PandoraPartyProject

シナリオ詳細

魔法使いのお茶会

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●お茶会への招待状
 穏やかな木漏れ日。心地良い風。森の入り口にぽつんと建つ一軒の家。
 日の当たる場所に置かれたテーブルと椅子は素朴だが、しっかりと使い込まれていて触れれば滑らかな手触りだ。
 その椅子に一人の青年が座っている。
 だがその前に置かれているのはティーセットと空のお皿。
「やぁ、通りすがりさん。良かったらお茶に付き合ってくれないかな?」
 青年が指を動かせばティーカップとティーポットが浮かび、紅茶が注がれる。目の前で使われた魔法に驚いていると、目の前に紅茶の入ったティーカップ。
 紅茶の香りがふわりと広がった。


●求む茶菓子!
「紅茶に合うお菓子を作ろうと思ったんだ……」
 紅茶の注がれたティーカップを両手に、魔法使いと名乗った青年が呟く。
 聞けばこの時期美味しい果物が森の奥に実るので、取りに行こうとしたらしい。だがその途中に魔物が住み着き、果物を取りに行けなくなってしまったようだ。
「一年に一度の楽しみが……」
「だからって大怪我前提で取りに行こうとしないでください」
 テーブルに突っ伏し嘆く魔法使いに、家から出てきた少年がため息交じりに呟く。
「済みません。先生は紅茶と茶菓子が好きなんです。特に旬の果物を使った物が大好きで……」
「一年にこの時期だけなんだよ!? 食べたいじゃないか!」
 がばっ! と顔を上げる魔法使いに、少年が冷ややかな眼差しを向ける。
「だからって無茶すんなってんだろうが。突っ走ったアンタを連れ戻すの誰だと思ってんだ」
「済みません……」
 小さくなって謝る魔法使いを見て、少年が頭を下げる。
「申し訳ありませんが、もしお時間がありましたら魔物を倒して頂けないでしょうか? 果物を持って来て下さればそれを使って美味しいお菓子を作りますので、美味しい紅茶と美味しいお菓子でお茶会は如何でしょう」

NMコメント

 ライトノベルでは初めまして。NMのゆーきです。
 早速ですが、ほんわかファンタジーな世界でお茶会を楽しみましょう!

●成功条件
・魔物の討伐
・果物の採取

●森の中
 そこそこ広い日当たりの良い森です。
 小川も流れていて魔物さえいなければピクニックにも良さそう。
 目的の果物は森の奥にありますが、途中にもちらほら。

●魔物
 額に角の生えたウサギ。もっふり。
 突進して角を突き刺す攻撃しかしませんが、突進速度は結構早いです。
 森の奥にある木の実が好物。無理やり取ろうとすると攻撃してきます。

●果物
 色々。お好みの果物を取って来てください。
 食べたい茶菓子があれば、リクエストすれば魔法使いと少年が大体の物は作ってくれます。無茶ぶりするとチャレンジメニューになるかも?

●魔法使いと少年
 森の入り口に住む紅茶好きの魔法使いとその弟子。
 皆さんの帰りを待っています。

 格好良く魔物を倒すも良し! お茶会の為に果物収穫に精を出すも良し! お茶会で紅茶と茶菓子を楽しむも良しなので、のんびりした世界で楽しんで頂けたら幸いです。

  • 魔法使いのお茶会完了
  • NM名ゆーき
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年10月19日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

リゲル=アークライト(p3p000442)
白獅子剛剣
羽瀬川 瑠璃(p3p000833)
勿忘草に想いを託して
村昌 美弥妃(p3p005148)
不運な幸運
エル・ウッドランド(p3p006713)
閃きの料理人

リプレイ

●探し物はお決まりですか?
「紅茶に美味しい果実のお菓子とは贅沢デスねぇー♪」
 ご機嫌な様子で森の中を進んでいくのは『不運な幸運』村昌 美弥妃(p3p005148)。
「分かります! お茶会なんて優雅な事は余りないので楽しみです!」
 『イカダ漂流チート第二の刺客』エル・ウッドランド(p3p006713)が美味しいお菓子と紅茶の事を考え力強く同意する。
「魔法使いさんの出してくれた紅茶はアッサムでしたが、紅茶にもまず種類があります。私はダージリンオータムナルとの組み合わせで考えてみようと思います」
 紅茶と言えば。とお茶会で使う紅茶のことを考え始めたのは『勿忘草に想いを託して』羽瀬川 瑠璃(p3p000833)。
「瑠璃さん紅茶に詳しいんですね!」
「い、いえ。ただ好きなだけで詳しいわけでは……!」
 エルの言葉に慌てて手を振る瑠璃だが、エルは期待に満ちた眼差しで瑠璃を見ている。
「私フルーツサンドをリクエストしようと思っているのですけど、どんな果物が合うと思います? それからフルーツサンドに合う紅茶ってありますか?」
「フルーツサンドですか……?」
 ぱっと思いつかずに言葉に詰まる瑠璃に、美弥妃が声をかける。
「今の時期ならイチジクに葡萄、ベリー系なんかが良いと思いマスよぉ?」
 美弥妃がそのまま生クリームと一緒に食べて美味しい物を上げると、エルは探すものが多くて見つかるかな。と眉根を寄せた。そんなエルに助け舟を出したのは『死力の聖剣』リゲル=アークライト(p3p000442)だ。
「それなら俺は葡萄を中心に探すつもりだったので、葡萄が見つかったら多めに採っておきますね」
「ワタシはベリー系をいろいろ探してみマスぅ。手分けして色々探すと良さそうデスねぇ。瑠璃さんは何を探すつもりデスかぁ?」
「私は林檎を探すつもりです。後、紅茶はダージリンオータムナルがお勧めです。秋摘みのダージリンで、ダージリンは程よい渋みと爽やかさが売りなんですよ。そんなダージリンには、アップルパイなんていかがでしょう?」
 焼きたてのあつあつアップルパイとふわりと広がるダージリンを想像すると頬が緩む。
 他にもタルトにゼリー、シャーベット、ジャムと、思い思いのお菓子や加工方法を上げて行く。
 お茶会のお茶菓子は、テーブルいっぱい並びそうだ。

●もっふもふと遭遇です
 魔法使いに貸して貰った籠にラズベリーとブルーベリーを摘んでいく。
 手分けして収穫すればあっという間に籠はいっぱい。
 先に見つけた葡萄やマスカット、イチジクも合わせれば、お菓子だけでなくジャムも出来そうだ。
「動物達が食べる分も必要デスしぃ、これぐらいにしておきマスぅ。後はこの時期ならではの変わったベリーありませんかぁ?」
 『植物疎通』で木々に声をかけると、囁くように促す声が聞こえる。
「何か変わった物があるのかい?」
「みたいデスぅ」
 何があるか楽しみデスねぇ。と笑う美弥妃を先頭に、見つけたのは低い位置にクランベリー。
「酸っぱい!」
 一つ口にしたエルは、その酸味に涙目になった。鮮やかな赤に甘そうに見えるクランベリーだが、生で食べると甘味より酸味が目立つ。
「ジャムにすると甘酸っぱくて美味しいデスよぉ」
 せっせとクランベリーを集めていると、今度高い場所に鮮やかな赤。
「林檎発見です」
 瑠璃が嬉しそうに小走りで近づくと、木の下にふわふわとした毛玉が見えた。
「皆さん、うさぎさんです……!」
 白や茶色やまだら模様のふわふわのウサギ。だけどその額には当たると痛そうな角が生えている。
 ウサギたちは低い位置に生っている林檎目がけてジャンプをしたり、木に体当たりしたりして林檎を落とそうと頑張っている。
「何ですかあれ……! もっふもふです……!」
「あのふわふわを倒すのデスか……?」
 届きそうで届かない。短い前足を必死にふる姿にエルと美弥妃は戦う前から戦闘不能になりかけている。
「まずは餌で釣れないか試してみよう! 俺はとびっきり甘いニンジンを用意しておいたんだ!」
 そう言ってリゲルはスイートキャロルを取り出す。
「うさぎさんたち、林檎が好きみたいですね。私、刺激しないように上から採ってきます」
 瑠璃は翼を広げ、ウサギたちを刺激しないように上の方にある林檎を取りに行った。
 ウサギたちはすぐに瑠璃に気付いて攻撃しようするが、なにせ瑠璃がいるのは木の上。低い位置にある林檎を取ろうと必死になっていたウサギたちが届くはずもない。
 警戒音を出して威嚇するウサギたちに、屈んで出来るだけウサギと視線を合わせたリゲルがスイートキャロルを差し出す。
「こういう人参、食べたことはあるかい? 林檎とはまた違った甘さだよ」
 ウサギたちは突然現れたリゲルたちにも警戒し、今にも突進出来る体勢になる。
 持っていては近寄ってこないかと、一本置いて距離を置くと、近寄ってこないリゲルたちにうさぎたちは警戒したまま人参に近寄った。
 ふんすふんすと匂いを嗅いで、好奇心旺盛な一匹が噛り付く。
 一瞬驚いたように動きが止まった後、ぽりぽりもぐもぐ。それを見て、他のウサギたちも人参に近寄った。
 ウサギは合計13羽。一本の人参を分け合うには数が多すぎる。
 もうないのかとばかりにじっと見られて、リゲルは人参を取り出しながら今だとウサギたちに頼む。
「林檎が欲しいんだけど、見逃してくれないかな……?」
 林檎と聞いて突進態勢になるウサギたちだが、その視線はちらちらと人参を見ている。
「先ほどから見ていたら林檎、届かないんですよね? 代わりに採るので少し分けて貰えませんか?」
 明確に言葉を理解しているのかはわからないが、リゲルとエルの言葉にウサギたちは鼻で突き合う。
「まずはウサギさんたちに渡した方が良さそうデスねぇ」
「瑠璃さーん!」
 ウサギたちのやりとりにほっこりしながら木の上で林檎を採っている瑠璃に声をかけると、瑠璃は食べごろの林檎を持って降りてきた。
「その林檎、ウサギたちにあげて良いですか?」
「え? はい」
 差し出された手に林檎を乗せると、ウサギたちが林檎目当てにエルの足元に集まってくる。
「待ってください。今渡しますから」
 四等分にして置くとウサギたちは林檎に集まり、もっとよこせとばかりにエルや瑠璃に頭突きをしてくる。とはいえ突進していないのでちょっと角が当たって痛い程度だ。
「君はスイートキャロルが気に入ったのかい?」
 リゲルの足元に行って、人参をよこせと頭突きをするウサギもいる。
 中々個性的なようだ。
「ふわふわデスぅ」
 林檎に夢中になっているウサギをそっと撫でれば、その毛並みはふわふわ。
「私、もっと採ってきますね」
「お願いします」
 空になった籠を持って木の上に行けば、食べ頃の林檎がまだいっぱい。
 籠に林檎を入れていると、ふと期待に満ちた目で見上げて来るウサギたちと目が合った。
 あの様子では籠いっぱいにしてもあっという間になくなりそうだ。

●お茶会を楽しもう!
 つやつやとした葡萄にマスカット、色鮮やかなイチジク、籠いっぱいのベリー類に真っ赤な林檎。
 旬の果物に目を輝かる魔法使いだが、中々家から出てこようとしない。それと言うのも――。
「まさか魔物を連れ帰って来るとは思いませんでした」
 テーブルの周辺には13羽のウサギ。
 そう、イレギュラーズは魔物であるウサギを連れ帰っていたのだ。
「済みません。可愛くてつい……!」
 満腹になるまで林檎を食べ、大人しくしているうさぎは可愛い。エルをはじめ女性陣は抱き上げてそのもふもふを堪能している。
「いえ……。林檎をあげたら大人しくなるなら、今度から対応出来そうです。有難うございます」
 ぺこりと頭を下げる少年に、ウサギたちを連れてきたエルがほっと肩の力を抜く。
「それでは、お約束通りお茶会の準備をしますので、準備が出来るまでゆっくりしてください」
「少しだけ待っててねー」
 魔法使いの言葉通り、20分もしないうちにお茶会の用意が整った。
 旬の果物たっぷりタルトに巨峰とシャインマスカットを使った二層のゼリー。焼きたて熱々のアップルパイに甘く煮たベリー掛けのアイスと葡萄のシャーベット。
 イチジクのショートケーキにカスタードとイチジクをたっぷり乗せたプチシュー。ふわふわのパンに生クリームと果物を挟んだフルーツサンド!
「紅茶を淹れるのは任せて下さい」
 ただでさえ美味しいオータムナルを、瑠璃がとびっきり美味しく淹れて見せれば魔法使いが目を輝かせる。
「ん~堪能デスぅ♪」
 お茶会はゆったり優雅に過ごしたいけど、美味しい紅茶とお菓子の前では優雅よりも美味しいが優先。
「このフルーツサンド、バランスが絶品です……! 紅茶との相性も抜群です!」
 美弥妃もエルも、美味しい紅茶とお菓子に大満足だ。
「アップルパイも凄く美味しいです。オータムナルとよく合いますね」
「タルトも甘味と酸味のバランスが良いな。ポテトに良い土産話が出来たな」
 美味しい紅茶とテーブルいっぱいのお菓子を堪能する瑠璃とリゲルの目の前では、魔法使いが恐る恐るウサギたちにリンゴを差し出している。
 魔法使いたちとウサギたちは、うまく共存して行けるかもしれない。

「今日は本当にありがとうございました」
「みんなのお陰で美味しいお菓子いっぱい食べられたよー。ありがとー」
 ぺこりと頭を下げる少年と、にこにこと笑う魔法使い。それから二人の足元に集まるウサギたち。
「こちらこそ楽しい時間を有難うございました。そう言えば、今更ですがお二人の名前を伺って宜しいでしょうか? 俺はリゲル=アークライトです」
「あぁ、そう言えば名乗っていなかったね。僕は森の魔法使いシルバ。この子は弟子のフェリクス。君たちにまた会える日を楽しみにしているよ」
 二人と13羽に見送られ、イレギュラーズは楽しいお茶会の思い出を胸に帰路についた。

成否

成功

状態異常

なし

PAGETOPPAGEBOTTOM