人がボーイズラブSSを1つ以上書きます。ご期待下さい。

以上です。最初なので無難にいこうと思っております。皆様、どうぞお付き合い下さいましたら、嬉しい限りです。
どうか、よろしくお願い致します。

P.S.上手く行ったら百合もやろうかな。

  • BL電波を発信せよ完了
  • NM名
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年10月22日 22時45分
  • 参加人数3/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 3 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(3人)

ノリア・ソーリア(p3p000062)
半透明の人魚
アオ(p3p007136)
忘却の彼方
ライカ・フロップニク(p3p007623)
なりそこない

リプレイ

●ボーイズラブという広い海
 妄想が枯渇したク・サレ星。そこに辿り着いた『半透明の人魚』ノリア・ソーリア(p3p000062)、『忘却の彼方』アオ(p3p007136)、『なりそこない』ライカ・フロップニク(p3p007623)を待っていたのは、枯れ果てたク・サレ人達だった。
「ビーーエーールーー!」
「デーーンーーパーー!」
 やってきたイレギュラーズにク・サレ人の素養を見出し、さぁ早くBL電波を寄越せと言わんばかりに大挙してくるク・サレ人達。
 だが、そんな彼らに突きつけられたのは、厳しい現実だった。

「BLってなんですの?」

 ノリアの一言はク・サレ人達を悲しませた。BL普及活動に己の生命を賭けているク・サレ人にとって、それは禁句であった。
「えっ、キミ知らないで、ここにきたんだ?」
「犬(わたし)は知ってますよ。生物学的に言えばオスとオスの恋です。ホモセクシャルとも言います。最近ではオブジェクトセクシャルも組み込まれつつある、一大ジャンルです」
 アオは驚き、ライカは早口で解説する。ライカの解説にク・サレ人達はコクコクと首を縦に振る。
「オブジェクトということはモノの恋も大丈夫ですの? わたし、恋してますの。恋人の柔らかなお腹に」
 ク・サレ人は声を揃えて抗議する。
「「ノーーマーールーー!」」
「確かにここまでは普通の恋ですの。わたしが考えたのは、『男の子×ふっくらやわらかまくら』ですの!」
そのとき、ノリアからBL電波が発信された。ク・サレ人達はそれを余さずキャッチし、妄想を膨らませ、BL電波を発信する!

 ——

 ————

 ——もし愛してもらえるなら愛して欲しい。
 ——だけど、側にいてくれるなら、それだけでいい。

 ある男の子の部屋には、大きくて柔らかな羽毛枕がある。枕は出会った時からずっと男の子に恋をしている。
 誰に知られなくてもいい。ただ、男の子の健やかな夜を守ることができるのなら、それだけでいい。
 今日も男の子は汗だくの泥だらけで家に帰ってきたらしく、お母さんに怒られている。やんちゃな子なのだ。枕は夜になるのを、ただひたすらに待つ。
 ——待望の夜だ。男の子は頭を枕へとダイブさせる。疲れ果てて、ずっしりとした感触が枕に伝わる。
 それをなるべく柔らかくキャッチする。枕にできる窪みが男の子の頭をしっかりと支える。
 枕にとって、一番男の子に意識されていると感じる貴重な一瞬だ。枕の身体は喜びに打ち震え、乾ききった身体が一気に疼き出す。
 光もなく、男の子とただ二人きりの空間。ただひたすらに愛おしい男の子を支えるだけの時間。それがどれほど枕にとって幸せなことか。
 枕にとって、男の子のサラサラで清潔な香りの髪が己の身体の上にあると思うと、髪の香りを思う存分、この身に移したくなる。枕にとって、男の子のほんの些細な動きさえ、全て受け止めたくなるほどに、愛らしい。枕にとって、男の子の衣擦れの音や寝言がどれほど心を癒すか。
 男の子が寝返りをうつ。それを柔らかく受け止めながらも、枕は男の子の大きな動きに翻弄される。心は波打ち、身体はドクンドクンと大きく脈打つ。
 
 ——夜のしじまに、決して叶わぬ片想い。
 ——叶わぬことを知ろうとも、決して止まらぬ片想い。

 ————

 ——

「「スーーテーーキーー!」」
 ク・サレ人達もこれには大満足だ。
「ク・サレ人の方々に分かってもらえて嬉しいですの!」
「ティーンに恋するオブジェクトもなかなかいいものです」
「これは一種の主従関係だよね」
 アオの碧い目がキラリと光る。

●ギャップ萌えという深い穴
 アオの表情が乏しくなり、一気呵成に言葉を連ねていく。
「僕が最も好きな設定は年の差と身分差と主従関係——年上部下×年下上司とか、年下上司×年上部下とか、タメでも主従とか。年上受けなら甘やかされるのが苦手なタイプで、年下受けならツンデレが正義」
「「ワーーカーールーー!!」」
「アオさんは夢中になると無表情になるタイプみたいですの」
「犬もマシンガントークには自信があるつもりでしたけれど、これはかなりの速さです」
 ク・サレ人達のテンションがアゲアゲになっていくなか、アオの豹変に驚くノリアとライカ。
「全てを語るには時間が足りないから、今回は同年主従でマフィアのボス×右腕にしよう」
 その時アオからBL電波が迸った。ク・サレ人は思う存分、アオの妄想を受け止め、発信する。

 ——

 ————

 ——レオ、アンタが女を選ぶまでの遊びでいいんだ。それまではオレと遊んでくれよ、後生だからさ……。
 今日もマフィアのボスであるレオとその右腕のディーは平和な日常を過ごしていた。それもこれもレオの絶大なカリスマと、ハニートラッパーのディーの裏の活躍あってこそだ。
 ディーが珈琲を淹れる。豆を焙煎するところからだ。
 レオはディーの入れる珈琲しか飲まない。ディーも毎朝の日課になっていた。
「はいよ、今日の珈琲」
 ディーは珈琲をレオの仕事机に置く。レオは書類に目を通しながら、珈琲に口をつける。香ばしい香りが事務所に広がる。
「ん……」
 レオが何も言わないということは、美味いということだ。ディーは心の中でガッツポーズをする。
「なぁ、そんな書類よりオレと遊びに行こうぜ」
 ディーはレオの肩を抱く。
「そんなこと無理なのは分かってるだろう」
 レオはディーの腕を振り払う。うず高く積もった書類の山が遊ぶ暇を与えてくれないことなどディーだって知っている。だが、その中に紛れ込ませた報告書を読まれたくないのだ。女を口説いて夜の褥の中で敵のマフィアの秘密を聞き出したなんて。仕事とはいえ、やはり後ろ暗い。
「そんなの中身なんて読まないで、適当にサインしちまえばいいだろ」
「そうはいくか」
 そうこう言っている間に書類の山は手早く片付けられ、ディーの報告書が頂上に上がってきた。
「ディー、お前の報告書か。……ほう、やるじゃないか。こんな情報、どうやって入手したんだ」
 レオの眼光が鋭くディーを突き刺す。
「……上手く敵を口車にのせたんだよ。それだけ! 本当にそれだけだよ」
「お前の嘘ぐらい、俺に見抜けないと思ったか」
 そういうとディーの顎を掴み、噛み付くようにキスをする。
「女の唇なんて忘れさせてやる。ディー、お前は俺のことだけを考えてればいいんだ」
 ——何があろうと、ディー、お前の人生は一生俺のものだ。

 ————

 ——

「「モーーエーールーー!」」
 大分妄想力が戻ってきたク・サレ人達は、アオの連れてきた猫16匹と跳ねて喜びを表す。
「普段翻弄する側が逆転する瞬間が最高だね」
「右腕の方の乙女心は分かる気がしますの」
「バディものによくある恋愛を超えた友情、ブロマンスやホモソーシャル的関係も犬は大好きですね。その場合は中年にさしかかろうというおじ様同士がいいです」

●青い夏という原点回帰
「ですが、犬はですね、ボーイズラブを名乗るからには、やはりティーンズ同士のラブが醍醐味だと思うのですけれど! 如何でしょうか」
「「イーーイーーネーー!」」
「若い方の恋は青春そのものですの」
「学年差故の葛藤もいいかもしれない」
 ライカはその反応に気分を良くし、マシンガントークが加速していく。
「大人にもなりきれず子供でもいられないモラトリアム。世間体は若い欲望の前では用をなさず、衝動のまま求め合うんですよね。いいですよね。あ、えっちなやつ、というか性愛を抜きにしたものもBL足りうるかという議論は今回は脇に置きましょう。……はぁ、少年同士という原点こそ頂点。変に凝るよりリアリティあるフィクションが最っ高ですよぅ」
 そのとき、ライカからBL電波が発信される。跳ねていたク・サレ人達は更に高く跳ねながら、ライカの電波を受信し、BL電波を発した。

 ——

 ————

 部活の帰り道、いつも一緒に帰るレイ。今日こそレイに告白する!
 男が好きなんて変かもしれないし、気の迷いかもしれないけど、それでも俺はレイが好きなんだ。レイの白い肌、薄い唇を見てるとキスしたくなるくらいには。
 とはいえ、いきなり告白する勇気なんてない。
「あのさ、……レイは男同士の恋とか、どう思う?」
「……オレは本人同士がいいなら、いいんじゃないかと思うけど。突然そんな質問して、カイはどうしたんだ……?」
 レイが俺の目を伺うように見つめてくる。嗚呼なんて綺麗な目なんだ。大好きだ。心の底から湧き上がる感情に任せ、つい告白していまう。
「もしさ、俺がレイのことが好きだって言ったら、……どうする?」
「オレも……カイが好きだって答える……」
 レイも俺が好き? レイを見れば、白い肌を赤く染めて、目はせわしなく動き回っている。俺も伝染したように頬が熱くなる。聞き間違いじゃないよな。頬を両手で叩く。痛い。夢じゃない
! レイも俺のことを好きなんだ!
 頬を叩く俺を見て、レイがプッと吹き出す。そしてレイの手が俺の手を掠める。
「……こういう時、手繋ぐんだろ」
「……おぅ」
 俺の手は逡巡して、何度か指先を掠めて、漸くしっかりと握る。自然と顔がニヤける。レイの顔も綺麗な笑顔だ。
 二人ともそのまま帰る気にはなれなくて、誰もいない河川敷へと降りる。
 レイが俺のモノって証が欲しい。手を握るより、もっと強い繋がりが欲しい。ジッとレイの綺麗な目を見つめてしまう。レイも俺の視線に気がついて、赤くなりながらも見つめ返してくれる。
 ゆっくり近づいて、そっと触れるだけの口づけ。それだけじゃ物足りなくて、歯をぶつけながらも、深い口づけをいつまでも求め続けるのだった。

 ————

 ——

「「ゲンーーテーーンーー!」」
「最高です!」
「いいかもね」
「BLに目覚めるかも? ですの」

 ク・サレ人達の妄想はこれからも溢れ続け、BL電波をより伝搬させるだろう。こうして、ボーイズラブはイレギュラーズにより救われたのだ。

成否

成功

状態異常

なし

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